ダイドー祭りドットコム2018 | 吉村作治先生の祭り考察
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吉村作治先生の祭り考察 エジプト考古学者、吉村作治名誉教授のブログ

※このページは吉村作治先生からの寄稿を原文のまま公開しています。

2017年10月のアーカイブ


熊野速玉大社 御船祭

2017年10月26日

和歌山県新宮市にある熊野速玉大社の例大祭で、通称御船祭りといわれています。その名の通り、船の競争が主なる行事ですが、その競争の前の神事はとても荘厳です。この日(10月16日)はあいにく雨が降っていましたが、神主さまをはじめ神職の方々はずぶぬれになりながら、きちんと神事を行っていただきました。「ウオーウオー」という魂入れ、本宮に降臨した神さまを神輿に入れ、船の競争がある川まで町内を巡行しながら行き、川で待っている川船の神輿(御座船)に乗りうつし、競争の無事を祈願します。
ふつう船の競争といいますと、沖縄や長崎のペーロンのような海で行うのですが、ここは川です。まず町内を巡った神輿が下札場に着き、そこから9隻の船によって争われるのですが、さらに川を遡って御旅所のある上札場に向かい、御船島を3回まわり、上札場に上陸する競争です。
但し、勝っても賞金は出ず、名誉だけです。しかしこの町の人はこのために1年間、時をみて練習にはげむのです。いかにも日本の古式の祭りの典型です。上札場の御旅所で神事を行い、船で下札場に向かい、下札場で上陸し、神さまを大社からかついできた神輿に移し、速玉大社へもどし、直会を行い、祭り終了となります。

1日がかりでこの祭りを観ていて感じたことは、新宮で1000年以上、続けられてきた祭りのすごさでした。もちろん最初の頃と、形式は変化しているのでしょうが、プロセスが見事に整理されていることと、競争していた男衆に疲れた様子がみられないことに感心しました。このような祭りがずっと続いてほしいものです。

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二本松の提灯祭

2017年10月13日

福島県は祭りの宝庫です。いろいろな形の祭りがあります。その中でもこの二本松の提灯祭りは質・量とも、とびぬけています。ともかく提灯を1台に300個つけた山車が7台集まり、町中を練り歩くのですからそれは素晴らしいものです。
沿道(中には国道があり、そのため巡行時には規制がある)には、二本松市の市長がゆかた姿で声援に来ています。提灯の火はローソクの火なので、燃えやすいのです。神社で祭事が行われ、松明がともされ、それをもって男の人が走り、提灯山車に行き、そこでひとつひとつ提灯に火を移すのです。祭事が終わると、松明を手にした祭り人が町に出て、山車に向かいます。陽の暮れる頃、提灯全てに火がともります。ゆったりゆったり提灯山車が町内を巡ります。そこに何百人という氏子が山車を引っぱったり、声をかけたりして町内を巡ります。

不思議なのは神輿が神社の本宮に鎮座しているのです。きっと神輿は昔は町内を巡ったのでしょうが、今は山車の提灯に神様がのるという形となったのでしょう。ともかく静かないい祭りです。

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早長八幡宮 秋祭り

2017年10月13日

ともかく驚きました。神社一式が町をかけ巡り、氏子におめみえするのですから、神社の出前です。普通、祭りは神さまが本宮に降臨し、宮司が祝詞をあげ、神様をお出迎えし、神輿にお移りいただき、神輿が町内を巡り、氏子衆におめみえし、お旅所で神様がお休み間、神楽などを演じ、おしまいとなるのが定番です。
しかし、この早長八幡宮の場合は違うのです。神社一式(鳥居、燈籠、こま犬、右大臣左大臣、鏡、聖船)が全て山車の上に作られているのです。それを町内8つの自治会の人が引っぱって町内巡りをした後で、お旅所に行き、そこで神社を組み立てて再び祭礼を行い、その日のうちに還御するのです。
おそらく日本国内でもあまり見ない風景です。少なくとも私は初めてです。奇祭の中の奇祭でしょう。しかも別仕立ての踊山には100人以上の子供が乗って大人がひく。また山車の中には子供だけがひくものもあります。町の人500人以上、子供300人以上、見物200人以上、町中の人が一体となって祭りをしているのです。

この神社がある光市にはいくつもの神社があり、それぞれがユニークな祭りをやっているとのことですが、神社が氏子巡りをしているのはここだけでしょう。しかも歴史が古い、350年前からやっているとのことでした。
とても良いお祭りでした。

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祭り軍団座長 吉村作治 東日本国際大学学長・教授 早稲田大学名誉教授 NPO 日本の祭りネットワーク副理事長

エジプト考古学者(工学博士)
1943年生まれ。早稲田大学入学後の1966年アジア初のエジプト調査隊を組織し現地に赴く。以来、半世紀にわたり発掘調査を継続。「第2の太陽の船」発掘・復原プロジェクトでは、 本格的な修復作業が進んでいる。この8月から新たに「クフ王墓探査計画」を開始。動画サイト「吉村作治チャンネル」では、祭りをはじめ様々な話題を、ほぼ毎日配信中。

公式HP
吉村作治のエジプトピア

http://www.egypt.co.jp/

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