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たてもん祭り

たてもん祭り

祭り紹介

歴史約300年の伝統。平成28年にはユネスコ無形文化遺産に登録

シシゾウ:たてもん祭りは、いつごろ始まりましたか?

海苔さん:文献などの資料は残っていませんが、約300年以上前に、漁業関係者の方たちが大漁と海上安全を祈願して始めたと言い伝えられています。
本来の祭礼日は9月17日・18日・19日ですが、台風シーズンであることを考慮し、1ヵ月前倒しされ、さらに漁期の関係などで8月7日・8日に開催されるようになりました。現在は、より多くの人が参加できるようにするため、8月の第1金・土に、魚津市の祭典、「じゃんとこい魚津まつり」のメイン行事として開催されます。なお、諏訪神社の例祭は本来の日程で開催され、神輿渡御などの神事が行われます。
平成9年には「魚津のタテモン行事」として国の重要無形民俗文化財に指定され、平成28年には全国33件の「山・鉾・屋台行事」のひとつとしてユネスコ無形文化遺産に登録されました。

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みどころ全国でも珍しい、車輪のない曳山

シシゾウ:たてもんは何基ありますか?

海苔さん:最盛期には9基ありましたが、自然消滅していったものもあり、現在は、戦後に誕生した新興町の港町のものも含めて7基が出ます。私は本職が大工で、現役のたてもんのうち、4基は私が製作しました。市内のありそドームに展示されている小型たてもんも私が手がけました。

シシゾウ:たてもんの特徴を教えてください。

海苔さん:たてもんは高さ約16メートルの大柱に60~90張の提灯を船の三角帆のように吊り下げた総重量約4トンの曳山です。最大の特徴はそり台で、たてもん祭りと一緒にユネスコ無形文化遺産に登録された山・鉾・屋台の祭りの中で唯一、車輪がありません。これは昔、石混じりの砂浜を曳き廻されていたことによるものです。そりの部分はケヤキ材が使われますが、舗装路になってからは木が削れてしまうため、当初は鉄板を巻いていました。それでも1年に4ミリは摩耗してしまったため、現在は鉄板よりも頑丈な鋼材を接地面に取り付けています。
たてもんに飾り付ける提灯の絵柄は、花や魚など町ごとに異なります。柱の先端には、八角行燈とヤナギと呼ばれる8本のしだれ柳状の飾りがつけられます。近年はヤナギにLEDの小型電球をつけ、より華やかに見えるようにしています。
背の高いたてもんは倒れやすいため、控え縄と呼ばれる柱にとりつけた6~8本の縄を八方に引っ張ってバランスをとります。昔、たてもんの通り道は、平屋が密集し、道幅も狭かったので、控え縄を持つ男衆は屋根に上がって移動しました。

シシゾウ:たてもんの形は何を表しているのですか?

海苔さん:一見すると船形に見えますが、神前に供物を捧げ奉る三方(さんぼう)を表現しています。三方に載せた供物に相当するのは提灯です。氏子各町は、私たちはこれだけたくさんの供物を持ってきましたということを神前でアピールするため、宮入りすると、たてもんを回転させ、表と裏を神様にご覧いただきます。

シシゾウ:祭りのスケジュールを教えてください。

海苔さん:たてもんは夜の行事です。両日とも午後8時過ぎ、諏訪神社に宮入りするために氏子各町から提灯に灯を灯したたてもんが笛と太鼓のお囃子にのって曳き出されます。宮入りの順番はくじびきで決められ、1基ずつ境内に入って回転奉納を行い、その後、ご祈祷を受けます。宮入りのとき、住民数が多い港町だけは、たてもんを担いで勇ましく境内に入っていくので注目です。なお、港町は、組み立てた大柱をそり台に立てるのも昔ながらの人力で行います。そのほかの町内はレッカー車を利用します。

シシゾウ:回転奉納で決まりごとはありますか?

