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伊香おすわ様

伊香おすわ様

祭り紹介

祭り写真館 今年の様子をご覧いただけます。

8/28公開!

歴史区民の無病息災を祈願し、
150年以上続く伝統行事

シシゾウ:伊香おすわ様は、いつごろ始まりましたか?

鈴木さん:おすわ様という呼称で親しまれている諏訪神社の祭礼は伊香地区に伝わる厄ばらいの行事です。起源については文献が一切残っていないため、詳しいことは分かりません。伊香地区のご高齢の方に聞いた話では、慶応年間(1865~1868)生まれのおじいさんおばあさんが子どものころには行われていたということなので、150年以上の歴史はあると思います。

シシゾウ:祭りを執り行うのは、地区の若者だそうですね。

鈴木さん:若組といわれる20代前後の男性が中心になります。以前は、伊香若組と古宿(ふるじゅく)若組という2つの地区の若組がありましたが、若者が少なくなったため、伊香若組に統合されました。
若組には役職があって最初は無役ですが、会計、組頭、顧問と役職が上がっていって、顧問を卒業すると若組も卒業です。

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みどころご神体を奉じて約4時間、地区の家々を駆け回る

シシゾウ:おすわ様の詳しい内容について教えてください

鈴木さん:諏訪神社の御神体を奉じた集団が、約120戸ある伊香地区の家々を1軒1軒訪ね、家の中を土足のまま駆け抜けます。若者を迎え入れた家は、神様がお通りになったということではらい清められるとされています。
この駆け抜けで若組は世話役も務め、実際に駆ける人の多くは伊香地区の小中高生や若組のOBです。私が初めて参加したのは中学生のときです。参加者は事前に募集をしていて、他地区からも参加があります。例年、参加者は20名ほどです。

シシゾウ:駆け抜けの流れを教えてください。

鈴木さん:夕方、参加者は諏訪神社の御神体がまつられているお仮屋の前に集合します。参加者の装束は、さらしの胴巻きに白パンツ、足元は白足袋もしくは白の運動靴と決められています。お仮屋は、山の中腹にある諏訪神社から集落に下りてこられる神様にお泊りいただくための小屋で、若組が中心になって祭りの前に建てます。そこで神職の方が地区の安全と区民の無病息災を祈願する神事が行われ、参加者たちはお清めのお払いを受けます。
スタートは午後6時過ぎで、宮司さんの「お発ち」の掛け声のもと、「ワッショイワッショイ」の掛け声とともに参加者は一列になって駆け出します。先頭は案内役の先達、かしの木を持った先祓い、御神体の御神鏡、雌雄2体の獅子頭が1人ずつの諸役で、一般参加者があとに続きます。
駆け抜ける家は基本的に伊香地区の全戸です。ただし、身内に不幸があった家や事前に辞退を申し出た家には行きません。それでも110軒近くは回ることになります。体力は相当使いますが、気分が高揚しているので疲労感はあまりありません。途中に休憩をはさみながら全戸を回り終えるのは午後10時ごろになります。

シシゾウ:家を駆け抜けるときの作法はありますか?

鈴木さん:土足のまま、縁側から家に上がり、座敷を抜けて玄関から出て行きます。玄関から入ることはありません。これは、昔は玄関とは養蚕やたばこの葉を干したりする作業場であり、神様を高いところから迎え入れるためだそうです。若者たちを迎え入れる家は、戸を開けて待っています。雨が降って足元がかなり汚れていても遠慮なく上がり込みます。部屋を汚したくない等の理由で通り抜けるところにゴザが敷かれていたり、庭を通ってほしいと言われたりすることもありますが、ごく少数です。昔からの言い伝えでは、土足で汚れた箇所は神様の通った跡なので一晩掃除をしないでおくとご利益がより一層得られるとされています。

シシゾウ:山車も出るそうですね。

鈴木さん:駆け抜けに参加できない小さな子どもたちは山車を曳き回します。若者たちが地区の家々を回っているとき、山車は県道の車線の片側を通行止めにして練り歩きます。途中の休憩所では、子供たちは駆けている若者を待ち、獅子頭に頭を噛んでもらい厄を払うといったことも行われます。山車を曳きながら、大人たちが駆けるのを見て育った子どもたちは、大きくなると自分も駆け抜けをしてみたいと自然に思うようになります。

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注目ポイントひと晩がかりで餅をついて神様に奉納。
氏子にもおすそわけ

シシゾウ:駆け抜けの前日にも行事があるそうですね。

鈴木さん:公民館でお仮屋の神様にお供えする餅をつきます。このとき、地区の全戸分に配る餅を一緒につくのが昔からの慣わしです。各家に配るのは小さな丸餅2個ですが、約120軒分なのでお供え用と合わせて80キロ前後の餅をつくことになります。若組は人数が少ないのでOBの方にも手伝ってもらいますが、量が量だけに夕方から始めて翌日の朝方近くまでかかります。地区の人たちは朝、できあがった餅を各自で受け取りに行きます。子どものころ、餅を取りに行くのは私の役目でした。そのころ立派に見えた若組の人たちと今、同じ立場になっていると思うと感慨深いです。平成29年は人手が足りないため、神様にお供えする分だけをつきました。

