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のへじ祇園まつり

のへじ祇園まつり

祭り紹介

歴史北前船によって運ばれてきた上方文化を伝承する祭り

シシゾウ:のへじ祇園まつりの起源を教えてください。

吉原さん:野辺地町の総鎮守、野辺地八幡宮例祭のつけ祭りとして始まったと伝えられています。文献に祭りが登場するのは明治20年代です。現在の祭りの形式になったのは昭和40年代で、主催者が野辺地八幡宮から野辺地町、野辺地町観光協会、野辺地町商工会に移り、のへじ観光祇園まつりという名称になりました。祇園という名前の由来は、山車の運行で演奏される祇園囃子です。野辺地町は下北半島の玄関口に位置する町で、江戸時代は上方から西回り航路で北上する北前船の寄港地として栄えました。祇園囃子はこの北前船によって京都から伝えられたといわれています。

シシゾウ:祭りの開催日も変わっているそうですね。

吉原さん:本来の開催日は、農作物の収穫期にあたる9月でしたが、昭和40年代に8月中旬に変更され、平成11年より現在の8月第3週の週末開催になりました。なお、今年のようにお盆と日程が重なるときは、第4週の週末に開催することもあります。初日の金曜日には夜間の山車合同運行、中日の土曜日は神輿の海上渡御、最終日は昼の山車合同運行がメイン行事として行われます。

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みどころ毎年、一から作り変える山車制作はほぼ1年がかり

シシゾウ:山車の合同運行について教えてください。

吉原さん:山車の合同運行に参加するのは9つの自治会(組)と野辺地西高等学校の10団体です。山車行列の先頭を務めるのは浜町組の船山車(ふなやま)です。船山車は、神様が通る道を清める露払い役です。野辺地の山車は飾り山車で毎年、意匠を作り変えますが、宝船を模した船山車は唯一、固定の山車です。船山車に続くのは神輿を中心とする神社の行列で野辺地八幡宮をはじめ町内の神社数社が参加します。そのあとに続くのは山車を中心とする各組の祭典部で、シンボルの町印(ちょうじるし)を先頭に傘鉾、神楽、山車の順に隊列を組みます。
初日の合同運行は夜間運行で、野辺地駅から野辺地八幡宮まで町内をほぼ1周する形で巡行します。夜間運行には野辺地西高等学校の山車は参加しません。出発前には駅前広場で祇園囃子・神楽の共演や郷土芸能のささ踊り、山車の表彰式など様々なイベントが行われます。豪華な山車が一堂に会して並んでいるところは壮観です。
最終日の合同運行は日中に行います。今度は野辺地八幡宮前から出発し、海側を回って中心街の本町にゴールします。山車が勢ぞろいしたところで初日と同じように神楽の共演などが行われます。最終日に見る山車は、ライトアップした初日の夜間運行とはまったく雰囲気が違って見えるので、ぜひ両方をご覧いただきたいです。

シシゾウ:山車のみどころを教えてください。

吉原さん:2階建ての飾り山車で、1階は祇園囃子の演奏者の席、2階は人形を中心とした飾りになっています。飾りのテーマは、歌舞伎や中国の故事から選ばれます。題材選びは山車制作において最も重要かつ苦労するところです。そのため、その年の祭りが終わるとすぐ来年の題材選びにとりかかります。題材が決定すると、それをどのように表現するか、人形のポーズや背景を考え、下絵を描きます。実際の制作にとりかかるのは6月初旬です。私が所属する新道組では、人形制作部と山車制作部に分かれ、人形と背景を分担して作ります。人形の首と衣装以外は発泡スチロールを加工します。制作部は男性が中心ですが、人形に着せる衣装の制作や着付けなどで、女性も大活躍します。制作に携わる人たちは仕事を持っているので平日は夜に少しずつ作業を進め、土日はほぼ終日、山車制作に費やします。自分の時間を犠牲にしてでも皆が山車作りに打ち込むのは、山車の審査で最優秀賞を取るという目標があるからです。審査は初日、夜間運行のスタート地点の駅前広場に山車が勢ぞろいしたときに行われます。他祭典部の山車と自分たちの山車を見比べながら、賞の発表を待つ時間はドキドキします。

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注目ポイント優雅な響きの祇園囃子と軽快なテンポの神楽との対比の妙

シシゾウ:中日の海上渡御について教えてください。

吉原さん:神輿を乗せた御座船が、祭典部の神楽が乗り込んだ漁船を従えて陸奥湾の野辺地港一帯を1周します。出航前には、港で神楽が共演します。漁船の大船団が大漁旗をなびかせて海上を走る光景は一見の価値があります。チャーターした漁船に乗船して海上からご覧になるのもおすすめです。

シシゾウ:祇園囃子、神楽、ささ踊りのみどころを教えてください。

吉原さん:祇園囃子は笛、三味線、小太鼓の合奏です。笛と三味線は大人、小太鼓を叩くのは冠や赤い着物、稚児化粧などで華やかに装った子どもたちです。曲調は優雅で格調高く、「渡(わたり)」、「祇園」、「剣(けん)」、「夜神楽(よかぐら)」、「楽(がく)」の5曲があります。近隣市町村で祇園囃子を伝承するのは野辺地だけなので、上方文化の移入を伝える貴重な囃子として大切に守っていきたいと思っています。
神楽も子どもが中心で、太鼓、笛、手平鉦(てびらがね)で演奏されます。ゆったりした祇園囃子とは対照的にテンポが軽快なので、近年は祇園囃子よりも神楽の奏者を希望する子どもが多くなっております(笑)。
ささ踊りは野辺地に伝わる盆踊りです。青森県の県南地方には「ナニャドヤラ」という盆踊りが広く伝わっています。ささ踊りの起源はナニャドヤラと考えられ、歌詞と振りつけが非常によく似ています。初日山車合同運行出発前のセレモニーでささ踊り保存会によるささ踊りが始まると、踊りの輪の中に加わる観客もいて盛り上がります。

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ふるさと自慢野辺地で愛される伝統のカワラケツメイ茶

シシゾウ:野辺地町の食の名産品を教えてください。

吉原さん:海産物では特産の地まきホタテがおすすめです。養殖ホタテとはひと味違うといわれ、貝の殻はさほど大きくありませんが、身が大きく味わいは濃厚です。農産物でブランド産品として知られているのは野辺地葉つきこかぶです。令湿な偏東風地帯の中で育つことで甘みが強く、生で食べてもおいしいです。市場の評価も高く、関東や関西の市場にも出荷されています。
もうひとつご紹介したいのは、カワラケツメイです。マメ科の植物で、江戸時代から野辺地では煎じてお茶や茶粥として食用にされてきました。現在も地元では広く親しまれていて、地元の小学校では体験学習でカワラケツメイを栽培・収穫しています。

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メッセージ海上安全、大漁祈願、五穀豊穣を祈願する野辺地町にとって大切な祭り

吉原さん:のへじ祇園まつりは、北前船の寄港地として栄えた歴史を背景に、海上安全、大漁祈願、五穀豊穣を祈願する祭りで、野辺地町民にとって一大イベントです。山車の制作で住民が一致団結するという意味においても大切な祭りなので、今後も子どもたちにぜひ伝えていきたいと思います。

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※祭り紹介者 のへじ祇園まつり実行委員会 副実行委員長 吉原 有三(よしはら ゆうぞう)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

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