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小迫の延年

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:KHB 東日本放送
放送
:5/1(日) 15:35〜16:30

ダイドードリンコスペシャル

悠久の祭事・小迫の延年 〜受け継がれる1000年絵巻〜

小迫の延年

小迫の延年は1000年以上も前から始まったといわれ、衣装と芸能が昔のまま継承されている稀少な祭りです。祭りで演じられる芸能の「舞い」は、寺院関係者26世帯に代々世襲で継承されてきました。しかし、時代とともに人が減り現在は地域住民が全員参加してこの祭りを継続しています。祭りの1ヶ月前から始まる芸能の練習に密着します。カタカナで書かれた楽譜をもとに行われる笛の練習やお寺から神社へ神輿が移動する神仏習合起源の独特な慣習などを紐解きます。そして、失われつつある地域の絆を「祭り」を通して住民が取り戻してゆく様を伝えます。

祭り紹介

  • 祭り写真館

小迫の延年

小迫の延年は、春の農耕期を前に豊作を願い行われてきた祭りです。延年とは、平安から室町にかけ僧侶や稚児が寺院で盛んに行っていた遊演舞台の総称のひとつ。平安時代より地域の年中行事として伝承されたものは古風な芸能を残しており、国の重要無形民俗文化財に指定されています。祭りでは7つの演目が披露されます。

開催日
4月第1日曜日
場所・アクセス
宮城県栗原市金成小迫 白山神社

■電車
東北新幹線「栗駒高原」駅下車、車で約15分

■車
東北自動車道「若柳金成」インターより約10分(栗原市金成支所より約10分)
お問い合わせ
栗原市産業経済部 田園観光課/0228-22-1151
栗原市若柳金成商工会 若柳本所/0228-32-3100
栗原市若柳金成商工会 金成支所/0228-42-1473

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

歴史約1200年前の中世の芸能をそのまま現代に伝える祭り

シシゾウ:小迫の延年は、いつごろ始まりましたか?

千葉さん:起源に関して文献が残っていないのではっきりしたことは分かっておらず、諸説があります。延年というのは平安時代から室町時代にかけて、寺院の僧侶たちが法要の後などに娯楽として行った芸能です。現在、小迫の延年は、栗原市金成町にある白山神社の春の例大祭の行事として行われますが、元々は白山神社に付属する別当寺だった勝大寺(しょうだいじ)の坊の人たちが余興で行っていたものではないかといわれています。演目のひとつ、御山開き(おやまびらき)で読み上げられる祭文(さいもん)の文中に、大同2年(807)という年号が出てくるので、そのころには既に行われていたのではないかと思います。
小迫の延年というのは、昭和54年(1979)に国の重要無形民俗文化財に指定されてから新たにつけられた名称で、以前は小迫祭あるいは節句祭と呼ばれていました。節句祭というのは昔、旧暦3月3日の雛祭りの節句に行われていたからです。小迫の延年は、白山神社の氏子である小迫地区の全員が奉仕するので、現在は皆が参加しやすいように4月の第一日曜に開催しています。

二階堂さん:小迫の延年は小迫地区の人間にとっては昔も今も重要な祭りですが、外部の人からはほとんど注目されることのない祭りでした。国の重要無形民俗文化財に指定されるきっかけを作ってくださったのは、民俗芸能を専門に研究なさっていた東京の大学の先生で、私たちの祭りをご覧になって昔のままの衣装と芸能を継承しているのは希少だと文化庁に推挙してくださいました。祭りをずっと継承してきた私たちはごく平凡な祭りだと思っていたのですが(笑)、他所の方に素晴らしさを教えていただきました。

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みどころ征夷大将軍の坂上田村麻呂が踊った舞が起源の長刀の舞と扇の舞

シシゾウ:行事の流れを教えてください。

千葉さん:祭りの前日、白山神社の神輿は金成町内を渡御して、約300メートル離れた勝大寺を御旅所にして一泊します。その神輿が行列を作って白山神社に帰るお山詰(やまづめ)から祭りは始まります。行列には、黒烏帽子に白装束をつけた小迫地区の男性約60人が参列します。次が献膳(けんぜん)で、白山神社の神前に祭りの無事と豊作を祈願して供物が捧げられます。それが終わると神社境内での芸能の奉納に移ります。演じられるのは獅子舞、御山開(おやまびら)き、入振舞(いりふりまい)、飛作舞(ひさまい)、田楽舞(でんがくまい)、馬上渡(ばじょうわた)しです。

シシゾウ:芸能を担当するのはどういう人たちですか?

