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お法使祭

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:RKK 熊本放送
放送
:11/23(月・祝) 15 : 00〜15 : 54

ダイドードリンコスペシャル

12年ぶりの「荒神さん」 〜お法使祭〜

お法使祭

熊本市の東に位置する益城町の津森神宮。この周辺の3町村・12地区にまたがって開かれるのが「お法師祭」。この祭りには2つの大きな特徴がある。1つはこの祭りの神様にはお社がなく、各地区を一年毎に巡る「お仮屋住まい」ということ。祭りが定着したのは13世紀頃と言われているが、伝説によるとこの地域に降臨した豪放磊落な荒神様が一年毎に地域を巡幸していたことに由来するそうだ。その一年間のお仮屋暮らしを終えた神様が神輿に乗せられ次の地区に移動するという日が祭り当日にあたる。もう1つの特徴とは地域の男衆がその神輿を地面に転がしたり落としたりを繰り返すこと。手荒い扱いこそは一年間地域を守ってくれた事に対する神様への感謝・名残惜しい気持ちの表れと言われる。12年に一度の節目に地域への愛情を独特なスタイルで表現する地域の伝統、それを受け継ぎ伝えていく人々の姿を描く。

祭り紹介

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お法使祭

お法使祭の神様は、いつも仮住まい。津森神宮周辺の12の地区を一年ごとに、神輿に揺られ旅から旅を繰り返します。変わっているのはそれだけではありません。地区の人たちは神輿を落としたり、転がしたり手荒い扱い。一年間地域を守ってくださった荒神様への感謝の気持ちと名残惜しさを込めた儀式なのです。

開催日
10月末から11月初旬
場所・アクセス
熊本県菊池郡菊陽町 馬場楠区~曲手区

■車
熊本空港より車で5分

■電車
JR豊肥線「原水」駅よりタクシーで10分
お問い合わせ
津森神宮社務所
096-286-2808

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

歴史神殿を持たない神様が12地区を順番に巡幸

シシゾウ:お法使祭は、いつごろ始まりましたか?

高田さん:お法使祭を主催する津森神宮は約700年の歴史があり、祭り自体も600年近く続いているのではないかといわれています。
お法使祭の主役は、地元で「おほしさん」と呼ばれている天宇受売命(あめのうずめのみこと)と猿田彦命(さるたひこのみこと)です。この2神は神殿を持たない神様で、熊本空港のある高遊原(たかゆうばる)台地を取り巻く益城町(ましきまち)、西原村(にしはらむら)、菊陽町(きくようまち)にある12の地区を1年ごと、12年かけて巡回します。
神様が滞在するのは仮宿の御仮屋(おかりや)です。1年間御仮屋にまつられた御神体が神輿に遷され、次の地区の御仮屋に移動する一連の行事がお法使祭です。私が区長を務める馬場楠区は、平成26年に御神体をお隣の菊陽町戸次(とつぎ)区から渡され、1年間、地区の御仮屋(おかりや)におまつりした後、次の曲手(まがて)区に渡します。御神体を受け渡す順番は昔から決まっています。神様を迎えた地区は1月、5月、9月に津森神宮の宮司さんを御仮屋に招いて神事を行います。

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みどころ神様との別れを惜しみ、放り投げたり、転がしたり、神輿で荒ぶる

シシゾウ:神様を迎える地区はどのような準備をしますか?

高田さん:祭りの1ヵ月ほど前に神様が1年間お住まいになる御仮屋を新築します。1年間役目を果たせることができればいいので、丸太を組み合わせた小屋のようなシンプルな構造です。馬場楠区の場合、地区民総出で一丁畑(いっちょうばた)天神社の神社境内に1日で建てます。
完成した御仮屋は、しめ縄を飾って祈祷をする「しめ卸(おろ)し」という神事で祓い清められ、神様をお迎えできるようにします。

シシゾウ:祭り当日のスケジュールを教えてください。

高田さん:午前8時前、地区民が津森神宮から御神体を運ぶ神輿を持ってきて、御仮屋で御神体を神輿に遷す遷宮祭が行われます。御神体に触れることができるのは宮司さんだけで、御仮屋から神輿に遷すときは御神体が誰にも見えないように幕を周囲に張り巡らします。宮司さんは、御神体に息がかからないようにマスクをし、暗闇の中、手探りで御神体を神輿に遷します。
神様を乗せた神輿は男性たちに担がれ、五穀豊穣、無病息災を祈願しながら地区内を回ります。神輿の重量は300キロ近くあるので、最低でも12人の担ぎ手が必要です。本来、担ぎ神輿ですが、今は引いて回れるように車輪も付けています。
午後2時、神輿は次にご神体を預かる地区との境界に設けられた受け渡し場に到着し、引き渡されます。ただし、渡す側がすんなり神輿を手放すわけではありません。12年に一度しか巡ってこない神様との別れを惜しみ、受け渡し場に行く道中、神輿を地面に放り投げたり、転がしたりします。これがこの祭り最大の見せ場です。神輿を転がすようになった理由ははっきりしていません。一説には、天宇受売命が勝気な性格で荒神様ともいわれていることから神輿を投げるようになったのではないかということです。

シシゾウ:神輿を転がす場所は決まっていますか?

