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吉田の市入祭 壇尻子供歌舞伎

吉田の市入祭 壇尻子供歌舞伎

祭り紹介

歴史約340年前のだんじり屋台が現役で運行

シシゾウ:吉田の市入祭は、いつごろ始まりましたか?

原田さん:安芸高田市吉田町は、戦国武将の毛利元就が居城とした郡山城の城下町で、毛利の里として知られています。元就公は郡山山麓に鎮座する清(すが)神社を祈願所として厚く崇敬しました。吉田の市入祭は清神社の大祭で年に一度、神社の御祭神が氏子地区にお渡りする神輿の御幸が行われます。この神輿に供奉するのがだんじり屋台です。江戸時代前期の延宝2年(1674)、地元の豪商が京都の祇園祭の山鉾を見て感動し、帰郷して作らせたのがだんじり屋台の始まりで、最盛期には5台を数えました。明治時代には3台になり、現在は八雲(やぐも)山と千歳(ちとせ)山の2台が伝統を伝えています。吉田町のだんじり屋台は、京都・祇園祭の山鉾のように豪奢な装飾は施されていませんが、建造当時の姿を伝えるという意味で貴重なものです。このだんじり屋台は上が三畳ほどの舞台になり、昔はそこで様々な出し物が演じられたといいます。現在、屋台上で演じられる壇尻子供歌舞伎は明治時代後期に始まったといわれ、吉田の市入祭の名物になっています。今は、吉田子供歌舞伎壇尻屋台保存会(代表久光隆穂)により守り続けられています。

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みどころレパートリーには毛利元就公の
「三矢の訓」にちなんだオリジナル演目も

シシゾウ:祭り当日のスケジュールを教えてください。

原田さん:午前9時30分から清神社で大祭の式典が行われます。それが終わると御祭神を遷した神輿は白丁の装束を着た地元の吉田中学校の1年生に担がれて氏子地区に向けて出発し、約10ヵ所の御旅所に立ち寄りながら町内をくまなく回り、午後4時ごろ、神社に戻ります。神輿のお供をするだんじり屋台も氏子地区を回りながら各所で壇尻子供歌舞伎を上演します。

シシゾウ:壇尻子供歌舞伎について教えてください。

原田さん:役者を務めるのは子ども3人で、開演前の挨拶や上演中の太鼓などを務める口上役が1人つきます。八雲山と千歳山はそれぞれ違う演目を上演するので、8人の演者が必要です。現在は、吉田中学校の2年生から希望者を募って出演してもらっています。昔は役者を集めるのが大変でしたが、最近は希望者が募集人数を上回ることがあります。
歌舞伎指導は40年以上前から岡山県の横仙(よこせん)歌舞伎保存会にお世話になっています。稽古期間は4月中旬から前日までで、役者に選ばれた子どもたちは台詞を覚えることから始め、お師匠さんに立ち稽古をつけてもらいます。

シシゾウ:壇尻子供歌舞伎ではどのような作品が演じられるのですか?

原田さん:『絵本太閤記』、『義経千本桜』『鎌倉三代記』など著名な作品を15分ほどにまとめたダイジェスト版です。唯一、オリジナルなのは『郡山懐古 三矢の訓 清大社 出会いの場(こおりやまかいこ みつやのおしえ すがたいしゃ であいのば)』という作品です。これは、元就公と生き別れになった妹が清神社で再会し、「三矢の訓」通りに兄妹が力を合わせて吉田の町を守ることを誓い合うというストーリーです。

シシゾウ:1日10回も公演されるそうですね。

原田さん:はい。それぞれの屋台が各10回ずつ、合計20回の公演を行います。それでも回数は減ったほうで、10年以上前は12回上演していました。第1回の上演は午前10時ごろ、最終上演は午後4時ごろです。約15分の公演を終えると20〜30分ほどかけて次の公演場所に移動するという形で、上演時には、屋台の前に約2メートル40センチの花道を設置します。この花道は移動時には解体し、だんじり屋台に載せて運びます。

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注目ポイント武者衣装試着体験など城下町ならではの催しも
実施

シシゾウ:壇尻子供歌舞伎のみどころはどこでしょうか?