海苔さん:本来は2回転ですが、近年は3~4回転する町内が多く、昔はしなかった逆回転もします。回転させるときは、控え縄を握る若者たちが旋回スピードに合わせて宙を飛ぶように走り、迫力満点です。
たてもんを回すとき、一番怖いのは転倒事故です。私は総責任者なので、回転奉納のときはたてもんの上だけを見ています。大柱の先端の八角行燈が楕円を描いたら回転軸がずれて倒れるおそれがあるので、すぐに止めさせます。

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注目ポイントボランティアも集結。曳き手になって祭りをサポートする「たてもん協力隊」

シシゾウ:氏子町外の人も、たてもんを曳くことができるそうですね。

海苔さん:そり台で重量のあるたてもんを曳き廻すには相当な力がいり、1基につき最低でも50人の人手が必要です。現在、諏訪神社の氏子地区は過疎化と少子化により、昔は約600戸あった氏子世帯が300戸近くまで減ってしまっています。私が所属する諏訪町2区は世帯数が十数戸しかありません。そのため、数年前からたてもん協力隊という形で、曳き手のボランティアを広く募集していて、毎年、学生さんなど200人前後の方が参加されます。リピーターの方も多く、最近は外国人も増えています。

シシゾウ:海苔さんがたてもん祭りで特に印象に残っている出来事はありますか?

海苔さん:私は生粋の祭りバカで、初めて祭りに参加した5歳から今まで60年以上たてもんに携わってきました。祭り本番だけでなく、国内外のイベントに招待されたときも、私はほとんど同行し、運行のサポートをしてきました。外部のイベントで一番思い出深いのは平成13年から3年連続で出演したハワイの「ホノルルフェスティバル」です。たてもんの大柱を立てるレッカー車のオペレーターが現地の人で、英語が不得手な私は紙に図を書いてコミュニケーションをしたのもいい思い出です。
平成24年には、魚津市制施行60周年の記念に、魚津たてもん保存会が加盟している全国山・鉾・屋台保存連合会の総会が魚津市に招致されました。その歓迎行事として海の駅「蜃気楼」の広場にたてもん3基を曳き出し、同時に回転させました。これはたてもんの長い歴史で初の試みでした。

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ふるさと自慢潮の香りたっぷりの「魚津のバイ飯」

シシゾウ:魚津市の食の名産品を教えてください。

海苔さん:魚津市は食べ物がおいしいところで、エビやカニなど海の幸も豊富です。10年ほど前から魚津の新名物として魚津漁業協同組合が売り出しているのはバイ飯です。地元の海で獲れるバイ貝の炊き込みご飯で、市内の飲食店でもメニューに取り入れられています。

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メッセージ夢はたてもんの常設展示館

海苔さん:LEDの装飾など時代とともに変化している部分はありますが、本来の神事としての意義を大切にして、次の世代に継承していきたいと思っています。今、一番望んでいるのは、たてもんのミュージアムです。ミニサイズのたてもんを常設展示する施設は市内に数ヵ所ありますが。実寸のたてもんをまとまった形で展示し、回転するところも見せられるような施設が理想です。魚津市内には、たてもん以外にも、海の駅「蜃気楼」や米騒動発祥の地、魚津水族館などみどころがありますので、お越しになったらぜひ市内を巡っていただきたいです。

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※祭り紹介者 魚津たてもん保存会 会長 海苔 洋二(のり ようじ)さん にお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

TV番組情報

放送局

ダイドードリンコ日本の祭り

たてもん(仮)

8/31(土)13:00〜13:55
TUTチューリップテレビにて放送!

帆を張った巨大な船のような山車が華麗に旋回する「たてもん祭り」。高さ16メートル、重さ5トンにのぼる山車「たてもん」には、車輪がない。全国でも珍らしいそり状の山車で、動かすためには約100人の力が必要だ。「せーのこいっ」「ヤー」威勢のいい掛け声とともに、人力だけで滑り出す「たてもん」は圧巻の迫力。かつて漁業で繁栄を極めた漁師町の活気と心意気を今に伝えている。しかし、少子化と過疎化はこの町にも。巨大な山車を動かす祭りを守るのは年々難しくなっている。番組では、祭りと地域を支えるため町外から通う青年団長や中学生たちを追いかけながら、世代を超えて受け継がれていく祭りへの情熱と、魚津の夏の夜の熱気を伝える。

番組の放送局サイトへ

制作担当者からのメッセージ

「たてもん祭り」がハワイに招待されて以来16年ぶりの取材。ホノルルの大通りで見た「たてもん」も感動的でしたが、潮風、鳴り響く笛太鼓…、やっぱりゾクゾクする地元の熱気には敵いません。久しぶりに取材をすると、担い手不足は深刻化していて「祭りを守っていきたい」という地域の思いが一層強く伝わってきました。「来年の夏は魚津へ」と思ってもらえるように、祭り人たちの熱気と思いを番組に凝縮させたいと思います。

報道制作局 副部長 小澤真実

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TV番組情報

ダイドードリンコ日本の祭りたてもん(仮)

8/31(土)13:00〜13:55
TUTチューリップテレビにて放送!

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