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御宝殿 熊野神社の祭礼

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:TUF テレビユー福島
放送
:8/14(日)16:30〜17:24

ダイドードリンコスペシャル

そして男の子は神様になる! 〜御宝殿熊野神社の祭礼~

御宝殿 熊野神社の祭礼

祭りの主役は7歳未満の男の子から選ばれる天皇の使者(勅使)。2日間寝ずに大役を務めた勅使は馬の背に揺られながら眠りに落ち、人々はその姿に「神が宿った」と信じ静かに手を合わせます。約1200年の歴史がある神社で昔ながらの形を今も受け継いでいるのが「御宝殿 熊野神社の祭礼」。祭りでは8人の児童が五穀豊穣と大漁を祈って舞う稚児田楽も見所の一つです。子どもだけで行う田楽は全国的にも珍しく、県内で残っているのはこの祭りだけです。子どもが活躍する祭りですが、毎年参加する子どもを集めるのにひと苦労。そこで、地元の男たちは近くにある小学校で祭りの歴史や魅力を伝える特別授業を開くなど、伝統の継承にも力を入れてます。子どもたちと地域をつなぐ古式ゆかしい祭礼は、自然とともに生きてきた人々の息づかいをいまも色濃く残しています。

祭り紹介

  • 祭り写真館

御宝殿 熊野神社の祭礼

御宝殿熊野神社の祭礼行事は神事と民俗芸能が一体となり、古式にのっとり彩りも豊かに厳かに執り行われます。祭り全体が「御宝殿の稚児田楽・風流」の名称で、国の重要無形民俗文化財になっているいわき市の誇る貴重な文化遺産です。稚児田楽は全国的にも珍しく8人の小学生が古式ゆかしく田楽を演奏します。

開催日
7月中旬
場所・アクセス
福島県いわき市錦町御宝殿 熊野神社

■電車
・常磐線「植田」駅下車、徒歩約20分、または車で約10分
・常磐線「勿来」駅下車、車で約10分

■車
常磐高速道「いわき勿来」インターより国道289号線、県道56号線を通り約10分
お問い合わせ
御宝殿熊野神社/0246-62-2207

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

歴史平安時代創建の神社に伝わる神事と民俗芸能が一体となった祭礼行事

シシゾウ :御宝殿熊野神社の祭礼の歴史について教えてください。

下山田さん:御宝殿熊野神社は、現在のいわき市の一部にあたる旧菊多郡の総鎮守として長く崇敬されてきました。神社の創建は、平安時代の大同2年(807)です。紀州熊野新宮に奉職されていた別当、日下大善(くさかだいぜん)が熊野の神様の御分霊を当地にまつり、長子(ながこ)地区に仮宮を造営したのが始まりで、弘仁元年(810)に現在地に遷宮されました。
祭礼は宵祭りと例祭の2日間行われ、神輿渡御とともに稚児田楽と風流(ふりゅう)が奉納されます。稚児田楽は、全国的にも珍しい子どもたちによって演じられる田楽踊りです。風流はにぎやかな儀式という意味で、鉾立(ほこだて)神事や獅子舞などの神事芸能が行われます。稚児田楽も風流もいつごろ始まったのか、正確な年代は分かりませんが、古代の民俗芸能を伝承しているということで昭和51年(1976)に国の重要無形民俗文化財の指定を受けました。
御宝殿熊野神社の仮宮がおかれた長子地区は、江戸幕府から神社の領地として認められたご朱印地で、幕府が出したご朱印状9通が現在も社務所内に保管されています。それには、地区で収穫された1年間の農作物の収入から費用を捻出して御宝殿熊野神社の例祭を執行することを指示する内容が記されています。長子地区の方々は「長子七役(ながこななやく)」といって地区で重要な七つの役割を代々担ってこられました。そのひとつが御宝殿熊野神社の祭礼で行われる風流の鉾立神事と獅子舞の奉納です。例祭当日は、長子地区の全住民の方々は神社に出向いて奉仕されます。

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みどころ8人の男児による稚児田楽は2日間に7回奉納

下山田さん:稚児田楽は田植えから収穫までの農耕神事を儀礼化した芸能です。田楽を舞う田楽童子を務めるのは地元の小学校3年生から6年生の男児8人で、宵祭りに3回、例祭には4回奉納の舞を行います。
8人の田楽童子のうち、2人は露払い役で、小さな鉾竹を持ちます。鉾竹にはでんでん太鼓状の飾りがついていて、一方は白地に兎、もう一方には赤地に三本足の八咫烏(やたがらす)が描かれています。 残りの6人はひのきの薄い板を麻紐で綴じた古代楽器のびんざさらをザラッザラッと鳴らしながら舞います。8人は特設舞台の中で兎と八咫烏の2組に分かれて向き合い、笛と太鼓に合わせて、東西南北に向きを変えたり、対角線上に位置を入れ替わったりして四方を清めながら五穀豊穣を祈願して舞います。所要時間は約15分間です。

シシゾウ :風流(ふりゅう)の獅子舞について教えてください。

下山田さん:白鷺(しらさぎ)の舞、青龍の舞、雌雄の鹿舞(しかまい)、大獅子舞の4種類の舞が、それぞれの頭をつけた舞手によって参道にある常設の高いやぐらの上で順番に演じられます。どの舞もやぐらを時計回りしながら、四隅でぴょんぴょんと3回飛び上がり、3回回るという所作が基本になっています。雌雄の鹿舞では、豊作と子孫繁栄を祈願する呪術的な所作も行われます。

