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山代白羽神楽

山代白羽神楽

祭り紹介

歴史出雲と安芸の神楽の流れをくみ、
子ども神楽も活動

シシゾウ:山代白羽神楽は、いつごろ始まりましたか?

巻郷さん:山代白羽神楽は、岩国市美和町の二ツ野(ふたつの)地区に伝承される神楽で、江戸時代に始まったと言い伝えられています。起源に関する資料は残っていませんが、寛政6年(1794)出版の書物に、二ツ野舞子中(ふたつのまいこちゅう)の名で山代白羽神楽が登場します。そのころから現在まで氏神の白羽神社への神楽奉納は一度も途切れることなく行われてきました。
美和町は、山代地域と呼ばれる岩国市北部の山間に位置します。この地域は神楽が盛んで、昔に比べると少なくなりましたが、現在も7つの神楽団が活動をしています。系統的には、出雲(=島根県)の神楽の流れをくむと同時に、安芸(=広島県)の十二神祇(じゅうにじんぎ)神楽の影響も強く受けているといわれています。
現在、山代白羽神楽保存会には、19名の会員がいます。上は70代から下は20代まで年齢層は幅広く、お互いをニックネームで呼び合うなど和気あいあいと活動をしています。

シシゾウ:山代白羽神楽の奉納神楽はいつ行われるのですか?

巻郷さん:白羽神社の奉納神楽が行われるのは9月17日の人丸祭宵祭、11月2日の秋祭夜殿祭(よでんさい)、12月13日の天神祭宵祭の3回です。それ以外にも、他所の神社の奉納神楽やイベントなどでも舞を披露します。

シシゾウ:北中山子ども神楽の歴史は古いのですか?

巻郷さん:昭和59年(1984)に、郷土学習の一環で山代白羽神楽保存会が地元の北中山小学校で指導を行うようになったのが始まりです。私も小学生のときに授業で神楽を習いました。その後、北中山小学校が廃校になったため、北中山子ども神楽として活動を続けています。子ども神楽の人気は高く、今では大人の神楽団よりも出演依頼が多いくらいです。山代白羽神楽の若い団員の多くは子ども神楽の経験者です。

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みどころ半世紀ぶりに復活した勇壮な太刀舞

シシゾウ:山代白羽神楽の演目について教えてください。

巻郷さん:24演目が伝承されていますが、実際に舞えるのは13演目です。そのうちの3演目は長年上演されていませんでしたが、このまま廃れさせてしまってはいけないと一念発起して近年復活させました。

シシゾウ:山代白羽神楽を代表する演目は何ですか?

巻郷さん:夜殿祭など通常の奉納公演で締めの舞として舞われる「八岐乃遠呂智(やまたのおろち)」です。日本神話で有名な八岐乃遠呂智伝説を題材にした狂言能で、見せ場は3体登場する大蛇の遠呂智と須佐之男命(すさのおのみこと)との対決です。演出が派手で、ストーリーも分かりやすいので、神楽が初めての方も楽しんでいただけると思います。
私が個人的に思い入れの深い演目は平成20年に約半世紀ぶりによみがえった「二本刀(にほんぎ)」です。私は復活上演で舞子を務めましたが、舞の経験者は亡くなられていたので見た人の記憶だけを頼りに舞の振りを起こしていくのは大変でした。舞子は3人で、狩衣姿の両手に刀を持ち、勇壮に舞います。約10分間と短い時間ですが、激しく動き続けるので非常に体力のいる舞で、刀を持ったままの前転など曲芸的な要素もあります。現在、私を含め、舞子を務める3人は体操部の出身だったので比較的早くコツを掴むことができましたが、稽古をすれば誰でも簡単に舞えるという演目ではありません。「八岐乃遠呂智」のように派手な演出も衣装もない玄人好みの演目ですが、神楽全般の傾向として刀剣の舞が廃れつつあるので、頑張って次代に伝えていきたいです。

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注目ポイント子ども神楽でも人気。
ユーモアたっぷりの「三鬼」

シシゾウ:北中山子ども神楽の演目にも取り入れられている「三鬼(さんき)」も人気の高い演目だそうですね。

巻郷さん:太夫が鬼に象徴される人の三大欲(=権欲・肉欲・情欲)と戦い、最後には自身の欲望に打ち勝つというストーリーで、山代地方では山代白羽神楽だけが継承している演目です。要所以外は決まった型がなく、大人の神楽と子どもの神楽では演出を変えています。大人の場合は、特に滑稽味を強調しています。神楽全般にいえることですが、特に「三鬼」は、ストーリーを知っていると楽しさが増すと思います。

シシゾウ:そのほかにみどころはありますか?

巻郷さん:神社の特別な祭りにあたる年祭(ねんさい)のときだけ奉納される「天大将軍(てんだいしょうぐん)」は機会があればぜひご覧いただきたいです。白羽神社の9年に一度の年祭のほか、依頼があった神社でも舞います。神社の御祭神の積もり積もったけがれをはらう神事舞で、神棚にまつられた蛇体の注連縄を御神体に見立て、それを天大将軍が神棚から叩き落としてけがれを自身に移し、神社宮司のおはらいを受けます。注連縄は氏子によって神社境内の御神木に巻きつけられます。神がかり的な舞で、天大将軍を務めるのは保存会の重鎮です。

シシゾウ:秋祭夜殿祭の神楽奉納について教えてください。

巻郷さん:白羽神社の神楽殿で午後10時半から午前4時にかけて行われます。奉納上演なので一般の方もご観覧いただけます。時期的に寒いので暖かい格好をしていらしてください。周辺にはお店がないので、食べ物や飲み物は持参されることをおすすめします。

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ふるさと自慢ハレの日のご馳走、岩国寿司

シシゾウ:岩国市の食の名産品を教えてください。

巻郷さん:岩国を代表する郷土料理は岩国寿司です。具材の彩りが華やかな押し寿司で、地元ではお祝いの席に欠かせない一品です。白羽神社の祭礼のときにも岩国寿司を作る家庭は多いです。美和町の特産で有名なのは岸根栗(がんねぐり)です。普通の栗よりも大粒で甘いのが特徴で、最近はお菓子の材料にもよく使われます。

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メッセージ山代白羽神楽ならではの舞子との一体感を味わってください

巻郷さん:江戸時代から続く山代白羽神楽を発展的に継承していくためには、白羽神社の奉納神楽に限らず、いろんな場所に出かけて行って、私たちの舞を多くの方に知っていただくことが重要だと思っています。山代白羽神楽も北中山子ども神楽も、ご覧いただく皆さんにどうすれば喜んでいただけるかということを一生懸命考えて、芸の向上に務めています。これからもいろいろな場所で舞を披露したいと思いますので、足を運んでいただき、舞台との一体感を味わっていただければ嬉しいです。

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※祭り紹介者 山代白羽神楽保存会事務局/北中山子ども神楽 代表 巻郷 満(まきごう みつる)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

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