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長者・中根十三社祭り

長者・中根十三社祭り

祭り紹介

歴史同日開催の秋祭り。地区を越えての合同祭へ

シシゾウ:長者地区と中根地区の合同祭として開催される長者・中根十三社祭りの起源を教えてください。

三枝さん:長者地区の天神社の秋祭りは9月25日が本祭です。神輿が出て、同じ地区の4つの神社の神輿も天神社に集まります。同日、お隣の中根地区では中根六社祭りが開催されます。旧長者町の長者地区と旧中根村の中根地区は昭和28年(1953)に合併し、その後の旧岬町時代を経て、現在のいすみ市になりました。そんな経緯もあって長者地区から同じ日に祭りをするのなら一緒に催しをやらないかと中根地区に声をかけ、天神社に中根地区の神輿を招待する形で合同祭としての長者・中根十三社祭りが始まりました。13社の内訳は、長者地区の4社と鴨根地区1社、中根六社祭りの6神社、さらに中根六社祭りに加わらない中根地区の2神社です。なお、現在は2つの神社が少子化などの影響で神輿を出せなくなったため11社で行っています。

シシゾウ:中根六社祭りはいつごろ始まりましたか?

小髙さん:中根六社祭りは中根地区の東中滝神社、鶴沼神社、熊野神社、四堰(しぜき)神社、中滝八幡神社の5つの神社の神輿が親神にあたる押日八幡神社に集まり、6社で神事と伝統行事の「堰づつね」、「おおやのへいだ(親の日だ)」、「廻り松」を行います。この祭りの起源は、押日八幡神社の川向こうに鎮座する椎木大宮神社から古い神輿を寄贈された明和年間(1764~1772)といわれています。

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みどころ人間ピラミッドを作り、親神様に感謝を捧げる

シシゾウ:中根六社祭りのみどころを教えてください。

小髙さん:一番のみどころは上総の奇祭といわれる「おおやのへいだ」です。6つの神社の男衆が1組ずつ順番に、円になって肩を組み、3層の人やぐらを作ります。やぐらの最上層に立つ2人は、神輿を寄贈してくれた椎木大宮神社の方角に向いて「おおやのへいだ」と叫んで日の丸のついた扇を仰ぎます。「おおやのへいだ」の語源は諸説がありますが、一番有力な「親の日だ」説によると、「親」は椎木大宮神社を指し、親神として崇拝する椎木大宮神社に籠の餅を買ってお供物として差し上げるという意味ではないかといわれています。

シシゾウ:小髙さんの「おおやのへいだ」にまつわる思い出をお聞かせください。

小髙さん:私は過去に3回、人やぐらの一番上に立ったことがあります。初めて経験したのは小学5年生のときでしたが、3層の人やぐらは思った以上に高くて怖かったことを覚えています。昔は大工さんなど身の軽い職人さんが多かったので5層のやぐらが組まれたこともあったそうです。
人やぐらはぶっつけ本番です。現在は安全第一で、1分程度で上の人は下りますが、私が子どものころはどれだけ長く続けられるかを競う風潮があり、持ちこたえられなくなってやぐらが崩れるところがひとつの醍醐味でした。崩れたときは地響きが起きるほどの勢いで人がドドドドと落ちるのでとても迫力がありました。それでも、上から落ちる人は下で必ず受け止めてもらえるので怪我をすることはまずありません。ちなみに昔からの言い伝えで「おおやのへいだ」を押日八幡神社以外で行うと怪我人が出るとされています。
おおやのへいだの前には、各神社の氏子が円状にひとかたまりになり、祭り唄を歌いながら社殿の周りを2周する「にぎやかし」が行われます。そちらもぜひ注目していただきたいです。

シシゾウ:堰づつねと廻り松はどのような行事ですか?

