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湯西川湯殿山神社祭礼

湯西川湯殿山神社祭礼

祭り紹介

歴史温泉の守り神を出羽三山から勧請した湯殿山神社

シシゾウ:湯西川地区の湯殿山神社の創建はいつですか

中川さん:湯殿山神社は湯西川地区の総鎮守で、天正年間(1573~1593)、湯西川で温泉が発見されたとき、温泉の守り神として出羽三山に鎮座する湯殿山神社(山形県)の御神霊を勧請して創建されました。例大祭は当初から神仏習合の形をとり、神様の御神霊を遷した神輿が平家落人の菩提寺として知られる慈光寺から湯殿山神社まで渡御します。この神輿行列には、三職(さんしき)と呼ばれる神社の神官と寺院の僧侶、氏子を代表する惣代長が顔を揃え、行人(ぎょうにん)と呼ばれる行者たちが神輿を担ぎます。

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みどころ祭礼に奉仕する行人は2泊3日行屋にこもって精進潔斎

シシゾウ:行人(ぎょうにん)を務めるのはどのような方たちですか?

中川さん:湯西川地区の男性が回り持ちで務めます。昔は年齢制限がありませんでしたが、現在は75歳以下です。毎年、6つの坪(集落)から3人ずつ選出される行人たちは、祭りの3日前、行人顔揃えといって、慈光寺の隣に設けられた行屋(ぎょうや)と呼ばれる小屋に集まり、祭り本番まで精進潔斎のおこもりをします。期間中は、午前7時、午後5時、深夜0時に近くの湯西川で水行を行います。水行に出かけるときはほら貝を吹いて住民たちに行をしていることを伝えます。夏とはいえ湯西川の川水は水温が低く、特に深夜の水行は身を切るような冷たさです。水行後は行屋に戻り、神輿の前で「天つ神(あまつかみ)、国つ神(くにつかみ)、祓いたまえ清めたまえ、湯殿山月山羽黒山、御山(みやま)の大神を護りたまえ」という祝詞を30回唱えます。祭り前日には末社参りといって、白装束を着けてそれぞれの坪に帰り、御札を持って地元にまつられているすべての神社をお参りして回ります。ほかにも神輿の飾りつけなど、やるべきことはたくさんあり、ゆっくり休む暇はありません。三度三度の食事にも決まりはあります。おかずは豆腐半丁と野菜の漬物と決められているため、行屋に入ってまずすることはキュウリとナスの漬け込みです。私が若いころはおこもりの期間は今より長い3泊4日でした。祭り本番に雨が降ると行が足りないと各坪の皆さんからお叱りを受けるので晴れになるように念じながら行に励んだものです。

シシゾウ:神輿渡御のみどころを教えてください。

中川さん:初めてご覧になる方は行列を先導する猿田彦に目を引かれると思います。天狗の面に一本歯の高下駄を履いた猿田彦は道を清めるのが役割で、道の曲がり角や橋の上にさしかかると持っている鉾を十文字に切ります。この所作はお道開きといって、野山の灌木や蔦などを切り開く様子を表しています。
道中、行人が「下におろう、下におろう」と触れ回るところも注目です。これは、行列より高い位置にいたら下に降りてくださいと注意を促しているものです。もしも建物の2階などから行列を眺めている人がいれば、行列は停止し、その人が下に降りるまで動きません。昔は行人が力づくで引きずりおろすこともあったそうです。

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注目ポイント3匹の獅子が物語を紡ぐ奉納獅子舞。氏子は見物しながら御馳走を満喫

シシゾウ:神輿が湯殿山神社についてからのみどころを教えてください。

中川さん:例大祭の神事の後に奉納される獅子舞はぜひご覧いただきたいです。湯西川の獅子舞は、日光市が発祥といわれる文挟流(ふばさみりゅう)獅子舞の流れをくむ一人立ち三匹獅子舞です。日光市内には同じ文挟流の獅子舞がいくつもありますが、それぞれに個性があります。湯西川の獅子舞は、初めてご覧になる人も、舞を見るだけで3匹の獅子の物語が分かるともっぱらの評判です。
登場するのは太夫獅子、雄獅子、雌獅子です。この3匹が誘い合わせてお山のぼりをするのですが、途中、雌獅子を巡って、太夫獅子と雄獅子が競い合い、雌獅子に良いところを見せようと幣束を取ったり、弓をくぐったりします。
みどころは、舞始めは幕の中にいる3匹の獅子の先陣を切って、太夫獅子が飛び出してくる幕出しです。幕から出てきた3匹は三職が座っている場所まで腰を低く落として進みます。街道のぼりといわれる迫力のある場面で、ここもみどころです。全体は初庭と後庭の2部構成で休憩を挟んで約1時間半の舞です。これを湯西川の上(かみ)地区、下(しも)地区がそれぞれ奉納します。境内には地元の人たちが、この日のために前日から用意した山菜料理をはじめとする御馳走を持ち寄って集まり、料理やお酒を楽しみながら約3時間に及ぶ奉納獅子舞を見物します。娯楽の少なかった昔、若い女性たちは着物を何着も用意し、途中、何度も着替えておめかしした姿を披露しました。

シシゾウ:獅子舞の習得は大変ですか

中川さん:獅子舞の舞い手は1週間ほど前から仕事を休んで稽古にかかりきりになります。昔は15歳から42歳までの若衆(わかいし)が獅子舞を舞いましたが、数年前に若衆制度は廃止になり、新たに発足した「獅子を守る会」が担い手になっています。なお、8月14日には慈光寺で、初盆の人と先祖を供養して、回向獅子(えこうしし)が舞われます。この風習にも神仏習合の名残が伺えます。

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ふるさと自慢自然豊かな山の幸を堪能できる山菜料理

シシゾウ:日光市の食の名産品を教えてください。

中川さん:湯西川地区の名物は山菜料理です。そばもおいしくて、山菜そばは絶品です。水がきれいなので湯葉もおいしいと評判です。

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メッセージ約400年の歴史を感じていただける祭りです

中川さん:小さな地域で約400年間、住民たちが一丸となって守り支えてきた祭りです。ぜひ多くの皆さんに私たちの祭りを見に来ていただきたいです。おこもりをして精進潔斎に励む行人たちの真摯な姿、猿田彦が先導する神輿の渡御行列、物語性豊かな文挟流獅子舞などご覧いただければ歴史の重みを感じていただけると思います。

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※祭り紹介者 湯西川惣代会 惣代長 中川 信夫(なかがわ のぶお)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

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