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松山秋祭り・今出大神輿

松山秋祭り・今出大神輿

祭り紹介

歴史偶然から生まれた「神輿落とし」

シシゾウ:今出大神輿は、いつごろ始まりましたか?

中矢さん:今出大神輿は垣生地区の西垣生町(にしはぶまち)が出す神輿です。一般的な神輿巡幸は宮出しと宮入りは同じ神社ですが、今出大神輿はちょっと変わっていて、宮出しは三嶋神社、宮入りは住吉神社と神社が異なります。さらにユニークなのは、宮出しする三嶋神社では神輿に御神霊を入れず、出発後、すぐに住吉神社に赴き、そこで神様をお遷ししてから氏子地域を回ります。なお、地元の中学生が担ぐ子ども神輿は宮出しする三嶋神社で神様を遷し、三嶋神社に宮入りします。今出大神輿が現在のような変則的な形で運行するようになったのは同じ垣生地区の東垣生町から出されていた神輿がなくなった70年ほど前からです。松山秋祭りの各神社の神輿は鉢合わせといって2基の神輿をぶつけ合う喧嘩神輿が名物です。今出大神輿も昔は東垣生町の神輿と鉢合わせをしていましたが、それができなくなったため、若い衆と年配者が対決する宮入りと神輿落としという独特の担ぎ方が行われるようになりました。

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みどころ若い衆とOBが鳥居前で激しい攻防戦を展開

シシゾウ:神輿落としとはどのような担ぎ方ですか?

中矢さん:神輿の上に若い衆が登って大きく揺さぶり、それを受けて、下で担いでいるかき手たちが唐突に神輿を地面に落とします。この担ぎ方は偶然、人が乗っているときに神輿を落としたのが面白かったため、定着したものです。神輿落としは宮入り前に数十回行うほか、角回りといって氏子地区を巡行するときにも決まった場所で披露されます。

シシゾウ:神輿に上がる人は決まっているのですか?

中矢さん:特に決まってはおらず、上がった者勝ちです(笑)。私の青年時代は若者の人数が今よりずっと多かったので皆で争うようにして神輿に上がりました。私は神輿の上にいるのが大好きだったので、上がった回数は氏子の中で一、二を争うと思います(笑)。

シシゾウ:若い衆と年配者が対決する宮入りもユニークですね。

中矢さん:本来であれば神輿2基で鉢合わせをするところですが、神輿が1基しかないので、氏子が若い衆と「家持ち」と呼ばれる年配者の二手に分かれて対決します。この宮入りは今出大神輿のクライマックスで、毎年地元のケーブルテレビが生中継します。
勝負は、神輿を担いで鳥居をくぐり抜けることができたほうが勝ちで、先攻は若い衆、後攻は家持ちが神輿を担ぎます。神輿は鳥居を目指して勢いをつけて走り込み、防ぐ側は人の壁を作って押し戻し、神輿を地面に落とします。激しいぶつかり合いで、うかうかしていると怪我をしてしまうので一切気は抜けません。ちなみに過去の対戦は若い衆の全勝です。これには理由があって、地域の未来を託すという思いを込めて家持ち側が若い衆に花を持たせているからです。若い衆は4回目の走り込みで鳥居をくぐることになっています。ただし、ここ数年は事情が異なり、私を含む家持ち側は、昔に比べておとなしい若い衆の奮起を促すために本気で勝ちを狙いにいっています。悲しいかな、体力差があるのでいまだ勝利には至っていませんが、近い将来、家持ち側が勝って祭りの歴史を塗り替えるかもしれません(笑)。

