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前橋初市まつり(だるま市)

前橋初市まつり(だるま市)

祭り写真館 今年の様子をご覧いただけます。

2/14公開!

2018年1月8日、第96回全国高校サッカー選手権大会で前橋育英高校が初優勝。
前夜の小雨とはうって変わって、翌9日の空は碧く抜け、はるか赤城山から吹き降ろす風が意外と暖かい今日は祭り日和。自然までもがサッカーの全国制覇を祝っているかのよう。
これは通称「前橋だるま市」という祭りです。
日本大百科全書(ニッポニカ)はダルマについて次のように説明しています。
「生没年不詳。禅宗の開祖。インド名はボーディダルマBoddhi-dharma。詳しくは菩提(ぼだい)達磨であり、達摩とも書く。6世紀の初め、西域(さいいき)より華北に渡来し、洛陽(らくよう)を中心に活動した。唐代中期、円覚大師と諡(おくりな)される。従来、11世紀にまとめられる伝承説話以外に、伝記も思想も不明であったが、20世紀に入って敦煌(とんこう)で発見された語録によって、壁観(へきかん)とよばれる独自の禅法と、弟子たちとの問答が確認され、その実像が明らかとなる。同時代の仏教が煩瑣(はんさ)な哲学体系に傾くなかで、壁が何ものも寄せ付けぬように、本来清浄な自性に目覚め、ずばり成仏せよと説く、平易な口語の宗教運動家であった(後文略)」。"達磨(禅宗の開祖)"
JapanKnowledge「日本大百科全書(ニッポニカ)」

大きなダルマを抱えた人々がそぞろ前橋八幡宮に向かっています。かれらは「古ダルマ納所」に丁寧にダルマを納めます。
境内にはそのなかから選ばれた大小のダルマが山のように積み上げられ、ひときわ目立つ白い大ダルマに書かれた文言は「目指せ甲子園・じぶん史上最高の夏」。それを囲んで、県内各高校野球部の「常盤高校は甲子園に行くぞ!」「球同心・太田東高校」「勇猛邁進・高崎商大附属高校」などの寄せ書きや、はたまた警視庁捜査第一課のダルマ、前橋警察捜査第一課は「破邪顕正」を記し、県知事ダルマ、企業ダルマ、個人ダルマなど、まさにダルマのおしくらまんじゅう。それは不気味な世相に安寧を願う人の想いのおしくらまんじゅうでもあるのです。
なかには片目だけのダルマもあり、願いが叶わなかったのか、寂しそう。

午前10時、神事が終わるや、山本龍前橋市長はじめ有力者たちがダルマの山を取り囲み、手にした棒に神火が点けられ、火を放ちます。その煙を浴びれば無病息災が約束されるとか。めらめら燃えあがるダルマたちを横目に、猿田彦を先頭に神幸が街に繰りだしてゆきました。
街に出ればブラスバンドも加わり、国道50号起点から東にまっすぐ伸びる広いけやき通には無数の露店が並び、もうここは祭り一色。露店ではダルマや縁起ものを売る店が多く、かれらの多くは高崎のだるま市を皮切りに、前橋が終われば伊勢崎から館林に行くといいます。
この時期群馬県一帯では、的を射る「お的行事」や青竹などの筒で粥(かゆ)を炊き、その筒に入った米粒の多少によって豊凶を占う「筒粥神事」など、多くの年占(としうら)がおこなわれます。
また、ダルマを買う際の心得は、値切れば値切るほどたくさんの福がやってくるとか。多くの客が元気に値切り交渉をしています。
焼きそばのソースの匂いがします。ぷらぷら歩いていると酔っ払いさんが声をかけてきました。“偉いさんの運転手も大変だね”と。祭りにはいろんな人が出没します。

元来、祭りと市は切っても切れない関係にあります。市は生活必需品の物々交換の場として出現し、そこでは出品者がお互いに会話をすることがなかったと考えられています。
その後、生産物の多様化、貨幣の誕生、商人の出現もあり、市は人の多く集まる祭礼や歌垣※のときに催されるようになり、大化の改新後、藤原京に東西の市が立ち、平城京から平安京を経て官設の市場が常設されるようになったのです。
また、市はマチの誕生と発達も促しました。祭りを追って移動していた露店は、定住人口の増大により、固定の場所に店(たな)を構えるようになったのです。それが現在の企業の原点とされます。
神奈川県大磯町の「相模国府祭」を「さがみこうのまち」、大分市の「賀来(かく)神社仲秋祭」を「賀来の市(かくのいち)」とよぶのが祭りとマチ、市との関係を現わしている事例です。
その市を守護するのが「市神」です。それは丸い石や石柱として市のおこなわれる場所や辻に祀られ、西日本では恵比寿神、東日本では大国主命などで、境界を護る「サエノカミ(道祖神)」に似た性格ももっています。
古来生糸の集散地だった前橋は交通の要衝で、馬の往来も多く、利根川に架かる橋を「厩橋(まやばし)」といい、それが「前橋」の語源。
午後、天気が一変して冷たい突風が吹いてきました。これが上州のからっ風。木枯し紋次郎の言葉を思い浮かべつつ帰途に。“運転手であろうがなんであろうが、あっしにゃ関わりのねえことで。だだダルマさんよ、その大きな眼でこの世界の悪をしっかり見てやっておくんなせえ”。

※歌垣…記紀万葉の時代に、山、磯(いそ)、市(いち)などに男女が集まって、豊穣(ほうじょう)を祈り、共感呪術(じゅじゅつ)である性の交わり(植物も繁殖に人間と同行為をするという観念から、生産=生殖の信仰)を行った行事。
JapanKnowledge「日本大百科全書(ニッポニカ)」

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