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ながい黒獅子まつり

祭り紹介

歴史約1000年前に始まった、黒い頭と御身を持つ龍神の舞

シシゾウ:ながい黒獅子まつりは、いつごろ始まりましたか?

中川さん:長井市内の各神社で行われる例大祭に舞われる獅子舞が一堂に会してそれぞれの舞を披露する祭典で、観光振興と伝統の継承を目的に平成2年に始まりました。

シシゾウ:長井市の獅子舞は歴史が古いのですか?

中川さん:獅子舞は長井市内の約40の神社に伝わっていますが、それぞれの神社に発祥に関する言い伝えがあり、始まった年代も様々です。歴史が一番古いとされているのは長井市宮地区にある總宮(そうみや)神社の獅子舞で、歴史は1000年以上と伝えられています。伝承によると、東北を戦場に繰り広げられた前九年の役で、戦いに敗れた城主の娘の卯の花姫が地区を流れる野川(のがわ)上流の三淵に身を投げて龍神に化身し、里に下りてくる姿が獅子舞になったということです。また、別の言い伝えでは、前九年の戦勝の祝いの席で兵士に獅子舞を舞わせたのが始まりとされています。

シシゾウ:獅子舞が黒獅子と呼ばれるのはなぜですか?

中川さん:獅子舞の頭は全国的には赤が多いのではないかと思いますが、長井市に伝わる獅子舞の獅子頭は黒く、獅子幕も黒いことに由来しています。地元の人たちの間では、おしし様という呼び名が定着しています。

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みどころ案内役の警固と丁々発止の力比べ

シシゾウ:長井市の獅子舞の特徴を教えてください。

中川さん:一般的な獅子舞では、獅子幕に入るのは1~2人ですが、長井の獅子舞の獅子幕は長さが平均して9メートル近くあり、17人前後が中に入ります。幕が長いのは、おしし様が龍の権現とされていることに由来していると思われます。
獅子幕の柄にも特徴があります。神社によって多少デザインは違いますが、黒地に波模様が白く染め抜かれている点は共通しています。龍の権現であるおしし様は水神で、五穀豊穣を祈願すると、山から川沿いに里に下り田畑に恵みの雨をもたらします。獅子幕の波模様は、龍が川を下るときに立つ波と水しぶきを表現したものとされています。

シシゾウ:所作の特徴を教えてください。

中川さん:おしし様は神社例大祭で神輿が渡御するとき、行列の先頭につき、先ばらいとして御神体がつつがなく進めるように道に潜んでいる魔物や邪気をはらいのけます。神社により所作は多生違いますが、小出地区の獅子の場合は飛び跳ねたりはせず、あたかも龍が水面をすべるように、獅子頭を地面と水平に保ちすり足で流れるように動きます。魔物は交差点の角などに潜むとされ、そういう場所にさしかかると動きは慎重になり、高い音を嫌うとされる魔物を祓いのけるため獅子は口を大きく開け、歯をパンと高く打ち鳴らします。また、段差のある場所や橋などがある場合も邪気、魔物を確認をしながら慎重に進みます。

シシゾウ:獅子を先導する警固(けご)という役割はいつごろ登場したのですか?

中川さん:龍を権現とした獅子を案内できるのは、氏子の中で最も力の強い者ということで、当時地元で開催された草相撲で最高位の大関になった人がその役目を担ったようです。警固を角力(すもう)と呼ぶ地区もありますので当時の名残だと思います。長井市は相撲が盛んな土地柄で、学校の体育館の地鎮祭の東京相撲協会の力士が土俵入りを行ったという歴史があり、公園や小学校にも土俵がありました。お神輿渡御行列や警固は、そういった歴史から考えると江戸時代あたりから現在の姿になったと考えられるのではないかと思います。
神輿渡御の道中、おしし様は、分かれ道などで警固が案内する進路とは別の方向に行きたがることがあります。その場合、警固は渾身の力で獅子を渡御する方向に進ませます。また、行列の後のお神輿のご神体が心配でたまらず、時折お神輿へ戻ろうとしてしまいます。このように、渡御の道順から外れてしまう獅子を戻すため獅子と警固の迫真の力比べが警固かかりといって大きな見せ場になっています。

シシゾウ:そのほかに注目点はありますか?