二階堂さん:小迫の延年で芸能を受け持つのは小迫地区で坊中(ぼうちゅう)と呼ばれる家の男性です。坊中は昔、勝大寺に数多くあった僧侶が住まう坊の関係者で、子孫は世襲で延年の芸能を継承しています。私も坊中の人間で、中学生のころから芸能に携わっています。現在、担当している入振舞と飛作舞を最初に舞ったのは昭和40年前半なので、かれこれ半世紀近く踊っていることになります。

千葉さん:私も坊中の人間で、現在は獅子舞の獅子愛しという獅子を操る役と御山開きの老女、馬上渡しの源頼朝役を務めています。坊中の人間はそれぞれ担当する演目がほぼ決まっていますが、芸能の継承のために誰もが複数の役を務められるように研鑽しています。

シシゾウ:小迫の延年で特に注目の演目は何ですか?

二階堂さん:入振舞と飛作舞です。同じ舞い手によって続けて演じられる二人舞で衣装も所作も他所では見られない舞だと思います。蝦夷征伐で東北地方を平定した征夷大将軍の坂上田村麻呂(さかのうえたむらまろ)が、帰路に立ち寄った白山神社で踊った舞が起源と伝えられています。舞そのものは京都の流れをくんでいるといわれ、御請楽(おしょうらく)という奏楽の笛が雅やかです。笛の音色が「田村が退治しよう」と聞こえるため、田村舞と呼ばれることもあります。2人の舞い手は、それぞれ赤と緑の「ちはや」と呼ばれる僧侶が着るような袖の長い薄衣を着け、入振舞では長刀を持って舞います。延年の芸能を舞う場所は芝舞台という盛り土がされた丘のような場所ですが、伝説では坂上田村麻呂が討ち取った蝦夷の頭領の一人、大武丸(おおたけまる)の首がそこに埋められているといわれています。普通、長刀の舞は切りつける所作をするとき、刃を下に向けるのですが、入振舞は敵将の鎮魂の舞ということで、長刀の刃を上向きにして舞います。舞う時間は約7分で、長刀を振り上げたり、2人の長刀を交差させたりする動きがゆったりしているのが特徴です。
飛作舞は長刀を扇に持ち替えて舞います。坂上田村麻呂が妻の鈴鹿御前(すずかごぜん)と蝦夷征討の成功を喜んで一緒に舞った舞と伝えられ、青陽歌(そうようか)という歌の独唱に合わせて華麗に舞います。入振舞は笛、飛作舞は歌といかに調和して舞うかがポイントです。

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注目ポイント源平の屋島の合戦の名場面を再現

千葉さん:御山開きも他所では見られない珍しい演目だと思います。白山神社の境内にある花田ヶ池(はなだがいけ)の龍が女性に化けて現れ、神男(かみおとこ)を誘惑するというストーリーをパントマイムで演じます。僧侶の扮装をした神男が芝舞台で祭文を読み上げているところに、若い女と老女が馬に乗ってやってきます。その2人の女性が神男を誘惑しようとまとわりついて、小競り合いをしますが、最後は2人とも神男によって髪をはぎとられてしまいます。髪を取ることが龍退治を表現しています。
最後に演じられる馬上渡しは、源平の屋島の戦いで那須与一(なすのよいち)が扇の的を射落としたという故事を演じるもので、入振舞などの芸能より時代的には新しい演目といわれています。馬に乗った武者が6人登場し、口上や台詞を述べ、最後に用意された大きな扇の的を那須与一役が馬上から矢で射ます。的は縁起物とされ、20年ほど前まではその的を巡って男たちが激しい奪い合いを演じました。扇の的は巨大で一人二人では持ち運べないので、数人が徒党を組んで的を奪いにいきます。地元で首長選挙のある年は特に真剣さが増し、流血するほどすさまじい争奪戦が繰り広げられました。そのため、過去には喧嘩祭りと呼ばれたこともありました。

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ふるさと自慢おいしい米がとれる米どころ。りんごも特産

シシゾウ:栗原市金成町の特産物やおすすめのスポットを教えてください。

二階堂さん:小迫地区は米どころで、住民の多くが米を作っています。私も20アールほどの田んぼで化学肥料の使用を抑えた環境保全米という身体にやさしい米を作っています。

千葉さん:金成町の小堤(おつつみ)地区ではりんご栽培が盛んです。りんご生産の歴史は約50年で、地元の農協や直売所で販売されています。観光スポットでは、奥州街道の宿駅だった国史跡の旧有壁宿本陣(きゅうありかべじゅくほんじん)はぜひご覧いただきたいと思います。

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メッセージ芸の継承のため、後継者育成に力を入れていきます

二階堂さん:私たちの祭りに注目していただけるのは大変ありがたいです。芸能を継承する坊中の人間の最高齢は80代の私ですが、一番若い人でも50代と高齢化が進んでいるので、これから若手の後継者育成に力を入れていきたいと思っています。

千葉さん:ぜひ一度見に来ていただきたいです。当日は午後1時にお山詰の行列が出発します。天候にもよりますが、正味1時間半ほどの祭りです。内容は変化に富んでいるので、最後まで楽しくご覧いただけるのではないかと思います。

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※祭り紹介者 入振舞・飛作舞 舞い手 二階堂 清太郎(にかいどう せいたろう)さん、小迫延年保存会 会長 千葉 光郎(ちば みつろう)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

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