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野崎まいり

野崎まいり

祭り写真館 今年の様子をご覧いただけます。

6/10公開!

野崎観音 慈眼寺(じげんじ)は大阪と奈良を仕切る生駒山北嶺から大阪平野を眺めおろしています。はるか彼方に梅田や天王寺の高層ビルが望まれ、手前は凪いだ海のように人家がびっしり。慈眼寺は「のざきまいり」で有名な古刹。「野崎」の地名は古代このあたりが海に面していた地域だったことを語るもの。それは「平野」の「野」と、「御崎」が交わっていた場所なのです。寺の開基は天平勝宝年間(749~757)に大仏開眼のためにインドからやってきた僧正の婆羅門(ばらもん)が“野崎の地は釈迦がはじめて仏法を説いたインドのハラナに似ている”と語ったため、それに感動した行基が白檀で十一面観音像を彫って慈眼寺に安置したことに始まるとされます。さらに、藤原時代(894~1185)に淀川右岸に住む江口の君が難病を観音様に治してもらったお礼にお寺を再興。永仁年間(1293~1298)には入蓮僧正が寺を修復するも、永禄の乱(1569)で消失し、観音像だけが残ります。そこで元和2年(1616)に青厳和尚がこれを復興し、元禄宝永(1688~1710)の頃にとくに大坂商人の間で「のざきまいり」が盛んになり、現在に至っています。それは有縁、無縁すべてのものに感謝の読経を奉げる壮大で骨太な仏事で、多くの参拝者を集めています。

令和元年5月6日、JR学研都市線の野崎駅に降りたてば、飯盛山に向けてまっすぐな野崎参道が伸び、その左右には露店がびっしり。その数およそ200(公称)。これが名物野崎の露店。ここの露店は寺の脇にある石造九重層塔のそばでおでんを売っていたのが起源とされるもの。善男善女おお賑わいのなか、右や左の1軒1軒を楽しみながら歩けば、手鐘がカランカランと鳴り、粋のいい掛け声が飛び交い、いろんなにおいが鼻をかすめ、なかには生活用品を売っている店も。実はそれが古来の露店の姿で、金魚すくいや焼きそば、ウインナー売りなどは現代の商売なのです。祭りは人を集めます。それを求めて露店が移動します。その後、居住民の増加は露店の定着をうながし、店(たな)を構えるようになります。それが市を生み、市が町を作ったのです。いまでも祭りをマチと読ませる神奈川県の「相模国府祭(さがみこうのまち)」や大分県の賀来神社仲秋祭「賀来の市」などがあるのはそういうことなのです。そこにあったかつてのマチとは、見えない世界の、ある意味霊的な世界をも含んだ概念で、「日限市(ひかぎりいち)」だったのです。

この祭りは元祖地域おこしといえましょう。お染・久松を主人公にした人形浄瑠璃「新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)」、近松門左衛門の「女殺油地獄」や、桂春團治の落語「野崎まいり」、東海林太郎の歌「野崎小唄」など、浪速文芸界を中心に幾多の話題がつくられ、それが多くの参拝者を呼び込んだのです。「新版歌祭文」は油屋の娘お染と、奉公人で野崎村出身の久松の身分違いの恋のはなし。結末は悲しい二人の心中。慈眼寺のすぐ脇にひっそりと立つ「お染・久松の塚」があわれを誘います。こういった身分違いの悲恋の話は岩下俊作の小説・小倉祇園太鼓の「無法松の一生」にも受け継がれてゆく日本人好みの話材。そして、春團治の「野崎まいり」。これは「振り売り喧嘩」といい、寝屋川を舟でお詣りする人と、徒歩で土手をゆく人が楽しい口喧嘩をしつつ進み、言い負かした方に福がくるとされるもの。「悪態祭り」です。さらに近年では昭和26年にキングレコードからリリースされた東海林太郎の歌、「野崎小唄」が。“野崎まいりは屋形舟でまいろ。どこを向いても菜の花盛り”という、あれです。2小節目の2フレーズは“お染久松切ない恋に”で、3小節は“音にきこえた観音ござる”となります。なかなかしっかりと逸話をPRしているではありませんか。 

さらに1週間前から時代は令和。参拝者が拝殿の前に立ち、観音様につながれた紐を手にすれば慈悲を受けられ、想いが届くとされる「御伝心(ごでんしん)(愛称・頼みの綱)」が設けられました。その結縁紐の恩恵を受けようと拝殿の前に善男善女がずらり。新しい時代、世界はお互いが心を通わすことが大切かと。畏るべし「のざきまいり」。慈眼寺の時代先取り力に感服!野崎にあったのは昭和のノスタルジア。新緑したたる飯盛山にはオゾンがいっぱい。スピリチュアル・パワーあふれる慈眼寺。さあ、散歩がてらに観音さんへ。

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