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吉村作治先生の祭り考察 エジプト考古学者、吉村作治名誉教授のブログ

※このページは吉村作治先生からの寄稿を原文のまま公開しています。

2013年6月のアーカイブ


白鬚神社ほんまつり

2013年06月25日

隅田川沿いには白鬚と名のつく神社がいくつかあるとのことですが、ここ墨東、向島の白鬚神社が一番大きいようです。主祭神は猿田彦命で、祭神は寿老人(寿老神)にあてて、白い長い鬚を垂らしています。もともとこの周辺の3つの神社、白鬚神社、高木神社、長浦神社の神輿を合同で渡御していたのです。この連合渡御で白鬚神社の神輿は最後尾13番目に位置していたことから「十三番」と呼ばれるようになったのです。ですから今でも白鬚神社の神輿を「十三番」と呼んでいるのだそうです。白鬚神社の祭礼の呼びものは「あおり獅子」の巡行があります。雌雄一対の獅子頭は八貫目もあり胴体の幕は5反の木綿の帆布で作ったアオリ(煽り)というのだそうです。獅子頭は氏子3人が、煽りには氏子5人が入って町内を練り歩きます。その町内のことを「図子(ずし)」と呼んでいるのも又特徴です。「図子」は祭りを運営する氏子集団のことで、白鬚神社の祭礼を支えています。現在「図子」は11あり、各「図子」には名がついていて、戦前の町内の丁目で分かれています。又、各「図子」毎に独特な半纏の印があります。前夜祭であるよいの宮にはあおり獅子と、八番の女神輿と5台の町神輿が出て訪問者を喜ばすのです。訪問者といいましてもこの界わいの人たちが主で、いわゆる観光客は他の祭りに比べて少ないのが特徴です。いわゆる地元密着型の祭りなのです。女性だけで担ぐ神輿って初めて見ましたが、女性のあのかん高いかけ声はすごいです。入れ替わり立ち替わり7、80人もいるでしょうか、神輿の周りもすべて女性です。

約1時間半かけて各町内(図子と呼ばれている)を周り、白鬚神社に到着です。そこには十三番の本祭りの当日出る男神輿が飾ってあります。神社の周りは参拝人の数で考えると多すぎるのではないかと思う露店が出ていました。当日は朝6時半から神事が行われました。この神事も他よりも簡素化されているというか、江戸のせっかちな気風に合っていて、さっと終り、神輿の宮出しが行われ、いよいよ1日かけて町内を巡行するわけです。三社祭りのときもそうでしたが、町から町への神輿の受け渡しはおごそかさで、儀式としては最高でした。

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相生のペーロン祭

2013年06月12日

ペーロンとは白龍と書いて中国語読みにした「パイロン」がなまって作られた言葉ですが、今ではペーロンという木造の小型船を何人かで小さなカイを使ってこいで競争する催しを称して言っているそうです。日本で最も盛んなのは長崎県で、各地区で予選をして、5月になって県大会をするという一大イベントになっています。沖縄では同じようなものをハーレーと呼んでいます。その名の如く中国から渡ってきたもので、もともと神さまへの余興だったものがメインイベントとなったのでしょう。それは相撲などと同じです。神楽や山車は神事と離れませんでしたが、このペーロンや相撲は勝ち負けがはっきり出ますので、スポーツ化されて残ったものと思われます。ここ相生のペーロンも長崎出身のIHI(旧石川島播磨重工業株式会社)の前身にあたる播磨造船所の社員がもち込んだという歴史があります。そうですここ相生は日本でも長崎とともにトップをゆく造船の町だったのです。しかし今では造船会社は1社もないそうです。実は私たち早稲田大学古代エジプト調査隊は、ここ相生から6万トンのオイルタンカー「東海丸」に乗ってエジプトに行ったのです。1966年9月のことです。今回47年ぶりに相生に行ってどの岸礁から出航したか確かめようとしましたが、結局わかりませんでした。町並みも当時の同号ではなくなっていました。東京駅から新大阪にひかりで行って在来線で相生へと行ったことは鮮明に憶えているんですけど、あとは藪の中です。

25日(土)は前夜祭で、私もペーロンに乗せていただきました。沖縄でハーレーに乗って競技に参加したことがありますが、こちらの方がカイが鈍い感じがしました。競技はオープンペーロン競漕やボートレース日間をはさみながら1次、2次予選と進み、準決勝、決勝となります。優勝するには4回勝ち抜く必要があり、選手に聞きますと、2回戦以降は体力をこえ精神力の強さが勝負となるそうです。何も取り分け利益はないわけですから頭が下ります。

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檜枝岐歌舞伎愛宕神祭礼奉納歌舞伎

2013年06月12日

今回は歌舞伎好きの私にとってとても残念だったのですが、スケジュールの調整ができず出席できませんでした。参加した方からの情報ですと、とても大がかりなすばらしい催物とのことで、余計に残念さがつのります。歴史的にみましても270年もあるとのことです。江戸歌舞伎に匹敵するようなすばらしいものです。もちろんコトの発端はお江戸なんでしょうが、現在東京では歌舞伎座が新装なってその記念公演で連日大盛況。私も席を確保できず順番を待っている状況です。

