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保呂羽山 霜月神楽

保呂羽山 霜月神楽

祭り紹介

歴史湯立神楽と寄合神楽の古風を今に伝える

シシゾウ:保呂羽山 霜月神楽は、いつごろ始まりましたか?

大友さん:神社の歴史は1200年以上にのぼりますが、霜月神楽が現在の形になったのは、約400年くらい前からといわれています。私の家は代々、保呂羽山波宇志別(はうしわけ)神社の神職を務め、霜月神楽では斎主として近隣のゆかりのある神官6人を里宮に招き、神楽を奉納します。この形式を寄合神楽といい、霜月神楽は寄合神楽の古い形式を伝えているといわれています。斎主は私の息子です。私も以前は打ち身に出ていましたが、今はもっぱら食事や直会(なおらい)の準備、接待をしています。
神楽奉納の舞殿になる波宇志別神社の里宮は自宅に隣接していて、普段は標高438メートルの保呂羽山山頂に鎮座する保呂羽山波宇志別神社の遥拝所になっています。
霜月神楽は名前の通り、元々の開催日は旧暦の霜月(11月)でしたが、現在は新暦の同日に行われます。神楽に奉仕する神官や神子(みこ)は精進潔斎をして身を清めます。

シシゾウ::湯立神楽はどのような神楽を指すのですか?

大友さん:神前に据えた湯釜で沸した湯を用いて邪気を祓い、五穀豊穣や氏子の繁栄などを祈願する湯立神事と神子や神官が歌舞を奉納する神楽が一体化した神事です。湯立式で神官から笹を束ねた湯ぼうきで湯を頂いた人は穢れを祓い清められるといわれています。

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みどころ神子が舞い、神の言葉を伝える保呂羽山舞

シシゾウ:霜月神楽の舞の特徴を教えてください。

大友さん:第一の特徴は、神子が舞う神子舞(みこまい)が多いことです。神子舞は湯加持(ゆかじ)とセットになっています。神子舞の前に男性神官が湯釜の湯に浸した湯ぼうきを手に五方を拝して舞い、場を清めます。

シシゾウ:神子舞の中でも特に注目の舞はありますか?

大友さん:保呂羽山舞(ほろわさんまい)は巫女(みこ)の原形を伝える舞といわれています。霜月神楽の神子舞は、神歌の歌詞を除けば所作はほぼ共通しています。保呂羽山舞は、舞の途中に神子の口を通して神様の言葉を告げる託宣を行うところが他の神子舞と大きく異なります。現在、託宣は決まった文言で行います。舞の途中に、祝詞奏上が行われるところも他の神子舞にはない特徴です。
二十七番の剣舞(つるぎまい)も重要な舞です。2人の神子が剣を持って舞う舞で、戦没者を慰める舞といわれています。

シシゾウ:神子を務めるのはどういう方々ですか?

大友さん:神楽に関心のある人や神職の関係者などです。現在、神子を務める方は20代から50代まで年齢はまちまちです。長く務めている方は、中学生からずっと神子を務めておられます。私は神子の経験がありませんが、娘は神子舞を習い覚え、神楽にも出ます。娘が神子舞を始めたのは私の義母に勧められたのがきっかけでした。時は移り、今は私が小学生の孫娘に神子舞を覚えるように勧めています。神子はなり手が不足しがちなので、これから本格的に後継者の育成を考えていかなければならないなと思っています。

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注目ポイント丑の刻の山の神舞は、山の神が勇壮に跳梁

シシゾウ:神子舞以外で注目の舞はありますか?

大友さん:午前1時過ぎに行われる十九番の山の神舞は、霜月神楽で最も重要な舞とされています。山の神は春、山から麓に下りてこられて里に豊かな実りをもたらし、秋に帰っていかれるといわれています。舞の内容は男性神官による一人舞で、舞装束は他の神官のような狩衣姿ではなく、鳥兜(とりかぶと)で顔を覆い、たすきがけに手甲脚絆(てっこうきゃはん)です。後半は鳥兜を取り、直面で舞います。霜月神楽は比較的静かな舞が多いのですが、山の神舞は変化に富んだ動きの激しい勇壮な舞で、舞の終わりには参拝者に餅を12個まきます。縁起物ということでこの餅を巡って参拝者の間で争奪戦が繰り広げられます。舞は約40分間にわたり、舞い終わると舞人の神官は11月にも関わらず汗びっしょりです。
山の神の舞に続いて舞われる神入舞は、神官の一人舞で、真剣で四方の邪悪を切り払います。
三十三番の中には湯立式のほかにも、供物の餅と昆布を神官が一口ずついただく「御供頂戴(ごくちょうだい)」などの神事が多く含まれます。
締めくくりの舞は「恵比寿」で、七福神の恵比寿が鯛を釣る体で、御膳に載せたハタハタを釣り上げます。昔は形式的に釣り上げるふりをしていましたが、今はハタハタ二匹をわらで結んで、そこに釣り針をひっかけて釣り上げています。
三十三番すべての奉納が終わると直会です。関係者だけでなく一般参拝者の方にも、精進明けのお刺身や、ワラビやゼンマイなど地元の山で採れた山菜、吸い物などをお出しします。山頂の神社ではなく、調理ができる里宮で神楽奉納を行うのは、この直会があるからです。

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ふるさと自慢「いぶりがっこ」は秋田伝統の味

シシゾウ:横手市の食の名産品を教えてください。

大友さん:特産品はたくさんありますが、中でも有名なのは、いぶりがっこです。煙でいぶして燻製にした大根を米ぬかで漬けこんだ秋田の伝統的な保存食で、市内の山内(さんない)地域が産地として知られています。「B-1グランプリ」優勝で一躍全国区になった横手やきそばは、横手市を代表するご当地グルメで、市内には目印ののぼり旗をあげ、横手やきそばを提供する店が数十軒あります。

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メッセージ体力はいりますが、朝まで通しで見て、神楽の魅力に生で触れてください

大友さん:神楽の開始は午後7時からで、中入(なかいり)と呼ばれる2時間ほどの休憩をはさんで朝の6時まで夜を徹して33番の神楽が奉納されます。参拝者の皆さんは、座敷に座って見物をしていただく形になります。神楽は夜通しなのでご覧になるのは体力がいると思います。参拝者の中には途中、座敷に横になって休んでいる方もいるくらいです。それでも朝までご覧になった方は、素晴らしいと口を揃えておっしゃいます。ぜひ、ご参拝いただき、生の神楽に触れていただきたいと思います。

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※祭り紹介者 霜月神楽保存会 会長 大友 ナミ子(おおとも なみこ)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

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