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ケベス祭

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:OBS大分放送
放送
:11/3(日)16:00~16:54

ダイドードリンコ日本の祭り

謎の仮面、祈りの炎~大分県国東市 ケベス祭~

ケベス祭

大分県北東部に位置する国東半島。神仏習合の六郷満山文化が色濃く残るこの地域には、人々から“奇祭”と呼ばれる祭りが受け継がれています。国東市国見町櫛来地区に伝わる「ケベス祭」です。櫛来社でおこなわれる秋の例大祭の宵宮祭として伝わるこの祭りは、その起源や名前の由来がわかる資料が残っておらず一切が謎に包まれています。見所は、燃えさかる炎の中で木彫りの仮面をつけた「ケベス」と白装束に身を包んだ「トウバ」の激しいせめぎ合い。飛び散る火の粉を浴びた人々は無病息災が叶うと言われ、祈りの炎を神様に捧げます。番組では、祭りの謎を紐解きながら、地域の準備風景に密着。バトンをつなぐ地域の人たちの思いに迫ります。

祭り紹介

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ケベス祭

櫛来社の宵宮祭として行われる火祭り。積み上げたシダの枝葉が高さ数メートルの炎を上げる中、白装束に木彫りの面をつけた「ケベス」と火を守る「トウバ」が激しいせめぎ合いを見せます。終盤、燃え盛る枝葉が観客にまき散らされると境内は騒然。起源や名前の由来も不明のため”奇祭”と言われています。

開催日
10月14日※毎年同日
場所・アクセス
大分県国東市国見町櫛来 櫛来社

■電車
JR「宇佐」駅下車、「伊美」行きバスで約60分、終点「伊美」よりタクシーで約5分。

■車
大分自動車道「速見」インターより日出バイパス、「日出」インターより国道213号線を通り約60分。
お問い合わせ
国東市文化財課/0978-72-2677

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

歴史由来も起源も一切不明の謎多き火祭り

シシゾウ:ケベス祭の起源について教えてください。

須磨さん:ケベス祭は櫛来社の秋の例大祭の宵宮祭に行われる火祭りです。ケベス祭に関する文献資料はまったく残っておらず、起源や名称の由来など一切は不明です。分かっているのは櫛来社に古来より伝わる神事として代々の氏子が受け継ぎ、守り続けてきたということです。
祭りを執り行うのはトウバ(当場)と呼ばれる氏子の当番地区です。氏子の櫛来地区には現在、8つのトウバ組があり、1年交代で祭りを担当しますが、少子高齢化で住民数が減っているため、2つのトウバ組が合同で担当するケースも生じています。

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みどころ1週間に及ぶ精進潔斎をはじめ、
古式なしきたりを遵守

シシゾウ:ケベス祭は準備が大変だそうですね。

須磨さん:一番大変なのは火祭りで燃やす大量のシダを集めることです。大人が手を広げて円を描いた大きさの束が約500束必要です。そのため、9月の終わりごろからトウバ組の男性が総出で山へシダを刈り出しに行きます。
ケベス祭は昔からのしきたりが多く、精進潔斎も厳格に行われています。トウバ組の住民は櫛来社から神導様(じんどうさま)という道案内役の神様を地区にお迎えする宮下り(みやくだり)の日から例大祭が終わるまでの約1週間、自宅で調理したもの以外を口にすることはできません。子どもも例外ではないので、普段は給食ですが、この期間だけは家から弁当と水筒を持参します。

シシゾウ:ケベス祭に奉仕する主要な役を教えてください。

須磨さん:主な役は大世話人であるトウバ元、トウジ(酒造兒)、オカヨ(御介與)、ケベス(蹴火子)です。トウバ元は、9日に行われる宮下りで神導様をお迎えする家です。軒下に神穂屋(かむほや)と呼ばれる小屋が建てられ、神導様の依代(よりしろ)とされる猿田彦の面が安置されます。トウジは神穂屋で神様にお供えする甘酒を仕込み、オカヨは毎日、海で身を清め、神導様にお供物を捧げます。トウジとオカヨは吊り籤(くじ)で決めます。候補者の名前が書かれた和紙片の中から宮司である私が榊に結びつけた麻緒(=麻ひも)で1枚を吊り上げます。和紙片は手でちぎられていて、荒くなった切り口の繊維が麻緒に絡み付いて引上げられる原理です。
ケベスは地元では「ケベスどん」と呼ばれます。ケベスどんは櫛来社に古くから伝わる神秘的な面相の木彫り面をつけ、火祭りで火を巡ってトウバたちと戦います。ケベスが何者なのか、正体はまったく不明で、面そのものもいつの時代に作られたものか分からず、鼻が欠けています。ケベス役は体力がいるので、若い候補者の中から吊り籤で決めます。ケベス役ができるのは一生に一度です。トウバが回ってくるのは8年に1度で、さらに籤引きをするので、ケベス役に選ばれることは幸運かつ名誉なこととされています。過去には親子がケベスを務めた例もあります。

