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男鹿のナマハゲ

男鹿のナマハゲ

祭り紹介

歴史平成30年、ユネスコ無形文化遺産に登録

シシゾウ:男鹿のナマハゲは、いつごろ始まりましたか?

菅原さん:はっきりした起源は分かりません。ナマハゲの語源は「ナモミ剥ぎ」です。「ナモミ」というのは方言で囲炉裏の火に長くあたっているとできる低温火傷を指し、ナモミを剥いで怠け心を戒めることが由来とされています。
現在、男鹿市を中心とする男鹿半島の92の地区にナマハゲ行事は伝承されています。平成30年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産の「来訪神:仮面・仮装の神々」に他地方の9行事とともに登録されました。

シシゾウ:ナマハゲは神様なのですね。

菅原さん:そうです。私の地元の真山(しんざん)地区では、ナマハゲは山の神の使いとされています。一般に知られるナマハゲ面は鬼のような角がついていますが、真山地区で200年以上前から使われている面には角がありません。真山地区は信仰の山として古くから崇敬されてきた男鹿三山のひとつ、真山のふもとに位置します。里の人には豊かな食の恵みをもたらし、漁で海に出る人には燈台代わりの目印になった山は尊敬の念を込めて「お山」と呼ばれ、神に等しい存在でした。その山から降りてきて、福をもたらしてくれるありがたい存在がナマハゲなのです。
ナマハゲの起源については山の神説以外にも、お山から里に下りてきて祈祷をする修験者説や漢の武帝にまつわる伝説を起源とする説などがあります。

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みどころ稲わらの装束は五穀豊穣を感謝する気持ちの表れ

シシゾウ:ナマハゲのしきたりは地区によって異なるそうですね。

菅原さん:ナマハゲの人数、扮装、所作、作法は地区によって異なります。ちなみに真山地区のナマハゲは現在、行事を行っている地区の中で最も古い様式を伝えているといわれています。
真山地区ではナマハゲが2匹、先立(さきだち)が1名と袋担ぎが1名付き添い、2組で回ります。先立はナマハゲが訪ねる前に「ナマハゲ来たけども入っていいか」と先回りして確認する役、袋担ぎは訪問先でいただくご祝儀やお餅を預かる役です。集落の約60戸を回ります。
ナマハゲを務めるのは未婚の男性です。今は住民数が減ったため、昔ほど厳格なことは言わず、既婚者が務めることもあります。私もそうでしたが、いきなりナマハゲになれるわけではなく先立や袋担ぎを経験しながら先輩のナマハゲを見て学びます。

シシゾウ:ナマハゲの装束について教えてください。

菅原さん:神が宿るといわれている面と同じくらい重要なのがケデという稲わらで編んだ蓑のような装束です。真山地区ではその年収穫された稲わらでケデを編みます。これは五穀豊穣を山の神に感謝してのことです。ケデは稲わらが長くないと編めないので、農家の方にケデ用の稲を育ててもらい、収穫・乾燥も機械を使わず昔ながらの手作業で行ってもらっています。
ナマハゲが訪問先で落としていくケデの稲わらは神が宿る縁起物として大切に扱われ、体の痛い箇所に巻いたり、健やかな成長を願って子どもの頭に巻いたりします。

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注目ポイントナマハゲと交わす問答で家族の絆を再確認

シシゾウ:ナマハゲを迎える家はどのような準備をして待つのですか?

菅原さん:訪問先で悪霊を払い、福をもたらすのがナマハゲの役割です。だから、迎える側もありがたい神様に来ていただくという気持ちで家の中を隅々まで清め、もてなすためのご馳走の膳とお神酒を用意します。それだけの準備をするのはけっこうな労力なので、真山集落でもナマハゲを座敷に上げる家は昔に比べると減っています。それでも玄関先でナマハゲに足踏みをしてもらって厄を払う門踏みは不幸事のあった家を除くすべての家で行われます。

シシゾウ:ナマハゲが訪問先で交わす問答の内容は決まっているのですか?

