トップページ
 >  祭り紹介 >  今年応援する祭り >  博多どんたく港まつり

博多どんたく港まつり

博多どんたく港まつり

祭り紹介

歴史博多松ばやしの起源は新年を寿ぐ年賀行事

シシゾウ:博多どんたく港まつりの起源である博多松ばやしの歴史について教えてください。

古川さん:中世、平清盛公と重盛公の親子は日宋貿易の拠点として博多を重要視し、人工港の造営をはじめ様々な事業を行いました。重盛公逝去の翌年にあたる治承3年(1179)、博多の町衆は重盛公の恩に報いるため、神の依代(よりしろ)として傘鉾を押し立てて町中を廻ったのが博多松ばやしの始まりとされています。起源についてはほかにも諸説がありますが、博多松囃子振興会はこの説を採用しています。

シシゾウ:そもそも松ばやしとは、どのような行事ですか?

古川さん:奈良時代に唐から伝わったとされる正月の宮中行事で、1月15日に町衆や芸人が装いをこらし、権力者の邸宅を訪ねて歌舞音曲を披露し年賀の祝いをするものです。古い文献には約400年前、博多の町衆が筑前領主・小早川秀秋の居城に松ばやしを仕立てて年賀のお祝いに行ったことが記されています。その後も博多松ばやしは歴代の福岡城城主への年賀の表敬訪問として行われました。
連綿と続いてきた博多松ばやしですが、過去には費用がかかりすぎるなどの理由で幾度か禁止令が出されました。しかし、博多の人々の情熱でその都度、復活を遂げてきました。終戦後、戦時中に中断していた祭りの中でいち早く再開したのは博多松ばやしと子供山笠でした。
かつては全国各地で行われていた松ばやしですが、現在その伝統を伝えるところはほとんどありません。そこで、博多松囃子保存会は博多松ばやしを国の重要無形民俗文化財に登録するための申請を出していて、数年内に認められる見通しです。

シシゾウ:博多松ばやしが、博多どんたく港まつりへと発展していった経緯を教えてください。

古川さん:博多の町中を祝って廻る博多松ばやし一行の後ろには、「通りもん」と呼ばれる、いでたちに趣向をこらして出し物を行う集団がついて歩きました。その「通りもん」が、現在の博多どんたく港まつりのメインイベントであるどんたく隊と呼ばれるパレードに発展しました。

ページ先頭へ

みどころ2日間で約180ヵ所を歩いて表敬訪問

シシゾウ:博多松ばやしの構成を教えてください。

古川さん:博多松ばやしは、福神流(ふくじんながれ)、恵比寿流(えびすながれ)、大黒流(だいこくながれ)、稚児流(ちごながれ)と呼ばれる4つのグループから成っています。流(ながれ)は、豊臣秀吉が行った町割(太閤割)を起源とする博多の自治組織で、博多松ばやしと博多祇園山笠に奉仕する地域はほぼ重なっています。
4つの流のうち、福神流、恵比寿流、大黒流は三福神(さんぷくじん)と総称され、それぞれ福神、男恵比寿と女恵比寿、大黒天を奉じています。夫婦の恵比寿は全国でも珍しい存在です。
ひとつの流は、太鼓を打ちながら言い立てと呼ばれる謡いを囃したてる子どもたちを先頭に、面と装束を着けた神様と裃(かみしも)・たっつけ袴、白足袋、下駄の御付きの男たち、傘鉾、地区住民など総勢150~200人が参加する行列で構成されます。神様は御神馬に乗馬しますが、そのほかは全員、徒歩で、2日間朝から夕方まで博多の町を練り歩きます。
稚児流はその名の通り、稚児が中心で舞を舞う舞姫(まいひめ)と呼ばれる女児、笛と鼓を演奏する男児、謡を担当する大人で構成されます。稚児流は東流と西流があり2年交代で舞の奉納を担当します。三福神は福神流、恵比寿流、大黒流の順番で行列を作り、一緒に行動しますが、稚児流は稚児舞の奉納に時間がかかるため、三福神とは別行程で4班に分かれて動きます。

シシゾウ:博多松ばやしは2日間で何ヵ所を祝って廻りますか?

古川さん:約180ヵ所です。表敬先は市内の神社仏閣や博多松ばやしの役員宅、企業・商店、官公庁などです。両日とも出発は櫛田神社で1日目は博多部、2日目は福岡城の旧城下町にあたる福岡部を中心に朝から夕方までお祝いに歩き廻ります。
博多どんたく港まつりのどんたくパレードは大雨だと中止になりますが、博多松ばやしは表敬先と約束をしているので、天候に関わらず必ず催行します。私は過去に何度も雨天を経験していますが、装束の杉の下駄が水を吸って鉄下駄のように重くなって大変です(笑)。

シシゾウ:三福神は表敬先でどのようなことをするのですか?

