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伊庭の坂下し祭り

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:MBS 毎日放送
放送
:5/27(金) 24:50〜25:44

ダイドードリンコスペシャル

果敢に挑む熱き魂の系譜 〜近江の奇祭・伊庭の坂下し祭り〜

伊庭の坂下し祭り

滋賀県東近江市の伊庭地区で毎年5月に行われる「伊庭の坂下し祭り」は、800年以上の歴史を持ち、近江の奇祭のひとつに数えられています。繖山の山頂にある繖峰三神社から麓の大鳥居まで、標高差は170メートル、500メートルに及ぶ山の斜面を男たちが3基の神輿を担ぎ下ろす神事です。その道中は、人が歩くことも困難な岩場の急斜面の連続。神輿を担ぐ氏子たちは難所を乗り越え、道なき道を下って行きます。その勇壮な様は、「伊庭の祭りを一度は見やれ男肝つく坂下し」と詠われたほど。伊庭の男たちが危険を顧みず魅せる、勇壮かつ果敢な姿が魅力の春祭りです。

祭り紹介

  • 祭り写真館

伊庭の坂下し祭り

滋賀県東近江市の伊庭地区で毎年5月に行われる伊庭の坂下し祭りは、850年以上の歴史を持つ、近江の奇祭のひとつです。繖山の山頂にある繖峰三神社から麓の大鳥居まで、岩場の急斜面を、若衆たちが3基の神輿を引き下ろす神事です。伊庭の男たちが危険を顧みず魅せる、勇壮かつ果敢な姿が魅力の春祭りです。

開催日
5月4日※毎年同日
場所・アクセス
滋賀県東近江市伊庭町 繖峰三神社

■電車
JR東海道本線「能登川」駅下車、徒歩約20分

■車
名神「八日市」インター下車、車で約25分
(駐車場御利用の場合は、JR能登川駅西口タイムズ)
お問い合わせ
東近江市観光協会/0748-48-2100
伊庭区事務所/0748-42-0362

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

歴史伝承では、天台宗寺院の僧兵によって行われた神輿渡御が起源

シシゾウ:伊庭の坂下し祭りは、いつごろ始まりましたか?

田辺さん:850年以上前から行われていると地元では言い伝えられています。伊庭の坂下し祭りは、繖峰三(さんぽうさん)神社、大浜神社、望湖(ぼうこ)神社の3つの神社の春まつりの行事のひとつとして行われます。この祭りは、比叡山の麓にある日吉大社の山王祭(さんおうさい)を模したと伝えられています。坂下し祭りで神輿3基の山道渡御が行われる繖山(きぬがさやま)の西方中腹に安楽寺という天台宗の寺院があります。昔、比叡山の僧兵が日吉大社の神輿を担いだと言われる様に、安楽寺の僧兵も繖峰三神社の神輿を山から下ろしたといわれています。坂下しのルートから少し外れたところに「僧衣の岩」と名づけられている場所があります。坂下しの前日に参道を清めるときには僧衣の岩も必ずきれいにします。おそらく安楽寺の僧兵がその岩に脱いだ衣をかけ、坂下しをしたのではないかと想像しています。
もうひとつ、坂下しの始まった時期を推定できるものとして、坂下し祭りの神輿を収納している大浜神社の仁王堂があります。このお堂は木の組み方から鎌倉時代前期に建てられたものとされ、滋賀県の文化財に指定されています。

シシゾウ:普段、神輿は山の下にあるのですね。

田辺さん:はい。坂下しの前日、麓から神輿3基を繖峰三神社のある繖山の山頂まで運び上げます。これを神輿上げ(おこしあげ)と言います。そして翌日、繖峰三神社で神輿に御祭神の三柱をお遷しします。
「なぜ神輿をわざわざ持ってあがって苦労して下ろすのですか?」とよく質問されるのですが、私たちにもその理由は分かりませんが、それが「祭り」なのです。秋にも例祭が行われますが、そのときは氏子総代が榊(さかき)に神様をお遷しして麓まで下ろします。だから、坂下しをする春とは段違いに簡単です(笑)。
3基の神輿は、二ノ宮(にのみや)、八王子(はちおうじ)、三ノ宮(さんのみや)と呼ばれます。昔は、伊庭庄(いばしょう)全体の祭りでしたが、現在は、伊庭の坂下し祭りは伊庭と安楽寺という2つの集落で執り行っていて、集落や家ごとに担ぐ神輿が決まっています。私の家は代々、先頭をきって坂を下る三ノ宮の神輿を担ぎます。私の祖父や父もそうでしたし、私の息子もそうです。
担ぎ手の中心になる若衆は15歳から34歳までの男性です。それから44歳までは中老(ちゅうろう)、さらにその上の52歳までは与力(よりき)と呼ばれ、若衆が無事に神輿を下せるようにサポートします。祭りの白装束を着用するのは若衆、中老、与力です。与力を卒業すると保護役や氏子総代などの役職につきます。また、小学校3年生から中学3年生までは前髪(まえがみ)と呼ばれ、前日に神輿を上げるときに綱を引いたり、若衆の襦袢を運んだり、お手伝いをします。

