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吉村作治先生の祭り考察 エジプト考古学者、吉村作治名誉教授のブログ

※このページは吉村作治先生からの寄稿を原文のまま公開しています。

2013年3月のアーカイブ


鉤引き祭

2013年03月08日

「ワッショイワッショイワッショイ」1トンもある雄鉤・雌鉤と名付けられた木を、上・下高隈町の人たちが総勢300人で引いたりあげたり下げたりしながら、死にもの狂いで組み合わせようと10分以上もかけて力を集中している。ここには力づくだけではないかけ引きやいらだちも入っているのです。ようやくコトンと組み合わせができますと、上・下高隅町の人たちが自分の方に大木を引く。この間約20分ほとんど力がきっこうしていて一進一退、根負けした方がずっずっずっと引かれていく。「パーン」かんしゃく玉の鉄砲が主審の手で打たれると、勝負ありだ。鹿児島県鹿屋市上高隈町中津神社の春の大祭、「鉤引き祭」のクライマックスである。3回勝負で2勝した方が優勝ということです。今年は雌鉤をもった上高隈町が2勝1敗で優勝でした。この鉤引きは綱引きと同じルーツだろうと思いますが、よりプリミティブ且つ人々の生活に密接だと思います。というのは雄鉤には鉤股があり雌鉤は二股となっていてこの2つが組み合わさるということは男女の交合を表しているからです。ですからこの祭りの趣旨は子孫繁栄、五穀豊穣です。

これをメインに、木ぐわで地面をたがやす田起(たおこし)、播種(はしゅ)という種まきに相当する紅白のもちまき、代掻(しろかき)といって木の牛の彫刻を境内中引きまわす行事などがあり、前座として棒踊りや町内会の素踊りなど町民が中津神社境内を巡って1日中楽しめるものです。メインの鉤引きの真剣さとその他の余芸のゆるさが対比的でいかにも祭りです。
この祭りを300年以上もつづけてきた高隈町の人々のすごさ、努力に脱帽しました。毎年2月の第3日曜日に行われるのです。

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六郷のカマクラ

2013年03月08日

目の前が見えないくらい激げしい雪の中2本以上の竹が南軍、北軍に分かれて打ち合われる「竹打ち」をファイナルイベントとする六郷のカマクラは壮絶です。幸いこの夜はケガ人が出ませんでしたが、6、7mの青竹サオを思い切りふりかざし、バチンバチンと相手の頭にかぶっているヘルメットに打ちおろす音が、しんかんとしたやみ夜に響きわたる様はすごいものです。
秋田県仙北郡美郷町六郷に古くから伝わる農耕予祝(高い収穫を年の初めに祈る催事)でこの地では小正月を祝う行事として有名なのです。
何故収穫を願うのに若い男衆が竹を打ち合うのかは地元の保存会長にも明確にはわからないのだそうですが、一説には竹打ち合戦の最中に天高らかにほのおをあげて燃えるドンドに天筆と称する竹の先にくくられた「天下泰平」とか「家内安全」といった文章が書かれている色のついた紙や布を燃やすとき、その竹が四方八方でぶつかり合う姿を形にしたと言われています。たしかに終盤のクライマックスはこの天筆焼きで、これを見ていますとほのおにさし出された天筆竹がよりほのおを天に向かって高らかにあげていて、人々の想いが天におられる神さまに届くような実感がして、いても立ってもいられなくなり、その竹をふりかざす気持ちはわかります。

秋田はカマクラが大変有名ですがこの地のカマクラは雪で作った洞にとどまらず、「左儀長」や「吉書焼」などの儀式が神社に奉納されます。そして横手のカマクラも起源はここだとのことです。それにしましても日本人は火に心のたけを話す祭りが多いですね。

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祭り軍団座長 吉村作治 東日本国際大学学長・教授 早稲田大学名誉教授 NPO 日本の祭りネットワーク副理事長

エジプト考古学者(工学博士)
1943年生まれ。早稲田大学入学後の1966年アジア初のエジプト調査隊を組織し現地に赴く。以来、半世紀にわたり発掘調査を継続。「第2の太陽の船」発掘・復原プロジェクトでは、 本格的な修復作業が進んでいる。この8月から新たに「クフ王墓探査計画」を開始。動画サイト「吉村作治チャンネル」では、祭りをはじめ様々な話題を、ほぼ毎日配信中。

公式HP
吉村作治のエジプトピア

http://www.egypt.co.jp/

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