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丹波山村 祇園祭 ささら獅子舞

祭り紹介

祭り写真館

8/9
公開

歴史昭和54年に山梨県の無形民俗文化財に指定

シシゾウ:丹波山村祇園祭のささら獅子舞は、いつごろ始まりましたか

青柳さん:ささら獅子舞が丹波山村に伝わった正確な年は分かりませんが、寛文元年(1661)から宝暦8年(1758)の間に伝わったといわれています。伝えたのは、沢井村(現在の東京都青梅市)の福島新左ヱ門(しんざえもん)という人物です。丹波山村の名主の家に婿入りした新左ヱ門は丹波山村に獅子舞がなかったため、出身地に伝わる三匹獅子舞を村の若い衆に教えたということです。その後、丹波山村では獅子舞が年々盛大に行われるようになりました。一方、沢井村では獅子舞が廃れてしまいます。そこで後年、丹波山村に昔伝えた獅子舞を教えてほしいと沢井村の人が教わりにきました。それが宝暦8年(1758)で、その翌年、教えた御礼に書き写すことを許された沢井村所蔵の獅子舞の秘伝書の写本が残っています。
昭和54年(1979)、山梨県の無形民俗文化財に指定されたのをきっかけに、後継者育成の機運が高まり、小学校や中学校の授業で丹波山村文化財保存会による獅子舞の指導が本格的に始まりました。

シシゾウ:獅子舞の担い手はどういう方たちですか?

青柳さん:現在、獅子舞に奉仕するのは丹波山村文化財保存会の獅子舞部で、約30名が所属しています。保存会が組織された昭和40年代以前は、青年団などの若者たちが獅子舞衆のような形で獅子舞の担い手になっていたようです。獅子舞部の年齢層は幅広く下は高校生から上は70代までです。正式な会員ではありませんが小中学生もメンバーにいて、比較的若い人が多いのが特徴です。ちなみに私の祖父と父も獅子舞経験者で、弟も獅子舞部のメンバーです。

シシゾウ:ささら獅子舞と祇園祭の関係を教えてください。

青柳さん:7月中旬に丹波山村内の各神社で催される祇園祭の中心行事がささら獅子舞です。基本的にそれ以外の祭りで踊られることはありません。祇園祭では各神社の氏子さんたちが神主さんを招いて、五穀豊穣や無病息災、家内安全などを祈願する神事を行います。同様に獅子舞部も氏子さんに招待され、御祭神に舞を奉納します。獅子舞部が招かれた神社に赴くときはその地区の入り口から獅子役は獅子頭をかぶり、囃子方が演奏する笛や太鼓に合わせて行列を作り、神社に練り込みます。すると待っていた氏子さんたちが「よく来てくださいました」と出迎えてくれます。一般的に神社の祭典に奉納される獅子舞はそこの氏子さんが中心になりますが、丹波山村の獅子舞は獅子舞衆のような専門的な組織で、複数の氏子さんのもとへ行くところが特徴的だと思います。

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みどころ平成に入って長く廃れていた4演目を復活

シシゾウ:ささら獅子舞の踊りの特徴を教えてください。

青柳さん:丹波山村のささら獅子舞は奥多摩地方に広く伝わる三匹獅子舞の流れをくんでいます。踊り手は一人立ちの獅子3頭と竹でできた楽器の「ささら」を持つ花笠4人、白刃(しらは)と呼ばれる太刀使い2人に笛、太鼓のお囃子がつきます。
演目はすべて「かかり」「荒狂(あらぐる)い」「引き矢」の三部構成になっています。丹波山村の獅子は邪悪なものを祓い清める存在です。その獅子よりも強いのがささらを手にした花笠です。最初の「かかり」のパートでは、獅子3頭は基本的に花笠4人が作る四方の囲みの中にいます。獅子は花笠が奏でるささらの音が苦手で、あたかも結界がはられたかのように囲みの外に出ることができません。次の「荒狂い」では、獅子は囲いの中からどうにか出ようとして飛んだり跳ねたりして暴れ回ります。時間にすると10分程度ですが、その間、休むことなく激しく動き回るので一番のみどころといえます。最後の「引き矢」になると、花笠は囲みを解いて一列に並び、獅子が花笠にひれ伏します。引き矢という名称は、弓を引く格好のように大きく背をそらす独特の所作があることに由来しています。荒狂いとは対照的に、ゆっくりした動きで同じ所作を何度も繰り返します。
荒狂いと引き矢は全演目共通です。パートとパートの間には歌が入って場面変わりします。1演目に要する時間は25分前後です。一番暑い時期なので、1曲踊ると立ち上がれなくなるくらい体力を消耗します。

シシゾウ:演目はいくつありますか?