中川さん:おしし様は道中、道に潜む魔をはらうだけでなく、民家や氏子もはらい清めて回ります。人をはらい清めるときは、家内安全、身体堅固、商売繁盛などを祈願して頭を下げる人の頭上で3度歯を高く打ち鳴らします。これをご信心といい、ご信心をしてもらった人は感謝の気持ちを込め、御神酒などを奉納します。
年に一度、神社の神様がその地域の氏子の家々をお祓いして回るこの機会をとても大切にしています。
私は現在、小出(こいで)地区にある白山神社と皇大神社の獅子連中の獅子頭を務めさていただいております。今から30年ほど前になりますが、獅子と氏子の大変強烈で印象深い光景に出会ったことがあります。獅子がその方のお宅の間口を祓い清める所作の最中、高齢ゆえのお体のご婦人が、砂利道のご自宅奥の玄関からゆっくりと膝をつきながら道端まで出てこられました。そして座ったまま、両手で獅子の前幕を頭に軽くかけご信心を受けられました。その姿はまさに、獅子は神様であり心の底から崇めそして感謝されているように感じられる光景でした。
これこそが、数百年・一千年の長い間、長井の人々がぜったいに無くすことなく守りそして語り継いできた「長井のおしっさま」の原初の姿なのだと感動し涙がこぼれました。この時、決して軽い気持ちで獅子と接してはならないのだと思いました。

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注目ポイント道中から宮入りまで披露。子どもが演じる獅子も登場

シシゾウ:ながい黒獅子まつりのみどころを教えてください。

中川さん:ながい黒獅子まつりには例年、市内の神社約15社の獅子舞が出演します。本来、長井の獅子舞は、それぞれの神社の例大祭でしか見ることはできません。市内各神社の獅子が一堂に会するのはこのときだけで、舞の所作や警固がかり、お囃子、獅子頭や獅子幕など神社ごとの個性を見比べられるのが一番のみどころになると思います。会場の白つつじ公園内には、この祭りのために神社が仮設され、獅子が宮入りするところも見られます。
ながい黒獅子まつりは昼の部と夜の部に分かれています。昼の部に登場する獅子舞は2~3社と少ないのですが、所作や獅子頭、獅子幕などの細かいところまでしっかり見たいという方におすすめです。地元の子どもたちによる獅子舞や郷土芸能の獅子踊りも披露されます。
夜の部では、出演する神社の獅子舞は会場周辺の各地点から出発し、道中を練りながら白つつじ公園多目的広場の特設お宮に宮入りをします。夜見る獅子舞は昼とはまた違った雰囲気です。会場には有料の桟敷席が設けられていて、毎回、前売りが完売する人気ぶりです。桟敷席の周囲には屋台が出るので飲食しながらご覧いただくのも楽しいと思います。また余談になりますが、ながい黒獅子まつり当日は大抵雨に降られます。獅子に化身した龍は水神なので地元の人にしてみれば降って当然という感覚です(笑)。だからというわけではありませんが、雷が鳴ろうと、どしゃ降りになろうと祭りが中止になることはありません。

シシゾウ:特に注目の獅子舞はありますか?

中川さん:自分が所属する神社になってしまうのですが(笑)、小出地区の白山神社と皇大(こうたい)神社の獅子舞は、獅子2体が一緒に舞を披露します。白山神社のおしし様の獅子幕は市内最長の12メートルということもあって、ご覧になった方は迫力があるとおっしゃいます。
各神社にそれぞれの歴史の警固かかりや獅子の納めの所作があります。獅子の源流と言われる宮地区の総宮神社の獅子、小出地区の白山神社と皇大(こうたい)神社の獅子舞は、一緒にお宮に納めるため夫婦獅子と呼ばれ、遠方からおいでになられる方もいらっしゃるとのことです。

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ふるさと自慢漬物にすると絶品の殿様推奨の花作大根

シシゾウ:長井市の特産物を教えてください。

中川さん:花作(はなづくり)大根という長井市で古くから作られてきた大根です。生で食べると非常に辛いのですが、漬物に加工するとおいしくなり、保存食として重宝されてきました。花作大根という名称は、江戸時代にこの大根を食べて気に入った米沢藩の殿様の命名によるもので、栽培が大いに奨励されたという話が伝わっています。

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メッセージこの祭りを通して、子どもたちが獅子舞に親しみ、誇りをもつことを願っています

中川さん:長井の獅子舞は、全国的にはあまり知られていないかもしれませんが、長井市内の神社の氏子たちにとってはかけがえのない宝です。何百年という間、守り続けてきた郷土の先人たちに感謝するとともに、この素晴らしい伝統を子どもたちに伝えていかなければならないと思っています。市内の神社の中には残念ながら獅子舞が廃れてしまったところがあります。獅子舞を伝承する一員として、自分たちの神社の例大祭に一生懸命奉仕するのはもちろん、ながい黒獅子まつりに参加することによって、地域の子どもたちが自分たちの地区の祭りに誇りを持ち、積極的に参加しようと思うひとつのきっかけになれればいいなと思っています。

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※祭り紹介者 長井市観光協会 ながい黒獅子まつり委員会 委員長 中川 仁(なかがわ ひとし)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

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