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尾道祇園祭・三体廻し

祭り紹介

歴史江戸時代から続く尾道の三大夏祭り。一時の中断を経て復活

シシゾウ:尾道祇園祭は、いつごろ始まりましたか?

山根さん:尾道祇園祭は、京都・八坂神社の祇園祭の流れをくむ八坂神社の例祭で、尾道の夏の三大祭りのひとつに数えられています。社伝によると、江戸時代初期に疫病が流行したため、素戔嗚尊(すさのをのみこと)を主祭神とする八坂神社の霊力を分けていただいたところ、病の流行が収まったことにちなんで祭礼を始めたということです。
中心行事で三体の神輿が勇壮に幟の先陣争いをする三体廻しの発祥については、いつから始まったのかはっきりしたことは分かりませんが、三体廻しを描いた江戸時代後期の絵図が残っていることから江戸時代から行われていたことは確かです。近隣では、祇園祭の神輿は全般的に荒っぽい形態を取るところが多いです。主祭神である素戔嗚尊が荒ぶる神なだけに、神輿も荒々しい所作を取るようになったといわれています。
昭和の一時期、三体廻しは諸事情により開催されませんでしたが、昭和53年(1978)に尾道青年会議所の呼びかけで復活し、保存会が設立されて現在に至っています。

シシゾウ:神輿は巴(ともえ)と呼ばれるそうですね。

山根さん:それぞれ一つ巴、二つ巴、三つ巴の紋がついていることから地元では八坂神社の神輿のことを巴と呼んでいます。神輿を担ぐのは、尾道の旧市街を構成する3地区の氏子たちで、一つ巴の神輿、通称スサノオ神輿は久保地区に鎮座する亀山八幡宮(久保八幡神社)の氏子、二つ巴の神輿(櫛稲田姫(くしなだひめ)神輿)は、長江地区に鎮座する御袖(みそで)天満宮の青年部、三つ巴の神輿(稲田宮主(いなだのみやぬし)神輿)は、土堂(つちどう)地区に鎮座する一宮(いっきゅう)神社(吉備津彦神社)の青年部がそれぞれ担ぎ手の中心になります。各神輿の担ぎ手たちは、自分たちが担ぐ神輿と同じ紋が背中に描かれた揃いの法被を着用します。各巴の担ぎ手たちは自分たちの神輿担ぎが一番という意識が強く、祭りの前にトレーニングをしている地区もあるほどです。

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みどころタイム・トライアルで足慣らし。真剣勝負の追い抜き競争でヒートアップ

シシゾウ:祭り当日の流れを教えてください。

山根さん:夕方5時ごろから、八坂神社で例祭の祭典が行われます。神社役員や神輿の担ぎ手たちが参列し、祭りの成功と担ぎ手たちの無事を祈願する神事が執り行われます。続いて、一つ巴、二つ巴、三つ巴の三体の神輿へご神霊が移されます。午後6時、神輿が御神幸に出発します。先導の太鼓と「よいやさーの、よいやさ」の威勢の良い掛け声とともに一つ巴の神輿から順番に神社を出発します。各神輿は自分たちの地区を巡幸してから、三体廻しの会場になる土堂渡し場に向かいます。会場広場には、八坂神社の文字を染め抜いた幟が柱につけて立てられています。三体廻しが始まるのは午後7時からです。最初に地元の久保小学校の一つ巴子供みこしが幟の周りを練って露払いをし、続いて三体の神輿が入場して観客にお披露目されます。その後、ベッチャー太鼓の演奏などをはさみ、三体みこし揃い踏みが行われます。三体の神輿が「よいやさあの、よいやさ」という威勢のいい掛け声に合わせて横一列に並んで幟に向かっていき、幟の周りを数周するこの揃い踏みはとても絵になる場面だと思います。
次に行われるのは三体廻しの前哨戦となるタイム・トライアルです。三体廻しの勝負に先立ち、自分たちの神輿がいかに速く走れるかを観客に披露するパフォーマンス的な催しで、幟の周りを2周するタイムを計測します。

シシゾウ:三体廻しの勝負はどのように行われるのですか?

山根さん:法螺貝と太鼓の合図で、三体の神輿はそれぞれの所定の位置から幟の周りに集結し、輪になって時計周りにグルグル回ります。爆竹の合図で競技がスタートし各神輿はその状態からスピードを上げ、外側から二体の神輿を追い抜くと勝者になります。追い抜くとき、一体目の神輿は完全に追い越さないといけませんが、二体目の神輿を追い抜くときは、手木(てぎ)と呼ばれる2本ある担ぎ棒の先端が前の神輿の本体部分を追い越すと追い抜いたと判定されます。神輿は重量が300キロ前後あるので、担いで走るとかなり勢いがつきます。その状態で誰かひとりでもバランスを崩してしまうと勢い余って転倒してしまいます。過去にはそれで手木(てぎ)が折れたこともあります。危険と背中合わせですが、その分、競い合いの迫力は満点です。

シシゾウ:三体廻しで勝つとどうなるのですか?

