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八代青年奉納歌舞伎

八代青年奉納歌舞伎

祭り紹介

歴史芝居好きな氏神様へ捧げる歌舞伎公演

シシゾウ:八代青年奉納歌舞伎は、いつごろ始まりましたか?

水田さん:江戸時代、全国的に歌舞伎が大流行したとき、いの町枝川の八代地区の若者たちが、芝居好きの氏神様のために神前で歌舞伎を上演するようになったのが始まりで、一説には約300年の歴史があるといわれています。
奉納歌舞伎が行われるのは、11月5日の八代八幡宮の秋の神祭(じんさい)です。昔は高知県内の各地で農村歌舞伎が上演され、今もその伝統を継承する団体はありますが、毎年公演を行うのは八代青年奉納歌舞伎だけです。

シシゾウ:奉納歌舞伎が上演される「八代八幡宮の回り舞台」は国の重要有形民俗文化財に指定されているそうですね。

水田さん:八代八幡宮の回り舞台は、氏神様の八幡様にお芝居を見てもらえるように本殿に対面する位置に建っています。元々、神楽を奉納する神楽殿として建てられたもので、創建年代は定かではなく、約150年前に再建されました。皿回し式の回り舞台や花道、中道、スッポンなど江戸時代の素朴な舞台機構を残す、全国でも希少な文化資料といわれています。この舞台が使用されるのは年に一度11月5日の奉納歌舞伎のときだけです。

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みどころ稽古期間は約1ヵ月。小屋掛けも自分たちで行う

シシゾウ:役者を務めるのは八代青年団の団員だそうですね。

水田さん:八代青年団は20代から30代までの有志中心に所属します。私は22歳から舞台に立ち、40歳前に引退しました。ここ数年の団員数は15人前後で推移しています。大半の人は父親や祖父も歌舞伎経験者なので、舞台に立つことへの抵抗感はありません。子役は地区の小学生が務めます。
稽古期間は約2ヵ月です。9月の初めごろに演目と配役を決定し、本番の3週間前に舞台の小屋掛けをします。客席のテントは専門業者にまかせますが、普段は解体されている花道や太夫座などは自分たちで組み立てます。

シシゾウ:歌舞伎の演技指導をする方はいらっしゃるのですか?

水田さん:故人になりますが、「いなきさん」「先生」と私たちが呼んで慕っていた地元の大先輩水田稲吉さんが私たちの芝居の基礎を作ってくださいました。いなきさんは歌舞伎に精通され、ご自身も役者として舞台に立たれていたと聞いています。私は若いころにいなきさんの教えを受けました。今は、いなきさんが指導してくださっていた当時の舞台映像を教科書代わりに、所作や台詞まわしを勉強しています。

シシゾウ:レパートリーはどのくらいありますか?

水田さん:芝居は13演目です。「義経千本桜」「寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)」「太閤記 十段目」「神霊矢口の渡し」「恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい)」など歌舞伎の人気演目が中心です。地区で芸居ができる子どもが多いときに上演する子ども歌舞伎は、顔見世にぴったりな「白浪五人男(しらなみごにんおとこ) 稲瀬川勢揃いの場」を披露します。

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注目ポイント温かい声援とおひねりが舞台に雨あられと
降り注ぐ

シシゾウ:奉納歌舞伎の公演内容を教えてください。

水田さん:最初の演目は「式三番叟(しきさんばそう)」と決まっています。歌舞伎を演じる舞台を清める意味合いを持つ舞踊で、拝殿で神事の祝詞が奏上されるのと同時に演じられます。その後、大黒踊りへと移ります。大黒踊りは青年5人の踊りです。歌舞伎よりも歴史が古いといわれ、由来ははっきりしませんが、神様へ奉納する踊りと言い伝えられています。芝居は、最近は2作品を上演し、幕間には大黒踊りと豊年踊りという地元に伝わる舞踊を上演することが多いです。豊年踊りは、田植え、稲刈り、脱穀、餅つきなど米作りの行程をおもしろおかしくパントマイムで表現した踊りで、最後に用意した餅を客席にまきます。

シシゾウ:特におすすめのみどころはありますか?

水田さん:迫力のある花道での芝居と回り舞台を使ったダイナミックな場面転換です。どの演目でも、必ず1回は花道や回り舞台を使います。回り舞台を回すときは、手の空いた人が床下に入って心棒を押し回すのですが、とても重いので4人がかりでないと動かせません。
回り舞台については面白いエピソードがあります。私が現役だった20年ほど前、稽古風景を取材に来られたテレビ局のカメラの前で、回り舞台を回してみせたところ、役者と一緒に大量の酒瓶が表舞台に出てきて、それがそのまま放映されてしまいました。今は練習後や打ち上げのときしか飲みませんが、昔は皆で楽しくワイワイ飲みながら稽古をしたり、本番の舞台を務めたりしたので、笑える失敗談は数えきれません。
会場のアットホームな雰囲気も楽しんでいただきたいです。八代地区の多くの人が見にくるのですが、舞台に近い桟敷席の大半は地元の人の指定席状態です(笑)。出演者が皆、顔見知りということもあって客席から役者に声援を送ったり、豊作踊りでは踊り手に酒をふるまいにいったり、いい意味でくだけた雰囲気があり、それも昔の農村歌舞伎らしさを伝えているのかなと思います。

シシゾウ:八代青年奉納歌舞伎のおすすめの楽しみ方を教えてください。

水田さん:会場では、青年団の家族が手作りするおでんやお酒を販売しています。地元産を使ったおでんの大根やじゃがいもはサイズが特大で奉納歌舞伎の名物になっています。それを飲み食いしながらご覧いただくのがおすすめです。
会場でお渡しするパンフレットにも記載していますが、楽しい場面や感動した場面に声援や拍手をいただくと大変励みになります。おひねりも大歓迎です。売店の横にはおひねりを包むティッシュを用意しています。地元の人たちは盛大におひねりを投げるので、一緒に投げて一体感を味わってください。

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ふるさと自慢食の逸品でもてなす「きび街道」と
「いの生姜焼き街道」

シシゾウ:いの町の食の名産品を教えてください。

水田さん:いの町の枝川地区はとうもろこしの生産が盛んです。ハウス物が出回り始める5月下旬から露地物が収穫される7月にかけて、高知自動車道いのインターチェンジ近くの町道に生産者が露店を出して、茹でとうもろこしを販売する「きび街道」は季節の風物詩です。とても甘くておいしいので機会があればぜひ召し上がっていただきたいです。
いの町には、「いの生姜焼き街道」もあります。いの町は、生姜生産全国1位の高知県の中でも有数の産地です。地元産生姜をPRするために始まったのが「いの生姜焼き街道」で、生姜を使った料理を提供する地元飲食店のスタンプラリーを実施しています。

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メッセージ1人でも多くの方にご観劇いただきたいです

水田さん:八代青年奉納歌舞伎は、歴史こそ長いですが、地元で細々と続いてきた素朴な農村歌舞伎です。最近、注目していただく機会が増えて面はゆいところもありますが、自分たちが一生懸命取り組んできたことを評価していただけるのはありがたいです。地元以外の方も大歓迎ですので、八代の舞台に足をお運びください。

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※祭り紹介者 元・八代青年団 団長 水田 正孝前(みずた まさたか)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

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