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注目ポイント孟宗竹の長い鉾を立てる早さを競って、作物の出来を占う

下山田さん:ともすれば稚児田楽ばかりが注目されますが、この祭礼における中心行事は、鉾立(ほこだて)神事だといわれています。長子地区の男性が2組に分かれ、それぞれ竹製の長い鉾をどちらが先に早く立てられるかを競い、その結果でその年の農作物の豊凶を占います。鉾は、根元から掘り起こした長さ約15メートルの孟宗竹で、稚児田楽の鉾竹のように、一方の鉾には白地に兎、もう一方には赤地に八咫烏が描かれた太鼓状のものがつけられています。この兎と八咫烏には意味があり、兎は五穀豊穣、八咫烏は浜大漁を象徴しています。
神事の始まりを告げるのは鉾分(ほこわけ)の旗手です。鉾分の旗手の旗振りを合図に、男たちは1本の鉾を5~6人で抱え、約130メートルの参道を駆け、社殿前で力を合わせ、かなりの重量のある鉾をできるだけ早くまっすぐ立てます。兎の鉾が先に立ったら五穀豊穣の御託宣で、氏子の皆さんはそれを神様のお告げと信じ、頑張って仕事に励まれます。
この鉾立は昔、農業関係者と漁業関係者とで競われました。しかし、嘉永4年(1850)に怪我人が出たため、以後、ご朱印地の長子地区の人々によって奉仕される現在の形になりました。鉾立神事が行われる前には、鉾分の旗手に先導されて、孟宗竹の笹の枝を持った子どもたちが参道を掃き清めます。

シシゾウ :例祭の神輿渡御の注目ポイントを教えてください。

下山田さん:神輿渡御は神輿に御神体を遷し、行列を組んで神社の大鳥居の近くにある元宮まで参拝します。神輿渡御で重要な役割を果たすのは天皇の使者である勅使(ちょくし)の役を務める童子です。勅使童子は氏子地区の中から選ばれた小学校に上がる前年の男の子が務めます。 宵祭りの日、勅使童子は介添えやお守り役などに付き添われ、馬に乗って錦町の須賀(すか)海岸へ行き、海水に入ってみそぎをします。その後、神社に戻って神主が着るような装束をつけ、勅使の間と呼ばれる社務所の一室で一晩おこもりをします。真夜中の12時には丑の刻参りといって、御宝殿熊野神社の神様と境内にある月読神社をはじめ摂社末社6社の神様に奉告祈願を行います。すべての神様を回ると1時間半近くかかり、勅使童子は眠い目をこすりながら一生懸命お役を務めます。勅使童子は一晩中起きていないといけないのかと心配される方がいらっしゃいますが、丑の刻参りの前後に、ちゃんと休息をとっているのでご安心ください(笑)。
翌日の神輿渡御では、勅使童子は衣冠束帯で正装し、馬に乗って神輿に供奉(ぐぶ)します。神輿は、雅楽調の笛と太鼓の音に合わせて静々と進むので、馬の背に揺られている勅使童子は睡魔に見舞われ、うつらうつらしてきます。童子がその状態になると、神様がのりうつった帰依(きえ)の状態とみなされ、ありがたいものとして参拝者や氏子の人たちに拝まれます。当地にはそういった古い信仰の形が残っています。
神輿が神社を出発する前、神輿を担ぐ青年たちは、安全無事を祈願するとともに、まめに達者で過ごせるようにという願いを込めて、大豆と御神酒をいただきます。御神体を神輿に遷すときには、青年たちが警護用の青竹を社殿入口で打ち鳴らします。これを濫騒(らんじょう)といいます。この祭りには馬も登場します。その昔、祭りの開催を氏子各地区に告げるために伝令の馬を走らせた風習を再現し、役馬(やくうま)が社殿前を7回半往復する「役馬7回半参拝」も行われます。このように古い儀式や風習が昔ながらの形を守って現在まで継承されているところがこの祭りの素晴らしいところだと思います。

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ふるさと自慢丹精して育てた白さが際立ついわきねぎ

シシゾウ :いわき市でおすすめの特産物や観光スポットを教えてください。

下山田さん:いわき市は農業が盛んです。特産はいわきねぎというブランド名で全国に出荷される白ねぎです。食べられる白い部分を長くするため、生産者の皆さんは、日光を当てないようにネギの生長に合わせて少しずつ土を寄せていきます。そうやって手をかけて育てたいわきねぎは白い部分が長いのが特徴です。

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メッセージ儀式がこれからも継承されていくことが願いです

下山田さん:御宝殿熊野神社の祭礼は、五穀豊穣を神様に祈願する儀式を古式通りに継承しています。祭りに奉仕をしていただく氏子の皆さんには、大豆を食べて神輿を担ぐ青年たちと同じように、まめに達者でという気持ちで、儀式におけるそれぞれの役割を頑張って果たしていただくことを心から願っています。

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※祭り紹介者 御宝殿 熊野神社 宮司 下山田 大膳(しもやまだ だいぜん)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

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