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吉村作治先生の祭り考察 エジプト考古学者、吉村作治名誉教授のブログ

※このページは吉村作治先生からの寄稿を原文のまま公開しています。

2016年12月のアーカイブ


銀鏡神社大祭

2016年12月28日

宮崎県西都市の銀鏡(しろみ)地区にある銀鏡神社で、毎年12月に行なわれている大祭です。この大祭で奉納されているのが「銀鏡神楽」です。神楽というのは神さまが演じるのではなく人が演じることによって神さまが楽しむ、喜ぶものですから演目も神話が中心です。神さまたちの歴史や物語を人々が演じて神さまと同化するのです。
神楽は舞いとよく似ていますが、そこには物語があって、観る人はその物語をよく知っているのが原則です。しかし、こと銀鏡神楽は一晩で33もの演目を舞うわけですから観客はそのディテールまでを知っているわけではないのですけど、舞いの流れで「ふむふむ」と納得するわけです。
鳴りものがあり、時にはうたいも入り、舞台の中央は演じ手が舞うのです。長い演目となると30分、1時間のものもありますが、ここの氏子衆はじっと真剣なまなざしでご覧になっていました。観る態度がすばらしく、立って観ておられる方は殆どなく、ひざかけや座布団持参の見物の方ばかりです。中には座椅子を持ち込み一晩の長期戦に備えておられる方もいました。また、演じ手には中学生も交じっていて初心者用の神楽を舞っており、村中の氏子衆がこぞって祭りに参加している感じがひしひしと伝わってきました。
そして本殿祭の前夜祭として31番までが奉納され、32番の「ししとぎり」は拝殿の前で舞い、狩りで山に入って捕らえたイノシシをしとめるところが舞われます。
さて12月14日、この祭りに参加すべく西都市銀鏡神社に行ったときのことです。何と神社への道がガケ崩れによってふさがってしまったのです。14日の午後3時ごろ前々日の大雨による土砂くずれとのこと、これを意味するのは神が「来るな」ということなのかなどと考えましたが、きっと祭りを滞りなくしたいためのことと解釈しました。わずか人一人歩ける程度のすき間をぬって神社に入りますと、辺りはけものの臭いです。きっと15日に行ういのししなべの供物が飾られてあるのでしょう。

着いたときには神楽が始まったばかりでしたが、観客がみなきちんと背筋を伸ばして聴いているではありませんか。すばらしい観客です。一晩中やるというので、子供たちを含めてみなさん毛布をひざにかけ聴き入っています。なかなか見ることのできない風景でした。翌日にもあり、そして最後に神送りの神楽でしめるのです。とても清々しい祭りでした。

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祭り軍団座長 吉村作治 東日本国際大学学長・教授 早稲田大学名誉教授 NPO 日本の祭りネットワーク副理事長

エジプト考古学者(工学博士)
1943年生まれ。早稲田大学入学後の1966年アジア初のエジプト調査隊を組織し現地に赴く。以来、半世紀にわたり発掘調査を継続。「第2の太陽の船」発掘・復原プロジェクトでは、 本格的な修復作業が進んでいる。この8月から新たに「クフ王墓探査計画」を開始。動画サイト「吉村作治チャンネル」では、祭りをはじめ様々な話題を、ほぼ毎日配信中。

公式HP
吉村作治のエジプトピア

http://www.egypt.co.jp/

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