古川さん:福神流を例にとると、まず「本日はおめでとうございます。博多松ばやし福神流でございます。〇〇(訪問先)様方の弥栄(いやさか)を祈念し、お祝いを申し上げます」と口上を述べてから「祝ぉたぁ!」と叫び、「祝ぉシャンシャン、もぉひとつシャンシャン、よぉと三度シャシャン、シャン」という博多手一本で締めます。さらに、お土産として唐団扇(とううちわ)を渡します。このお土産が恵比寿流は張子の鯛、大黒流は米俵付きの稲わらになります。表敬先はその返礼に一束一本(いっそくいっぽん)と呼ばれる半紙の束と白扇を渡します。このご祝儀は紙が貴重品だった時代の名残で、三福神の表敬を受ける側は必ずこれを用意しています。

ページ先頭へ

注目ポイントパレードの幕開きを華やかに飾る博多松ばやし

シシゾウ:博多松ばやしのおすすめのみどころを教えてください。

古川さん:1日目の午後1時からどんたく広場でスタートするパレードは三福神が先頭を務めるので大きな見せ場です。稚児流の4つの班も勢揃いし、三福神一行が出発した後、揃って稚児舞を奉納します。2日目午後の福岡市役所前の広場で行われる記念式典にも三福神と稚児流は合同表敬をするので、そこもみどころです。
三福神は市内のあちらこちらを動き回っているので、土地勘がないと探すのは難しいかもしれません。そこで平成29年から、博多松ばやしの現在地をスマホで確認できるサービスを試験的に提供しています。
三福神に出会ったら傘鉾にもご注目ください。各流はそれぞれ大きな傘鉾と、古式傘鉾と呼ばれる羽子板などの正月飾りをつけた小型の傘鉾を奉じています。この傘鉾の下をくぐり抜けると病気にならないという言い伝えがあるので、ひと声かけて通り抜けてください。

シシゾウ:古川さんの博多松ばやしにまつわる思い出をお聞かせください。

古川さん:流の町内に生まれると小さいころから親に連れられて参加するのが当たり前という感覚です。乳母車に乗って参加する子どもも珍しくありません。私も小学校に上がる前から行列に加わり、小学校に上がると言い立ての役を務めました。言い立ての文言はかなり長いのですが、子どもは記憶力がいいのですぐに覚えます。

ページ先頭へ

ふるさと自慢直会に出される櫛田神社の水炊きは憧れの味

シシゾウ:福岡市の食の名産品を教えてください。

古川さん:ラーメン、辛子明太子、もつ鍋など名物はたくさんありますが、博多松ばやしに縁が深い食べ物といえば水炊きです。祭りが終わった後、櫛田神社で慰労会として行われる直会(なおらい)には必ず水炊きが出されます。直会に出席できるのは役員クラスなので、若い人たちは櫛田神社で水炊きを食べるのがひとつの憧れであり、目標になっています。

ページ先頭へ

メッセージ博多っ子が愛し、守ってきた博多松ばやしの伝統を次代に繋げるのが使命です

古川さん:祭り好きで自己主張が強いといわれる博多の人たちが愛し、守り伝えてきたのが博多松ばやしと博多祇園山笠です。2019年に840年目を数える博多松ばやしを私たちの代で途切れさせてしまったら、「博多はなにしよっとか」とお叱りを受けてしまいます。地域の宝である伝統行事を継承していくため、次代を担う若い人を頑張って育てていきたいと思います。

ページ先頭へ

※祭り紹介者 博多松囃子振興会 会長 古川 史郎(ふるかわ しろう)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

TV番組情報

放送局

ダイドードリンコ日本の祭り

舞姫の博多どんたく(仮)

6/15(土)14:00~14:54
RKB毎日放送にて放送!

ゴールデンウィーク期間中の5月3日・4日の2日間。200万人超という日本でも最大級の人で賑わうのが『福岡市民の祭り「博多どんたく港まつり」』だ。町は見物客やどんたく隊であふれ、祭り一色で湧き返る。老若男女が「♪ぼんち可愛い ねんねしな」と歌いながらシャモジを叩いて町を踊り練り歩く。650団体にも及ぶパレードの先頭を進むのは、840年の伝統を持つ「博多松囃子」だ。「福神流」、「恵比須流」、「大黒流」、「稚児流」の4流で構成されるが、中でも、天冠に舞衣姿の小学生の舞姫が、古式ゆかしく凜として舞う「稚児舞」は、最大の呼び物だ。選ばれた4人の舞姫には、本番まで厳しい稽古が続く。博多の伝統を守ろうと労を惜しまない舞姫・囃子方・家族、流れの人々の思いを伝える。

番組の放送局サイトへ

制作担当者からのメッセージ

老若男女が楽しむ「博多どんたく」ですが、特に女性達の活躍が目立ちます。1トン以上のヤマを曳いて疾走する夏の「博多祇園山笠」は勇壮な男の祭りという印象ですが、対照的に春の「博多どんたく」は花自動車なども出て華麗な女性中心の祭りだなと思います。松囃子の稚児舞の舞姫もそうですが、和服姿の女性100人以上の団体が一糸乱れぬ振り付けで大通りを進む姿は色鮮やかで壮観です。しかし、その芯の部分には博多山笠とつながる「恵比寿」「大黒」「東」「西」といった地区の流れがあり、そこの男衆も陰で支えています。840年の伝統は一年中、地域と祭りを愛する人たちの思いでつながっていくのだなあという思いを新たにしました。

プロデューサー・ディレクター 山田 尚

ページ先頭へ

TV番組情報

ダイドードリンコ日本の祭り舞姫の博多どんたく(仮)

6/15(土)14:00~14:54
RKB毎日放送にて放送!

  • 日本の祭り 名産品
  • 祭り写真館
  • 祭りカレンダー
  • 注目の祭り
  • 吉村作治先生の祭り考察
  • これまで応援した祭り
  • ダイドードリンコ日本の祭りチャンネル
  • DyDo online shop

日本の祭りポスターをプリントしよう!

ダイドードリンコは「NPO(特定非営利活動法人)日本の祭りネットワーク」に加盟しています。

(ピックアップ!)関連する祭り

関連ワード風流行列の際立つ祭り

ダイドードリンコ日本の祭りが応援してきたアーカイブから関連する祭りをご紹介します。