吉村作治が観た!日本の祭り
那智・美瑛火祭
「火祭り」は日本各地にありますが、みな勇壮でワクワクします。日本には火山が多いせいか「火」に関わる祭りが多いのでしょうが、人類にとって自分で火を作れるようになって初めて動物から自立したとも言えますから、火はとても大切なので、火祭りがあるのだと思います。
火は火事とか火山爆発とかやけどとか人間に害を及ぼすことや恐れの対象となりますが、何といっても火なくしては文明はおきませんから恵みの方が多いのです。人類に対しての自然の一番重要な恵みは現代では電気です。その電気を作ってからまだ100年余りですが、今や人類は電気なくしては生きていけません。
しかし電気は古代エジプトの時代から自然として知ってはいました。しかし人間が自分の力で作れるようになったのはつい近頃のことなのです。今やいろいろな方法で電気を作ることができますが、そのほとんどは火でお湯をわかし、その蒸気の力でタービンを動かして電気を作っているのです。
ですからここでも火の力に人間はたよっているのです。北海道 美瑛の火祭りはそうした恩恵へのおかえしというより、十勝岳の噴火により人々へ大きな被害があったため、その鎮魂、自然への畏れからきていますが、その大元ではやはり自然へのいつくしみがあります。
それは美瑛に行ってみるとわかります。美瑛は日本でも有数の美しい風景をもった町として有名で年間100万人のツーリストが日本国内だけでなく近隣のアジアの国から来ています。人口が1万2千人ほどですから100倍の人がこの町に入ってくるのです。しかし町を歩いておどろくのはゴミひとつなく、又町並みがヨーロッパの新しい町のようにおしゃれなのです。主産業は農業ということで、アスパラガスをはじめ季節のものが次々ととれて日本全国に出荷されています。中でもじゃがいもとトウモロコシが群をぬいていて、最近ではメロンもさかんになっているそうです。
その町の中心に美瑛神社があります。新しく―10年ほど前に新築されたとのことです―美しい神社建築です。
町が豊かという感じは人々との会話やおもてなしからもわかります。
ですからこの火祭りを町おこしのひとつとしてツーリストをよぼうを思っているわけでもなく、又秘儀としてよそ者を排除しようというものでもないので、気持ちがいいのです。今から20年前に十勝岳の噴火を期に、この地の入植者(100年近く前とのことです)の多かった紀州那智勝浦の那智大社の火祭りを分けてもらって始めたとのことです。ですから今回も那智の氏子衆も20人ほどいらしていて、合同で松明運びを行っていました。
私も参加しましたが、火をつける前に松明をもってみて、あまりの重さ(およそ35キロ)にとても運べないとわかり、火のついた松明の練り歩きといっしょに小さなあんどんをもって参加しました。
その時松明の火が燃えすぎないようにかける水に再三あたりびっしょりとなりましたが、火の強さですぐ乾いてしまうほどでした。火花もすごく、何回か髪の毛にあたりこげたりしました。約1時間半ほど練り歩き、終了しましたが、夜空をこがさんばかりの松明の練り歩きに心よい疲労感をおぼえました。
祭り軍団座長


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