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走水神社境内社 須賀神社祭礼

走水神社境内社 須賀神社祭礼

祭り紹介

歴史龍が陸に上がった提灯行列。神輿巡幸は約150年の歴史

シシゾウ:走水神社境内社 須賀神社祭礼は、いつごろ始まりましたか

角井さん:須賀神社は走水神社の社殿の裏山に鎮座する境内社で、須佐之男命(すさのおのみこと)をおまつりしています。夏に行われる須賀神社祭礼の中心行事は神輿巡幸と提灯行列です。神輿巡幸は約150年前の神輿購入を機に始まりました。提灯行列の歴史はそれよりもさらに古く、起源はかつて行われていた競漕、今でいうドラゴンボートレースと考えられます。漁村だった走水地区の沖合いの浦賀水道は潮流が激しく、難破する船が多かったため、走水地区の人たちは海難事故が起きるたびに救助船を出していました。その海難救助の訓練として行われたのがドラゴンボートレースでした。時代は下り、救助船がその役目を終えたころ、レースにとってかわったのがトールトイと呼ばれる提灯行列でした。主役は子どもたちで、高張提灯を先頭に、提灯を手にした子どもたちが「トールト・イ、リュート・イ」と囃したてながら行列を作って町内を練り歩き、神社に参拝します。独特の掛け声は「龍がやってくるぞ」という意味で、ドラゴンボートが陸に上がって龍になったという見立てです。先頭の高張提灯は龍の目で、100人以上の子どもたちが長い列を作り、町内の路地をくねくね曲がりながら進む様はまさに龍さながらです。

シシゾウ:神輿巡幸は隔年だそうですね。

角井さん:私が子どものころは毎年神輿が出ていましたが、地区が小さいので住民の負担を考慮し、25年ほど前から神輿を出すのは1年おきになりました。神輿を出さない年は陰祭として開催され、神社で神事だけが行われます。

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みどころ1日かけて4町内の青年たちが神輿をリレー

シシゾウ:日程を教えてください。

角井さん:祭り期間は6日間で、最初の4日間は提灯行列、5日目が宵宮、最終日が本宮です。提灯行列の期間中は、祭りに奉仕する走水地区の4町の青年たちは町ごとに1日ずつ御仮屋(おかりや)と呼ばれる神社本殿の祭壇前に安置された裸神輿の前で奉納囃子を演奏します。
神輿巡幸が行われる本宮の朝は早いです。本殿に安置されていた裸神輿は午前4時に宮出しされ、飾り付けられます。神社を出発するのは午前9時ごろで、再び神社に戻ってくるのは12時間後の午後9時ごろです。

シシゾウ:神輿巡幸のみどころを教えてください。

角井さん:神輿は走水地区の仲ノ町、伊勢町(いせまち)、上町(かみちょう)、南町の青年たちによって順番にリレーされ、走水地区を一巡します。各町の持ち時間は2時間で、御祭神の須佐之男命の御神徳で氏子を疾病や災禍から守るため、入れる路地にはすべて入り、町内をくまなく祓い清めて回ります。神輿を担ぐ青年たちは魔よけの意味あいから化粧をする慣わしです。
須賀神社の神輿巡幸の特徴は、神輿が船に乗って移動する海上渡御が行われることです。これは、神輿が同じ道を通らないというしきたりに由来していて、伊勢町から上町、上町から南町への移動のときに行われます。
海上渡御で神輿を神輿船に載せるとき、担ぎ手の青年たちが神輿を担いだまま海に入っていくところは、神輿巡幸の大きな見せ場です。また、青年たちは少しでも長く担いでいたいという思いから、時間を気にする祭り役員が促しても船に載せるのを渋り、海の中でしばらく神輿を練り続けます。ここもみどころです。神輿を神輿船から下ろすときも海の中で受け渡しが行われるので、これから町内を回る青年たちも担ぐ前から全身ずぶ濡れです。
上町から南町へ移動する海上では、海上安全と走水神社の御祭神の一柱、弟橘媛命(おとたちばなひめのみこと)のために祝詞の奏上と玉串を捧げる神事が行われます。弟橘媛命は、走水神社のもう一柱の御祭神、日本武尊(やまとたけるのみこと)の御后で、日本武尊が走水から対岸の千葉へ渡航中に海が荒れたとき、海に身を投じて風波を鎮めました。海上神事はその御神霊をお慰めするためのものでもあります。
御神幸でもうひとつ注目していただきたいのは、神輿を引き継ぐとき、直接受け渡しはせず、禰宜(ねぎ)様と呼ばれる白装束の集団がいったん神輿を担いで次の町内に引き渡すところです。禰宜様は各町の担ぎ手を卒業したOBで構成されます。
神輿巡幸のクライマックスは神輿が神社に帰ってくる宮納めです。神輿を担ぐ青年たちは、神輿を納めると祭りが終わってしまうので境内に中々入ろうとしません。ようやく境内に入った神輿が本殿に通じる傾斜の急な36段の階段を一気に駆け上がるところは最高の見せ場です。

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注目ポイント右に、左に、大きく傾ける神輿の揉みは必見

角井さん:走水の神輿は担ぎ方が非常に特徴的です。一般的な神輿は、担ぎ棒が縦棒と横棒の井桁に組まれていますが、走水の神輿は2本の縦棒だけです。そのため、「揉み」といって神輿を揺さぶるとき、一般的な神輿が前後の動きになるところが、走水の神輿は左右になります。また、揉みの大きさ、激しさも特筆もので、天狗と呼ばれる青年部のリーダー(青年部会長)の指示に合わせて、一方の担ぎ手が担ぎ棒を押し上げて神輿を倒していくと、もう一方の担ぎ手たちは地面にお尻がつくくらいまで低くしゃがんで受け止めます。次に、しゃがんだ側は神輿が倒れないように担ぎ棒を押し返します。それを交互に繰り返します。激しい揉みは、荒ぶる神の須佐之男命を喜ばせるために行うもので、担ぎぶりが激しければ激しいほど御神意に叶うと信じられています。以前、横須賀市の「よこすかみこしパレード」に走水の神輿が出演したときには観客の大半が私たちの揉みを見に集まってしまって他所の神輿からブーイングが出ました(笑)。注目をしていただくことの多い走水の神輿ですが、体力を非常に消耗するので身体を鍛えておかないと担ぎ手はとても務まりません(笑)。
余談ですが、走水の神輿には、どんな時でも反時計回りの左回りをしないといけないというユニークな決まり事があります。これは神輿の四隅に彫られている十二支に由来するもので、干支の一番目の子(ねずみ)の面子を保ちながら、辰(龍)を先頭にするため、そのようになったといわれています。

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ふるさと自慢ミネラル分豊富な走水の海が生み出す海苔、わかめ、昆布

シシゾウ:横須賀市の食の名産品を教えてください。

角井さん:海底からミネラル分豊富な地下水が湧き出る走水の海は、海苔、わかめ、昆布の名産地です。中でも海苔は「走水のり」の名でブランド化されていてとても人気があります。

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メッセージみどころがいっぱいの走水の神輿を見に来てください

角井さん:走水の神輿は、揉み、神輿リレー、海上渡御、宮納め、禰宜様の存在などみどころが実にたくさんあります。一人でも多くの方に見に来ていただきたいです。

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※祭り紹介者 走水神社氏子総代責任役員 角井 正人(つのい まさと)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

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