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山の神祭り

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:KRY 山口放送
放送
:1/31(土) 13 : 00〜13 : 55

ダイドードリンコスペシャル

山の神祭り 〜残したい 祭りの魂(こころ)〜

山の神祭り

岩国市由宇町清水地区。標高280メートル、12世帯19人が暮らす小さな集落は、山々に点在する藪神様を守り、古くから『祭り』を絆に暮らしてきました。中でも、『山の神祭り』は、5年に1度、集落をあげて行います。しかし、現在。『祭り』だけでなく、集落そのものが存亡の危機にあります。住民の大半が70歳以上の高齢者。もう何年も、子どもの声を聞くことはありません。近い将来、消滅するかもしれない『限界集落』です。『派手でなくていい。祭りを続けたい』 誰よりも祭りを愛する当屋父子と、清水地区の住民たちに番組は密着します。つかの間の賑わいを取り戻す『祭り』は、住民の心をひとつにします。『祭り』は集落の“絆”であり“希望の光”です。限界集落の強い思い『残したい 祭りの魂(こころ)』を伝えます。

祭り紹介

  • 祭り写真館

山の神祭り

岩国市由宇町北西部の山間にある小さな集落・清水地区で行われる祭りで、5年に一度、五穀豊穣を祈り村人を守る祖霊を森に迎える、古い形式の祭事です。鎮守の森で神木を神と崇めて行われる、簡素で厳かな「奇祭」であるこの祭りは、鎌倉時代から記録が残り、県指定無形民俗文化財に登録されています。

開催日
1月中旬※5年に一度
場所・アクセス
山口県岩国市由宇町清水

■電車
山陽本線「由宇」駅前よりタクシーで約30分

■車
山陽自動車道「玖珂」インターより国道437号線、県道141号線を通り約40分
お問い合わせ
岩国市教育委員会由宇支所
0827-63-0121

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

歴史十数世帯の小集落が継承する、
5年に一度の古風な神事

シシゾウ:山の神祭りは、いつごろ始まったのですか?

矢野さん:鎌倉時代ごろと伝え聞いています。山の神祭りが行われるのは、山口県東部を流れる島田川(しまたがわ)の源流から2キロほど下ったところにある鎮守の森です。森を流れる小川を挟んで生えるカシとスギの古木をご神木の男神(おんがみ/おがみ)様と女神(めんがみ/めがみ)様として五穀豊穣、無病息災、家内安全を祈ります。
山の神祭りを催す岩国市由宇町(ゆうまち)清水管区は山間の小さな集落で、世帯数は12世帯、人数は20人を切っています。住民は高齢化していて、近年は昔通りのやり方を守ることが難しくなってきていますが、親戚や地域の人が応援をしてくれ、祭り当日には他所で暮らす子どもや孫が帰ってきてくれるので伝統を守ることができています。調査にいらっしゃった研究者は、このような神事が神社を主催者に持たないで行われてきたのは非常に珍しいとおっしゃっています。50年以上前、私が子どもだったころは、この祭りは管区内でひそやかに執り行われ、外部にはほとんど知られていませんでしたが、最近は珍しい祭りということが広まって他所から見にいらっしゃる方が増えました。

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みどころ森が祭壇。ご神木の男神様、女神様を拝み、餅と鯛を投げ合う

シシゾウ:祭り当日の流れを教えてください。

矢野さん:午前中、その年の祭りを取り仕切る当屋(とうや)の家でお祓いなどの神事が行われます。当屋は毎回クジ引きで決めます。神事に続き、当屋の庭先で古くから当地に伝わる獅子舞が笛と太鼓の伴奏で奉納されます。 獅子舞が終わると御神幸(ごじんこう)で、参加者たちは当屋を出発し、行列して集落から700メートルほど離れた鎮守の森へ向かいます。御神幸の参加者は、細長く切った白紙を竹の串にはさんだ弊串(へいぐし)やお清め用のサカキを持ちます。
鎮守の森には小川が流れていて、川の手前に女神様のスギの木、川向こうに男神様のカシの木が立っています。参加者は川を挟んで男神様側と女神様側の二手に分かれ、幣串をご神木に巻きつけたしめ縄に差して奉納します。続いて、獅子舞が再び奉納され、供物の餅と鯛が飾られたご神木の前に神官が一人ずつ座って祝詞を奏し、お祓いをします。神官は、清水管区の氏神様として昔から崇敬されている周東町の新宮(しんぐう)神社の神職の方が親子で務められます。一連の神事が終了すると、参加者は川を挟んで対面し、餅と鯛を投げ合います。鯛は、地元の漁協さんに獲ってもらった瀬戸内海の天然もので、一尾まるごとを「ヨイショ」と皆で掛け声をかけて放り投げます。

