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御塞神祭

御塞神祭

祭り紹介

祭り写真館 今年の様子をご覧いただけます。

4/4公開!

歴史古くから地域を守ってきた境界の神様の祭り

シシゾウ:御塞神祭は、いつごろ始まりましたか?

大江さん:文献等が残っていないため、いつの時代に始まったか、詳しいことは分かりません。御塞神祭の主役となる御塞神様は元々、この地域で別当(べっとう)といわれる私の家の神様でした。現在は、平塩地区の熊野神社に末社としてまつられている八幡様や白山様といった神様に並ぶ存在として位置づけられ、御塞神祭も熊野神社の行事として行われます。
御塞神様は、別の地方では塞(さい)の神、道祖神などとも呼ばれます。村と村の境界にまつられ、自分たちの村の中に悪霊など悪いものが入ってくるのを防ぐとともに子孫繁栄の御利益があるとされます。神様は社殿にまつられるのが普通ですが、御塞神様は社殿を持たず、路傍にまつられています。平塩地区の御塞神様は大きな石塚で、熊野神社から400メートルほど離れた参道の外れにあります。御塞神様は女性の神様といわれ、普段から地区の女性がお供え物をするなどしてお世話をしています。

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みどころ朝から松の木を手彫りして御塞神様の御神体作り

大江さん:御塞神祭は小正月の行事で、毎年旧暦の1月15日に行われます。地域には御塞神祭以外にも小正月の風習がいろいろ伝わっています。御塞神祭の前日の旧暦14日には餅つきをします。また、お団子を作ってミズキの枝に刺した「だんご木」をお座敷に飾ります。祭り当日の15日には正月飾りの門松を各家の庭先で燃やします。これは全国的に行われるどんど焼きに相当するものです。
この日、熊野神社の社務所では朝から神職と氏子総代など神社関係者で構成される一山衆(いっさんしゅう)と呼ばれる奉仕者が松の生木を削って、御塞神様の御神体となる男根を作ります。男性を象徴する男根は小さいものは10センチ前後、大きなものは50センチ前後あり、夫婦和合という意味から大きさを揃えた2つが対にして作られます。例年作られるのは12対ほどで、仕上げるのに夕方までかかります。松は神社の裏山から伐り出してきたものを使いますが、昔は門松の松を使っていたということです。
完成した男根は熊野神社の神前に供えられ、神職がご祈祷を行います。そうすることによって男根に神様の魂が込められ、御塞神様の御神体になります。

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注目ポイント大きい御神体が大人気。
争奪戦がひときわ盛り上がる

シシゾウ:御塞神祭は夜に始まるのですね。

大江さん:そうです。午後8時半ごろ、烏帽子など白い装束をつけた一山衆が熊野神社から列を作り、鳥追いと呼ばれる掛け声を「ホーイホーイ」とかけながら御塞神様に向かいます。鳥追いには、米を食い荒らす鳥を追い払い、豊作を祈願する意味があるとされています。
一山衆の一行が御塞神様に着くと、御神体を取って福を授かろうという人々が200人前後待ち構えています。昔は地元の人だけでしたが、最近はニュースなどに取り上げられる機会が増えたため、他所から来られる方のほうが多いくらいです。御塞神様には招福、家内安全、子孫繁栄など様々な御利益があるといわれています。中でも、知られているのは子宝の御利益で、それが遠方からも参拝者が大勢訪れる大きな理由になっています。実際、御塞神様の御神体を取って子宝を授かったということで後日、お礼参りに来られる方はけっこういらっしゃいます。
御塞神様の御神体は御塞神様にお供えされた後、ひとつずつまかれます。一山衆が「まくぞっ」と一声かけ、御神体を宙に放り投げると、待ち構えていた人たちが落下地点にワッと群がります。地元の人たちの間では一番大きな御神体を取ることが何よりの自慢になります。
そのため小型のものは「次にまかれるのを取ればいいか」という感じですぐあきらめるのに対し、大きい御神体については、一度つかんだら互いに譲らず、とっくみあいも辞さないなど激しい奪い合いが繰り広げられ、決着がつくまでかなりの時間がかかります。女性も争奪戦に参加します。力では男性にかないませんが、運よくすんなり取れることもあります。御塞神様の御神体が取れなくてもがっかりする必要はありません。御神体と同じ御利益があるとされている熊野神社の御札もまかれます。御札は御神体よりも数が多く用意されているので、参加すればかなりの確率で取って帰れるのではないかと思います。
御塞神祭が終わると、前日についた餅と豆腐を串に刺して田楽にし、味噌をつけて囲炉裏で焼いて食べるのが昔からの慣わしです。今では囲炉裏のある家が少なくなりましたが、私の家では昔通りに田楽を囲炉裏であぶって食べています。

