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大江八幡宮の御船神事

祭り紹介

歴史牧之原市に伝わる全国唯一、模型の船を使った神事

シシゾウ:大江八幡宮の御船神事は、いつごろ始まりましたか?

今村さん:田沼意次が相良(さがら)藩(現在の牧之原市一帯)の藩主になり、相良城を築城した江戸時代中期に、城下町の廻船問屋が航海の安全と商売繁盛を祈願して船の精巧な模型を寄進し、意次公がお国入りしたときにその船を練って入城したのが始まりとされています。
御船神事は、模型の御船が氏子地区をお渡りする神社神輿を先導します。御船神事が伝わるのは牧之原市内の大江八幡宮、飯津佐和乃(はずさわの)神社、神明神社、鹿島神社の4つの神社で、大江八幡宮の御船神事は国の重要無形民俗文化財に指定されています。大江八幡宮の御船神事は二艘の船で練るのが特徴です。20年ほど前からは後継者育成のために、中学生が担ぐ小型の御船も一緒に練ります。

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みどころクライマックスはお宮入り。神社前で勇壮な練りを繰り返し披露

シシゾウ:御船について教えてください。

今村さん:大江八幡宮の御船は樽廻船と菱垣廻船があり、船体から帆、帆柱、舵まで本物そっくりに作られています。大きさは樽廻船が全長2メートル、重量約60キロ、菱垣廻船は樽廻船よりやや小ぶりで全長約1メートル60センチ、重量約50キロです。
御船は傷むと新調するのですが、近年は和船を作れる船大工さんを探すのが大変です。現在使用している船は、平成に入ってから新調したもので、焼津市で和船の船大工をなさっていた方が置物として作った和船の模型をお練りができるように補強してもらいました。中学生が使用する小型の御船も、同じ船大工さんに作ってもらいました。以前使っていた御船は牧之原市史料館に展示されています。昔はお渡りの前日に御船を海に持って行き、海水につけてお清めをしました。現在使用している船は、昔の船と違って接着剤が使われているので海水にはつけません。

シシゾウ:当日のスケジュールを教えてください。

今村さん:午前8時から大江八幡宮で祭礼式典が行われます。御船が先導する一行がお渡りに出発するのは午前9時で、海の近くに設けられた御旅所を目指して南下します。御旅所になっている防災センターに到着するのは午前11時過ぎで、そこで神事が行われます。お渡りが再開されるのは午後3時で、出発の神事を行ってから大江八幡宮に向かいます。途中、大江八幡宮から数百メートル離れたところに設けられたもうひとつの御旅所に立ち寄り、祝詞奏上など簡単な神事が行われます。御船一行が大江八幡宮に戻ってくるのは午後6時ごろです。昔は御旅所に一泊して2日間かけてお渡りをしていましたが、今は祭りの参加者に負担をかけないため、1日に短縮されました。

シシゾウ:御船を担ぐ船若について教えてください。

今村さん:船若は揃いの浴衣を着て、一艘の船を4人で担ぎます。交代要員を含めると20~25人の船若が必要です。娯楽のなかった昔、船若は若者に人気で、100人近い船若が参加していた時代もあったそうです。
船若を務めるのは氏子地区の青年たちです。年齢は特に決まっていませんが、体力を使うので20代が中心です。私が船若をしていた30年ほど前は、若者が多かったので23歳になると船若を引退しましたが、今は30代も参加しています。
お渡りの道中、船若は御船唄といわれる伝統の練り歌に合わせて、御船を前後に大きく揺らして、大海の荒波を切って勇ましく進む姿を表現します。木遣り調の練り歌は4曲あります。曲の終わりには、御船を返すといって、船首と船尾を交互に船底が見えるまで垂直に高く上げます。また、曲と曲の切れ目には走ります。
お渡りのクライマックスは、一行が大江八幡宮に帰ってくるときです。神社に着いても、御船は境内にすぐには入らず、神社の前で約40分間激しく練ります。船若たちは最後の力を振り絞り、渾身の練りを披露するのでとても見ごたえがあります。

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注目ポイント出発前には帆柱を立て、帆を上げ、出港準備

今村さん:道中のお練りとともに、お渡りに出発する前に行われる柱起こしの儀と帆上げの儀もぜひご覧いただきたいです。帆柱が立っていない状態の樽廻船と菱垣廻船が神社の拝殿脇に並んで置かれ、船若たちが歌う歌に合わせて帆柱が起こされ、続いて帆が上げられます。柱起こしと帆上げの歌は源平の壇ノ浦の戦いにちなんだ歌詞で、お師匠さんといわれる船若のOBが最初に歌い、続けて船若から選ばれた4人の青年が歌います。この歌に合わせて帆柱がゆっくり起こされます。帆柱が立つと、同様に帆がゆっくり上げられ、その日の風向きに合わせて向きが調整されます。そういうところは本物の帆船と一緒です。漁業関係者の方がご覧になったとき、帆の張り方が間違っていると気にされるので、正確を期すためにお渡り当日の朝にはまず風向きを調べます。帆の向きが定まったら、縄で縛って固定します。このときの縛り方にも伝統のやり方があります。
柱起こしと帆上げは御旅所でもご覧いただけます。御旅所に着くと、御船は停泊したという体で帆が下ろされ、柱も倒されます。そして、お渡りが再開される直前に柱起こしと帆上げが行われます。2ヵ所目の御旅所は滞在時間が短いので帆は下ろされますが、柱はそのままです。

シシゾウ:船若衆の皆さんはどのくらい稽古をするのですか?

今村さん:例年8月15日から行います。今と違って私が若いころは、お師匠さんといわれる先輩方は畏れ多い存在で、柱起こしや帆上げを教わろうと思ったらお願いに行かなければならず、指導も厳しかったです。現在、私は指導者のひとりとして教えていますが、若い人たちが多忙で練習に中々参加してもらえないのが悩みです。柱起こしと帆上げの帆の張り方や縄の縛り方は一度や二度経験した程度では覚えられないので、きちんと伝統を伝えていかなければと思っています。

シシゾウ:そのほかのみどころはありますか?

今村さん:お渡りの前日は宵宮ということで、午後7時から大江八幡宮の境内に地区の人たちが集まってカラオケ大会などの催しをします。そのとき、境内に御船を出して、柱起こしと帆上げを披露します。そのまま御船は午後9時まで帆を上げた状態で飾っているので、近くに寄って御船をご覧いただけます。

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ふるさと自慢全国屈指のお茶産地。深蒸し茶は味わい豊か

シシゾウ:牧之原市の食の名産を教えてください。

今村さん:牧之原市一帯に広がる牧之原台地はお茶の一大産地で、市内にはお茶農家の方が大勢いらっしゃいます。地元の人の多くは牧之原産のお茶を農家の方から買って愛飲しています。私もお茶はすべて知人のお茶屋さんからまとめ買いをしています。深蒸し茶の名産地である牧之原のお茶はコクと旨みが強く、味もまろやかでとてもおいしいです。

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メッセージ全国でもここだけの祭りをぜひ一度ご覧ください

今村さん:御船神事は全国でも牧之原市にしかない和船の模型を使った祭りです。国の重要無形民俗文化財に指定もされているので、できるだけ長く続けていけるように努めていきたいと思います。とても珍しい祭りなので一度ご覧いただければ幸いです。

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※祭り紹介者 大江御船愛好会 会長 今村 尚史(いまむら ひさし)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

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