トップページ
 > 祭り紹介 > 今年応援する祭り > お山参詣

お山参詣

祭り紹介

祭り写真館

10/25
公開

歴史旧暦8月1日の弘前藩藩主の岩木山登拝が原形

シシゾウ:お山参詣は、いつごろ始まりましたか?

小山さん:岩木山は青森県で一番標高の高い山で、神様が宿る信仰の山として古くから津軽地方一円、さらには南部地方の人たちにも崇敬されてきました。岩木山に集落単位で登拝するお山参詣がいつごろ始まったのか、はっきりしたことは分かっていません。修験道者を除き、庶民が岩木山に登ることを禁じられていた時代が長く続き、江戸時代になって、精進潔斎をはじめ厳しい条件付きで庶民にも門戸が開かれるようになりました。現在のお山参詣の様式は江戸時代中期に旧暦8月1日が弘前藩藩主の登拝日に定められことが原形になったといわれています。庶民が気軽に岩木山に登拝するようになったのは明治以降です。
秋口に行われるお山参詣は津軽地方の農家の人たちにとって、豊作を神様に祈願する大切な信仰行事であると同時に貴重な娯楽でもありました。誰もが当然のように岩木山にお参りに行き、その風潮は今も根強く残っています。私は弘前市の隣町の出身だったので、子どものころからお山参詣に親しんできました。初めてお山参詣に参加したのは幼いときで、馬車に乗って行ったことを覚えています。そのときは山頂へは行きませんでしたが、中学生になって再度参加したときには岩木山に登り、御来光を拝みました。

シシゾウ:現在、お山参詣に訪れる団体はどのくらいの数ですか?

小山さん:伝統的な行列を組んで訪れる団体は約20です。一番多いのは昔ながらの地域・集落単位のグループで、次いで多いのが愛好会的な団体です。お囃子だけのグループやお供え物だけを持ってくるグループなど小規模の団体も訪れます。岩木山のお膝元の旧岩木町では、お山参詣が国の重要無形民俗文化財になった昭和59年(1979)の翌年から、お山参詣の周知と振興を図って一般の方が参加できる「レッツウォークお山参詣」という体験型ツアーを毎年主催しています。旧岩木町から岩木山神社まで昔ながらの行列を仕立てて練り歩くこのツアーには毎年300人前後が参加し、お山参詣最大の団体になっています。最近は県外だけでなく海外からの参加もあります。

ページ先頭へ

みどころ登山囃子と“サイギサイギ…”の唱文もにぎにぎしく、岩木山神社まで練り歩く

シシゾウ:お山参詣の日程を教えてください。

小山さん:お山参詣は、岩木山神社の例大祭として3日間にわたって催されます。例大祭初日は向山(むかいやま)と呼ばれ、岩木山神社の拝殿で行事の安全を祈願する「行事開催奉告祭」が催されます。2日目は、宵山(よいやま)で、参詣者は団体ごとに隊列を組み、岩木山神社まで練り歩きます。旧暦の8月1日に設定される3日目は朔日山(ついたちやま)と呼ばれ、登拝する参詣者は未明に岩木山神社を出発し、岩木山神社の奥宮がまつられている岩木山山頂に登って御来光を拝みます。

シシゾウ:宵山について教えてください。

小山さん:この日、参詣者の団体は揃いの白半纏などを身につけ、大小の幡や黄金色の御幣を掲げ、岩木山神社まで行列します。道中は登山囃子と呼ばれる笛、太鼓、鉦のお囃子が演奏され、そのお囃子のリズムに合わせて、参詣者は「サイギサイギ、ドッコイサイギ、オヤマサハツダイ、コウゴウドウサ、イーツニナノハイ、ナムキンミョウチョウライ(懺悔懺悔、六根懺悔、御山八代、金剛道者、一々礼拝、南無帰命頂礼)」という唱文を唱えます。
にぎやかで古式豊かなお山参詣の行列を沿道などで見物する人は多く、平成28年は約7万人の人出がありました。観衆の一番のお目当ては、大旗(おおはた)です。大旗は、岩木山神社の社名を染め抜いた神社幟と五色幡が一組になっていて、長さが14~15メートルあります。大幡上げを務めるのは力自慢の青年で、観衆の多いところで、幡を天高く差し上げたり、片手で持ってみたりと豪快な演技を披露します。
各団体にとって一番の檜舞台は岩木山神社の鳥居前の広場です。数千人の観衆が各団体の大幡の演技やお囃子を楽しみに待ち構えています。大幡が鳥居をくぐるところは見せ場のひとつで、幡持ちが見事な演技を繰り出すと観衆から拍手喝采が湧き起こります。
岩木山神社に着くと参詣者は神前に供物を捧げて五穀豊穣と家内安全を祈願し、おはらいを受けます。その後、神社周辺の宿や民家で休息をとります。神社周辺には、参詣客をもてなせるように、通りに面して縁側を設けた民家が数多くあります。

シシゾウ:登山囃子について教えてください。

小山さん:お山参詣に登山囃子は欠かせません。元々は集落ごとに思い思いの囃子を演奏していましたが、昭和20年代に各地域のお囃子の良いところを集めた共通の登山囃子が作られ、それが現在、普及しています。青森県内では開通式などのセレモニーに演奏されることが多く、青森県民にはなじみの深い旋律です。
宵山の16時からは岩木山神社の境内で登山囃子の大会が開催され、津軽平野一円から集まった参加者たちが演奏の腕を競います。

