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美川おかえり祭り

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:MRO 北陸放送
放送
:6/25(土)15:00〜15:55

ダイドードリンコスペシャル

おかえりの響きは浜風に舞ひて 〜美川おかえり祭り

美川おかえり祭り

石川県白山市の美川おかえり祭りは、若衆の吹く威勢の良いラッパに先導された神輿が13台の台車とともに町内を練り歩く藤塚神社の春の祭礼です。 祭りの呼び物は、地元青年団が担当するラッパ。美川に生まれた男子なら皆憧れるというラッパ手、今年は15人が担当します。その中には高校を卒業したばかりの新人団員が含まれています。練習初日から祭り当日までの様子を追います。また、祭りの名前の由来となった10年に一度巡ってくる「おかえり筋」の家々の様子も紹介します。今年のおかえり筋となるのは美川永代町、通りは提灯で彩られ、幻想的な雰囲気となります。またそれぞれの家では、職場の同僚や友人を家に招いて豪華な料理でもてなす「舞い込み」が行われます。家族や親戚ら一家総出でもてなすその舞台裏を紹介します。

祭り紹介

  • 祭り写真館

美川おかえり祭り

美川おかえり祭りは藤塚神社の春季祭礼で、北前船の寄港地として栄え、江戸時代中頃に始まったとされています。祭りでは、若衆による威勢の良いラッパに先導された豪華な神輿や台車が町内を練り歩きます。神社に戻る道を「おかえり筋」と言い、10年に一度巡ってくる筋の家々では、贅を尽くしたもてなしが行われます。

開催日
5月第3土曜日〜日曜日
場所・アクセス
石川県白山市 藤塚神社周辺

■電車
JR「美川」駅下車、すぐ

■車
「美川」インターから県道25号線を南西へ約5分
お問い合わせ
白山市観光文化部観光課/076-274-9544

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

歴史港町の繁栄を伝える産土神の春の例祭

シシゾウ:美川おかえり祭りは、いつごろ始まりましたか?

京念さん:美川おかえり祭りは、美川地域の産土神(うぶすながみ)をまつる藤塚神社の例祭です。祭りの起源ははっきりしていませんが、文化8年(1811)に記された文書に、祭りについて言及した文章があるので、そのころには既に行われていたと考えられます。当時の美川地域は、北前船(きたまえぶね/きたまえせん)が寄港する本吉湊(もとよしみなと)として栄えました。その豊かな財力を背景に、藤塚神社の神輿とともに町内を巡行する台車(だいぐるま)と呼ばれる豪華な曳山が建造されました。昔の文書を見ると、祭りが華美になりすぎることをいさめる一文があることから、祭りが盛大に催された様子がうかがえます。戦時中、近隣の祭りが曳山を自粛していたときも、美川の祭りだけは台車を出し続けたという話も伝わっています。

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みどころ吹き鳴らされるラッパと台車の車輪がきしむ音が巡行のBGM

京念さん:美川おかえり祭りは、1日目に神輿が御旅所に渡御する神幸祭、2日目に神輿が御旅所から藤塚神社に還御する還幸祭が行われます。前日の夜には宵宮(よみや)として、台車の飾り付けや試し曳きが行われます。祭りが終わるのは2日目の深夜に及びますので、けっこう長丁場です。
神輿は、ラッパを鳴らすラッパ衆や旗振りの旗手、台車、獅子などに先導されます。神輿を担ぐのは美川青年団の若衆で、ラッパ衆や旗手も務めます。
神輿は石川県では珍しい八面の形をした八角神輿です。現在、担がれる神輿は30年ほど前に新調したもので、それ以前に担がれていた神輿は御旅所に飾られます。古い神輿が建造されたのは江戸時代で、美川の北前船船主が寄進をした返礼として、京都の御室御所(仁和寺)から菊花の紋章が入った神輿日覆と守護の鉄棒が下賜されました。そのことに敬意を表して、青年団をはじめ祭りに奉仕する関係者は全員、紋付き袴を着用するのが決まりです。なお、美川の男衆が祭りで着る紋付き袴は特注の木綿製で、汚れることを気にせず動き回れます。
神幸祭の一番のみどころは朝、神輿一行が神社を出発する御立(おた)ちです。神輿が動き出す前には、美川青年団が勇壮な舞を披露し、ラッパ衆が進軍ラッパを威勢よく吹き鳴らします。美川おかえり祭りの大きな特色は、ラッパに合わせて神輿が進むことです。ラッパ衆が祭りに登場するようになったのは昭和4年とも昭和6年とも伝えられています。ラッパが取り入れられた経緯ははっきりしていません。景気づけのため、或いは、集合ラッパとして用いるためなど諸説があります。
朝、神社を出発し、美川地域の10町内を巡行した神輿一行は、夜も更けたころ、藤塚神社から約1キロ離れた御旅所に到着します。それから、神輿の御祭神を御旅所の拝殿に移す神事が辺りの照明をすべて消した暗闇の中で行われます。

