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水無神社例大祭 みこしまくり

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:SBC 信越放送
放送
:8/3(日) 16 : 00〜16 : 54

ダイドードリンコスペシャル

落とせ!転がせ!神輿壊せ!木曽谷にとどろく地響き ~水無神社例大祭 みこしまくり~

水無神社例大祭 みこしまくり

信州・木曽は、山間をぬうように中山道が通り、今も往時をしのばせる宿場の風情が残ります。豊かな自然と長い歴史が息づく木曽路。この地を舞台に7月、風変わりな祭りが開かれます。2日間にわたって行われる木曽町福島地区・水無神社の例大祭「みこしまくり」。「まくり」とは方言で「転がす」という意味で、その名の通り神輿を縦に横にと転がしてバラバラになるまで壊してから神社に奉納するという祭りです。重さが約400kgといわれる神輿は、毎年、祭りのために新しく造られるもの。その神輿をなぜ壊してしまうのか。番組では、山里に伝わる奇妙な風習の謎と、伝統の祭りを真摯に受け継ぐ人々の想いに迫ります。

祭り紹介

  • 祭り写真館

水無神社例大祭 みこしまくり

毎年7月22~23日に行われる木曽町福島、水無神社の例大祭。毎年地元の山より伐り出した赤松材(樹齢70~100年)にて新調した約百貫(約400キロ)にもなる神輿を、地面に投げ落とし横に縦にと転がし、バラバラに壊すまで続けられる「みこしまくり」が特徴的です。木曽福島が誇る天下の奇祭として知られています。

開催日
7月22日~7月23日※毎年同日
場所・アクセス
長野県木曽郡木曽町福島

■電車
JR「長野駅」より約1時間30分「木曽福島駅」下車、徒歩10分

■車
中央自動車道「伊那インター」より約50分
お問い合わせ
木曽町観光協会
0264-22-4000

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

歴史神輿が坂を転がったという伝承が“まくり”の起源

シシゾウ:水無神社例大祭 みこしまくりは、いつごろ始まった祭りですか?

木村さん:祭りの発祥について詳しいことは分かっていません。水無(すいむ)神社の創建年代も定かではなく、延文2年(1357)に当時の木曽領主によって社殿が再建されたことは記録に残っています。神社の宮司様のお話では、当初は境内で神輿を担いで押し合う程度で、神輿を転がして壊す現在の形になったのはそう古い話ではないだろうということでした。
みこしまくりの“まくり”は地元の言葉で“転がす”という意味で、「惣助(そうすけ)」「幸助(こうすけ)」の掛け声とともに神輿は横に、縦に転がされます。地元には、この独特の様式の由来を語る伝承が残っています。岐阜県高山市(旧宮村)に飛騨国一宮(ひだのくにいちのみや)の水無(みなし)神社という古社があります。平安時代、戦乱が起き、水無神社に火が放たれたとき、木曽福島から杣(そま)仕事で出稼ぎにきていた惣助と幸助という信心深い兄弟は、神様を助けるため、神輿を作って御神体を納め、故郷の木曽福島へ向かいました。夜になり、明かりのない暗い山道を進むのに「惣助」「幸助」と互いに声をかけあって注意していましたが、峠にさしかかったとき、誤って神輿を落としてしまいました。神輿は坂を転がり落ち、止まったところが現在の水無神社の場所だったということです。神輿の掛け声の「惣助」「幸助」もこの伝承に由来しています。

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みどころ白木の神輿を毎年新調。「惣助」「幸助」の掛け声とともに2日間町内を渡御します

シシゾウ:みこしまくりに使う神輿は毎年新調されるそうですね。

木村さん:はい。地元の山から赤松を伐り出し、地元の大工さんに依頼して、白木の神輿を作ってもらいます。神輿は何度も転がされ、最後は惨憺たる姿になってしまうのですが、大工さんは職人の意地にかけて手は抜けないと、約1ヵ月を費やし、約百貫(約400キロ)の見事な白木の神輿を作られます。初めてご覧になる方は、こんな立派な神輿を壊すのはもったいないと思われるのではないでしょうか。

シシゾウ:神輿渡御は2日間にわたりますが、みこしまくりはいつ行われるのですか?

木村さん:1日目の渡御は普通に神輿を担ぎます。みこしをまくるのは、2日目の夕方から夜にかけてです。1日目は、白木の神輿を鳳凰の飾りなど様々な装飾品で飾り付け、氏子地区の南半分をお渡りします。地元では神輿の2本の担ぎ棒を枠(わく)、担ぎ手のことを枠持(わくもち)と呼びます。私が会長を務める水交会(すいこうかい)は枠持の集まりです。枠持は、祭りに備え、約1ヵ月前から肉類を断つなど精進潔斎をして身も心も清めます。枠持の中でも重要な役を務める人間はその年の1月1日から精進をします。それだけの準備をして、枠持衆は祭りに臨みます。生半可な気持ちでみこしまくりの神輿は担げません。
神輿を先導するのは天狗の面をつけた猿田彦(さるたひこ)です。氏子地域の各町内の入口にはしめ縄が張られています。猿田彦は手にした長刀でしめ縄を切り、その後を神輿が通っていきます。
枠持衆は神輿を担ぐとき、「高い山から 谷底見ればノーイソレ 瓜や茄子の花ざかり ハリワヨイヨイヨイ」という木曽地方に伝わる祝い唄「高い山」を掛け合いで歌います。町内でご祝儀をいただいたら、「惣助」「幸助」の掛け声に合わせて神輿を揺らし、感謝の気持ちを表します。
渡御の途中、子どもが健やかに育ってほしいという願いを込め、その年に生まれた赤ちゃんを抱えて、神輿の下をくぐらせる心願(しんがん)という風習があります。最近は、赤ちゃんだけでなく、ご長命の方が、長寿をまっとうしている御礼として神輿の下をくぐられます。各町内を巡った神輿は夜8時ごろ、上の段(うえのだん)地区に設けられた御旅所へ納まり、一泊されます。