菅原さん:「怠け者はいねがー」など家の人たちの普段の行いを問いただし、怠け心を戒め、お年寄りがいればねぎらいの言葉をかけます。そのため、訪問する家の家族構成や背景を知っていないと適切な問答はできません。同じ集落の人がナマハゲを務める意義はそこにあります。

シシゾウ:ナマハゲは子どもへの教育効果が高いといわれていますね。

菅原さん:ナマハゲは将来、地域を担う立派な大人になってもらいたいという願いを込め、子どもを戒めます。教育効果だけでなく、ナマハゲは家族の絆も深めてくれます。小さい子どもはナマハゲがやってくると怖いのでみつからないように奥の部屋に隠れます。座敷で応対するのはもっぱら親で、ナマハゲの厳しい追及から子どもをかばってくれます。その姿を見て、子どもは改めて尊敬の思いを強くします。
ただ、最近の子どもは昔の子どもほどにはナマハゲを怖がらなくなったような気がします。考えられる理由のひとつに住宅事情があります。私が子どものころは集落に電気が通じておらず、明かりはランプでした。ランプの頼りない光の下で見るナマハゲはとても迫力があり、子どもはもちろんのこと、おばあちゃんなど大人の女性もおっかないと言っていました。

シシゾウ:ナマハゲ行事で大切にしていらっしゃることは何でしょうか?

菅原さん:なぜナマハゲになって家を訪問するのか、なぜナマハゲを家に迎え入れるのかなど、ナマハゲ行事を行う意義をきちんと認識することです。ナマハゲを迎えることで家内安全や無病息災を願う家側と、その思いに真摯に応えようとするナマハゲ側のどちらかが欠けてもナマハゲ行事は成り立ちません。私が講師を務めるナマハゲの講習会では最初にこの心の部分の大切さをお話します。
ナマハゲを演じる上で重要なのは迫力です。ナマハゲがおとなしすぎると訪問先でそんなことでは厄が払えないと叱られます。声は大きく、足音は高く、家の戸や壁をドンドン叩いて音を立てるのが肝要です。

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ふるさと自慢東北地方最大の和梨生産地

シシゾウ:男鹿市の食の名産品を教えてください。

菅原さん:男鹿市は農業と漁業のまちです。農業では和梨が特産で、複数の品種を生産しています。海産物の特産は秋田名物のハタハタです。近年は漁獲量が減ってきて高級魚になっていますが、男鹿市を訪れたらぜひ味わっていただきたい郷土の味覚のひとつです。

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メッセージナマハゲ行事の正しい在り方を後世に伝えたい

菅原さん:ナマハゲのユネスコ無形文化遺産登録は県外の方々に関心を持っていただけただけでなく、地元の人たちがナマハゲの意義を再認識する良い機会になりました。登録を受けて、途絶えていた行事を復活させたり、復活に向けて動きだしたりした地区がいくつもあり、私自身、ナマハゲ行事のしきたりや所作などを指導する機会が増えています。ナマハゲ行事の復活はとても喜ばしいことなので、行事を行う意義と正しい作法をきちんと伝えていきたいと思います。

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※祭り紹介者 真山なまはげ伝承会 会長 菅原 昇(すがわら のぼる)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

TV番組情報

放送局

ダイドーグループ日本の祭り

大晦日に訪れる神々
男鹿のナマハゲ(仮)

2/8(土)15:00〜15:55
AKT秋田テレビにて放送!

大晦日の晩、男鹿市内それぞれの集落の青年たちがナマハゲに扮し「泣く子はいねがー、親の言うこど聞がね子はいねがー」などと大声で叫びながら地域の家々を巡る。ナマハゲを迎える家では、昔から伝わる作法により料理や酒を準備して丁重にもてなす。男鹿の人々にとってナマハゲは、怠け心を戒め、無病息災・田畑の実り・山の幸・海の幸をもたらす、年の節目にやってくる来訪神なのだ。近年は後継者不足などで、行事を行う地区は減っていたが、2018年「来訪神:仮面・仮装の神々」としてユネスコの無形文化遺産に登録されたことで復活の動きも見せている。集落によって面や衣装、動作が異なるのも魅力のひとつ。番組ではナマハゲの荒々しい動きに込められた地域の人々の願いと祈りを伝える。

番組の放送局サイトへ

制作担当者からのメッセージ

北国秋田の冬。寒いからといってコタツにばかり入っていると「ナマハゲ来て、連れで行がれるど」と親に幾度となく叱られた記憶があります。私自身、ナマハゲを体験したことはありませんが、テレビで毎年放送される泣きわめく子どもたちの映像が脳裏に焼き付いて離れません。秋田の子どもたちにとって、何より怖い存在…それがナマハゲ。怖いながらも一方では秋田の象徴として愛される存在でもあります。決して子どもたちは楽しめないかも知れませんが、ナマハゲの魅力が一人でも多くの視聴者に伝わる番組を制作したいと思います。

情報制作部 専任部長 高橋 聡

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TV番組情報

ダイドーグループ日本の祭り大晦日に訪れる神々
男鹿のナマハゲ(仮)

2/8(土)15:00〜15:55
AKT秋田テレビにて放送!

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