青柳さん:元々の演目は12でしたが、現在はそのうちの7つをレパートリーにしています。演目が減ったのは明治中期に丹波焼けと呼ばれる村の大半が焼失する大火があったためで、明治17年(1884)から20年間、獅子舞の奉納が中断しました。明治38年(1905)に復活したときに奉納されたのは「幣がかり」「帯がかり」「白刃」の3曲でした。ところが踊りは以前のものとはかなり違っていたようです。そのことを裏づけるのが、沢井の獅子舞との違いです。沢井の獅子舞をはじめ奥多摩地方の三匹獅子舞は獅子役が腹に太鼓をつけますが、丹波山の獅子舞は太鼓をつけず、バチだけを手にして踊ります。お囃子の曲も沢井の獅子舞にはない旋律があり、復活させるときにかなり手が加えられたようです。その後、保存会では、平成20年(2008)に「笹がかり」「花がかり」「雌獅子隠し」、翌年に「竿がかり」を復活させました。復活した演目はどれもお囃子をかつて聞いたことのある人が曲を覚えていたことがポイントでした。踊りの所作は奥多摩地方の三匹獅子舞などを参考にしました。

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注目ポイント獅子と太刀使いが対決する「白刃」は迫力満点

シシゾウ:ささら獅子舞を奉納するスケジュールを教えてください。

青柳さん:1日目は飛竜権現(ひりゅうごんげん)からスタートし、川上神社、大六天神社(だいろくてんじんじゃ)、子(ね)の神社、熊野神社の5つの神社を回ります。2日目はしまい獅子といい、飛竜権現と熊野神社で踊ります。
飛竜権現は、丹波山村に獅子舞を伝えた名主の家からほど近い標高2000m超の飛竜山の山頂にまつられています。昔は名主の家の庭で奉納していましたが、現在は少し場所を移動しています。最後に踊る熊野神社は村で一番人口の多い中心地に鎮座する神社です。昔は回る順番を年ごとに変えていたようですが、現在は固定しています。
演目は、1日目の飛竜権現の「幣がかり」、熊野神社の「白刃」、2日目の飛竜権現の「幣がかり」と熊野神社の「帯がかり」は固定です。そのほかの神社では、できるだけいろんな演目を氏子さんに見ていただけるように、「笹がかり」「雌獅子がくし」「花がかり」「竿がかり」をローテーションしています。

シシゾウ:おすすめの演目はありますか?

青柳さん:どこか1ヵ所でご覧になるなら、1日目の最後の熊野神社の「白刃」をおすすめします。「白刃」は獅子、花笠に白刃2人も加わります。白刃は獅子と対決し、邪を切り払う刀で暴れる獅子を鎮めるというストーリーです。7つの演目の中で一番長い約45分間の踊りで動きも激しいので、毎年、獅子舞部の中で一番踊りの上手な3人が踊ることになっています。そういった意味でもみごたえがあると思います。

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ふるさと自慢村で守り続けてきた希少な在来種じゃがいも

シシゾウ:丹波山村のおすすめの名産品を教えてください。

青柳さん:最近、丹波山村特産として人気が高いのは原木まいたけとじゃがいもです。原木まいたけは、祇園祭が終わり、9月下旬~10月上旬に出荷の最盛期を迎えます。じゃがいもは丹波山村に昔から伝わる在来種で落合いも(赤いも)とつやいもの2種類があります。

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メッセージ「何のために舞うのか」を考えながら継承に取り組んでいます

青柳さん:小さな村の本当に小さな祭りですが、これからもずっと受け継いでいきたいという気持ちを持って皆で継承に努めています。なぜ獅子舞をするのかというと、直接には神様に喜んでいただくためですが、突き詰めると村の繁栄のため、村の人たちの幸せのためです。その思いを受け継ぐことこそが伝統だと思います。保存会で子どもたちに獅子舞を教えるときにも「何のために舞うのかを考えながら踊りなさい」という話を常日頃からしています。教えた子どもたちが成長して獅子舞部に入ってくれたらこれほど嬉しいことはありません。

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※祭り紹介者 丹波山村文化財保存会 会長 青柳 和樹(あおやぎ かずき)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

TV番組情報

TABAYAMA CATV

YBS 山梨放送

ダイドードリンコスペシャル

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~丹波山村 祇園祭 ささら獅子舞~

8/13(日)12:00〜12:55 YBS 山梨放送にて放送!
8/13(日)19:00〜19:55 TABAYAMA CATVにて放送!

山梨県丹波山村。そこは、東京都と隣接する山間に位置し、人口600人ほどの小さな村です。ここに熱い魂が受け継がれています。江戸時代にはじまったとされる「ささら獅子舞」。一年に一度、五穀豊穣・無病息災を祈り、獅子の舞いを神に奉納します。村を出た若者もこの日だけは帰ってきます。この祭りは村の絆そのもの。注目はその獅子の激しい動き。2日間行われる獅子舞。中には45分間舞い続ける演目があります。その舞をするのは村で一番の踊り上手。長時間の舞いは過酷を極めます。ほとばしる汗に子どもからお年寄りまで思わず歓声を上げます。踊り手はこの舞を後世につなげることに熱い思いがあります。それは同時に丹波山村の未来でもあります。祭りにかける若者たちの強い決意を追います。

番組の放送局サイトへ(YBS 山梨放送局) 番組の放送局サイトへ(TABAYAMA CATV)

制作担当者からのメッセージ

取材を続けると、住民の家族のような結束が見えてきます。村を出たもの、再び戻ったもの、それぞれに村への熱い思いがありました。一時期、人口減少から、舞いの種類も少なくなりました。しかし、今、丹波山では再びお祭りが盛り上がりを見せています。そこには丹波山を思う若い力がありました。一心不乱に舞う獅子たち。そにこめられた若者たちの熱い思いに密着します。

テレビ制作部 副部長 加藤哲郎

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~丹波山村 祇園祭
ささら獅子舞~

8/13(日)12:00〜12:55 YBS 山梨放送にて放送!
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