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矢矧神社春の大祭・にわかと獅子舞

祭り紹介

歴史全国でも数少ないにわか芝居の伝統を受け継ぐ

シシゾウ:矢矧神社春の大祭でにわかと獅子舞が行われるようになったのはいつごろからですか?

菅さん :歴史は古いと思われますが、火災により矢矧神社の昔の文献が焼失しているため、詳しいことは分かりません。古老の話によると、明治40年代には現在の形で獅子舞とにわかが行われていたということなので、少なくとも100年近い伝統はあると思います。

シシゾウ:にわかを伝えるところは全国でも数少ないそうですね。

菅さん :愛媛県内では矢矧神社の祭りが唯一です。矢矧神社の氏子地区にあたる朝倉地区の北部は昔から芝居が盛んで、昭和40年頃は、20年ごとに催行される矢矧神社の式年祭に田舎芝居を奉納していました。現在、田舎芝居は廃れましたが、当時、芝居に関わった人たちが若者ににわかを指導しています。

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みどころ天狗に猿、狐も登場。継ぎ獅子では数十年ぶりに四継ぎが復活

シシゾウ:獅子舞の奉納について教えてください。

菅さん :獅子舞の奉納は、例大祭の神事が終わった午前10時から、社殿前の小さな広場で行われます。獅子舞を演じるのは矢矧獅子保存会の青年部のメンバーです。青年部には、18歳から35歳前後までの約25名が所属しています。
矢矧神社の獅子舞は、雄と雌の夫婦(みょうと)獅子です。獅子頭を1人が使い、油単(ゆたん)と呼ばれる獅子の胴幕に10人ほどが入ります。獅子舞は重労働なので、途中で交代しながら務めます。
演目は、「拝(おが)み出し」「獅子三番叟(ししさんばそう)」「提婆(だいば)」「寝獅子(ねじし)」「猩々(しょうじょう)」「継ぎ獅子」です。
最初に演じられる拝み出しはお祓いの舞で、社殿前で雄と雌の獅子が舞い、その後社殿を1周するなどして場を清めます。獅子三番叟は雄と雌の獅子頭を被った使い手1人の舞で、油単は腰に巻きつけたり、地面にたらしたりします。提婆は主役が天狗です。拝み出し同様にお祓いの舞で、天狗面をつけた舞い手が3メートル四方をグルグル回りながら、手にした御幣や刀で辺りを祓うような所作をします。
寝獅子は獅子1体で演じられます。眠くなった獅子が眠りにつくと、油単の中から猿と狐が現れ、じゃれあったりしながら様々な所作を行い、最後に獅子のノミをとり、獅子が目を覚ますというストーリーです。寝獅子は獅子と猿、狐の息の合ったかけあいがみどころです。他の演目は練習をすれば誰でもそれなりにうまく演じられるのですが、滑稽な演技が求められる寝獅子の猿と狐は難しい役で、上手下手がひと目で分かってしまいます。
猩々は獅子とひょっとこの掛け合いで、ひょっとこは肩車をされて油単に空いている穴から上半身を出し、すりこぎと鉢で味噌をする仕草をし、その味噌をなめたり、獅子にもなめさせたりします。猩々が終わるとにわかをはさんで継ぎ獅子を三継(みつ)ぎ、四継(よつ)ぎの順番で行います。

シシゾウ:継ぎ獅子は、どのような獅子芸ですか?

菅さん :今治地方に伝わる獅子芸で、土台になる人の肩の上に人が立ち、一番上に獅子頭をかぶった獅子児(ししご/ししこ)が立って、様々な芸を演じます。今治市民の祭りとして8月に開催される「おんまく」には市内の各神社の継ぎ獅子が勢ぞろいして競演します。
三継ぎは土台になる大人が3人、四継ぎも土台が3人です。三継ぎは夫婦獅子で演じます。雄獅子の獅子児は勇ましく御幣や刀を振り回したりするほか、2番目の台になる大人のお腹に片足を当て、前傾姿勢でバランスをとる曲芸のような技も披露します。対照的に雌獅子の獅子児は、女性らしい仕草で獅子頭の毛を直したり、鏡を見ながらお化粧をしたりする仕草をします。
四継ぎが披露されるようになったのはごく最近です。矢矧神社では四継ぎが長く途絶えていました。古老の話によると、昔行われていた四継ぎは、全員が肩の上に立つところを、2番目の台になる大人が肩車された四継ぎであったと聞いています。青年部の若者たちが四継ぎに挑戦しようと思ったのは、「おんまく」で他所の四継ぎ獅子や五継ぎ獅子を見て刺激を受けたことが大きかったようです。今治市は造船業が盛んで、身の軽い造船工の方が継ぎ獅子に携わっていることが多いので、そんな方たちに教えを請い、自分たちでもいろいろ研究したそうです。数十年ぶりに祭りで四継ぎが披露されたときは、氏子の皆さんから「おおっ!」という歓声が上がり、拍手喝采でした。私も大変感動しましたが、その一方、世話役として「落ちないか」「怪我をしないか」と心配でドキドキしながら見守っていました。観客の皆さんには獅子舞が披露される広場より1メートルほど低くなっているところからご覧いただくので、より高く見え、ハラハラされるのではないかと思います。