ページ先頭へ

注目ポイント八甲田山連峰から上る御来光は感動必至の神々しさ

シシゾウ:朔日山の登拝について教えてください。

小山さん:岩木山神社から岩木山山頂までの登山道は途中、急勾配の岩場もあり、昼間でも約5時間かかります。登拝する参詣者たちは、御来光に間に合うように午後10時過ぎごろから三々五々、懐中電灯を手にして山を登り始めます。修験道の人も登拝しますが、修業のために一般参詣者とは異なる険しいルートを駆け上がります。
奥宮の祠のある岩木山山頂は狭く、250人もいればぎゅうぎゅう詰めになります。そこに300人以上の人が詰めかけるので、山頂からあふれた人たちは斜面に立って、日の出を待ちます。御来光は岩木山から東に望む八甲田連山から上ってきます。太陽が顔を出しはじめた瞬間は、映画『2001年宇宙の旅』のオープニングを思い出させる荘厳さです。神々しいまでの輝きを仰ぐと、「今年一年も無事に過ごせる」という清々しい気持ちになります。朔日山の御来光を見ないと一年が始まらないという人は少なくなく、雨が降って御来光が見られないときも山頂に登る方が大勢いらっしゃいます。

ページ先頭へ

ふるさと自慢高原で栽培される糖度ばつぐんのスイートコーン「嶽きみ

シシゾウ:弘前市の食の名産を教えてください。

小山さん:岩木山山麓の嶽(だけ)高原で栽培されるブランドとうもろこしの「嶽(だけ)きみ」です。「きみ」というのは津軽地方の方言でとうもろこしのことです。嶽きみの最大の特徴は、糖度が16度以上あるところです。生食もできますが、ゆがいて食べると最高です。コーンスープやソフトクリームなどの加工品も人気です。

ページ先頭へ

メッセージレッツウォークお山参詣に参加して、お山参詣の素晴らしさを実体験してみてください

小山さん:お山参詣をぜひ一度体験していただきたいと思います。経験されると理屈抜きでなにかを感じていただけると思います。現在、参詣団体の中で一般参加者を受け入れているのは「レッツウォークお山参詣」だけです。興味のある方は、岩木山観光協会までお問い合わせください。

ページ先頭へ

※祭り紹介者 岩木山観光協会 事務局長 小山 伸吉(おやま しんきち)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

TV番組情報

ATV 青森テレビ

ダイドードリンコスペシャル

響け!登山囃子 お岩木様に抱かれて
~弘前市 岩木山お山参詣~

10/28(土)15:00〜15:54
ATV 青森テレビにて放送!

津軽平野に佇む標高1625メートルの岩木山。津軽の象徴とも呼べるこの山に人々は熱い想いを寄せます。弘前市岩木地区の初秋。津軽一円の集落が、登山囃子の音色と共に行列をつくり岩木山神社をめざします。お山参詣は岩木山神社の大祭であり、津軽地方最大の秋祭り。3日間に渡る神事のクライマックスは、旧暦8月1日にあたる朔日山。五穀豊穣と家内安全を願い、岩木山頂に鎮座する岩木山神社奥宮に集落ごとに参拝、朝日に向かって手を合わせます。夜を徹して山頂に到達した参拝者たちは、ご来光に照らされ何を思い何を願うのでしょうか。番組では、お山参詣の登山囃子に魅せられ笛の奏者となった男性、一度は衰退した祭り団体を復活させたりんご農家の男性に密着。津軽の人たちの心の拠り所、岩木山への思いを祭りを通して描きます。

番組の放送局サイトへ

制作担当者からのメッセージ

古くから信仰の山として知られる岩木山。津軽地方のどこからでも見える山で、この地のシンボルです。津軽で生まれ育った私自身にとっても、岩木山はふるさとの風景そのもの。お山の恵みに感謝を込めて、岩木山と岩木山神社を舞台に脈々と受け継がれる伝統行事お山参詣。クライマックスは山頂でご来光を仰ぐシーンです。多くの参拝者が夜を徹して岩木山を登り、神々しいまでの朝日に手を合わせます。この季節は天候が不安定なこともあり、年によって朝日が見えないことも。今年はご来光が津軽平野を包むのか今から気になるところです。伝統行事を受け継ぐ人々の思いを、岩木山の季節の移り変わりと共に追いかけます。

報道制作部担当部長 稲葉繭子

ページ先頭へ

祭り冊子を持って、祭り会場へ行こう!

TV番組情報

ダイドードリンコスペシャル響け!登山囃子
お岩木様に抱かれて
~弘前市 岩木山お山参詣~

10/28(土)15:00〜15:54
ATV 青森テレビにて放送!

  • 日本の祭り 名産品
  • 祭り写真館
  • 祭りカレンダー
  • ワンクリックアンケート
  • 祭り広場
  • 吉村作治先生の祭り考察
  • これまで応援した祭り
  • ダイドードリンコ日本の祭りチャンネル
  • みんなの祭り情報局
  • DyDo online shop
  • 日本の祭りボード 日本の祭りに関する発言はこちらへ!

日本の祭りポスターをプリントしよう!

ダイドードリンコは「NPO(特定非営利活動法人)日本の祭りネットワーク」に加盟しています。

関連する祭り

関連ワード霊山信仰

ダイドードリンコ日本の祭りが応援してきたアーカイブから関連する祭りをご紹介します。