高田さん:それぞれの地区で前もって転がす場所を決めています。馬場楠区の場合は、以前、人家の庭先で転がしていましたが、地面が踏み固められていて神輿の損傷が激しかったので、前回は、収穫後のからいも(サツマイモ)畑で転がしました。神輿は重量があるので、放り投げるときに担ぎ手が下敷きにならないように、神輿の四隅にとりつけた綱を引いて調節します。転がす回数は10回前後です。担ぎ手たちは道中、休憩ごとにお神酒をいただいているので、ほろ酔い気分で気勢が上がり、思う存分、神輿を転がします。
転がされた神輿は当然ながらいろんな箇所が傷みます。修理するのは、神輿を転がした地区です。受け取り側の地区が一度でも転がすと、修理代は折半になるので、最近はもっぱら渡す側の地区だけが転がします。神輿の受け渡しを行う前には、神輿の壊れた箇所を両方の地区で確認します。例年、修理代は50万円近くかかるので、馬場楠区では神輿の修理費を含めた祭りの費用を皆で積み立てています。

シシゾウ:高田さんのお法使祭にまつわる思い出をお聞かせください。

高田さん:私が小学生だったとき、おほしさまが回ってきましたが、ちょうどその年、地区一帯が大水害の被害を受けたため、神輿は出ず、御仮屋に神様をお迎えしただけでした。その御仮屋が建てられたのが小学校の校庭で、毎日眺めていたことを覚えています。

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注目ポイント芸能の神様に捧げる楽と踊り

高田さん:御祭神の天宇受売命は天照大神(あまてらすおおみかみ)がお隠れになった天岩戸(あまのいわと)の前で踊られたこともある芸能の神様ということで、この祭りには本楽(ほんがく)、または道楽(みちがく)と呼ばれる鳴り物の演奏が欠かせません。鳴り物の編成は、太鼓、笛、ジャンガラ、鼓です。ジャンガラはシンバルのような小さな鉦です。馬場楠区の場合、太鼓は小学校3年生以下、笛は小学校4年生以上、ジャンガラと鼓は若者が務め、鼓の人間は紋付き袴の正装をします。神輿を担ぐのは男性と決まっていますが、本楽は女性も参加します。
神輿が地区を練るとき、本楽は演奏しながら神輿を先導します。曲の楽譜はなく、口承で受け継がれているため、地区によって調子や拍子が多少異なります。神輿一行には道踊りの女性も同道し、踊りを披露します。

シシゾウ:馬場楠区だけに伝わる獅子舞も披露されるそうですね。

高田さん:馬場楠の獅子舞は菊陽町の無形民俗文化財に指定されています。文化財指定を受けた今でこそ保存会が組織され、いろんな場所で披露する機会が増えましたが、昔は獅子舞を舞うのはお法使祭の受け渡し場だけで、12年に一度しか見ることができませんでした。
馬場楠の獅子舞は、成人男性の舞い手2人が前後になって1匹の獅子を務め、三味線や笛に合わせて、子ども2人が務める玉取りの玉を追いかけて踊ります。獅子舞の玉取りは男児が務めるのが一般的ですが、馬場楠の獅子舞は、女の子が玉取りを務めます。そこが非常に珍しいといわれています。神輿を転がすところだけでなく、獅子舞もぜひご覧いただきたいです。

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ふるさと自慢熊本空港のお膝元、阿蘇の山並みも一望

シシゾウ:菊陽町周辺でおすすめの特産物や観光スポットを教えてください。

高田さん:菊陽町は熊本空港のお膝元で、空港まで車で約5分です。町からは高遊原台地の空港、さらには噴煙を上げる阿蘇山が一望できます。菊陽町の特産物はニンジンやからいもなどの根菜です。菊陽町のお隣の大津町(おおづまち)はからいもが特産で、「ほりだしくん」という名称でブランド化しています。

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メッセージ12年に一度の祭りを地区民が一体になって盛り立てていきます

高田さん:地区の人間にとって神様をお迎えするのは12年に一度です。前回の祭りに本楽の笛を教えた子どもが、今回は大学生になっているので時の経過を感じます。この祭りは、地区民が一体にならないとできない祭りです。神輿の担ぎ手の高齢化など祭りを取り巻く状況は年々厳しくなっていますが、地区民が力を合わせて執り行いたいと思っています。重量のある神輿を放り投げるので事故防止を第一にしながら、豪快に神輿を転がし、皆さんに喜んでいただきたいです。

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※祭り紹介者 馬場楠(ばばぐす)区 区長 高田 孝章(たかだ たかあき)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

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