シシゾウ:餅つきでは面白い風習があるそうですね。

鈴木さん:駆け抜け当日の朝、厄ばらいとして千本杵の数本にからませたつきたての餅を高く掲げて地区を練り歩き、希望者には餅をちぎりとってもらう風習があります。
神前にお供えした餅については、駆け抜けの翌日、戸数分になるように約5センチ四方に切り分け、諏訪神社の御札とともに各家に配って回ります。このお餅は御護符になります。御護符のお餅を配り終えると、若組としての仕事はほぼ終わりで、ほっと一息つきます。
このようにおすわ様では駆け抜けと同じくらい餅が重要な意味を持っています。御護符を食べることで体の内面からお守りいただくという意味があるそうです。諏訪神社の神職の方が、おすわ様の正式名を「諏訪神社祈祷餅祭典」と表現されているのも納得です。

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ふるさと自慢伝統のあるこんにゃく作り。
変わり種は町の花・ダリアのソフトクリーム

シシゾウ:塙町の食の名産品を教えてください。

鈴木さん:塙町の特産はこんにゃくです。江戸時代からの歴史があり、特にさしみこんにゃくは有名です。こんにゃくをアレンジしたお菓子もあります。塙町はダリアの町としても知られ、町の花にもなっているダリアの栽培をまち全体で取り組んでいます。ダリアを活かしたユニークな特産品もあります。そのひとつがオリジナルのダリアソフトクリームです。フルーツのような酸味があって塙町でしか食べられない味です。

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メッセージおすわ様あっての伊香地区。
次代にしっかりつなげていきます

鈴木さん:地元では、伊香といえばおすわ様といわれるほど、伊香おすわ様は伊香地区の象徴であり、なくてはならない存在です。個人的にはおすわ様あっての伊香といっても過言ではないと思っています。地区の人たちは皆、おすわ様を大切に思い、ずっと継承していきたいと願っていますが、最大の懸念は担い手である若組の人数が減っていることです。将来的には、保存会を立ち上げることも検討していかなければならないかもしれません。いろいろ課題はありますが、絶対なくしてはいけないものなので、次の世代のことも考えながら伝統をきちんとつなげていきたいと思います。

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※祭り紹介者 伊香若組 顧問(前・組頭) 鈴木 翔太(すずき しょうた)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

TV番組情報

放送局

ダイドードリンコスペシャル

神様の足あと
ー塙町 伊香おすわ様ー

8/12(日)16:00~16:55
TUF テレビユー福島にて放送!

「伊香おすわ様」は、福島県の南東部、茨城県との県境にある塙町の集落、伊香・古宿地区で、毎年7月中旬に行われる祭りです。地区で流行した疫病の厄払いが起源とされ、200年以上の歴史があるとも言われています。主役は二十歳前後の男たち。祭りは夜を徹して行われる餅つきから始まります。クライマックスは、夕刻から始まる神事。さらしを巻き、法被に足袋という装いの男たちが、御神体の獅子頭と鏡とともに、120近くの家々を土足で駆け抜けていきます。残された足跡は「神様が通った跡」として崇められ、翌日まで掃除をせずに残されます。県内でも類まれな奇祭と言われる「伊香おすわ様」。番組では、若者が年々減少していく中で、懸命に地区の伝統を守ろうとする若者の姿を追います。

番組の放送局サイトへ

制作担当者からのメッセージ

梅雨明けを目前に控えた7月中旬の夕刻。蛙の鳴き声が響き渡る青々とした田園の中を「わっしょい!わっしょい!」という威勢のよい若者の掛け声とともに提灯の明かりが走リ抜けていきます。縁側と玄関を開けて若者たちを待ち受ける住人。そこに汗をかき、息を切らせながら走ってきた若者たちが、縁側から土足のまま駆け上がり、玄関に抜けて走り去っていきました。その間、わずか十数秒。「伊香おすわ様」は、福島でも知る人ぞ知る奇祭です。“なぜ、土足で駆け抜けるのか?”。地元の人たちはもちろん、県内の祭りや行事に詳しい郷土史家、はたまた諏訪神社の総本社である諏訪大社に取材しても、明確な答えは得られませんでした。謎のベールに包まれた奇祭「伊香おすわ様」。代々、地区の人たちが口頭伝承で守ってきた夏の祭事への思いや姿を丁寧に描きたいと思います。

TUF 太田林一

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TV番組情報

ダイドードリンコスペシャル神様の足あと
ー塙町 伊香おすわ様ー

8/12(日)16:00~16:55
TUF テレビユー福島にて放送!

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