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早長八幡宮 秋祭り

祭り紹介

祭り写真館

11/7
公開

歴史約350年前の江戸時代に山車が登場

シシゾウ:早長八幡宮 秋祭りの山車巡幸は、いつごろ始まりましたか?

小西さん:早長八幡宮の創建は室町時代中期の文安元年(1444)で、豊後国(現在の大分県)の宇佐神宮から御神霊を勧請(かんじょう)、その時神霊を乗せた船が西ノ浦(現在の後松原、松原御旅所)の早長の瀬に着いたところから名付けられました。そして室積地区の宮ノ崎という地にまつられました。文献には、毎年12月に御神霊を乗せた神船が豊後に向けて出港し、何十隻という御供船が付き従ったと記されています。江戸時代の寛文元年(1661)、神社は現在地に遷座し、その折に、祭礼の神船を模して、「台若(だいは)」「御鏡山(かがみやま)」「曳舟(ひきふね)」の山車3輌が造られました。時代が下って江戸時代中期には「鳥居」「石燈呂(いしどうろ)」「高麗犬(こまいぬ)」「随神(ずいじん)」など神社の小物をかたどった山車が作られ、現在の山車巡幸の様式が整いました。

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みどころ子どもたち100人を乗せて曳き廻す踊山

シシゾウ:山車巡幸の山車の構成を教えてください。

小西さん:巡幸に出るのは山車10輌と踊山1輌で、行列は先頭から台若、鳥居、石燈呂、高麗犬・阿形(あぎょう)、高麗犬・吽形(うんぎょう)、随神・右大臣、随神・左大臣、御鏡山、曳舟の順番で、最後尾に踊山がつきます。その行列に神社の神輿二基や子ども神輿、神職、氏子総代などが加わります。
山車の先頭を務める台若は、「太平楽」と書かれた赤の大きい幟2張に大きな黒松を飾っていて目を引きます。黒松は毎年、本物の松の木を山から伐り出しています。

シシゾウ:踊山について教えてください。

小西さん:踊山は江戸時代の文化年間(1804~1818)に建造されました。この屋台は舞台になり、舞踊などの芸能が奉納されたことからこの名称がつきましたが現在は舞台として使うことはありません。当初、踊山は2輌ありましたが、1輌は老朽化が激しく昭和43年(1968)に解体されました。残った1輌も老朽化が進みましたが、平成15年に刺繍幕を新調し、平成24年には本体を大修理しました。
踊山は全長約7メートル、幅2.5メートル、全高約4メートルで、前方に親綱と舵綱が各2本、後方に艫綱(ともづな)が2本ついています。曳き綱は親綱で、長さが約30メートルあります。踊山には、地域の子どもたちを乗せるのが恒例で、子どもたちはとても楽しみにしています。屋台が大きいので子どもが100人近く乗ることができます。なお、山車の台若、高麗犬、随神にも少人数ですが子どもたちが乗り込みます。子どもたちが乗ると総重量が約4トン位になる踊山の運行を担当するのは室積地区の連合の自治会で、山車を曳き廻します。踊り山を運行するのには若衆が150人位は必要になります。

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注目ポイント御旅所では山車で神社を再現。山車の提灯が美しい御還幸

シシゾウ:山車巡幸のスケジュールを教えてください。

小西さん:午後1時45分ごろから、山車を曳く若衆が自治会ごとに揃いの法被を着て、木遣り唄を歌いながら早長八幡宮に集まってきます。木遣り唄は江戸時代に貿易港として栄えた室積の港に寄港した北前船の船員から伝えられたものといわれ、「祝いえーめでたの」と喉自慢の人が口説きといわれる箇所を歌うと、「ヨイヨーイ」と残りの人たちが付け声をつけるというふうな掛け合いになっています。
若衆が参拝し、神前でお祓いを受けた後、午後2時40分ごろ、山車が御旅所に向けて出発します。御旅所は、旧社地の宮ノ崎で現在は宮ノ脇御旅所と呼んでいます。御旅所に着くと、山車の鳥居や石燈籠、高麗犬、随神、神輿等を配置して神社が再現され、そこで宮司がお祓いをします。御旅所での神事が終わると、山車の提灯に火が灯る頃、早長八幡宮に戻る御還幸です。午後7時半ごろに早長八幡宮に戻ります。

シシゾウ:山車巡幸のみどころを教えてください。

小西さん:山車を曳き廻すときの掛け声が独特です。山車を動かすとき、山宰領は「チョーサー エンヤラーヤ」と合図の声をかけます。すると、曳き手たちが「ハンエンヤラー」と応えて綱を曳き始めます。山車が動き出すと、曳き手たちの掛け声は「エンヤ、エンヤ」と軽快なテンポになります。この独特な掛け声から、山車巡幸は「室積エンヤ」とも呼ばれます。自治会によっては、「エンヤ」が「ハンエンヤラー」になるところもあります。
運行中の指示の言葉もユニークです。進行方向に電信柱などの障害物がある場合、海側に寄らなければいけないときは「浜じゃ浜じゃ」、山側に寄るときは「陸じゃ陸じゃ」と言いながら山車の向きを変えます。また、交差点などで曲がるときの指示は「チョーサー、ヨッコニセイ」で、曳き手たちが「ハーヨコニ」と応えて、山車の向きを変えます。行列が滞って停止するときには帆巻き唄と呼ばれる練り唄が歌われ、曳き手の若衆たちは曳き綱を左右に振り動かし、互いに身体をぶつけ合います。
御旅所から早長八幡宮に戻ってくる御還幸もみものです。御旅所を出発する頃には日が暮れかかっているので、山車に提灯が灯されます。車体の大きな踊山には100近い提灯がつくので壮観です。御神幸のルートは道幅が広い県道ですが、御還幸のルートの海商通りは、古い町並みを通る旧道で、山車や踊山がギリギリ通れるほどの道幅です。気をつけていないと民家や駐車している車などにぶつかってしまうため、掛け声は「エンヤ」ではなく、「エーンヨイト」とテンポがゆったりしたものになり、慎重に曳いていきます。

シシゾウ:そのほか、注目するところはありますか?

