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遠山の霜月祭

遠山の霜月祭

祭り紹介

歴史神様王国・遠山郷を象徴する一大神事

シシゾウ:遠山の霜月祭の起源について教えてください。

鎌倉さん:遠山の霜月祭は長野県南部の遠山郷と呼ばれる和田地区、上村(かみむら)地区の9つの神社で12月上旬に行われる湯立て神事です。起源は平安時代の後期とも鎌倉時代ともいわれていますが、はっきりしたことは分かりません。伊勢神楽の流れをくむ湯立て神楽の古い形態に、幕府にお家とりつぶしの憂き目にあった、かつての遠山郷の領主、遠山氏の鎮魂儀礼の要素が加わって現在の祭りの形になったとされています。
湯立て神楽は年の暮れに全国から八百万(やおよろず)の神様をお迎えして神聖なお湯を差し上げ、一年間で弱まった力を回復していただくとともに、氏子も神聖なお湯をいただいて新しい年を迎える活力をいただく神事です。祭りの後半では、氏子たちは地元の神社に奉納された神様の面(おもて)をつけて舞い踊ります。主な流れはどの神社もほぼ共通していますが、湯立て用の湯を沸かす竃(かまど)の有無や湯釜の数、舞の内容、囃子の楽器編成、使用する神様の面の数などが異なります。

シシゾウ:なぜ、遠山郷では湯立て神楽が盛んなのでしょうか?

鎌倉さん:傾斜の急な山間部の遠山郷に暮らす先人たちは昔から厳しい自然と向き合って暮らしてきました。そんな環境の中で育まれた神様への真摯な思いが霜月祭という形に結実し、現在まで受け継がれているのだと思います。
遠山郷は祭りと神社の数が多く、祠や石碑など神様に関連のある史跡があちらこちらに点在します。そんな地域の財産を生かそうと「遠山郷・神様王国」と銘打って神様ゆかりの地を巡るウォーキングコースが整備されています。

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みどころ伝統の作法を守り、水の神様と火の神様の力をいただく

シシゾウ:和田諏訪神社の霜月祭の主な流れを教えてください。

鎌倉さん:霜月祭の湯立ては水の神様からいただいた神聖な水を神聖な火で沸かし、八百万の神様に献上するという趣旨です。水汲みは当日の朝行います。昔からの作法にのっとり、神社関係者や保存会の会員が5人または7人という奇数の人数で諏訪神社の近くを流れる八重河内(やえがわち)川で新鮮な水を柄杓で汲み上げます。湯立てに先立っては、八百万の神様をお迎えする神楽歌や、湯を沸かす炉の四隅を力強く踏みしめる「踏みならしの舞」など祭場となる湯殿を清める儀式が行われます。
和田諏訪神社の湯立ては、「一の湯」「二の湯」「鎮めの湯」の3回行われます。神様の名前が唱えられ、湯木(ゆぼく)と呼ばれる木の棒の先端が煮えたぎった釜の湯に浸されます。湯の上に神様が宿るとされ、これで神様へ湯を献上したことになります。湯立てが終わると面の行事に移ります。

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注目ポイント水の王をはじめ集落の神様が次々登場

シシゾウ:面の行事について教えてください。

鎌倉さん:和田諏訪神社に登場する神様の面は41あります。水干の湯衣(ゆごろも)を着た保存会や氏子の人たちが面をつけて順々に登場し、湯釜の周囲を六方(ろっぽう)といわれる大股の独特の歩き方で3回り半し、それぞれの所作を披露します。
最初に登場するのは、天狗面の「水の王」です。41の面の中で一番重要な神様で、煮えたぎる釜の湯を鎮め、素手で湯を参拝者に浴びせかけます。神聖な湯をいただくと、1年の積もり積もったけがれが払われ、新しい年を健やかに迎えられるとされるので、熱くても参拝者の皆さんは喜んで湯にかかります。
次に出てくるのは火の王で、水の王が鎮めた火を再びおこします。続いて、諏訪神社の御祭神の建御名方命(たてみなかたのみこと)をはじめ近隣の神社にまつられる神様や遠山氏ゆかりの面が登場します。最後に登場するのは猿の面です。「災いが去る(サル)」にかけて縁起の良い神様といわれ、41の面の中で最も舞うのが難しいとされる猿舞を披露します。大勢の神様が登場するので面の行事は約3時間かかる長丁場です。

