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山王祭

山王祭

祭り紹介

祭り写真館 今年の様子をご覧いただけます。

5/11公開!

歴史400年の歳月をかけ、
飛騨高山の町衆が作り上げた美祭

シシゾウ:山王祭は、いつごろ始まりましたか?

長尾さん:山王祭は高山城下町南半分の氏神で山王様と呼ばれる日枝(ひえ)神社の例大祭です。16世紀初頭に飛騨高山を平定した金森長近(かなもりながちか)の息子で、二代目高山藩藩主の金森可重(かなもりありしげ)の時代に、高山の町衆たちが神社の祭礼の神輿を奉納したのが始まりとされています。祭りに屋台が登場したのは江戸時代中期で、約300年の歴史があります。旦那衆といわれた高山の豪商たちは私財をふんだんに投じ、飛騨の匠たちが自慢の腕を競うことで絢爛豪華な屋台文化が花開きました。
ユネスコ無形文化遺産に登録された「高山祭の屋台行事」は、春に行われる山王宮日枝神社の例大祭と秋に高山城下町北半分の氏神、桜山八幡宮の例祭として行われる八幡祭(はちまんまつり)の総称です。今でこそ高山は観光都市として一年を通じて観光客が訪れますが、昭和30年代ごろまでは、春の山王祭で本格的な観光シーズンが始まり、秋の八幡祭が終わるとシーズンオフに入りました。

シシゾウ:山王祭は日枝神社の氏子の皆さんが中心になって運営されるそうですね。

長尾さん:そうです。祭りを統括し、すべての行事を取り仕切るのは宮本(みやもと)と呼ばれる氏子の組です。昔は特定の町の組が宮本を務めていましたが、明治23年(1890)以降は、屋台を持たない町内も含めた屋台組15組で1年ごとに回り持ちしています。神社の神輿に奉仕する神輿組9組も宮本を回り持ちしています。道路の使用許可の申請をはじめ、宮本の仕事は非常に多く、半年前から準備にかかります。その年の祭りの成否は宮本にかかっているので責任重大です。
私が組代表を務める琴高台(本町1丁目)は現在、氏子が30軒を切っていて、そのうち祭りに実働で奉仕できるのはわずか4~5名です。少子高齢化や若者の流出によるもので、平成28年に宮本が回ってきたときには周囲の協力を得て役目を務めることができましたが、次に宮本が回ってくるときには高齢化がさらに進んでいるのでどうなるか分かりません。ほかにも後継者難の屋台組はあるので、これからどのようにして伝統をつないでいくかが山王祭の大きな課題です。

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みどころ曳き揃えで屋台の彫刻をじっくり鑑賞。
からくり屋台の奉納も

シシゾウ:山王祭の屋台の特徴を教えてください。

長尾さん:“動く陽明門”とも形容される彫り物や金具など装飾の豪華さです。特に飛騨の匠によって手がけられた彫刻は一見の価値があります。江戸時代後期に飛騨の名工として名を馳せた高山出身の谷口与鹿(たにぐちよろく)も高山の屋台彫刻を多く手がけています。中でも傑作とされるのは麒麟台(きりんたい)の唐子(からこ)遊びの彫刻で、一本の木から子どもや犬、籠の中にいる鶏を彫り上げていて見事の一言です。
山王祭の12台の屋台は1台1台がそれぞれテーマを持っていて、そのテーマに基づいた装飾が施されています。一例を挙げると、琴高台は鯉がテーマで、鯉をあしらった彫刻や刺繍幕を飾ります。
同じ高山の屋台でも、山王祭の屋台は八幡祭の屋台より一回り大きいのも特徴です。町内の道幅と関係しているのではないかという説もありますが、正確なところは分かりません。
14日と15日の午前9時30分から午後4時ごろまでは12台の屋台が通りに曳き揃えられるので、そばまで近づいてじっくりご覧いただくことができます。

シシゾウ:からくり屋台もあるそうですね。

長尾さん:三番叟(さんばそう)、龍神台(りゅうじんたい)、石橋台(しゃっきょうたい)がからくり仕掛けを持つ屋台です。この3台は14日と15日の午前と午後1回ずつ、御旅所前の広場でからくりを奉納します。
三番叟のからくりは、謡曲「浦島」に基づくもので、舞っている童子が玉手箱に顔を近づけると瞬時に白いひげをたくわえた老爺の顔に変わるという趣向です。龍神台は、竹生島(ちくぶしま)の龍神伝説に由来したからくりで、童子によって壺に入れられ竹生島に置き去りにされた酒癖の悪い老人(龍神の化身)が壺から出てきて激しく舞い踊ります。石橋台は優雅に舞う艶やかな美女が打掛をまくると獅子に早変わりして舞い踊り、再び美女に戻るという仕掛けで、戦前までは風紀上好ましくないということで公開されていませんでした。複数の綱を遠隔で巧みに操ってからくりを動かす綱方(つなかた)の熟練の技もみどころです。

シシゾウ:屋台が動くところは見られますか?

