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ふな市

祭り紹介

祭り写真館

2/17
公開

歴史約350年の歴史。二十日正月の祝い膳に欠かせないフナを販売

シシゾウ:ふな市は、いつごろ始まりましたか?

細川さん:地元では約350年の伝統があると言い伝えられています。ふな市が開催される鹿島市の浜町地区は、江戸時代から酒造りが盛んで、今も多くの酒蔵が残る商業地区です。商家の正月は忙しいため、この地域では二十日正月といって1月20日に働いている奉公人たちをねぎらう風習があり、祝い膳の料理として「ふなんこぐい」と呼ばれるフナの昆布巻きを食べました。また、商売の神様としてお祀りしている恵比寿様の像に、商売繁盛を祈願してふなんこぐいをお供えしました。ふなんこぐいの調理は時間がかかるため、前日の19日早朝にフナを売る市が立つようになったのが、ふな市の始まりです。

シシゾウ:なぜ、フナの料理をお供えするのですか?

細川さん:祝い膳に使われる魚として有名なのはタイですが、鹿島市の近海の有明海ではタイが獲れません。フナは姿形がタイに似ていることや、近郊の農業地帯にはりめぐらされた用水路に多く生息していて、入手しやすかったことから使われるようになったといわれています。ふなんこぐいという名称は、フナの煮こごりがなまったものです。
ふなんこぐいの調理は時間がかかります。生きたフナを昆布でくるみ、焦げ付き防止に割箸を敷き詰めた鍋にダイコンやゴボウと一緒に入れ、味噌をお湯でといた「すめ」と水飴を加えて加熱します。煮詰まればすめを継ぎ足し、一昼夜火にかけます。淡水の魚は泥臭いイメージがあるかもしれませんが、クセはほとんど感じられず、骨まで食べられます。
とろ火で長時間煮込むふなんこぐい作りには、七輪が適しています。ひと昔前はどこの家庭でもふなんこぐいを当たり前のように作っていましたが、住宅事情が変化し、七輪を使える土間を持たない家が増えたためにふなんこぐいを作る風習は薄れてきています。ですが年に一回のことだからと今も変わらず作る家庭も少なくありません。そういう方たちに支えられてふな市は続いています。

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みどころ未明に市がスタート。午前8時にはソールドアウト

シシゾウ:ふな市は何時から始まりますか?

細川さん:会場の浜町酒蔵通り周辺は、安全のために午前6時から正午まで交通規制がかけられます。フナが売られ始めるのはそれよりも早く、早い業者さんだと午前2時ごろから露店を出します。昔の写真を見ると、約100メートルの通りの両側を埋め尽くすように業者さんが店を出し、イケスやトロ箱がずらりと並んで魚市場のようです。近年は出店数がめっきり減り、昨年の出店は3軒でしたが、それでも数百匹の生きたフナが販売されます。お客さんの出足も早く、午前4時ごろから買い物客の姿が増え、午前8時ごろにはフナが売り切れて店じまいになるのが恒例です。
ふな市で販売されるフナは、数日前まで近郊の用水路に生息していた天然ものです。泥臭さを消すためにきれいな真水に入れて生かされ、当日は業者さんのトラックで水槽ごと運ばれます。よく売れるのは調理しやすい20センチ前後のサイズですが、それより大きなものも販売されます。種類はマブナがほとんどで、たまにヘラブナも混ぜて並べられます。
市にはフナを売る店だけでなく、ふなんこぐいの材料になる昆布や水飴、地元の鮮魚店が作ったふなんこぐいのパック詰、地元の海産物などを売る店も出てにぎわいます。

シシゾウ:催しがあるそうですね。

細川さん:例年、交通規制が行われる午前6時から、ふなんこぐいの試食や飴湯のふるまい、JA青年部によるもちつきが行われます。午前7時からは、会場の浜町酒蔵通りにまつられている恵比寿様に商売繁盛や家内安全を祈願する神事が地元の宮司様を招いて行われます。神事が行われる恵比寿様以外にも浜町酒蔵通り界隈には7ヵ所に恵比寿像がまつられ、それぞれにおもちなどがお供えされます。神事が終わってしばらくすると、会場に設けられた特設ステージで、地元の保育園園児によるマーチングや郷土芸能の一声浮立(いっせいぶりゅう)の発表や地元有志による日本舞踊が披露されます。催しの締めくくりには、もちまきが行われます。

