トップページ
 >  祭り紹介 >  今年応援する祭り >  秋名のアラセツ行事(ショチョガマ・平瀬マンカイ)

秋名のアラセツ行事(ショチョガマ・平瀬マンカイ)

秋名のアラセツ行事(ショチョガマ・平瀬マンカイ)

祭り紹介

祭り写真館 今年の様子をご覧いただけます。

10/22公開!

歴史約450年前から続くアラセツ(新節)の祭礼

シシゾウ:秋名のアラセツ行事は、いつごろ始まりましたか?

山田さん:奄美大島では旧暦の8月最初の丙(ひのえ)の日は、アラセツ(新節)と呼ばれ、節目の日に当たります。この日に稲魂(いなだま)を招いて、その年の収穫感謝と翌年の豊作祈願を行う祭事がアラセツ行事で、約450年前に始まったといわれています。アラセツ行事を行う秋名(秋名・幾里)地区は奄美大島の中でも屈指の米どころで、先祖伝来の農耕儀礼を大切に守り伝えてきました。戦中から戦後にかけての一時期、途絶えた時期もありましたが、住民から伝統を守ろうという声が上がり、昭和35年(1960)に復活し、現在に至っています。
アラセツ行事は、早朝に行われるショチョガマと夕方に行われる平瀬マンカイという2つの祭事が対になっています。ショチョガマは男の祭り、平瀬マンカイは女の祭りといわれています。

シシゾウ:山田さんが務められるノロとはどのような役ですか?

山田さん:ノロ(祝女)は平瀬マンカイの儀式を司る女性司祭です。昔は本職の方がいらっしゃいましたが、最後のノロといわれた方が昭和30年代に亡くなられてからは、地区の女性がノロの役を務めます。私は3年前からノロ役をしています。

ページ先頭へ

みどころ神聖な岩の上で神歌を歌い、海の彼方から稲魂を招き寄せる

シシゾウ:平瀬マンカイの内容を詳しく教えてください。

山田さん:平瀬マンカイは、秋名湾西岸にある浜辺の岩礁が祭場になります。開始は、午後4時ごろでちょうどそのころ海の汐が満ちてきます。白装束を着けたノロ役の女性5名は、神平瀬と私たちが呼んでいる神聖な岩に上がります。神平瀬から少し離れたところにはメラベ(女童)平瀬という岩があり、そちらにはシドワキ、ウッカム、グージと呼ばれる男性3名と女性4名が上がります。シドワキ、ウッカム、グージはノロを補佐する役目です。
神平瀬のノロとメラベ平瀬のシドワキ、ウッカム、グージは向き合って、神歌をかけあいで歌い、メラベ平瀬の女性たちは太鼓を打ち鳴らします。神歌は、海の彼方(ネリヤ)にいる神様へ感謝を捧げ、秋名の田んぼに西からも東からも恵みをもたらし、稲を豊かに実らせてくださいとお願いする内容です。このかけあいのとき、シドワキ、ウッカム、グージは両手を上に上げ、稲魂を招くように動かします。この所作がマンカイで、祭事の名前の由来になっています。
神歌は約12分続きます。その後、全員が浜に降りて、迎える役の人たちと八月踊りを踊ります。八月踊りは奄美大島に古くから伝わる豊年を感謝する踊りです。昔は八月踊りと島唄が奄美の人たちの二大娯楽で、今でも大人から子どもへと伝えられ、地域住民は皆、踊ることができます。朝に行われるショチョガマでも八月踊りが踊られます。

シシゾウ:ノロの役をお務めになるのはどのようなお気持ちですか?

山田さん:ノロの役をする以前は、メラベ平瀬で太鼓を叩く役を2年務めていました。メラベ平瀬から見る神平瀬はとても神々しく映りました。神平瀬の岩は高さが2メートル近くあります。初めてノロとして神平瀬の上に立ったとき、このような高いところに、年を重ねたノロ役の方たちがよくぞ立たれたものだと思いました。それと同時に、約450年間、代々のノロの方が立たれたという歴史の重みをひしひしと感じました。

シシゾウ:平瀬マンカイのとき、地域の皆さんは何をしているのですか?

山田さん:一重一瓶(いちじゅういちびん)といって、食べ物やお酒などを持ち寄って浜で宴を催します。ノロたちによる八月踊りが終わると宴はお開きになり、地区の集会所に場所を移し、広場で八月踊りを踊ります。このときの踊りは誰でも参加できる楽しむための踊りで、浜に来られなかった人たちも加わって賑やかに踊りの輪を作ります。地元の人以外の飛び入り参加も大歓迎です。

シシゾウ:平瀬マンカイにまつわる風習があるそうですね。

山田さん:一重一瓶で浜に来る人たちは、神平瀬に赤飯をお供えするのが昔からの慣わしです。また、その年に生まれた女の子はメラベ平瀬、男の子はインガ(男)平瀬という岩を踏ませて健やかな成長を願うといわれています。