小西さん:踊山の統制のとれた運行にも注目していただきたいです。踊山には子どもたちのほかに、山宰領(やまさいりょう)と呼ばれる6人の若衆が乗り込みます。山宰領は交替で、「チョーサー」と大声で掛け声をかけながら御幣を振って曳き手たちを指揮します。山宰領は一生に一度しか務めることはできないといわれている大役で、選ばれると、祭りの1ヵ月ほど前から御幣を振る練習をします。装束も他の若衆とは違い、着物に兵児帯(へこおび)、白足袋に雪駄を着用します。
踊山一番の大役は、山宰領経験者の中から選ばれる水先案内人の一人の赤提灯で、巡幸中、数メートル先を行き、手にした赤提灯を振って踊山を導きます。提灯を上げたら「進め」、右または左に振ったら、海側または山側に寄れという合図で、この赤提灯の指図に従って山宰領は御幣を振り、曳き手に指示を伝えます。狭い道を通る御還幸は特に赤提灯の腕のみせどころです。

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ふるさと自慢ハモは、風光明媚な瀬戸内海の夏の味覚

シシゾウ:光市の食の名産を教えてください。

小西さん:瀬戸内海に面している光市は昔から漁業が盛んで、陸揚量BEST5は、1位ハモ 2位鯛 3位イカ 4位ナマコ 5位カレイ、となっています。特に夏のハモ漁で知られており、主に関西方面に出荷され季節の食材として欠かせないものです。その他には、白イカ、ツンコ干し、ひじき等もありますが、山間部ではいちご、ブルーベリーの栽培が行われています。専門農園もあり、摘み取り体験ができます。

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メッセージ前日の宵山にも山車2輌が曳き廻されます

小西さん:山車10輌と踊山1輌で神社の形態を作って町を練り歩く山車巡幸は非常に珍しいので、ぜひ一度見に来ていただきたいと思います。雨が降ると中止です。なお、前日の夕方から宵山行事として、御旅所から早長八幡宮まで台若と御鏡山の山車2輌が曳き廻されます。さらに宵山の前日の夜には、祭りの無事を祈願し、山車巡幸で使われる御幣のお祓いをする「幣まつり」と、若衆たちのグループが木遣り唄を歌って氏子町内を練り歩く「木遣り口説き歩き」が行われます。そちらも興味があればぜひご覧ください。

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※祭り紹介者 光市室積山車保存会 会長 小西 義人(こにし よしと)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

TV番組情報

KRY 山口放送

ダイドードリンコスペシャル

神社 まちを駆ける
~光・早長八幡宮秋祭り~

10/28(土)15:00〜15:55
KRY 山口放送にて放送!

山口県東部に位置する光市室積に早長八幡宮はあります。毎年10月、体育の日の前の日に行われる『早長八幡宮の秋祭り』は、地域の安泰、豊漁や海の安全を願います。見所は、遷座までお宮があった御旅所に向かう『山車巡幸』です。今から約350年前の江戸時代前期に始まりました。『鳥居』『灯篭』など神社を構成する山車10基と踊山1基は、各集落が受け継いでいます。「エンヤ!エンヤ!」の掛け声で山車や踊山を曳き廻します。御旅所に山車が到着すると、神社が出現し、神事が行われます。”神社が町を駆け抜ける”奇祭です。

番組の放送局サイトへ

制作担当者からのメッセージ

先日、祭りの取材を終えた後、スタッフからひとこと…『気持ちのいい、楽しい取材でしたね』 そう、『日本の祭り』の取材は、我々、取材スタッフも、心から祭りを楽しんでいます。楽しすぎて、ついつい、取材テープも多くなりがち。ことしも、いい汗をかきながら、取材しています。ことし取り上げる、光市室積地区は、江戸時代、港町として栄えた面影が残る町並みとともに、新しい住宅も多い地区です。地域のつながりが薄らいでいるといわれる昨今ですが、『祭り』が盛んな室積地区は、大丈夫。『祭り』を絆に、住民がひとつになります。地域の人々の顔が見えます。そして、みんな、熱い!伝統を守り伝えたい思いと、祭りを楽しむ思いがひとつになって、熱く、町を駆け抜けます。 番組制作を通じて、『祭り』の伝統、人々の思い、地域の絆を発信します。そして、何より、ことしも、スタッフ一同、ぶち、楽しみます!

報道制作局 テレビ制作部 白石則明

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祭り冊子を持って、祭り会場へ行こう!

TV番組情報

ダイドードリンコスペシャル神社 まちを駆ける
~光・早長八幡宮秋祭り~

10/28(土)15:00〜15:55
KRY 山口放送にて放送!

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