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吉村作治先生の祭り考察 エジプト考古学者、吉村作治名誉教授のブログ

※このページは吉村作治先生からの寄稿を原文のまま公開しています。

2013年7月のアーカイブ


高浜七年祭

2013年07月31日

6月30日から7月6日の7日間、数えで7年毎(満で6年毎)に行われる福井県大飯郡高浜町の佐枝治神社の大祭「高浜七年祭」に行きました。私たちがまいりましたのは7月6日のクライマックス「還幸祭」の日でした。練習を含めますと半年以上も高浜の人たちはこの祭りにかけています。そして7月7日、世の中は七夕といって浮かれている日から7年後の2019年の七年祭が始まるのです。10歳の少年は次の祭りでは神輿を担ぐ主役となりますので、見ているひとみも真剣でした。この祭りは日本の祭りの中でもオーソドックスな祇園祭を発祥とし、記録があるだけでも440年以上の歴史をもったものです。祭りとしましても練りに練られた日本の祭りの典型のようなものです。神輿も3基、曳山も7台、余興も太刀振、神楽、お田植、俄(にわか)と多種です。祭りの玉手箱です。この祭りの担い手佐伎地神社の氏子衆も老いも若きもいまして、それぞれの役割りを果たしていて祭りを盛り上げています。この祭りは神輿が出る日と曳山が出る日はかち合わず、神輿は初日、中日、そして最終日です。2日目、3日目と5日目6日目に曳山が町内を巡行します。曳山の日、神輿の日ともに余興は行われます。
それと今日気付いたことに、祭りにつきものの屋台が1台も出ていなかったことです。何故かはわかりませんが、少し淋しいのと、すっきりしているすがすがしさが入り交じっています。その代りラストのラスト、鳥居浜での「足洗い」の儀式のときの浜辺のお店はあふれんばかりのお客さま、そして入りきれない方々が椅子やゴザを持ち出し浜辺に座っての見学、万に近いギャラリーの中、3基の神輿が練り歩き、足洗いの直前まで3基入り乱れてのもみ合いが見物です。

神輿と神輿がぶつかり合うなんて無粋なことはせず、担ぎ手たちが取っくみ合うこともしばしばあるそうですが、ケガ人が出ることはないそうです。ひとあたり盛り上がったところで3基の神輿は海に入り担ぎ手が海水で悪霊を洗い流したあと、しづしづと神社にもどってフィナーレということになります。動から静、静から動と絶え間ない演出に人々は満足し、7年後をひたすら待ちつづけるのです。

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椿山虫送り

2013年07月22日

平安時代から600年余り続いている高知県仁淀川町椿山の「虫送り」は解説書を読んでもよくわからないいわゆる奇祭のひとつです。田畑につく虫を追い出す祭りという趣旨がよくわからないのです。お札を川に流すのがこの祭りのクライマックスと言うことなら精霊流しのひとつとしてわかるのですが、目的が虫送りだというのですから。由来は平安時代の斉藤別当実盛が源義仲に敗れ、その亡霊が稲の害虫となって田畑を荒らすのでその霊を供養し、害虫を追いやろうとして始まったとのことです。その儀式に出てみますと、まずお堂の中で霊を鎮めるお経を読み、そのお堂の前で焚いているたき木の周りを太鼓をたたいて数名で踊りながらひとしきり廻って、その後から下の渓谷に降り「南無阿弥陀仏」と書かれた木片を流すという祭りです。本州では珍しい仏式の祭りです。しかもこの地は平家の落人伝説どころか、壇ノ浦で亡くなったと言われている安徳天皇が逃れ住んだといわれているのです。しかし椿山は3世帯5人しか住民がいないのです。どうやって祭りを実行するのかとても心配でした。仁淀川町はダイドー日本の祭りでは過去2回取り上げていましたので、高知県でも過疎地、いわゆる限界集落を多くかかえている中でも特に多い町です。

しかし昨年仁淀川町そのものは、種が宇宙に行った宇宙桜やお茶などで有名になり一年中観光客が絶えないという名勝地なんです。しかしさすがに日本有数の祭りのおっかけの人は少なかったです。それでも儀式の時間になりましたら50人以上の近隣の方々が集まり、ここの住民とともに祈祷を受けていました。これが少子高齢化社会の祭りの新しい形なんです。祭りはご当地だけではやりきれないので、周辺の人たちがお互いに助け合い、行政もいろいろと手助けをし、伝統文化を継いでいくことが重要なんです。

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祭り軍団座長 吉村作治 東日本国際大学学長・教授 早稲田大学名誉教授 NPO 日本の祭りネットワーク副理事長

エジプト考古学者(工学博士)
1943年生まれ。早稲田大学入学後の1966年アジア初のエジプト調査隊を組織し現地に赴く。以来、半世紀にわたり発掘調査を継続。「第2の太陽の船」発掘・復原プロジェクトでは、 本格的な修復作業が進んでいる。この8月から新たに「クフ王墓探査計画」を開始。動画サイト「吉村作治チャンネル」では、祭りをはじめ様々な話題を、ほぼ毎日配信中。

公式HP
吉村作治のエジプトピア

http://www.egypt.co.jp/

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