ページ先頭へ

注目ポイント「ヨラメラ」の掛け声で屋根に乗った男たちが
小屋を崩す

シシゾウ:ショチョガマについて教えてください。

山田さん:ショチョガマというのは片屋根の藁ぶき小屋のことで、集落の田んぼを見渡せる山の中腹に建てたショチョガマを崩して五穀豊穣を祈願します。ショチョガマは祭りの日に近い日曜に地区の男性たちが建てます。当日は、日の出前に子どもから大人まで地区の男性たちは揃って丘の上に登り、ショチョガマの屋根の上に立ちます。そして、「ヨラ(右)、メラ(左)」の掛け声とともに、全員で勢いをつけて屋根を左右に激しく揺らし、日の出とともに小屋を倒します。このとき、南側に崩れたら豊作、北側に倒れたら不作になるといわれています。(龍郷誌の中ではどちらに倒れても豊作と記されています。)
各家々の主婦は高祖ガナシを供え終わるようにしなければいけません。地区の女性たちは下からその一部始終を見ていて、小屋が見事に倒れると丘の上の男性たちと喜びを分かち合います。

ページ先頭へ

ふるさと自慢新しい特産品、マコモダケは煮物や天ぷらに
ぴったり

シシゾウ:龍郷町秋名地区の食の名産品を教えてください。

山田さん:秋名地区の特産はおいしいお米ですが、最近は休耕田を利用したマコモダケの栽培も盛んです。マコモダケの根元のふくらんだ茎はタケノコに似た食感です。タケノコは奄美の方言でダーナといいます。マコモダケは台湾から伝わったということでタイワンダーナという通称もあります。旬は10月で、煮物や天ぷらにするとおいしいです。最近マコモダケの葉で作るマコモ茶がブームになっています。また、タンカン、スモモも盛んに植栽されており、そのまま果物として食べてもおいしく、ジュースやお菓子などにも加工される特産品の代表でもあります。

ページ先頭へ

メッセージ伝統の継承者として祭りを後世に
引き継いでいきます

山田さん:秋名地区に生まれ育った者として、地区に伝わる伝統行事を後世に引き継ぐ役目を担わせていただけることは大変光栄です。同時に責任の重さを感じています。貴重な地域の伝統が途絶えることのないように、ノロの役を自分の体力が続くところまで精一杯務めたいと思います。

ページ先頭へ

※祭り紹介者 平瀬マンカイ ノロ役 山田 眞砂子(やまだ まさこ)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

TV番組情報

MBC南日本放送

ダイドードリンコスペシャル

神を招くシマ
~奄美大島・秋名のアラセツ行事~

10/28(日)15:00〜15:55
MBC 南日本放送にて放送!

鹿児島県本土から南に約380キロ。奄美では旧暦の8月が一年で一番賑やかな時期になります。祖先を祀り五穀豊穣を祈る行事「アラセツ」「シバサシ」「ドゥンガ」が続くミハチガツの季節を迎えるからです。奄美大島龍郷町の秋名集落で行なわれる「ショチョガマ」と「平瀬マンカイ」は、アラセツの代表的な行事です。わらぶき小屋を豪快に倒す「ショチョガマ」が男たちの祭りであるのに対し、ノロたちが唄を掛け合い、海の彼方から稲の神様を招き寄せる「平瀬マンカイ」は女性中心の優雅な祭りです。二つの神事の後、集落の人たちは輪になって、夜がふけるまで八月踊りを踊り続けます。神と自然への感謝と祈りを捧げるとともに、集落の一体感を強める祭りの季節の始まりです。

番組の放送局サイトへ

制作担当者からのメッセージ

南の島・奄美大島には、三線やチジン(太鼓)の音が聞こえると血が騒ぐというお祭り好きがたくさんいます。年間を通して行事も多く、そのほとんどが旧暦で行なわれます。人の営みを自然のサイクルに合わせているのです。番組の舞台となる秋名・幾里集落は島では唯一の稲作文化が残る地域です。番組では、古式豊かな稲作儀礼を記録するとともに、集落の四季の田園風景と自然に感謝して暮らす人々の姿を見つめたいと思います。

報道局テレビ制作部ディレクター
北原由美

ページ先頭へ

TV番組情報

ダイドードリンコスペシャル神を招くシマ
~奄美大島・
秋名のアラセツ行事~

10/28(日)15:00〜15:55
MBC 南日本放送にて放送!

  • 日本の祭り 名産品
  • 祭り写真館
  • 祭りカレンダー
  • 注目の祭り
  • 吉村作治先生の祭り考察
  • これまで応援した祭り
  • ダイドードリンコ日本の祭りチャンネル
  • DyDo online shop

日本の祭りポスターをプリントしよう!

ダイドードリンコは「NPO(特定非営利活動法人)日本の祭りネットワーク」に加盟しています。

(ピックアップ!)関連する祭り

関連ワード海神祭

ダイドードリンコ日本の祭りが応援してきたアーカイブから関連する祭りをご紹介します。