トップページ
 > 祭り紹介 > 吉村作治先生の祭り考察

吉村作治先生の祭り考察 エジプト考古学者、吉村作治名誉教授のブログ

※このページは吉村作治先生からの寄稿を原文のまま公開しています。

2016年5月のアーカイブ


賀露神社ホーエンヤ祭

2016年05月24日

この祭りの行なわれているところは鳥取県鳥取市賀露町です。
「ホーエンヤ」という名がついた祭りです。しかしこの「ホーエンヤ」の意味がわからないのが普通ですね。「ホーエンヤ」とは漢字で書くと「奉曳(ほうえい)」すなわち船を陸地で曳いたことから来ているのです。起源は古く今から1250年ほど前、遣唐使として大陸に渡った吉備真備(きびのまきび)が帰国の途上、九州の沖合で嵐にあって流されて鳥取港(当時の名では賀露港といった)の沖合にある小さな島に着き、土地の人々が船を出して吉備公を船にのせ陸地で縄で引っぱったことからはじまったと言われています。「ほうえい」が「ホーエンヤ」になったのです。そして地名ももともと賀露ではなく「軽(かる)」とか「香留(かる)」と言われていたそうです。吉備真備公を救ったのは神さまですから神に好かれていたと考え、2年に1回神輿を船にのせ港内をまわる祭りとなったとのことです。ですから幼い子から大人すなわち町内の人が総出で祭りに参加するのです。大人は神輿を担ぎ中学生・高校生の男子は武士の姿をして行列をつくり、女子は榊(さかき)を台車にのせて引きます。子供は北前船の小型のものを台車にのせて引くなどします。

そして一番の目玉は麒麟(きりん)獅子舞です。これは20歳になった男の子2人が頭と尾に分かれて踊るのですが、ひとつの踊りが20分かかりそれをお宮の前庭と船着場と船の上の3度踊るのです。こうして皆が1体となって祭りを盛り上げます。すばらしい祭りです。

吉村作治

ページ先頭へ

おみゆきさん

2016年05月09日

山梨県笛吹市一宮町の甲斐国一宮浅間(あさま)神社の例大祭、「大神幸祭(おおみゆきまつり)」の通称名が「おみゆきさん」です。この祭りは825年頃、甲府盆地をおそった大水害の後、人々の水防祈願から始まったとされますが、とても不思議な祭りです。そのひとつは女装し化粧した男が神輿をかつぐのです。次に一の宮、二の宮、三の宮と3台の神輿が出るのですが、一の宮の神輿は普通の神輿ですが、二の宮のそれはとても小さく、素朴な白木造りのもので、6人もいればかつげます。しかも三の宮のそれは、とぐろを巻いた蛇のようなもので、馬に乗っています。そして馬のうしろにその神さまがお乗りになる台座が神輿となっていて続きます。お旅所である三社神社につくと、3基の神輿が置かれ神事が行われます。ふつうの祭りでは神輿の前に魔除けの猿田彦とか獅子舞がいて、神輿のうしろには山車がついているものですが、ここはそういったものは全くなく、3基の神輿だけです。しかも浅間神社からお旅所の三社神社の距離が25キロと長いので、神輿のかつぎ手の掛け声が「ワッショイ」ではなく「ソコダイ、ソコダイ」なのです。「もう少しかつぎなさい。ゴールはすぐそこですよ」と言っているのだそうです。

今ではかつぎ手も少なくなってしまっていますので出発点からの2キロとお旅所の近くの2キロだけを人がかつぎ、後は軽トラックで運んでいるそうです。そしてお旅所でのお参りの後、川側に回って「水神」と書いた小石を投げます。お清めの石投げにはたくさんの人が集まり取り合うのです。中にはひたいに石があたり血が出る人が出ることもあるそうです。投石神事をもって祭りは終わりです。何かよくわからないうちに終わってしまったという感じです。

ページ先頭へ

八雲神社春季例大祭

2016年05月09日

神輿3基の水中渡御と市内神社6台の山車が揃いぶみをし、羽村駅前の曳き合わせというすばらしい組み合わせの祭りです。ただ、猿田彦とか獅子舞、神楽という祭りにつきものの余興がありません。その代わりといっては何ですが、50万本以上のチューリップが咲きほこり、桜が4月中旬というのにまだ咲いているという「花と水のまつり」が売り物のこの祭典にはたくさんの都民がやってきます。ただ八雲神社例大祭と名うっていますが、市内には八雲神社という名のつく神社はないのです。これは出雲の八雲神社の神さま(スサノオノミコト)を信仰したこの地域の通称です。この祭りの中心は羽村市東町(あずま町)の稲荷神社が中心となって、市内の阿蘇神社、五ノ神社(ごのかみしゃ)、神明神社、玉川神社、松本神社の合同の祭りなのです。

この祭りのメインは水中渡御でした。白丁とよばれる25名の男が稲荷神社の50段の階段を下りて多摩川へ入ります。川の中では「わっしょい」「まだまだ」と掛け声をかけて大あばれします。そして祭り人は楽しく一日を終わらせるのです。

ページ先頭へ

祭り軍団座長 吉村作治 東日本国際大学学長・教授 早稲田大学名誉教授 NPO 日本の祭りネットワーク副理事長

エジプト考古学者(工学博士)
1943年生まれ。早稲田大学入学後の1966年アジア初のエジプト調査隊を組織し現地に赴く。以来、半世紀にわたり発掘調査を継続。「第2の太陽の船」発掘・復原プロジェクトでは、 本格的な修復作業が進んでいる。この8月から新たに「クフ王墓探査計画」を開始。動画サイト「吉村作治チャンネル」では、祭りをはじめ様々な話題を、ほぼ毎日配信中。

公式HP
吉村作治のエジプトピア

http://www.egypt.co.jp/

  • 日本の祭り 名産品
  • 祭り写真館
  • 祭りカレンダー
  • 注目の祭り
  • 吉村作治先生の祭り考察
  • これまで応援した祭り
  • ダイドードリンコ日本の祭りチャンネル
  • DyDo online shop

日本の祭りポスターをプリントしよう!

ダイドードリンコは「NPO(特定非営利活動法人)日本の祭りネットワーク」に加盟しています。