もともと伊勢神宮へのお参りの行き帰りに立ち寄った江戸の歌舞伎が、ここへ持ち帰られたのが発祥だそうですが、このような形の歌舞伎は日本全国に現在にも残っています。しかし現在まで正統的に残っているのは数が限られています。そういう意味ではここは貴重です。今後とも住民が団結して続けていってほしいです。

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伏木曳山祭

2013年06月03日

富山県高岡市伏木地区で行われている「伏木曳山祭」は江戸時代後期に始まったと言われています。6基の曳山が昼と夜の2つの顔を使いわけて人々を楽しませてくれる北陸でも有数の大祭です。s
海の安全や豊漁祈願の伏木神社の春祭りです。昼の花山車(はなやま)は6基の町内会の曳山が豪華に着飾ってその美しさを競う、いってみれば女性型の祭りで、同時に仮装行列も行われます。が、夕方その姿を一変し、数百の提灯に四方を飾り、ぶつかり合う「かっちゃ」が行なわれる。伏木地区には、中町、上町、本町、寳路町、石坂町、湊町、十七軒町の7つがありますが、十七軒町を除いた6つの町がそれぞれ「ひょうたん山車」「さき山車」「がんがら山車」「せんまい山車」「宇山車」「ちょうちょう山車」を出して毎年5月15日にその技を競うのです。この祭りは、かっちゃの行われる夜の山車のぶつけ合いをして別名「けんか山」と呼ばれています。前日、全ての山車は山倉から出ます。山倉とは6基全ての山車が一年間納められているところでして、そこで神事を行い、倉の扉を開けると各山車の天ぺんに天より神々がご降臨されるという考えのようです。そこから各町内を練り歩く前に伏木神社にお参りし、町内廻りをして、夕方山倉にもどりそこで変身するのです。夕刻7時半頃、この「かっちゃ」が始まりますが、2つの町内が入れ変わり立ち変わりぶつかりっこします。ぶつかるときの音はすさまじく、見ている人の肝をゆするほどのインパクトがあります。

「かっちゃ」会場は法輪寺前と本町広場で、同時に2回やります。1回のぶつかり合いはまず5度やって、双方が話し合い次の5度、そしてもう5度から3度やります。曳人は2回戦ぐらいから疲れ出し、多い町は1度で8回戦やるところもあるようです。ともかくすごいの一言です。

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厳島神社本開帳

2013年06月03日

千葉県南東部の鴨川市の沖合にある、弁天島の厳島神社のご本尊の弁財天のご開帳が行われる大祭が、5月4日・5日の2日間行われました。60年に1回の本開帳ということは、前回は私が10才のときに催されたということですから、その時中心的になさっていた方はおおむねいらっしゃらないのではと心配になりました。東京からJR東日本の外房線わかしおに乗って行きましたが、驚いたことに勝浦をすぎたころ車掌さんが、この大祭のパンフレットをもって乗客ひとりひとりに説明しているのです。この大祭はJRが協賛しているわけではないらしいのですがとても良い感じでした。安房鴨川の駅につきますと、祭りはすでにスタンバイという感じで町中が華やかになっていました。この祭りは、9世紀のはじめ(834年ぐらい)に唐から帰国した慈覚大師がこの地区に布教しにきたときにこの厳島神社を建立し、そこの本尊として弁財天の神像を彫って納めたのを起源としているとのことです。当日は30隻以上の漁船が港と弁天島の間に横並びになり、本来はそこに道板をつけ神輿や山車が通ったとのことですが、今はその危険性と船が大型になりすぎたこととが合わさって、港と島の間につくられた堤防の道を通って島へ行って崇拝をしました。当日10時になり、本宮の弁財天さまのおいでになる大扉が「ウォー」という神宮団の声とともにギィギィギィと開けられ、中から神輿まで弁財天さまの神像をお運びする木の小箱へ移され運ばれました。

ご開帳とは言え弁財天さまの御姿は人の眼にふれることなく無事神輿に移され、地区に回って練り歩きが始まったのです。そして1日目はお旅所でおやすみなり、2日目に本宮におもどりになりました。
次の機会は60年後。私はこの世にいません。それを考えますと感無量です。

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祭り軍団座長 吉村作治 東日本国際大学学長・教授 早稲田大学名誉教授 NPO 日本の祭りネットワーク副理事長

エジプト考古学者(工学博士)
1943年生まれ。早稲田大学入学後の1966年アジア初のエジプト調査隊を組織し現地に赴く。以来、半世紀にわたり発掘調査を継続。「第2の太陽の船」発掘・復原プロジェクトでは、 本格的な修復作業が進んでいる。この8月から新たに「クフ王墓探査計画」を開始。動画サイト「吉村作治チャンネル」では、祭りをはじめ様々な話題を、ほぼ毎日配信中。

公式HP
吉村作治のエジプトピア

http://www.egypt.co.jp/

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