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注目ポイント神輿の角回りは数百人の老若男女がお供

シシゾウ:昼に行われる角回りについて教えてください。

中矢さん:角回りでは、神輿が西垣生町の氏子宅を1軒1軒回ります。なんといっても人目を引くのは、神輿の後ろをついて歩く老若男女の氏子の大集団です。このような光景は他所ではまず見られないと思います。数百人に及ぶ氏子の皆さんのお目当ては各家でまかれるお菓子です。神輿が訪ねてくると、そこの家の人は前もって用意していた大量のお菓子を玄関先や2階からまき、氏子のみなさんは「待ってました」とばかりに拾い集めます。町内のスーパーマーケットでは、お菓子と一緒に菓子パンもまかれるので争奪戦はより一層過熱します。1日中、神輿について歩けばビニール袋はお菓子でいっぱいになります。引っ込み思案ではお菓子が取れないので西垣生町の子どもたちは祭りで鍛えられ、たくましく成長します(笑)。みんなが楽しめるという意味においても今出大神輿は正真正銘、氏子のための祭りだと思います。

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ふるさと自慢今出漁港で水揚げされる瀬戸内のタコは鮮度抜群

シシゾウ:松山市の食の名産品を教えてください。

中矢さん:西垣生地区の今出漁港はタコ漁が盛んで、松山市内ではタコといえば今出というくらい有名です。今は減ってしまいましたが、シーズンの初夏から夏にかけては、期間限定で納涼席を設けたタコ料理の専門店が出店します。地元で水揚げされた新鮮なタコはタコ刺しにして食べると最高です。

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メッセージ祭りは地域の誇りであり、自身が生きている証です

中矢さん:今出大神輿は地域を代表する文化であり、地域の誇りです。祭りにすべてを賭けてきた私にとっては生きている証でもあり、自分の命より大事といっても過言ではありません。私に続く祭りバカが若者たちから出てきてくれることを心から願っています。

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※祭り紹介者 西垣生町 中矢 悟朗(なかや ごろう)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

TV番組情報

放送局

ダイドードリンコ日本の祭り

松山秋祭り・今出大神輿~「前へ」~(仮)

11/2(土)15:00〜15:55
itv あいテレビにて放送!

神輿を大きく揺さぶって激しく倒し、かき直しては倒してを繰り返す。松山市内の様々な祭りの中でも異彩を放つ祭り、「今出大神輿」。クライマックスはその宮入り。「やるぞ!やったるんぞ!」「絶対、通すんぞ!」。数十人の「若い衆」が神輿を担ぎ、神社内の鳥居をくぐろうとするが、「家持ち」と言われる大勢のベテラン衆が、鳥居の前で若い衆の侵入を阻む。真剣勝負の熱い押し合いに、観客と祭りのボルテージは最高潮に達する。番組では、祭りと地域を支えるために奔走する家持ちや若い衆を追いかけながら、世代を超えて受け継がれている祭りへの情熱と、今出の夜の熱気を伝える。

番組の放送局サイトへ

制作担当者からのメッセージ

秋になると松山市の各地域でそれぞれに行われる秋祭り。道後や古町の喧嘩神輿が取り沙汰されることが多い中、今回取材する今出大神輿は市内でも珍しい祭りの一つです。そこには、古くから受け継がれる歴史や伝統がありますが、一方で、若い世代に受け継ぐ難しさに直面している現実もあります。それは、日本各地の祭りと同様に、地域住民の祭りに対する思いの温度差や、若者が都市に流れる現象など、様々な要因が重なっているためです。そのような時代の大きな流れの中で、それぞれの役割を意識し、奔走する地域の方々を取材していると、恥ずかしながら、松山市内で生まれ育ちながらも祭りに深く関わることがなかった私でも、非常に熱いものがこみ上げてきます。今出大神輿という代々受け継がれる歴史と、その歴史の中でもがく人々の血潮が、現代に投げかけるメッセージを伝えたい。そんな思いで取材を進めています。

あいテレビ ディレクター
天野辰平

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TV番組情報

ダイドードリンコ日本の祭り松山秋祭り・今出大神輿~
「前へ」~(仮)

11/2(土)15:00〜15:55
itv あいテレビにて放送!

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