原田さん:プロの役者には到底及びませんが、子どもたちが慣れない歌舞伎言葉や立ち振る舞いに苦労しながら、ひたむきに芝居に取り組む姿は必見です。回を重ねるごとの成長もみどころで、夕方には朝とは見違えるほどの役者ぶりを見せてくれます。
2台のだんじり屋台は、先番(せんばん)、後番(あとばん)という形で時間差移動しますが、大祭の式典のときと昼の休憩時には2台が並んで待機するので撮影ポイントです。場所は式典時が清神社の鳥居前、昼の休憩時は商店街にある胡子(えびす)神社前です。上演中を撮影するなら、最初の公演場所の清神社がおすすめです。社殿が背景になって写真映えすると思います。

シシゾウ:壇尻子供歌舞伎以外の楽しみ方を教えてください。

原田さん:商店街でフリーマーケットや新鮮野菜市、路上ライブ、お茶席など子どもからお年寄りまで楽しんでいただける催しを行っています。ユニークなのは、武者との記念撮影と武者衣装試着体験です。毛利の里らしい企画を、ということで始めたものです。

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ふるさと自慢伝統のある梨作り。
特産の柚子は加工品のバリエーション豊富

シシゾウ:安芸高田市の食の名産品を教えてください。

原田さん:安芸高田市の特産は梨です。特に二十世紀梨は高田梨のブランド名で知られています。市内には約10ヵ所の梨農園があり、シーズンには梨狩り体験ができます。市内の高宮町川根地区は柚子の産地で、近年は柚子ポン酢や柚子のケーキなど積極的に商品開発もしています。

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メッセージ毛利元就公ゆかりの地の歴史を感じてください

原田さん:私が子どもだったころ、吉田の市入祭といえば界隈で一番大きな祭りで、近郊近在から大勢の人が30分以上かけて歩いて祭りを見に来ました。商店街も現在のようなシャッター街ではなく、人混みで歩けないほどでした。残念ながら現在は往時のにぎわいはなく、氏子町内の高齢化も進んでいますが、数年前に吉田の市入祭実行委員会を立ち上げ、住民の皆で団結して伝統を守り、祭りを盛り立てようと努めています。
吉田の市入祭を見に来られたら、まずは毛利元就ゆかりの清神社と郡山城址を訪れて、毛利の里の歴史を感じていただきたいです。祭りのとき以外で吉田町にお越しになる機会があれば、郡山城址の麓にある安芸高田市歴史民俗博物館に足を向けていただきたいと思います。だんじり屋台の千歳山が常設展示されていて、歌舞伎の衣装をつけたマネキン人形が壇尻子供歌舞伎の様子を再現しているのでぜひご覧ください。

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※祭り紹介者 吉田の市入祭実行委員会 委員長 原田 勇治(はらだ ゆうじ)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

TV番組情報

放送局

ダイドードリンコ日本の祭り

晴れ舞台は檀尻の上
~吉田の市入祭 檀尻子供歌舞伎~(仮)

6/16(日)12:00~12:55
HOME広島ホームテレビにて放送!

戦国大名毛利元就が居城をおいた、広島県安芸高田市吉田町。元就が祈願所とした清(すが)神社の大祭である「市入祭」の一つの目玉が、檀尻子供歌舞伎です。およそ350年前、地元の豪商が京都の山鉾を模して作った檀尻の上で、吉田中学の2年生8人が「義経千本桜」やオリジナル作品の「郡山懐古三矢の訓」などを演じます。日頃歌舞伎に触れる機会のない子供たちですが、伝統を守りたい、演じることを楽しんでみたいという気持ちから役者に立候補、短い期間ですが特訓を経てハレの日の舞台に立ちます。番組では伝統の歌舞伎に挑戦する子供たちと、それを支える人たちに密着し、人々の祭りと郷土への思いをご紹介します。

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制作担当者からのメッセージ

吉田の市入祭は、広島県ではめずらしい御幸の行列と、それに供奉する檀尻の上で演じられる子供歌舞伎で構成されるお祭りです。広島県といえば神楽が盛んな地域として有名ですが、この子ども歌舞伎が長い時を越えて伝えられていることは、私自身、恥ずかしながら知りませんでした。毎年、中学2年生が子供歌舞伎を演じているということは、この祭りで子供歌舞伎を演じられるのは人生で一度きりだということです。この時期にしかできないという、彼らの歌舞伎に向けた想いや、それを見守る大人達の支援や努力も含めて祭りの一部なのです。それぞれの想いを抱えて迎える5月5日の祭り本番。お祭りは、毎年行われていますが、演じる人も違えば演目も違う、唯一無二のお祭りとなるのです。子供歌舞伎の舞台をぜひご覧ください。

ディレクター 尾﨑雄介

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TV番組情報

ダイドードリンコ日本の祭り晴れ舞台は檀尻の上
~吉田の市入祭 檀尻子供歌舞伎~(仮)

6/16(日)12:00~12:55
HOME広島ホームテレビにて放送!

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