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注目ポイント祭りの準備は餅米作りから

矢野さん:山の神祭りの独特な風習として、鎮守の森で投げ合った餅や鯛は、拾っても家に持ち帰ることは許されず、その場で食べる慣わしになっているところです。鎮守の森のすぐ近くに小さな田んぼがあり、そこで火をおこして餅と鯛を焼き、参加者で分け合っていただきます。そのときに、住民手作りの御水酒(ごすいしゅ)も参加者に振る舞われます。酒という名前がついてはいますが正体は甘酒で、アルコール分はゼロなのでお子さんも飲むことができます。御水酒は、清水管区内の田んぼで作られた新米五升(約7.5キロ)に麹一斗(約18リットル)を混ぜて作ります。毎回、御神幸の参加者は150~200人いますが、全員に行き渡る量があります。1月の野外は寒いので、温かい御水酒は皆さんにとても喜んでいただけます。

シシゾウ:供物の餅も自家製だそうですね。

矢野さん:山の神祭りに使う餅は、清水管区内の田んぼで収穫された餅米で作る慣わしです。だから、祭りの準備は餅米を育てるところから始まります。作る餅の量は四升五合(約7キロ)で、そのうち一升五合はお供え用、三升は撒くための餅と決まっています。
ご神木に巻くしめ縄は、餅米の稲わらで作ります。一番太いしめ縄は、蛇の頭と龍の体のように藁をなえというのが昔からの言い伝えで、長さは九尋(約12メートル)あります。昔から伝わる決まり事では八尋でしたが、ご神木が成長して幹回りが太くなったため現在の長さにしました。ちなみに男神様用は三つ編み、女神様用は二つ編みと作り方が異なります。その他、細いしめ縄を男神様用144本、女神様用144本の合計288本作ります。清水管区12世帯の人間でこれだけの量を作るのは大変ですし、作ったしめ縄をご神木に巻きつけるのもひと仕事です。まず、幹にコモを巻き、その上から大きなしめ縄を幾重にも巻き、さらに小さなしめ縄を巻きつけます。奉納の弊串が何十本も差し込まれるので、緩んでしめ縄がご神木から外れないようにきつく巻くのが肝要です。
この祭りは用意しなければならないものがたくさんあるので、祭りを開催する年の前年の秋に住民同士の話し合いで開催日を決めた後、そこから逆算して準備の予定を組んでいきます。餅つき、しめ縄作り、しめ縄巻き、鎮守の森の掃除は、祭り本番数日前に住民総出により1日で行います。

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ふるさと自慢平家の落人伝説が残る山あいの里

シシゾウ:岩国市由宇町でおすすめの特産物や観光スポットを教えてください。

矢野さん:由宇町清水管区は、古くは農業と林業を主産業とした小さな管区です。観光名所や特産物などこれといったものはありませんが、平家の落人伝説が伝わり、山の神祭りが行われる鎮守の森の近くには、昔の葬祭場といわれている招魂場(しょうこんじょう)があり、五輪石(ごりんいし)がたくさん積まれています。この招魂場は学術的に非常に希少ということで大学の先生や学生さんが調査によくいらっしゃいます。
また、由宇町の南部は瀬戸内海に面しており、海水浴ができる美しいビーチと瀬戸内海で獲れた新鮮な魚介を扱う物産販売コーナーやレストランのある交流館を備えた複合施設もあります。

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メッセージ全国的にも珍しい祭りなので、
こぞってご参加ください

矢野さん:山の神祭りは全国にもほとんど例のない珍しい祭りです。興味のある方はこぞってご参加ください。お越しになった方には弊串かサカキをお渡ししますので、ご神木にさして奉納し、体験していただければと思います。神事終了後は地元の人間と一緒に餅や鯛、御水酒をいただいてください。

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※祭り紹介者 山の神祭り保存会 会長 矢野 昌男(やの まさお)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

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