山根さん:勝者になった神輿は、最初に幟に神輿をつける権利を得ます。神輿の前手木の右側をロープで幟の柱にくくりつけ、後ろ手木を上げた状態で担ぎ手たちは神輿を時計回りに回します。
一番になった神輿が抜けると二体で勝負が行われ、相手を追い抜いた神輿が二番目に幟につける権利を得ます。二体の神輿が幟についたら三番目の神輿も同様に柱にくくりつけられ、最終的に三体が一緒に幟を中心にグルグル回されます。これが三体廻しのクライマックスで、担ぎ手たちの健闘を讃えて盛大に力水がかけられます。
尾道祇園祭の神輿は、本来喧嘩神輿で、当初は幟にどの神輿が一番速くたどりつけるかを競ったのではないかといわれています。その先着争いの結果を観客に分かりやすく示す方法として、神輿が幟にくくりつけられるようになったのではないかと思います。

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注目ポイント前夜祭では三体みこしの連合渡御を披露

山根さん:三体廻しは神輿同士の駆け引きもみどころです。ここぞというタイミングで一気に走らないと前の神輿を追い抜くのは難しいので、各神輿は勝負を賭けるタイミングをはかりつつ、他の神輿が仕掛けてこないかにも注意をはらいます。一体の神輿が仕掛けてきたら、ほかの神輿は追い抜かれまいとスピードを上げるので何周回っても勝負がつかないことも珍しくありません。勝負を仕切り直ししたいということで、いずれかの神輿がコースを外れてスタート地点に戻ったら、ほかの二体の神輿もそれぞれのスタート地点に戻って作戦会議を開きます。
神輿を幟にくくりつけるときにも駆け引きがあります。二番目につける神輿は時計回りに回されている一番目の神輿の前、三番目につける神輿は二番目の神輿の前につけなければいけない決まりなので、先に幟につけている神輿が意識して回すスピードを上げると、なかなか幟につけられません。

シシゾウ:三体廻しで“ここに注目”というポイントはありますか?

山根さん:担ぎ手たちに注目していただきたいです。三体廻しに参加できるのは、各巴に約60名前後いる担ぎ手の中から選抜された15名で、目印に鉢巻をつけています。鉢巻をつけていない担ぎ手は三体廻しのときには神輿に触れることができません。神輿を担ぐ者にとって15名に選ばれることは男冥利につきることです。人選で重視されるのは年齢や体力よりも経験です。普段からスポーツをしていても、神輿を担ぐ経験がなければ皆と肩が合わず、足も揃いません。三体廻しに出場しない担ぎ手たちは「来年こそは!」という思いを秘めながら警備役として周囲に立っているので、そちらの担ぎ手たちにも目を向けていただければ幸いです。
数年前までは三体廻し終了後、一番付けの神輿だけが、神輿洗いといって神輿を海につける行事がありました。現在は安全面を考慮して実施していませんが、担ぎ手や観客の皆さんから復活の要望はよく耳にします。

シシゾウ:そのほかのみどころはありますか?

山根さん:祭りの1週間前に前夜祭として神輿三体の連合渡御が行われます。現在、尾道祇園祭が行われるのは1日だけですが、昔は1週間にわたって盛大に催されていました。前夜祭は往時の祭りのにぎわいを少しでも取り戻したいという願いを込めて数年前に始まりました。当日は八坂神社に安置されている三体の神輿がお膝元の久保地区の本通り商店街を練り、商店街内の御旅所に納まり、祭典が行われます。本番では各神輿は自分たちの地区を練るので、三体の神輿が一緒に通りを練るところは前夜祭でしか見られません。

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ふるさと自慢瀬戸内の温暖な気候で育まれる柑橘類

シシゾウ:尾道市でおすすめの食べ物や特産物を教えてください。

山根さん:グルメではラーメンやお好み焼きが観光客の皆さんに人気です。おすすめの特産物は因島や生口島などを中心に栽培される柑橘です。国内有数の生産量を誇るレモンをはじめ種類が多く、加工品のバリエーションも豊富です。

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メッセージ迫力のある神輿の競い合いを間近でご覧ください

山根さん:全国に勇壮な神輿は数多くありますが、三体廻しは狭いところで三体の神輿が激しく競い合うところが他所の神輿にはない特徴です。会場では間近でその迫力をご覧いただけます。とても絵になる祭りですのでぜひ尾道にお越しください。

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※祭り紹介者 尾道三体みこし保存会 副会長 山根 武夫(やまね たけお)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

TV番組情報

HOME 広島ホームテレビ

ダイドードリンコスペシャル

荒ぶる神輿の真剣勝負
~尾道祇園祭・三体廻し~(仮)

8/5(土)16:00〜16:54
HOME 広島ホームテレビにて放送!

尾道三大夏祭りのひとつ「尾道祇園祭・三体廻し」は、江戸時代から続く伝統ある祭り。一つ巴、二つ巴、三つ巴と呼ばれる三つの地区の氏子達が、それぞれの神輿を担ぎ、幟の下を周る速さを競います。一瞬の駆け引きが勝敗を分け、巴の絆が試される真剣勝負。担ぎ手たちは、男の誇りをかけて神輿廻しに挑みます。番組では、そんな担ぎ手達の祭りに対する熱い思いを追いながら、荒々しく勇壮な真剣勝負を迫力ある映像でお届けします。

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制作担当者からのメッセージ

尾道の街を歩けば、自然と神社仏閣にぶつかる。即ち一年を通して、街の何処かで多様な祭りに触れることができる。その中でも「三体廻し」は、地域の枠を超えた独特の祭りであり、男達の誉れを賭けた熱き戦いである。江戸時代から続くこの祭りは、かつて昭和の一時期、中断していたと言う。それでも復活し、現在まで引き継がれてきた背景には、様々な人達の思いや熱意が存在していたのだろうと、取材をしながら改めて考える。

ディレクター 森下真

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TV番組情報

ダイドードリンコスペシャル荒ぶる神輿の真剣勝負
~尾道祇園祭・三体廻し~(仮)

8/5(土)16:00〜16:54
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