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みどころ少年が岩場から下ろされる神輿に乗り込んで度胸試し

田辺さん:坂下しが行われるのは、山頂から麓までの標高差が約175m、距離にして503mの参道です。参道といっても勾配の急な険しい山道で、途中何ヵ所かは切り立った断崖絶壁の岩場です。約500㎏の神輿を約4時間かけて引き下ろします。岩肌でこすれて傷まないように神輿の底は丈夫に作られています。
神輿を下ろす若衆たちに指示を出すのは後見(こうけん)という役目です。後見は長柄(ナガエ)と呼ばれる神輿の担ぎ棒の前方につき、神輿を見ながら後向きに進みます。後見以外の役目として、長柄の中程につく先長柄、神輿の四隅につき肩で浮かせるマワリテンがあり、さらに後方の長柄にも人が付きます。また、神輿を引き下ろすとき、勢いがつきすぎないように後ろから神輿に結ばれた2本の綱を引くサルと呼ばれる人たちもいます。
坂下しには屏風岩、台懸(だいかけ)、二本松など名称がついた難所が数ヵ所あります。中でも最大の難所といわれる二本松は勾配が60度近くあり、肉眼だとほぼ垂直に見える岩壁は高低差が約6mあります。そんな段差のある岩場では、「トコーサーノ」の掛け声とともに神輿を一気に下ろします。このとき、神輿の前方のネコダイの上に初山として若衆1年生の15歳の男の子が度胸試しに乗り込みます。元服式のようなもので、特に二本松で神輿に乗るのは名誉なこととされています。
後見も伊庭に生まれた男なら一度は経験したい役目といわれています。ただし、神輿の前方にいるため、ひとつ間違えると神輿につぶされかねない危険なポジションでもあります。私は若いころに後見を3度務めましたが、初めて二本松の岩の上から神輿を下すときには足がガクガク震えました。

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注目ポイント担ぎ手は神のご加護を願い、20日間精進を積む

シシゾウ:坂下し祭り見物でおすすめの見方はありますか?

田辺さん:神輿と一緒に山頂から下りてくるのが臨場感があっておすすめです。神輿は三ノ宮、八王子、二ノ宮の順番に下りてきます。一番先頭の三ノ宮の神輿を先導する神主や氏子総代の前を歩けば安全です。実際にその場にいると「トコーサーノ ソレ」という下ろし手たちの掛け声や神輿の底が岩にこすれるときの音や匂いなどがダイレクトに伝わってきて迫力満点です。テレビで紹介されるときは難所のシーンが中心で危険な祭りと思われがちですが、難所を除けば意外に平坦な道もあって、下ろし手たちのその時々の表情が伺えるので緊迫した場面との対比をぜひご覧いただきたいと思います。

シシゾウ:伊庭の坂下しは地元の方にとってどういう存在ですか?

田辺さん:先祖代々続いてきた祭りなので、危険だからやりたくないということはまったくなく、「ヨッシャ ヤッタロ!」と気持ちが高揚する行事です。昔は怪我をする人が多く、私自身、頭を七針縫ったことがあります。私が責任者を務めたときは過去の反省に基づき、安全第一を口やかましく言いました。以後、現在まで無事故で怪我人を出していません。
坂下しに関わる人間は、坂下しの前の20日間精進をして肉や卵、牛乳などは一切口にしません。坂下しに思い入れの深い家では携わる人だけでなく家族全員が精進をします。まじめに精進をすることによって神様に守られていると信じているからこそ坂下しに果敢に挑めるのです。

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ふるさと自慢日本遺産に登録された伊庭の水辺景観

シシゾウ:東近江市でおすすめのスポットや特産物を教えてください。

田辺さん:伊庭町は 琵琶湖の内湖のひとつ、伊庭内湖に接する水郷集落です。「伊庭の水辺景観」は、平成27年に日本遺産に認定された「琵琶湖とその水辺景観 祈りと暮らしの水遺産」のスポットのひとつになっています。特産は、伊庭内湖で獲れるフナやコイ、モロコなどの川魚です。それに近江米などの農産物があります。東近江市は農業が盛んで、最近はUターンで就農する若者が増えています。私の息子もイチゴ狩りができる観光農園を今年オープンします。

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メッセージ地元で頑張る若者たちの雄姿を見に来てください

田辺さん:坂下しは雨が降っても決行します。ただし、雨が降ると晴れのとき以上に神輿を下ろすのが困難になるだけでなく、見物の方もほとんどいらっしゃいません。ここ最近は、11年連続雨に降られていません。これからも天候に恵まれることを心から祈っています。坂下しを大勢の方に見ていただければ地元で頑張っている若者たちが発奮して元気になります。ぜひ伊庭の坂下し祭りに足を運んで若者たちの雄姿をご覧いただきたいです。

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※祭り紹介者 元 氏子総代 田辺 靖雅(たなべ やすまさ)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

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