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ふるさと自慢芋煮にすると味わい最高の「つるり里芋」

シシゾウ:寒河江市の食の名産品を教えてください。

大江さん:寒河江市の特産品で全国的に知られているのはサクランボですが、そのほかにもおいしいものはたくさんあります。私のおすすめは「つるり里芋」という地元のJAが登録商標をとっている里芋です。地元でだけ生産されるという希少性に加えて、粘りや甘みがあり、柔らかく、煮崩れしないなどの特徴から人気があります。山形の郷土料理の芋煮をつるり里芋で作ると絶品です。

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メッセージ暖かい格好をしていらしてください

大江さん:機会があれば、ぜひ一度私たちの御塞神祭にいらしてください。旧暦の1月15日は新暦では2月末になることが多いのですが、この日は冷え込みが厳しくなると地元でいわれている十五夜の満月の日にあたります。本当に寒いので防寒対策は万全になさってください。

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※祭り紹介者 御塞神 別当(べっとう) 大江 治部郷(おおえ じぶきょう)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

TV番組情報

YBC 山形放送

ダイドードリンコスペシャル

満月の雪夜に福が舞う
~さがえ御塞神祭~

4/7(土)16:00~16:55
YBC 山形放送にて放送!

山形県寒河江市の平塩熊野神社に数百年前から続くとされる奇祭・御塞神祭。毎年、旧暦の1月15日に行われる祭りでは、神社の早朝、神社裏手の山から松の木を伐り出し、男根を模した御神体を彫ります。例年、ご神体は20数体作られ、祈祷して魂を込めた午後8時半ごろ、神職や氏子総代など神社関係者で構成される一山衆によって、近隣から集まったおよそ300人の頭上高く撒かれます。ご神体を持ち帰った人には、子宝や子孫繁栄など様々なご利益があると言われ、毎年、壮絶な奪い合いが行われます。妻のため、家族のためにと1体の御神体を巡り、30分以上も奪い合いが続くこともあります。番組では、福を呼び込もうと繰り広げられる雪上の熱い祭りとともに、担い手が減少する中、祭りを守り続けようとする一山衆の営みを伝えます。

番組の放送局サイトへ

制作担当者からのメッセージ

御塞神祭は、勇壮な舞いがあるわけでもなく、各地から観光客が訪れるわけでもない、地域の人たちが守り続けてきた祭りです。それが知られるようになったのは、テレビや新聞のニュースで取り上げられるようになってから。徐々に地区の外からも祭りに参加しようという人が増えてきているといいます。ご神体の奪い合いは壮絶で、怒声も響きますが、地区の人たちは不思議とケガをしないそうです。擦り傷を作って帰るのは決まって外からきて参加した人たちだいいます。
東西に細長い平塩地区の西端に神社はあります。ご神体となる松の木は、集落を見下ろすようにそびえる神社裏手の山から伐り出されます。祭りが行われるのは神社境内ではなく、参道を400mほど歩いた集落の中央にある十字路交差点です。道路拡張などがあっても祭りの会場は変わらず、祭りが地区の人々の暮らしの中心にあることが実感できます。地域の人たちが大切に守り続けてきた祭りを、ぜひご覧いただきたいと思います。

報道制作局制作部主任 伊藤善隆

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TV番組情報

ダイドードリンコスペシャル満月の雪夜に福が舞う
~さがえ御塞神祭~

4/7(土)16:00~16:55
YBC 山形放送にて放送!

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