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吉村作治先生の祭り考察 エジプト考古学者、吉村作治名誉教授のブログ

※このページは吉村作治先生からの寄稿を原文のまま公開しています。

2016年9月のアーカイブ


神舞行事

2016年09月07日

ともかく異例づくめのお祭りです。まずお祭りの場所が山口県にあり、お祭りの主体は大分県の国東市の伊美別宮社というところがやるというのです。
いきさつは今から千年前に遡り、国東の伊美に京都の石清水八幡宮からご分霊を奉じたときのことです。途中台風に会い祝島というところに逃れ、そこでよくしていただいたとのことです。ところが祝島には3軒の人家しかなく、とても貧しかったので、そこで荒神さまをおまつりして、麦の種をさしあげ、農耕を教えたりしたので、祝島はすこぶる繁栄したのだそうです。その感謝のしるしとして、伊美別宮社に参拝するとともに更には伊美別宮社の神職たちを祝島に迎えたのがはじまりといいます。
この物語もかなり稀少なものですが、山口県と大分県が分かれてお祭りしているのも珍しいことです。

行ってみますと国東の伊美と祝島は50キロ近く離れていて、高速船でも1時間余かかります。山口県からは10分~15分で来ることができます。しかしこれが千年近く続いているというのはやはり日本人の心の豊かさといえます。感謝の形を千年近く続けていくというのは素晴らしいことです。

吉村作治

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ひがしの住吉祭(櫂伝馬競漕)

2016年09月07日

広島県豊田郡大崎上島町東野の白水港で行われた船の競争のお祭りです。日本は四方を海で囲まれていますので船のお祭りは多いですが、ペーロンなどのように海上を一直線に漕ぐ競争が多い中でこの祭りのように海上におかれたブイを2度にわたってまがっているのは珍しいです。
当日は気温36度、カンカン照りで、祭りとしては絶好なのですが参加する者にとっては大変でした。日焼け止めクリームを塗ったのですがあまり効果はなかったようです。
出走した船は4隻です。1度に乗る人は舵をとる船頭、太鼓を打って櫂をこぐピッチを指示する太鼓打ち、船の舳先に立って采を振って士気を高める台振り、一番うしろで小さな櫂を太鼓に合わせて振る剣櫂(けんがい)振りと水夫(かこ)14名の計18名が10数分の闘いを5回、1日で行い、その総合点で優勝を決めるというものです。それだけですと単なるボートレースですが、ここの競漕は祭りと言っているだけあり、神事があってのことなのです。すなわち、この櫂伝馬競漕は、あくまでも神様を喜ばせる余興なのです。まず競技の前に住吉神社で神様を神輿におのせし、御座船にて東野周辺の海岸線を回って白水港の近くにて神事を再び行います。その後で4隻の櫂伝馬船が競争に入るわけです。この催しはその昔、この近辺を守っていた小早川水軍の流れをくんでいるのです。

実際に競漕に入りますと白熱します。特にブイをまわるときに順位が決まりますので審判船がその近辺で見張っています。
とてもよいお祭りでした。

吉村作治

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松前神社例大祭

2016年09月07日

北海道の松前郡松前町の松前神社の神楽です。あの有名な松前漬けの松前です。江戸時代、蝦夷と呼ばれていた北海道で唯一江戸幕府から藩として認められていた松前藩の守護神社、松前神社のお祭りです。社殿は明治14年ですから19世紀終りに建立されたさほど古くはありませんが、神社としましては江戸時代からあり、藩主に庇護されていたのです。
特に城中で神楽を行っていたので「城中神楽」とよばれていました。演目も30以上あり、通して行うと10時間くらいかかるとのことです。道具としましては笛・小太鼓・お面・獅子があり、毎年8月4日に宵宮、5日に本祭が行われています。まず行列はご神鏡を中心に猿田彦、神職、氏子総代、氏子など50名ほどが笛と太鼓に合わせて町内を回りますが、その時祓串役と塩播き役が家々の前を清めます。5年ほど前までは神輿が神様をお乗せし町内を練り歩いたそうですが、神輿が傷んでしまい、神輿堂に置いてあり、その代わりご神鏡が中心となって行列しているそうです。
夕方になると神社で神事を行い、その中でも神楽は舞われますが、神楽が終わると氏子衆の前で松前神楽が奉納されます。
5日の本祭は午前10時から本殿において神事を行います。この時、鎮湯釜立式という儀式があります。これは釜で湯をわかし、そこに神酒を入れかきまわして笹の葉を束ねたものを入れ、それを参列者にふりかけます。このしずくを受けた者はご利益があるわけです。私も、今年もいいことがあると期待しています。
この松前神楽の特色は全ての演目を神職がとり行うことです。完全にマスターするのに10年はかかると言います。かけ出しの神職が完全マスターするころには宮司になっていたということもあるそうです。

演目の中で特に注目できるのは二羽散米舞で、鶏の形をした鳥兜を頭につけ、雌雄2羽の鶏が波の模様の衣装をつけて舞うのです。ユーモラスであり荘厳である舞いです。今は6通りの演目を舞うようですが、なかなか立派なものです。

吉村作治

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祭り軍団座長 吉村作治 東日本国際大学学長・教授 早稲田大学名誉教授 NPO 日本の祭りネットワーク副理事長

エジプト考古学者(工学博士)
1943年生まれ。早稲田大学入学後の1966年アジア初のエジプト調査隊を組織し現地に赴く。以来、半世紀にわたり発掘調査を継続。「第2の太陽の船」発掘・復原プロジェクトでは、 本格的な修復作業が進んでいる。この8月から新たに「クフ王墓探査計画」を開始。動画サイト「吉村作治チャンネル」では、祭りをはじめ様々な話題を、ほぼ毎日配信中。

公式HP
吉村作治のエジプトピア

http://www.egypt.co.jp/

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