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宇美八幡宮 子安大祭

宇美八幡宮 子安大祭

祭り紹介

歴史八幡神ご誕生の社(やしろ)で行われる春の大祭

シシゾウ:宇美八幡宮の子安大祭は、いつごろ始まりましたか?

神武さん:子安大祭は子どもの無事成長を祈願する宇美八幡宮の春の大祭です。隔年で斎行される稚児行列を伴う御神幸は、江戸時代に編纂された『筑前国続風土記(ちくぜんのくにぞくふどき)』に記述があることから少なくとも300年以上の歴史があると考えられています。宇美八幡宮の歴史はそれよりもさらに古く、敏達(びだつ)天皇の時代(572~585)の創建です。「宇美」という社名は、身重の体で新羅に出征された神功皇后が帰国後、この地で第15代應神(おうじん)天皇(八幡神)をご出産されたことに由来し、安産と育児の神様として古くから崇敬されています。余談になりますが、宇美町が隣接する糟屋郡志免町(しめまち)は、宇美八幡宮に張る注連縄(しめなわ)の稲藁を奉納されていたとか、同じく糟屋郡須恵町(すえまち)は宇美八幡宮の神前に供える器(須恵器)を作っていた所があったという昔話が、一説には地名の由来だとも伝えられています。

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みどころ総勢約200名、全長約100メートルの一大行列が巡幸

シシゾウ:子安大祭の主なスケジュールを教えてください。

神武さん:祭りは2日間で主な行事は1日目の御神幸、2日目の宇美神楽奉納です。1日目の御神幸は3基の神輿が稚児行列を伴って約700メートル離れた井野頓宮(いのとんぐう)まで渡御します。

シシゾウ:御神幸の行列はどのような構成ですか?

神武さん:祭神の應神天皇、神功皇后など宇美八幡宮にまつられている五柱の御祭神のお御霊を移した3基の神輿が中心で、それぞれに先払いの獅子頭や馬頭、太刀、榊などのお道具を持つ供奉(ぐぶ)員が付きます。さらに道中、太鼓や笛で囃子を演奏する伶人(れいじん)や稚児行列が加わるので総勢200名以上、全長約100メートルの大行列です。
神輿の担ぎ手は代々、氏子の中で決まった家筋の人が務めてきました。現在はそれ以外の家の人も担ぎますが、担ぎ手の多くはその子孫の方たちです。
笛や太鼓は4つの氏子地区が回り持ちで担当します。私は若いころ、太鼓を叩きました。祭り当番が巡ってくると、その地区で笛や太鼓を受け持つ人たちは1ヵ月以上前から練習を重ねて本番に備えます。

シシゾウ:稚児行列について教えてください。

神武さん:稚児行列は幼児から小学校低学年くらいまでの子どもが対象です。私自身は経験しませんでしたが、子どもや孫は参加しました。例年、参加者は100人前後です。昔は氏子だけでしたが、最近は福岡市など町外からの参加が増えています。参加者には榊の小枝が授与されます。その小枝を家に持ち帰り、神棚に上げると神様のお力がいただけるといわれています。
御神幸と聞くと厳かなイメージがあるかもしれませんが、子どもが主役の子安大祭の御神幸は格式ばったところは皆無で、地域に密着したお宮のお祭りらしいのどかな雰囲気です。稚児行列の子どもたちはそれぞれ思い思いのペースで歩き、ご神職にも話しかけたりするなど天真爛漫です。沿道でご覧になる皆さんもそんな愛らしい子どもたちを笑顔で見守ります。

シシゾウ:神武さんの御神幸にまつわる思い出をお聞かせください。

神武さん:現在、神輿は御神幸の中間部分は担がれないで、車輪付きの山車に載せて曳かれます。そうなったのは道路状況が良くなった50年ほど前からで、それ以前はすべての行程を人が担ぎ、途中、浮殿(うきでん)と呼ばれる場所で休憩しました。浮殿という地名は、湿地だったところにかつて建っていた祠(ほこら)が由来で、昔の文献に記述が残っています。今はこんもりと木が生い茂り、ちょっとした森のようです。

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注目ポイント保育園児が可憐に舞う浦安の舞。里神楽の魅力あふれる宇美神楽

シシゾウ:井野頓宮ではどのようなことが行われますか?

神武さん:頓宮祭が行われ、浦安の舞が奉納されます。浦安の舞を舞うのは、宇美八幡宮保育園に通う女の子4名です。子どもたちに舞を教えるため、保育士の先生方は夏休みに神社庁で行われる祭祀舞講習会に参加し、自ら舞を習得してくるという熱の入れようです。大人が舞うことの多い浦安の舞を保育園児が舞うのは、子どもが主役の子安大祭にふさわしいと感じますし、女の子たちの愛らしい舞姿はこの祭りのみどころのひとつだと思います。

シシゾウ:2日目に奉納される宇美神楽について教えてください。

神武さん:宇美神楽は、宇美八幡宮に伝わる神楽で、秋の放生会(ほうじょうえ)にも奉納されます。起源は江戸時代中期といわれ、専門の神職の方々によって舞が奉納されていましたが明治時代になって神職の神楽演舞が禁止されたことで中断を余儀なくされました。その後、明治34年(1901)に当時の宮司の方が発起人となって復興させ、氏子を座員とする宇美神楽座が結成されました。昭和48年(1973)には糟屋郡で広く舞われていた神楽を伝承する数少ない神楽座ということで福岡県の無形民俗文化財に指定されました。私も若いころの一時期参加していた宇美神楽座は現在、約15名の座員がいます。稽古は年間を通じてお宮で行われ、小学校の地域学習で子どもたちに教えるなど後継者育成にも積極的です。

シシゾウ:宇美神楽の演目を教えてください。

神武さん:宇美神楽は出雲神楽の流れをくんでいて、日本神話に材をとった「天孫降臨」、恵比寿神が登場する「蛭児(ひるこ)の舞」、清めの舞の「榊舞(さかきまい)」、「和幣舞(みてぐらまい)」「五行(ごぎょう)の舞」など演目は多彩です。典型的な里神楽で、いい意味での素朴さが魅力です。

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ふるさと自慢宇美八幡宮の御祈祷米は宇美町の新しい特産品

シシゾウ:宇美町の食の名産品を教えてください。

神武さん:宇美町は米づくりが盛んで、特に宇美八幡宮の氏子地区で山の麓に位置する障子岳(しょうじだけ)地区は良質米の産地として知られています。現在、町をあげて取り組んでいる特産品作りの一環で、宇美町で収穫されたお米を宇美八幡宮の神前にお供えした御祈祷米をブランド化する計画が進んでいます。

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メッセージ「子は宝」を実感させてくれる祭りです

神武さん:子安大祭の主役は子どもです。稚児行列や浦安の舞で活躍する子どもたちが見せるかわいい表情にどうぞ和んでください。「子は宝」という言葉を実感していただけるはずです。できればご覧になるだけでなく、稚児行列などで参加していただくとより一層楽しんでいただけると思います。

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※祭り紹介者 宇美八幡宮 名誉総代 神武 敬祐(こうたけ けいすけ)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

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