小髙さん:堰づつねは、押日八幡神社の南側にある山王堰(さんのうぜき)(※堰=ため池)の堰提を6社の神輿が順番に勢いよく駆け抜けます。この行事は堰堤が崩れないように土を踏み固める意味があるといわれています。堰づつねでは、神輿をできるだけ上下動させないのが良い担ぎ方とされています。そういった観点から6社の神輿の駆けるところを見比べていただくとより興味を持ってご覧いただけると思います。
廻り松は、押日八幡神社のすぐそばの丘に生えている一本松の周りを担ぎ手たちが神輿を頭上高く差し上げて回ります。これは、川向こうの椎木大宮神社まで行く代わりに一本松を神社に見立てて、感謝の意を捧げる意味があるといわれています。
すべての行事を終えると、6社の神輿は東中滝神社に移動し、御霊(みたま)抜きの神事をして中根六社祭りは終了です。

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注目ポイント地区を越え、参集した神輿が別れを惜しむ
大別れ式

シシゾウ:長者・中根十三社祭りに先立って行われる長者地区の神輿の祭り唄パレードのみどころを教えてください。

三枝さん:長者地区の4つの神社の神輿と子ども神輿2基が地元の長者小学校のグラウンドに集合した後、天神社までの約1.5キロのコースを長者小学校お祭りクラブの山車に先導され、祭り唄を歌いながら練り歩きます。祭り唄は都々逸(どどいつ)調で、唄い手の唄に合わせて、神輿の担ぎ手たちは歌詞の切れ目に「ヨイヨイ」と賑やかに囃します。長者小学校お祭りクラブは、天神社に伝わる子供囃子を伝承するために誕生したクラブで、クラブ員の児童たちは定期的にお囃子の練習をしています。
私たちの神輿は、東京の神輿などによくある担ぎ棒が井桁に組まれた四点棒ではなく、もり棒と呼ばれる長い担ぎ棒が2本の二点棒で、担ぐときの掛け声は「ヤッサヤッサ」です。歩く神輿というよりも駆ける神輿で、祭り唄パレードで街中を練るときは、もり棒を肩に担いでゆっくり進みますが、天神社に着いて「にぎやかし」の時間になると、もり棒を腕に抱え込んで神社境内を走り回ります。神輿を投げるところも見せ場で、約800キロの神輿をできるだけ高く空中に放り上げます。
天神社でにぎやかしが終わるころ、中根六社祭りを終えた中根地区の神輿が天神社にやってきます。そこから休憩をはさんで、11社の神輿は長者・中根十三社祭りの会場になる天神社の隣の岬運動場に移動します。

シシゾウ:長者・中根十三社祭りのみどころを教えてください。

三枝さん:会場の岬運動場はナイター設備とスタンド席のある総合競技場です。合同祭が始まるころには日が沈み、辺りは暗くなっています。ナイター照明のもと、神社名が書かれた高張提灯と共に各社の神輿は甲子園の入場行進さながらにグラウンドを1周します。続いて1社ずつ、ヤッサヤッサの掛け声をかけながらグラウンドを何往復も駆けたり、神輿を投げ上げたりのパフォーマンスを披露して自分たちの神輿をスタンド席の観客にアピールします。
神輿の担ぎ手は、氏子としてのプライドを強く持っています。特に長者地区は小学校の運動会の地区対抗がほぼ神社単位になっていることもあって競争心が強く、普段は仲がよくても神社の所属を示す色鉢巻を締めた途端、ライバルに変身します。約1時間にわたる合同祭を締めくくるのは大別れ式です。11社の神輿は別れ唄を歌いながら一ヵ所に寄せ集まり、ひしめきあいながら担ぎ手たちは神輿を高々と差し上げます。スタンド席から眺める神輿と担ぎ手たちの大集団は壮観の一言です。その後、神輿は1社ずつ退場し、それぞれの神社に帰ります。

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ふるさと自慢岬梨は甘くて大玉。太巻き寿司は祭りに欠かせない郷土の味

