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吉村作治先生の祭り考察 エジプト考古学者、吉村作治名誉教授のブログ

※このページは吉村作治先生からの寄稿を原文のまま公開しています。

2015年2月のアーカイブ


山の神まつり

2015年02月16日

山口県岩国市由宇町清水で行われている5年に1回の祭りです。おそらく他に類をみない独特な祭りと思います。まず神社がない。よって宮司さまもいない。神事は森の中の2本の木にしめ縄を結んで男神、女神としてまつるだけ。神事は男神の木、女神の木の両方で同時平行的に行うのです。この2つの神木の間には小川が流れていて、この小川をわたるため、祭りのときだけ仮橋を作って人々の往来を行います。
そして最も不思議なのは神事の終りに行うものです。鯛と餅を男神側と女神側が投げ合うのです。雪合戦ならぬ餅合戦です。氏子衆はこぞって拾います。拾って拾って拾いまくります。しかし、家にもち帰ってはならないという掟があり、その場で炭火で焼いて食べます。食べ終わるまで村人及び参加者はその場を立ち去りません。何といっても12戸19人だけです。ところが祭りに参加している人たちは200人を超えています。その理由は近隣の村からの助っ人と村を出て都会に暮らしている家族、そして見物人がいるからです。祝詞も丁寧に3回もあげられます。お宮は森が代行し、宮司さまは近くの神社から出てくださいます。発祥は鎌倉時代と言われていますが、この原型はおそらく縄文時代の原日本型の自然崇拝でしょう。

この祭りのもうひとつの特徴は当屋制度です。12戸しかない家族が順ぐりに、くじで当屋を当てて5年間、この神さまを守るのです。今回も抽選である家が当りました。その方の家はひとりしか住んでいませんが、来る5年間、毎月おまいりに来なければなりません。それでも当った人はうれしいのです。日本型の信仰形態です。

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芦ノ尻道祖神まつり

2015年02月16日

大雪の合間のほんの1日の晴天。雲ひとつない日のまつりはとても気持ちがいいです。ここ長野市の大岡地区の芦ノ尻道祖神まつりは1月7日に行われました。近隣の住民の松飾りを持ちよって、道祖神を着飾り、無病息災を願うまつりです。もともと道祖神は村落の入口に立っていて外部から侵入してくる悪魔を追い払う役割のもので、ふつうの神さまのようにお宮もなければ宮司もいません。村の入口にぽつんと立っていて、ややもすれば振り向かれないものなんですが、ここは石でつくられている道祖神にしめなわを使って怪物風の神面を飾り付け、村人を見守ってくださるものです。ですから昨年の着飾りをとり除くのに30分、新しい着飾りをつけるのに1時間半と村人は手際よく事を進めます。村は30世帯、平均年齢75才の超高齢化村落ですが、そこにある大岡小中学校は、山村留学生という都会からやってきている小中学生がかなりいるため、このまつりを手伝いにきているのです。新しいまつりの取り組み方をしています。ですから、来年はできるかなどと心配することはないようです。しかし、このまつりが晴れたのは10年以上なかったと村人は喜んでいました。夜は昨年の着飾りと、書き初め、その他、家にある旧いものを持ちより、どんどが行われます。

この道祖神は、万博にも展示され、長野オリンピックにも参加したという目立たないけど有名人なのだそうです。見方によりますと、妖怪ワラ人形のようですが、皆さんの熱心な作業ぶりを見ていますと、無病息災もわかります。

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祭り軍団座長 吉村作治 東日本国際大学学長・教授 早稲田大学名誉教授 NPO 日本の祭りネットワーク副理事長

エジプト考古学者(工学博士)
1943年生まれ。早稲田大学入学後の1966年アジア初のエジプト調査隊を組織し現地に赴く。以来、半世紀にわたり発掘調査を継続。「第2の太陽の船」発掘・復原プロジェクトでは、 本格的な修復作業が進んでいる。この8月から新たに「クフ王墓探査計画」を開始。動画サイト「吉村作治チャンネル」では、祭りをはじめ様々な話題を、ほぼ毎日配信中。

公式HP
吉村作治のエジプトピア

http://www.egypt.co.jp/

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