シシゾウ:台車のみどころを教えてください。

京念さん:台車 13台の内訳は、美川地域の10町内が所有する11台と、家方組、船職組という大工集団がそれぞれ所有する1台です。そのうち2台は昭和になってから再建されたものと記録されていますが、江戸時代に建造されたものをそのまま使用している町内もあります。いずれも漆や蒔絵、金箔などが施され、造りが非常に凝っています。1台1台形状が違うのでじっくりご覧いただくとおもしろいと思います。
美川の台車のもうひとつの特徴は、進むときにギイギイと大きくきしむことです。この独特な走行音は車輪と車軸の間に、すり減り防止も兼ねて“こば”と呼ばれる薄い木片を詰めることによって生じます。
また町内の子どもたちは、台車に乗せてもらえることをとても楽しみにしています。昔の文書を見ると、子どもを乗せることは禁じられていたようですが、今では気にせずドンドン乗せています。台車に乗り込んで、お囃子の太鼓を叩くのも子どもたちの役目です。赤い被り物に白い狩衣をつけた“あかにんに”と呼ばれる少女たちがお囃子の太鼓を叩く町内もあります。これは、他所では見られない美川の祭りならではの風習だと思います。

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注目ポイント10年に一度巡ってくるおかえり筋。神輿と台車を宴で歓待

シシゾウ:還幸祭の流れを教えてください。

京念さん:午後7時すぎ、神輿一行は御旅所を出発し、おかえり筋と呼ばれる町内を通って藤塚神社に還御します。おかえり筋は10町内の輪番で、10年に1度回ってきます。おかえり筋の道筋には「御神燈」の文字が書かれた提灯がずらりと掲げられ、日が暮れると灯がともされます。おかえり筋になった町内は、神輿や台車を接待する慣わしで、町内から20軒ほど選ばれた家は宴席を設け、おかえり筋に神輿や台車がやってくると、関係者を座敷に上げて盛大にもてなします。一般の家でも親戚や知人を招待し、ご馳走をふるまう風習があります。
神幸祭で神輿を担ぐのは青年団ですが、還幸祭では、おかえり筋の町内の男衆が神輿を担ぎます。このときも青年団のラッパ衆と旗手が先導役を務めます。
還幸祭のみどころは、御旅所を出発するときの台車の乱舞です。美川の台車は、狭い町内を動きやすいように車輪が三輪です。その前輪を数人で肩に担いで高々と持ち上げ、境内を威勢よく曳き回します。これを1台ずつ順番に披露していきます。乱舞は30年ほど前、ある町内が始めたのが最初で、その後、全町内に広まりました。台車につける提灯がろうそくだったときには、台車を大きく傾けるとろうそくの火が提灯に燃え移ってしまうため、乱舞はできませんでした。電球やLEDに変わった今だからできることで、時代とともに祭りが少しずつ変容していっているひとつの例だと思います。

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ふるさと自慢珍味中の珍味、約3年漬け込むふぐの卵巣の糠漬け

シシゾウ:白山市美川地域でおすすめの特産物を教えてください。

京念さん:ふぐの卵巣の糠漬けです。ふぐの卵巣を1年間塩漬けした後、2年間糠漬けしたもので、食感が面白い、この地方独特の珍味です。糠漬けをさらに1~2年酒粕に漬けたものもあります。糠漬けよりも塩気がマイルドで、より食べやすいと思います。
春の味覚として昔からこの地方で親しまれているものはスベリで、私も毎年楽しみにしています。スベリというのは地元の呼び方で能登地方ではイサザ、全国的にはシロウオという名称が一般的です。スベリは踊り食いでいただきます。3月になると手取川(てどりがわ)河口で伝統の四つ手網漁が行われます。近年は漁獲量が減っているようで残念です。

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メッセージ石川県の無形民俗文化財指定で、独特な風習が発見できる祭りです

京念さん:美川おかえり祭りは、平成13年に石川県の無形民俗文化財に指定されました。台車の巡行はありますが派手さはなく、お囃子も太鼓のみのシンプルな演奏で、他所の観光の祭りと比べて物足りなく感じられる方も中にはいらっしゃるかもしれません。しかし、実は他所の祭りにはない独特な風習を数多く残す興味深い祭りだと思います。例えば、台車の蒔絵に空海の肖像が描かれていたり、子どもたちが叩く和太鼓が洋太鼓のように置かれていたり、これらはほんの一例にすぎませんが、じっくり見ているといろいろな発見ができるはずです。興味のある方はぜひお越しください。

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※祭り紹介者 美川郷土史研究会 会長 京念 義則(きょうねん よしのり)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

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