シシゾウ:いすみ市の食の名産品を教えてください。

三枝さん:中根地区で生産される岬梨は大きさと甘さに定評があり、梨ワインなどの加工品も作られています。米も特産でいすみ米といえば千葉の三大米のひとつに数えられています。

小髙さん:房総の伝統郷土料理の太巻き寿司は祭りに欠かせません。各家庭では工夫を凝らした太巻き寿司が作られ、訪ねてきたお客さんに振る舞われます。

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メッセージ祭り好きな若者が増えていて頼もしいです(三枝さん)
皆が参加しやすい祭りを目指して活動中です(小髙さん)

三枝さん:過去には祭りの参加者が減った時期もありましたが、最近は若い世代の参加者が増えていて、他所で暮らしていても地元に帰ってきて神輿を担いでくれる若者も大勢います。長者小学校お祭りクラブの児童たちも天神社のお囃子の伝統をつなごうと元気に活動しています。祭りを楽しみにしてくれている若者たちのためにも祭りの伝統を絶やさないように努めていきたいです。地区外からも見に来ていただければ幸いです。

小髙さん:人口減少や生活様式の多様化で祭りに対する考え方は変わってきているので、慣例にこだわりすぎず、祭りに関心のなかった人たちが興味を持って参加できる祭りにしていきたいと思っています。具体的な取り組みも始まっています。そのひとつが地元の中根小学校でスタートした祭り文化伝承プログラムです。私たち大人が講師になって児童たちに神輿の担ぎ方や祭り唄を指導し、祭り本番には子ども神輿を担いでもらっています。目を輝かせて神輿を担ぐ子どもたちを通してご家族の方にも地域の祭りを再認識していただき、祭りと地域の活性化につなげていきたいです。

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※祭り紹介者 長者地区:天神社 元・氏子総代長 三枝 信夫(さえぐさ のぶお)さん、中根地区:押日八幡神社 氏子総代長 小髙 政喜(おだか まさき)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

TV番組情報

放送局

ダイドードリンコ日本の祭り

長者・中根十三社祭り(仮)

10/26(土)19:00〜19:55
CTCチバテレにて放送!

今回の舞台は、千葉県いすみ市岬町。長者地区5社、中根地区8社の合同で執り行われる秋祭りである。1950年代初頭に合併するまで、長者地区と中根地区では別々の祭りが行われていた。中でも300年の歴史を持つ中根地区の祭りには極めて特異な行事がある。押日八幡神社で行われる「おおやのへいだ」である。3段の人間魯の一番上に立つ若衆が扇を振りながら「おおやのへいだ」と声を上げる。「おおやのへいだ」とは「親の日だ」という意味だと言われている。そしてこの「おおやのへいだ」の行事を盛り上げるため、長らく途絶えていた神社でのお囃子を25年ぶりに復活させようと立ち上がった、60代から70代の「8人の侍たち」。番組では、「おおやのへいだ」の盛り上げに奔走する人々を追い、地区の伝統文化を後世に伝えていく取り組みに密着する。

番組の放送局サイトへ

制作担当者からのメッセージ

千葉県の南東部に位置するいすみ市岬町。今回ご紹介する「長者・中根の十三社祭り」は、岬町の長者地区5社と中根地区8社が合同で執り行う秋祭りです。その中で、上総の奇祭と呼ばれているのが中根地区の「おおやのへいだ」という行事で、3段の人間魯が組まれ、最上段の若衆が扇を振りながら「おおやのへいだ(親の日だ)」と叫ぶというものです。番組では、祭りに情熱を傾けるある農家の夫婦と、25年ぶりに演じられるお囃子に取り組む人々に焦点を当て、祭りがこの地域で果たす役割に迫ります。

ちばテレビメディアネット 担当部長
大畑 肇

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TV番組情報

ダイドードリンコ日本の祭り長者・中根十三社祭り(仮)

10/26(土)19:00〜19:55
CTCチバテレにて放送!

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