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生立八幡宮神幸祭

祭り紹介

祭り写真館

6/13
公開

歴史御神輿のお供が、子どもの神楽から山笠へ変遷

シシゾウ:生立八幡宮神幸祭は、いつごろ始まりましたか?

熊谷さん:いつから始まったのかは定かではありません。おそらく生立八幡宮が創建された養老7年(723)のころから行われていたのではないかと思いますが、記録が残っているのは江戸時代の元禄期からです。

シシゾウ:神輿の御神幸のお供をするのが山笠なのですね。

熊谷さん:そうです。実は元々、御神幸のお供についていたのは豊国楽(ほうこくがく/とよくにがく)と呼ばれる子どもの神楽で、楽装束をつけ、お腹に太鼓をつけた子どもたちが道楽(みちがく)と呼ばれる神楽を囃子方の大人たちと演奏しながら御神輿のあとをついて行列しました。それが、江戸時代に山笠を奉納するようになり、次第に豊国楽まで手が回らなくなったため、近隣の下伊良原(しもいらはら)地区にある高木神社に豊国楽を譲り渡し、以後、御神輿のお供はすべて山笠に統一されました。
山笠は、氏子各地区がそれぞれ奉納する形をとっています。現在、祭りに登場する山笠は八基ですが、昔は16地区ある氏子地区のすべてが山笠を奉納していたようです。

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みどころ御神輿のお渡りに合わせて山笠が巨体を揺らし、社前の馬場を2日間で一往復

熊谷さん:神幸祭は3日間行われます。一番のみどころは、2日目と3日目に山笠を動かすご動座です。生立八幡宮の山笠は、豊前地方最大級といわれ、重さは約3.5トンあります。同じ福岡県の博多祇園山笠の山笠は約1トンですから、どれだけ重たいかがお分かりいただけると思います。山笠は舁山(かきやま)と曳山(ひきやま)の2種類があり、内訳は舁山六基、曳山二基です。舁山は御神輿のようにじかに担いで動かすのですが、100人がかりでないと担げないという意味を込めて百人舁(が)きと形容されます。曳山は車輪がついていて綱を曳いて動かします。

シシゾウ:ご動座はどのように行われるのですか?

熊谷さん:山笠は御神輿のお供なので、御神輿の御神幸に合わせて動きます。三座の神様の御神霊をうつした三基の御神輿は2日目の午後3時に、神社から約1キロ離れた大村地区の立屋敷(たちやしき)というところにお下りするために出発します。立屋敷は昔の大庄屋の屋敷跡で、その昔、生立八幡宮があったと伝えられる所です。そこで立屋敷神事という祭典を行ってから、御神輿は神社から約100メートル離れたところにある御旅所に戻ってきて、そこで一晩を明かします。
山笠は神社前の馬場(ばば)と呼ばれる広場を移動します。最初、山笠は神社の鳥居そばに待機しており、御神輿が出発すると、お下りといって御神輿が向かう大村地区の方向に移動します。3日目、午後3時に御旅所を出発した御神輿は、御旅所からさほど離れていない浮殿(うきどの)と呼ばれる場所に立ち寄り、そこで祭典を行います。その間に山笠はお上りの移動を開始し、前日の場所に戻ります。山笠が移動を終えると、御神輿が浮殿を出発して神社に還御します。

シシゾウ:山笠のご動座のみどころはどこですか?

熊谷さん:巨大な山笠を舁手(かきて)たちが力を合わせて動かすところです。山笠は祭りが始まる前のゴールデンウィークに社前で組み立てられ、祭りの直前に、緋色の幟や5色の切り紙をつけたヤナギと呼ばれる竹ひごで華やかに飾りたてられます。現在は神社のすぐそばに全地区の山笠を納める格納庫がありますが、昔はそれぞれの地区で山笠を保管していて、各地区で組み立ててから神社まで移動させました。山笠には神様の依代としてダシやオオボウと呼ばれる大小の杉柱2本が立てられるので高さは約15メートルにおよびます。電気が普及して間もないころ、山笠が地区を移動する際には、通れるように電線を切り、通り終わってから電線をつなぐ電線切りという係がいたそうです。
ご動座では、山笠は一基ずつ移動します。百人舁きといわれる舁山ですが、実際には80人前後の人数で担いでおり、最大の見ものは担ぎ上げるときです。重たいので御神輿のように全員がしゃがんで一息に持ち上げるのは不可能です。まず、前側と後ろ側のどちらか片方の舁手たちは最初から立った状態でいて、もう片方のしゃがんでいる舁手たちが「セーノ、ヨーイショ」の掛け声ではずみをつけて立ち上がります。舁手たちの息が合わないとバランスが崩れて、歩くことはおろか、持ち上げることすらできません。動くと山笠の木組みがこすれてギシギシと大きな音をたてて迫力があります。
曳山で注目はケヤキの巨木を輪切りにした巨大な車輪です。それだけ大きな車輪を新調しようと思うと用材を調達するだけで一苦労です。平成27年に続命院(ぞくみょういん)という地区の曳山が新調されたのですが、1000万円以上かかったということです。それだけ貴重なものなので保管には神経を遣います。木は乾燥しすぎると割れてしまうので、昔は車輪をれんこん畑の泥の中に埋めていたそうです。現在の山笠の格納庫は一定の湿気を保つために用水の上に建てられています。

シシゾウ:ご動座はどのくらいの時間がかかりますか?