長尾さん:14日、15日の朝8時頃から10時頃までそれぞれの屋台蔵から所定の位置へ移動する時と、14日の夜に行われる夜祭(やさい)で屋台が曳き廻されます。夜祭は、日枝神社の神事とは関係なく、屋台組の町内が自分たちの楽しみのために昭和20年代に余興として始めたものです。100個前後の提灯で飾り立てられた屋台が通りを優雅に進んでいく様は昼とはまったく違った趣です。曳き廻しの順路は、その年の宮本を務める町内を中心に回るので毎年変わります。

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注目ポイント伝統芸能の獅子舞、闘鶏楽が華を添える神輿の御巡幸

シシゾウ:屋台以外のみどころを教えてください。

長尾さん:屋台を目当てにいらっしゃる方が多いのですが、日枝神社の神輿が氏子町内を回る御巡幸もご覧になるととても面白いと思います。裃姿の警護他400人前後がお供する大行列の御巡幸がスタートするのは14日の昼過ぎです。神社本殿から御祭神が神輿に遷され、神輿行列が神社を出発するところは必見です。その後、神輿行列は氏子各町をくまなく回り、その日は高山陣屋前にある御旅所に一泊し、15日にも町内を回って神社に還御します。
御巡幸に奉仕する神輿組の人たちは、裃(かみしも)を着用し、警護として神輿に供奉します。屋台組も屋台の名称を染め抜いた台名旗(たいめいき)という旗を持って、神輿の前後について歩きます。伝統の火消し装束をつけた「締方(しまりかた)」の存在にも注目していただきたいです。締方は行列の進行を取り仕切るのが役目で、きびきびした差配ぶりは見ものです。
御巡幸では道中各所で披露される獅子舞や闘鶏楽などの伝統芸能もみどころです。闘鶏楽は400年以上前から飛騨地方に伝わる伝統芸能です。鉦と締め太鼓を使って演奏する舞楽の一種で、演奏の音から地元では「カンカコカン」の愛称で親しまれています。闘鶏楽の音色が聞こえてきたら、姿は見えなくても神輿が近づいてきたなと分かります。

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ふるさと自慢高山はグルメの町。高山ラーメン、飛騨牛などおいしいものがいっぱい

シシゾウ:高山市の食の名産品を教えてください。

長尾さん:高山名物として全国的に有名な高山ラーメンは醤油ベースのスープが特徴だと一般にはいわれていますが、一概にこれが高山ラーメンだといい切れないほど、店ごとに個性があります。ブランド牛として知られる飛騨牛は比較的歴史が新しく、15年くらい前から脚光が当たるようになりました。高山は飲食店のレベルが高く、ラーメンや肉料理はもちろん、寿司、懐石料理、そばなどどんなジャンルの料理もおいしいのが自慢です。

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メッセージ地域の誇りである祭りと屋台をぜひ見ていただきたいです

長尾さん:山王祭の屋台は地域の誇りですが、現実問題として少子高齢化などで屋台を維持することが年々困難になってきています。屋台の修理ひとつをとっても、国の重要文化財ということで国や市から90%は補助が出るものの、修理費用そのものが高額なため、氏子の負担は決して小さくありません。それでも屋台組の人たちは屋台を守るのが当たり前と思って奉仕をしています。屋台をご覧になるときは、高山の人たちが力を合わせて一生懸命維持しているということを頭の片隅に置いていただければ嬉しく思います。

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※祭り紹介者 琴高台(きんこうたい) 組代表 長尾 肇(ながお はじめ)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

TV番組情報

放送局

ダイドードリンコスペシャル

春ノ高山、屋台美、山王祭
~岐阜県高山市~

5/12(土)15:00~15:54
CBCテレビにて放送!

2016年12月、ユネスコは日本の祭りに登場する「山・鉾・屋台行事」を無形文化遺産に登録しました。いわば世界の宝物になったわけです。全国に見られる屋台を主役とした祭りのなかでも「高山祭」は、日本三大美祭の一つに挙げられており、木で築かれた街並みに屋台が揃う風景は、古の日本の美しさを今に現します。人はなぜ屋台に惹かれるのか?番組では、世界遺産となった屋台の美学に迫ります。その起こりは1718年頃と言われ、人形を披露するからくり奉納や、仕掛けが施された戻し車など、豪華絢爛な匠の技が魅力です。屋台に込められた願いを探り、屋台を愛する祭り人の思いを伝えます。高山の風土に息づく屋台祭り。世界からも注目を浴びる日本の美「山王祭」を鮮やかに描きます。

番組の放送局サイトへ

制作担当者からのメッセージ

高山は、外国から多くの観光客が訪れる、日本の古の風景と心が息づく里です。穏やかな日本の習慣や礼がSNSで発信され、休日には海外旅行者がにぎわいを見せています。番組は、その地に息づく春の高山祭(山王祭)を通して、国境を越えて愛される日本の美学を描いてゆきます。ともすれば、私たちが忘れがちな美しさを再発見できるかも知れません。 屋台の魅力とは一体何なのでしょうか。知っていそうで、よくは知らない屋台の真実。その造形美にはじまり、からくり人形の仕組みの不思議と、操る人の心。屋台を下支えする「匠」の技や継承への思いを探っていきます。 洋の東西を超え、広く海外から注目される高山。その地で暮らす祭り人が守る、伝統。そこには、皆が心を一つにできる「人類普遍の美」が存在するのでしょう。

プロデューサー 佐藤浩二

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TV番組情報

ダイドードリンコスペシャル春ノ高山、屋台美、山王祭
~岐阜県高山市~

5/12(土)15:00~15:54
CBCテレビにて放送!

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