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大須八幡神社春季例大祭

祭り紹介

祭り写真館

5/17
公開

歴史江戸時代末に神輿を豪商が寄贈し、渡御が始まる

シシゾウ:大須八幡神社春季例大祭は、いつごろ始まりましたか?

佐藤さん:大須八幡神社春季例大祭の神輿渡御が始まったのは江戸時代末期です。文久3年(1863)、藩主お抱えの豪商が、千石船で北海道や三陸の海産物を江戸に運んだ戻りに、江戸深川で購入した神輿を持ち帰り、大須八幡神社に寄贈しました。現在もこの神輿が渡御に使われています。
大須八幡神社は元々、私の先祖の佐藤家の氏神で、小さなほこらにまつられていました。それが、いつごろからか集落の人々に信仰されるようになり、社殿が建てられ、明治5年(1872)に村社になりました。
大須地区は漁業の町です。手漕ぎの和船で漁を行っていた昔、海に出てシケにあうことを漁業者たちは一番恐れていました。そこで大須八幡神社の神様に願をかけ、海上安全と大漁を祈りました。海の男たちは日ごろの感謝を込め、神様の御神体を遷した神輿を担いで氏子地区の浜を練り歩き、神様の心を慰めた次第です。

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みどころ大波小波に見立て、神輿を差し上げてダッシュし、180度ターン

シシゾウ:神輿渡御のみどころを教えてください。

佐藤さん:神輿をもむところがみものだと思います。神輿を激しく前後左右に動かすことを「もむ」といいます。大須八幡神社の神輿のもみは個性的です。神輿の前棒を高く差し上げて10メートルほど走ってから下げ、クルッと180度方向転換し、「チョーサイ」「ヨーサイ」の掛け声で左右に大きく揺らします。これを何度も繰り返します。この独特な動きは海の大波小波を表しているといわれています。掛け声の「ヨーサイ」は「太平洋の波を砕く」、「チョーサイ」は「潮(うしお)を砕く」が語源と考えられており、近隣の神輿でこの掛け声を掛けるのは大須八幡神社だけです。
神輿渡御が出発するのは午前8時から始まる例大祭神事が終わった午前9時です。大名行列のような行列を仕立てて、神輿は高台にある神社から浜に下っていきます。先頭は神社の旗と大榊(おおさかじ)で、ぼんでん[御幣の一種]、5色の旗などの諸役、稚児行列、本神輿、子ども神輿の順に続きます。神輿を担ぐ若者たちは六尺(ろくしゃく)と呼ばれ、華やかな着物生地で手作りした法被のような「襟さし」を着用します。神輿の周囲には白装束の白丁を着けた世話人がいて、六尺の監督をします。
神輿は地区のいろいろなところでもみます。東日本大震災の前までは大須漁港の堤防の突端にある小さな島にも渡って神輿をもんでいました。旧暦3月15日は干満の差が大きく、神輿渡御が行われる午前中の干潮時には岩場づたいに歩いて島に渡っていけました。しかし、震災後は地盤沈下で水深が深くなり、渡れなくなったために現在は島のそばまで通っている仮設道路で神輿をもんでいます。そこから戻ってくると大須漁港の船着き場の浜に向かいます。そこで六尺たちは海水に入って禊をした後、浜辺で神輿をもみ、そのまま一気に海に入っていきます。これが渡御のクライマックスです。

シシゾウ:海中渡御のみどころはどこですか?

佐藤さん:六尺たちは首までつかって神輿を差し上げ、海の中を右に左に練ります。春といっても海の水は冷たく、そんなに長くは入っていられません。しばらく海中を練ると浜に上がりますが、そのまますんなりとは終わりません。六尺の中の元気な者たちが「まだまだ」と海に押し返そうとします。波打ち際で駆け引きが繰り広げられ、押し返す側が優勢になるたびに再び海に入って練るということが何度も繰り返されます。海にいる時間が長くなりすぎて、お目付け役の世話人が「もう上がれ」と指示することもしばしばです。この海中渡御は観客の皆さんが楽しみにされていて一番盛り上がるところなので、年々派手になっています。
大須八幡神社の神輿は海に入っても絶対海水にはつけない決まりです。神輿を濡らさないのは傷まないようにするためです。神輿は12年に一度、干支の戌年に修理します。金箔などすべてを塗り直すので1回の修理に100万円以上かかりますが、地区の大切な神輿なので氏子の皆さんは喜んで協力してくださいます。
海から上がった後も渡御は続き、大須地区の南端の漁港や北端の集落を車で移動して宮司が祝詞をあげた後、神輿をもみます。そうやって神様は自分の氏子地区をくまなく巡行します。

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注目ポイント午後からは伝統の神楽を奉納。アクロバティックな演技に息をのむ