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注目ポイント若者たちの一生懸命な道化ぶりに心和むにわか芝居

シシゾウ:にわかはどのような出し物ですか?

菅さん :役者が2~3人で演じる滑稽味のある寸劇です。矢矧神社にはかつて10ほどの演目があったといわれていますが、現在伝わっているのは現代物の「身代わり地蔵」「医者と坊主」と時代物の「白井権八(しらいごんぱち)」の3つです。いずれも5分程度の長さです。ラストには「オチ」があり、冒頭には落語のマクラのように、そのときそのときの時事ネタが盛り込まれます。
にわかは本来、自分達が台本を作ります。私たちの地区でも昔は新作が盛んに作られていました。昔の農家は雨が降ると仕事にならないので、そんなときに皆で集まって芝居を作っていたようですが、今は皆が忙しくて新しい演目を作れないのが悩みです。
矢矧神社のにわかは、にわか芝居で有名な福岡県の博多仁和加(にわか)や岐阜県の美濃流し仁輪加に比べて、田舎芝居風で笑いの要素が強いところが特色です。例えば、「身代わり地蔵」は、地蔵に扮した男がお参りに来たおじいさんやおばあさんに水をかけられたり、お灸をすえられたりして散々な目にあうというストーリーで、かなりドタバタです。
にわかを演じるのは青年部の若いメンバーです。恥ずかしがり屋でお芝居が苦手な人もいれば、「あの子はうまかった」と伝説的に語り継がれるような人もいて、レベルはまちまちですが全員に共通するのは一生懸命さで、そこが一番のみどころだと思います。
継ぎ獅子の練習は2月から週2回のペースで行いますが、にわかに関しては、練習をしすぎるとかえって本来の良さがなくなってしまうので本番の10日前ごろから始めます。

シシゾウ:そのほか、みどころはありますか?

菅さん :にわかでも獅子が活躍するところです。にわかが始まるとき、最初に登場するのは獅子で、ちょっと芸をしてみせるとすぐに引っ込みます。あとには、油単の下に隠れていたにわかの役者が立っているという寸法です。同様に芝居が終わると、獅子が役者を迎えに出てきて、役者を油単の下に迎え入れ、そのまま一緒に退場します。広場には舞台も幕もないので、油単が幕の代わりを果たすわけです。

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ふるさと自慢今治やきとりの鉄板メニューとせんざんき、来島鯛を使った鯛めし

シシゾウ:今治市の名産品を教えてください。

菅さん :郷土料理でおすすめは、せんざんきと鯛めしです。せんざんきは今治地方で人気の鶏のから揚げです。今治は「今治やきとり」で有名ですが、市内の焼鳥屋さんに行くと、その店ならではの工夫をこらしたせんざんきが食べられます。鯛めしは、鯛の炊き込みご飯です、今治市は瀬戸内海屈指の真鯛の漁場として知られる来島(くるしま)海峡に面し、身の締まった良い鯛が手に入るので、家庭でもよく作られます。
矢矧神社の地元の朝倉地区は農村地帯で米どころです。ブランド米にはなっていませんが、本当に味のいいお米ができ、他所の人が食べるとおいしさに驚かれます。

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メッセージしまなみ海道を望むお社でにわかと獅子舞をお楽しみください

菅さん :矢矧神社春の大祭はゴールデンウィーク期間に開催されます。神社の前からはしまなみ海道の来島大橋も遠望でき、風光明媚です。大勢の方にご覧いただければ、にわかや獅子舞を演じる青年たちも張り合いが出てより一層気合いが入ると思いますので、ぜひお越しください。

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※祭り紹介者 矢矧獅子保存会 会長 菅 忠則(かん ただのり)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

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