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注目ポイント趣のある酒蔵通りで昔の市の風情を楽しむ

シシゾウ:ふな市のおすすめの楽しみ方を教えてください。

細川さん:生きたフナを専門に販売する市そのものが珍しいので、大量のフナが売られるところや、地元の人が大きなフナを買い求めて持ち帰る光景など、ぜひご覧いただきたいと思います。市は早朝から立ち、フナの販売やふなんこぐいの試食はなくなり次第終了してしまうので、市のにぎわいを堪能するなら遅くても午前6時ごろには来ていただいたほうがいいと思います。
お楽しみ抽選会もおすすめの催しです。枚数に限りはありますが、お楽しみ抽選券が1枚200円で販売されます。約4分の1が当たりクジとあって、毎回完売する人気ぶりです。大当たりだと、額面で1万円ほどの豪華賞品や地酒の一升瓶などがもらえます。抽選会の発表は昼前なので、それまでは特設ステージの催しをご覧いただいたり、会場の浜町酒蔵通りを散策していただくのがおすすめです。浜町酒蔵通りは、平成18年に国の重要伝統建造物保存地区に指定されてから白壁の土蔵などが修復され、風情のある町並みになっています。通りに数軒ある酒蔵は、ふな市当日は早朝から店を開けてくださるのでお酒の試飲などをしていただくのも楽しいと思います。

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ふるさと自慢有明海で生産される全国屈指の極上海苔

シシゾウ:鹿島市の特産物やおすすめのスポットを教えてください。

細川さん:有明海に面している鹿島市は全国的に有名な海苔の産地で、ふな市が開催される浜地区だけでも約50軒の海苔業者さんがいます。佐賀県では、有明海で養殖される海苔の中でも、おいしい海苔の評価基準をクリアした最高品質のものを「佐賀海苔® 有明海一番」というブランド名で商品化しています。鹿島市は、この最高品質の海苔の中心産地で、贔屓目抜きにしても鹿島産の海苔は最高においしい海苔だと思います。

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メッセージふな市とふなんこぐいの伝統を守っていきたいです

細川さん:ふな市は昔に比べると規模は小さくなりましたが、最近では生きたフナを買えるところがほかにはないということもあって遠方から来られる方が増えています。生活様式が変化し、調理に手間のかかるふなんこぐいを自宅で作る機会は減っているのが実情です。それでも歴史のあるふな市を続けていきたいということで、地元では様々な取り組みを行っています。数年前には地元の高齢者の方々の協力を得て、郷土学習の一環として地元の小学生にふなんこぐいの調理に挑戦してもらい、フナを昆布で巻くところから体験してもらいました。そういった経験を通じて郷土の味に親しんでもらうことで、ふな市の伝統が受け継がれていくことを願っています。

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※祭り紹介者 浜公民館 主任主事 細川 敏和(ほそかわ としかず)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

TV番組情報

STS 佐賀テレビ

NBC 長崎放送

ダイドードリンコスペシャル

神はえびす、魚(うお)はふな

2/18(土)15:00〜15:54 NBC 長崎放送にて放送!
2/23(木)24:25〜25:19 STS サガテレビにて放送!

「福の神」と言えば、えびす様。そしてえびす様と言えば、鯛。いずれもいにしえの時代から日本人の生活と文化に根付いた存在です。しかし、えびす様の御前に鯛ではなくふなを供える地域があります。佐賀県・有明海沿岸のエリアです。有明海では鯛が獲れず、かといって買うのも高価なため、鯛に姿が似ていて身近に獲れるふなを供えるのが習わしになったというのです。毎年1月19日早朝に佐賀県鹿島市肥前浜宿で行われる「ふな市」は、翌20日の二十日正月に「ふなんこぐい」という郷土料理を作ってえびす様に供え、家族で食卓を囲むために行われます。地元の人たちが愛する故郷の味「ふなんこぐい」とは一体どんな料理なのか。それを守り、伝え続けようとする人たちの思いとは。全国的にも珍しい「ふな市」に集う人々を通して描きます。

番組の放送局サイトへ(NBC 長崎放送)番組の放送局サイトへ(STS 佐賀テレビ)

制作担当者からのメッセージ

最上級のものの例えとして使われる鯛とは対照的に、ふなは昔から「つまらないもの」の例えとして使われる魚のようです。しかし肥前浜宿のある一定以上の年代の人たちに聞くと、ふなは「どんな魚より旨い」「寒い時期になるとどうしても食べたくなる」と言うのです。大切な故郷の味。しかしこの郷土料理の伝承も今や難しくなっています。ご覧になった人たちが自分にとっての故郷の味を懐かしく思い出す、そんな番組を作りたいと思っています。

制作担当 城代奈美

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祭り冊子を持って、祭り会場へ行こう!

TV番組情報

ダイドードリンコスペシャル神はえびす、
魚(うお)はふな

2/18(土)15:00〜15:54 NBC 長崎放送にて放送!
2/23(木)24:25〜25:19 STS サガテレビにて放送!

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