シシゾウ:鎌倉さんは以前、水の王の役をお務めになっていらっしゃったということですが、素手で湯をかけるのは熱くありませんか。

鎌倉さん:熱いです(笑)。湯を鎮める文言があるのでそれを唱えて精神統一をして臨みます。湯に手を入れるときに指を開くなど火傷をしないコツはありますが、それでも水ぶくれはできます。

シシゾウ:一般の参拝客も面をつけることができるそうですね。

鎌倉さん:面の数が多く、保存会の会員だけでは面のかぶり手が不足するので、所作の難しい水の王、火の王、猿など重要な役を除いた面を一般参拝客の男性の方にもつけていただいています。

シシゾウ:霜月祭を見学する際のアドバイスはありますか。

鎌倉さん:霜月祭は、例年12月1日から15日までの約2週間の間に9つの神社で開催されます。和田諏訪神社の開催日は13日と決まっていますが最近は土日開催の神社が増えています。事前に遠山郷観光協会に問い合わせればスケジュールなど見学に関するアドバイスを受けられますし、希望すれば宿の手配などの便宜も図ってもらえるはずです。
霜月祭は開催されるのが12月で、深夜や明け方までかかる祭りということで、他所から来られる方には中々敷居が高い祭りです。そこで、より多くの方に霜月祭を知っていただくために、ダイジェスト版という形で湯立てや面の舞など祭りのさわりの部分を1時間ほどにまとめて披露するイベントを温泉施設「かぐらの湯」で年に1、2回実施しています。これをご覧になって興味を持たれたら、ぜひ本番の祭りを見に来ていただきたいと思います。

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ふるさと自慢標高400~1000メートルで栽培される無農薬の
赤石銘茶

シシゾウ:飯田市遠山郷の食の名産品を教えてください。

鎌倉さん:昔はこんにゃくやシイタケの生産が盛んでしたが、今はお茶の生産に力を入れ、赤石銘茶というブランド名で売り出しています。標高1000メートルという高地で害虫がつきにくいという地の利を生かし、無農薬栽培にこだわった身体に優しいお茶です。

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メッセージ新年が良い年になるように祈願しに
いらしてください

鎌倉さん:長い歴史を持ち、遠山郷の祭りを代表する霜月祭は、後世に受け継いでいかなければならない伝統文化です。若い人たちに祭りについて学んでもらうことで、将来、地元を出たとしても霜月祭のときには戻ってきて祭りを盛り立ててくれることを願っています。
時代は変わっても遠山郷の人たちの神様に対する思いは変わりません。参拝に来られる方は、新しい年が良い年になるように願いを込めて祭りに参加していただきたいと思います。

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※祭り紹介者 和田諏訪神社霜月祭保存会 会長 鎌倉 直衛(かまくら なおえ)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

TV番組情報

放送局

ダイドードリンコスペシャル

寒い!眠い!煙い!でも神々しい
~遠山の霜月祭~(仮)

12/23(日)15:00〜15:54
SBC信越放送にて放送!

長野県の南端、深い谷あいの地「遠山郷」。800年もの間、脈々と受け継がれてきたのが「遠山の霜月祭」です。寒さが厳しさを増す12月(旧暦11月)、各集落の神社では、夜を徹して禰宜と氏子衆による湯立て神事が行われます。さむい・ねむい・けむいことから、“3むい祭”とも呼ばれる祭りは、夜が深まるにつれて熱気を帯びます。天狗などの面をつけ、神々に扮した人々が登場し、素手で煮えたぎる湯をはねかける「湯切り」が始まると祭りは最高潮に達します。一年の邪悪を払い、新しい魂をもらって新年を迎える祭り…実は今、担い手不足から存続が危ぶまれています。ある集落はわずか14戸で、住民の平均年齢も70歳以上になります。それでも、伝統ある祭りを未来へつなぎたいと取り組む人々。その思いに迫ります。

番組の放送局サイトへ

制作担当者からのメッセージ

「12月が近づくにつれ、熱いものが込み上げてくる」。
取材中、ある男性が話してくれた言葉です。遠山郷に暮らす人の体と記憶に受け継がれてきた「霜月祭」…しかし今、過疎化・高齢化の波が忍び寄っています。存続か。または休止か。伝統ある祭りの未来に思いを巡らす地域の人の姿を追うともに人々が輝く瞬間を逃すことなく伝えていきたいと考えています。

ディレクター コンテンツビジョン
制作本部 中原峻

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TV番組情報

ダイドードリンコスペシャル寒い!眠い!煙い!
でも神々しい
~遠山の霜月祭~(仮)

12/23(日)15:00〜15:54
SBC信越放送にて放送!

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