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注目ポイント火に突進。差又で火をはねるケベスどん

シシゾウ:ケベス祭当日のスケジュールを教えてください。

須磨さん:午後2時からお帰りになる神導様を櫛来社にお送りする宮上せ(みやのぼせ)があります。宮下りのときと同じようにトウバ組の男性は子どもから大人まで全員、白装束に身を包み、お供えの餅や甘酒を携え、行列を組んで櫛来社へ向かいます。夕方、直会(なおらい)で揃って食事をとった後、トウバたちは櫛来社の裏の浜に行き、着衣を全部脱ぎ、海水で身を清めます。午後7時から拝殿で宵宮祭の神事が始まります。祝詞(のりと)奏上後、ケベス役はケベスの面と白装束を身につけます。私は「己に勝つ」という意味でケベス役の背中に「勝」という文字を指で書き、励ましの気持ちを込めて背中をポンと叩きます。ケベスを務めた人に後から聞くと、背中を叩かれた瞬間に気持ちがケベスどんに切り替わるそうです。
拝殿前の広場に積まれたシダの山に点火されると、いよいよ火祭りの始まりです。トウバたちは先が二股になった差又(さすまた)と呼ばれる木の棒を手に、火の守り手としてそばに控えます。ケベスどんが広場に下りてくると、笛・太鼓・鉦の楽師は練楽(ねんがく)を奏で始めます。ケベスどんは腰を低く落とし、扇子で肩に担いだ差又を叩いて調子をとりながら、楽師と神社関係者らが作る練楽の列の中に入り、ゆっくり進みます。広場を一回りしたところでケベスどんはいきなり火に突進します。それを阻止しようとトウバが飛び出し、一対一で差又と差又を打ち交わし、ケベスどんを練楽の列に押し戻します。ケベスどんは再び練楽を舞い始め、境内を1周すると再び火に突進し、トウバと差又を交え、押し戻されます。3周目にケベスどんが火に突っ込むときにはトウバは止めません。火に入ったケベスどんは差又で燃え盛るシダの山をかき回します。この動作を私たちは「火をはねる」と呼んでいます。炎は一段と高くなり、火の粉が闇夜に飛び散るので参拝者から歓声が上がります。ひとしきりかき回すとケベスどんは再び練楽の列に戻され、広場を1周すると火に突進するという一連の流れを3度繰り返します。ケベスどんが9周目に火に突入し、差又で火を大きくはねるのを合図に、トウバたちは差又に火のついたシダの束を突き刺し、周囲の回廊にひしめきあっている参拝者の中に飛び込み、火の粉を振りかけます。火の粉を浴びると無病息災のご利益があるといわれていますが、熱いので参拝者は歓声と悲鳴を上げて逃げ、それを追うトウバたちで、それまでの幽玄な世界から一変、境内は騒然とします。シダは勢いよく燃えますが燃え尽きるのも早いので火傷はしません。ただし、化繊の服は熱で溶けてしまうので要注意です。髪の毛もチリチリになることがあるので慣れている方は木綿のパーカーやバスタオルで頭を覆っています。

シシゾウ:ケベスどんはたき火に突入した後、どうするのですか?

須磨さん:託宣を行います。ケベスどんの差又の先には藁束(ワラヅト)(=藁包み)が結び付けられています。ケベスどんは神社の西門、お供え物を用意する御供所(ごくしょ)前、拝殿前の3ヵ所でワラヅトを地面に叩きつけます。そのときの音がポーンポーンとよく響くと豊作になるといわれています。
すべての務めを果たすとケベスどんは拝殿に戻ってきます。私がねぎらいの気持ちや「よくできました」という思いを込めて、「優」とか、「秀」とかの文字を背中に書き、背中をポンと叩くとケベスどんは抜け、ケベス役は面と装束を外してトウバの一員に戻ります。
燃やすシダ束がなくなると祭りは終了です。終わりを告げる太鼓が打たれ、参拝者の方々は拝殿にお参りされます。

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ふるさと自慢九州屈指のオリーブ産地。
高校生が作るメロンも人気

シシゾウ:国東市の食の名産品を教えてください。

須磨さん:伊予灘に面した国東半島は果樹をはじめとする農業が盛んです。近年は地中海の気候に似ていることからオリーブの産地として脚光を浴びています。小ねぎのハウス栽培も盛んです。地元の国東高校園芸ビジネス科の生徒さんたちが農場実習で作るマスクメロンも知る人ぞ知る名産品で、少量ですが一般向けにも販売されます。

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メッセージトウバの皆さんの気持ちを大切にしながら
祭りの伝統を守っていきます

須磨さん:祭りを執り行うトウバの皆さんの気持ちを大切にしながら伝統を守り、後世に引き継いでいけるように宮司として尽力してまいりたいと思います。多くの皆さんに見に来ていただいて、このような祭りがあるんだと関心を持っていただければ幸いです。

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※祭り紹介者 櫛来社 宮司 須磨 長憘(すま ながよし)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

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