シシゾウ:午後から行われる雄勝法印神楽(おがつほういんかぐら)のみどころを教えてください。

佐藤さん:雄勝法印神楽は雄勝町に伝承される神楽で、地区の神社の例大祭に奉納されます。雄勝法印神楽の舞台は代々、神楽奉納の会場を務めている宮守(みやもり)と呼ばれる旧家の庭に設けられます。巡行を終えた神輿は庭に据えられた神輿台に安置され、神楽に先立って釜に湯を沸かして神事を行うお湯立の儀式を済ませます。
雄勝法印神楽の奉納は昼の12時半から夕方5時ごろまで行われ、20以上ある演目の中から8つほどが披露されます。最初に演じられるのは地元の小学生や中学生による子ども神楽で、続いて大人の神楽師による本神楽になります。
現在、神楽師は雄勝町内に十数名おり、伝統を守っています。世襲ではなく、志願して師範のもとで学ぶと神楽師になることができ、今も数名の若者が修業をしています。地元の小学校や中学校でも雄勝法印神楽の継承に取り組んでいて、学校の催しなどでも演じられています。
私が一番好きな演目は、奉納の最後に演じられる『日本武尊(やまとたけるのみこと)』です。日本神話の八岐大蛇(やまたのおろち)退治にまつわる物語で、大蛇を退治して手に入れた宝剣を巡って日本武尊と悪鬼が争います。悪鬼を演じる舞い手が天井に十字にかけわたされた杉の棒の上によじ登ってそこから逆さにぶらさがるなど、戦いのシーンは迫力満点です。悪鬼を退散させた後、日本武尊を演じた舞い手は面をはずして太刀2本を持って勇壮に舞うところもみごたえがあります。

シシゾウ:そのほかのみどころはありますか?

佐藤さん:神楽が終わると、神輿は宮守宅から神社に還御します。お上りの途中や境内に戻ってからも神輿はもまれ続けます。このときは襟さしをつけていない人も飛び入りし、皆で心ゆくまで神輿を担ぎます。神輿が納まる時間は午後6時と決められていますが、毎回予定時間をオーバーし、日が暮れて手元が見えなくなるころまで皆が入れ代わり立ち代わり担ぎ棒を握り、気勢をあげます。この宮入りも最高に盛り上がるので、ぜひご覧ください。

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ふるさと自慢豊穣の海がもたらすウニ、アワビ、コンブなどの新鮮魚介

シシゾウ:石巻市の特産物を教えてください。

佐藤さん:大須八幡神社のある大須地区の自慢は豊かな海の幸です。11月から2月にかけてのアワビ漁、2月から9月にかけてのウニ漁、刺網漁、コンブ漁など多彩な漁が行われています。アワビとウニは漁期だけでなく漁をする時間も決め、資源保護に努めています。祭りのときに六尺を務めてくれたボランティアの皆さんに、慰労の宴会で地元産のウニや魚をふるまうととても喜んでもらえます。

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メッセージ祭りは住民の心と地域活性化のよりどころです

佐藤さん:大須地区の住民は、大須八幡神社春季例大祭を心のよりどころにしています。他所で就職した人も祭りのときには戻ってきます。そういう意味では地域活性化のよりどころにもなっている祭りだと思います。地域の皆の期待に応えるためにも子々孫々までこの祭りを大切に守り続けていきたいです。

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※祭り紹介者 大須八幡神社 氏子総代長 佐藤 重兵衛(さとう じゅうべえ)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

TV番組情報

KHB 東日本放送

ダイドードリンコスペシャル

ヨーサイ チョーサイ 荒ぶる神輿と雄勝法印神楽
~石巻・大須八幡神社春季例大祭~

5/14(日)16:30〜17:25
KHB 東日本放送にて放送!

石巻市雄勝町で行われる大須八幡神社春季例大祭は海上安全、大漁を祈る神輿渡御と雄勝法印神楽が奉納される祭りです。神輿渡御は地区を練り歩く時に神輿を前後左右に激しく動かすのが特長です。この時、担ぎ手は「ヨーサイ、チョーサイ」の掛け声で神輿を大きく揺らします。そして浜辺に出てからも神輿を前後左右に激しく動かし、そのまま一気に海に入って行きクライマックスを迎えます。午後からは雄勝法印神楽が奉納されます。600年以上も前に羽黒山系(山形県)の修験者によって伝えられたものとされ、古風な修験色や祈祷色が強い躍動感に溢れた豪快で勇壮な舞が披露されます。番組では、震災の影響で人口が減り神輿の担ぎ手不足に悩まされながらも様々な人たちの助けで神輿渡御が行われる様や、世襲で受け継がれてきた宮守の役割を守る佐藤家や法印神楽をこの祭りが地元民にとって如何に重要なものなのかをお伝えします。

番組の放送局サイトへ

制作担当者からのメッセージ

これまで神輿の担ぎ手は地元の若者で構成されていましたが、震災の影響で人口が減り、地元以外の有志の人たちの協力が欠かせなくなりました。近年は外国からの参加者も来てくれて、祭りを通して人と人とのつながりが広がる様を伝えたいと考えています。また、法印神楽は「宮守」と呼ばれる旧家の庭に祭り前日に舞台が設けられます。代々世襲によって受け継がれる「宮守」を務める佐藤家に密着してこの祭りの特徴と継承する方たちの人間模様をわかりやすく伝えたいと思います。

制作部 引地慶記

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TV番組情報

ダイドードリンコスペシャルヨーサイ チョーサイ
荒ぶる神輿と雄勝法印神楽
~石巻・大須八幡神社
春季例大祭~

5/14(日)16:30〜17:25
KHB 東日本放送にて放送!

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