熊谷さん:山笠一基が約100メートル移動するのに10分程度かかります。一基の山笠が動いている間は他の山笠は待機していて、一基が移動を終えてから、次の山笠が動き始めます。山笠が動く順番は昔から決まっていて、並びが前後の地区は、互いに協力して山笠を動かします。10年ほど前までは、自分たちの地区の山笠は他所の地区の人間に一切触れさせないというしきたりがありましたが、最近は少子化で舁手の人数が少なくなったため、現在のような助け合いが行われるようになりました。

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注目ポイント夜は神楽奉納と夜市で祭り情緒満点

シシゾウ:ご動座以外のみどころを教えてください。

熊谷さん:祭り初日には、お潮井(しおい)とりといって御神輿と山笠をお清めする儀式が行われます。御神輿は、神社正面を流れる今川(いまがわ)の川べりに運ばれ、サカキの葉で川の水をふりかけられます。山笠は、今川が海に注ぎこむ行橋市の沓尾(くつお)地区で汲んできた海水でお清めをします。
2日目の午後7時からは御神輿が納まっている御旅所の前で岩戸神楽が奉納されます。神楽を奉納するのは、旧犀川町(さいがわまち)で神楽を伝承している4つの地区の神楽講で、1年交替で担当してもらっています。照明がともされた中で披露される神々の舞いはとても雰囲気があります。
夜市もこの祭りの名物です。神幸祭が犀川神事と呼ばれていた昔、地元の人が何よりも楽しみにしていたのが夜市でした。昔は食べ物だけでなく、生活必需品などを売る店も出て、神社の半径1キロに露店がずらりと軒を連ねたそうです。昭和初期にはサーカスも来ていたということを神社の氏子総代さんからうかがったことがあります。今も夜市の伝統は健在で、昔ほどではありませんが食べ物の屋台などが出て大勢の人でにぎわいます。山笠のご動座と御神輿が御旅所に戻ってきてから行われる祭典をご覧いただいたあとは、夜神楽が始まるまで夜市をぶらぶらしていただくのがおすすめの楽しみ方です。

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ふるさと自慢山の清水が育む山つき米の「犀川米」

シシゾウ:みやこ町の特産物を教えてください。

熊谷さん:生立八幡宮がある旧犀川町は農業が盛んで、特に犀川米の名前で知られるお米はおいしいので有名です。地区のほとんどは山間部で、犀川米は「山つき米」といって山が迫っている田んぼで作られます。田んぼには山からきれいな水が流れ込み、それが犀川米のおいしさの秘密といわれています。
地元でサラダごぼうと呼ばれる柳瀬(やなせ)ごぼうも特産品です。普通のごぼうよりも長さは短めで、香りが良く、柔らかいのが特徴です。名前の通り、サラダにするととてもおいしいです。

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メッセージ豊前地区屈指の祭りをぜひご覧ください

熊谷さん:豊前地区でも有数の祭りである生立八幡宮神幸祭を多くの方にご覧いただきたいと思います。山笠を奉納される氏子地区の皆さんは山笠を地区の宝として非常に大切にされていて、熱心に奉仕をしてくださいます。祭りに関して唯一、懸念があるとするなら、地域の高齢化です。住民のほぼ3人に1人は65歳以上で、地元では60代でも「若いもん」といわれるくらいです。このままいけば10年先、20年先には現在のような形で祭りを行うことは難しくなるかもしれません。このような祭りは全国にもなかなかないと思うので、氏子の皆さんとともに伝統の継承にできる限り努めていきたいと思います。

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※祭り紹介者 生立八幡宮 宮司 熊谷 晃哲(くまがえ てるあき)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

TV番組情報

RKB 毎日放送

ダイドードリンコスペシャル

驚天動地!力の奉納
〜生立八幡宮神幸祭〜

6/24(土)14:00〜14:54
RKB 毎日放送にて放送!

山笠は大きく2基の曳山(ひきやま)と6基の舁山(かきやま)からなる。舁山の重さはおよそ3.5トン、高さ20メートル。大勢の男達が必死で担がなければならないことから「百人舁(が)き」と呼ばれる。ギシギシと巨体を軋ませながら山笠が立ち上がって進む時、天も驚き地も動く。福岡県みやこ町、生立八幡神社山笠は、勇壮な力の奉納行事だ。応神天皇が母・神功皇后から生まれ、母の膝と岩を支えに初めて立ったと言われ、その岩が生立八幡宮の起源とされる。熊谷晃哲宮司にとって、去年、宮司職を継いで初めて迎える神幸祭だ。高齢化や若年層の減少など課題もあるが、豊前地方屈指の伝統と誇りのある神事と山笠行事を守り、育てていこうと決意している。神幸祭に込めたさまざまな人々の熱い思いを、その歴史と共に描く。

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制作担当者からのメッセージ

大切なのは「力の奉納」と呼ばれる巨大な山笠を動かす様を、テレビを通じても伝わるような臨場感で表現することです。自然豊かな福岡県京都郡みやこ町。信仰の礎、生立八幡宮の御神木にまつわる話があります。神社の祭神でもある神功皇后が韓国から凱旋の途中、軍船に付いて皇后軍を守った「蜷貝(にながい)」を自らこの楠に放し、木の守り神としたというものです。その貝の子孫が今もこの大楠についているのを取材することができました。その神功皇后の子である応神天皇がこの地で初めて立ったので生立(おいたつ)八幡宮となったという由来もおもしろい話です。このほか山の神や水の神への信仰は、脈々とこの地に受け継がれてきています。御神幸は、そんな人々の思いが形になったものだと思います。重量も高さも県下最大級規模の曳山は、圧倒的迫力で人々の目を釘付けにします。その度胆を抜く屈指の山笠は、男達の熱い思いで動き出すのです。豊穣の願いが込められた迫力の奉納行事は、初夏の訪れを告げる気持ちの良い祭りです。

ディレクター 坂本茂生

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TV番組情報

ダイドードリンコスペシャル驚天動地!力の奉納
〜生立八幡宮神幸祭〜

6/24(土)14:00〜14:54
RKB 毎日放送にて放送!

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