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注目ポイント縦横に神輿が転がり、白木の破片が砕け散る

木村さん:渡御の2日目は氏子地区の北半分を回ります。1日目はなにがあろうと神輿を地面につけてはいけない決まりです。しかし、2日目は御旅所を出てすぐの本町通りで、神輿を地面に落とします。これを「お神輿が休む」と言っています。そのやり方がちょっと変わっています。“神様が少し休みたいとおっしゃっている”という前置きの後、「お神輿休むぞ」という号令がかかると、枠持衆は「おみこしわが身を橋にうちかけてしんとろとろとせ」という神唄(かみうた)を歌い、「惣助」「幸助」の掛け声とともに、神輿を肩から上に高く放り上げ、サッとその場を離れます。担ぎ手を失った神輿はそのまま地面にドシンと落下します。このとき、枠持衆の中でも熟練者2名はその場にとどまり、神輿の前後の枠と枠の間の80センチくらいのスペースにすっぽり入ってみせます。枠持衆が心をひとつにして神輿をまっすぐ放り上げないと神輿がぶつかってしまうので非常にスリリングです。一連の動作が終わると枠持衆は何事もなかったように神輿を担いで渡御を続けます。2日目は神輿のお休みを5~6回行います。
すべての町内を回った神輿は夕方5時半ごろ、昔の町境近くの鴨居坂(かもいざか)に行きます。鴨居坂は、伝承で神輿を担いで惣助幸助が通った飛騨街道を望めます。なお、鴨居坂に向かう前、神輿は鳳凰や金物の飾り付けがすべて取り除かれ、白木の姿になっています。枠持衆は神歌を歌って神輿を落とし、高山市の水無神社の方角に向かって拝礼をします。ここで、最初のまくりが行われます。地面に座った状態の神輿を道に対して直角に置き直し、「惣助」「幸助」の掛け声とともに枠持衆が片側の枠を持ち上げ、勢いをつけて横に転がします。これを「横まくり」といいます。その場で5~6回横まくりをしますと、夕食後休憩をとり夜8時より八沢(やさわ)・本町・上町(かんまち)の各場所に移動し、横まくりを行います。横まくりでも、熟練者が転がる神輿の枠の間に絶妙のタイミングで入り込み、ひょっこり顔を出すという妙技(すかしと呼びます)を披露します。

シシゾウ:縦まくりもあるそうですね。

木村さん:「縦まくり」は、みこしまくりのクライマックスです。木曽福島地区の中心部にある広小路(ひろこうじ)という広場が縦まくりの舞台になります。横まくりは神輿を側面で転がしますが、縦まくりは、神輿を枠の方向に転がすので迫力満点です。まず、枠の2本の先(擬宝珠(ぎぼし))を地面につけ、神輿を垂直に起こしていきます。神輿の輿部分の両側には指示役の枠持2人が乗り、神輿が屋根を下にして倒れていく寸前、地面に飛び降ります。神輿に乗った枠持は、神輿が倒れる先に枠持がいないかどうか確認し、飛び降りた後も神輿の行方を見届けます。ちょっとしたミスが大怪我につながりかねないので、一瞬たりと気は抜けません。縦まくりは十数回行われます。神輿は最終的に水無神社まで担いでいかなければならないので壊しすぎないよう注意が必要です。過去には、まくりすぎて枠にひびが入って担げなくなったため、添え木をあてて補強したことが数回あります。
横まくりと縦まくりを繰り返すと、神輿はダメージを受け、部材が砕けて飛び散ります。この神輿の破片は家内安全などの御利益があるといわれ、観客の皆さんに配られます。

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ふるさと自慢植物性乳酸菌豊富な健康食品、
伝統食の『す ん き』で町おこし

シシゾウ:木曽町(きそまち)でおすすめの特産物や観光スポットを教えてください。

木村さん:木曽町には天下の四大関所のひとつに数えられた福島関所がありました。現在、関所跡は福島関所資料館になっています。観光は、御嶽山(おんたけさん)、木曽駒ヶ岳(きそこまがだけ)など登山者に人気の山があり、町を流れる木曽川は夏になるとラフティングを楽しむ人たちで賑わいます。
町の特産品で数年前から注目されているのは「すんき」という漬け物です。木曽地方に古くから伝わる冬季限定の保存食品で、赤カブの葉をさっと茹で、塩を使わずに乳酸菌発酵させたものです。東京農業大学の先生の研究で、すんきは植物性乳酸菌の宝庫であることが分かり、健康食品として脚光を浴びています。

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メッセージみこしまくりをご覧になれば感動すること間違いなしです

木村さん:私は18歳からみこしまくりに参加させてもらって40年以上になります。みこしまくりは非常に魅力のある祭りですが、危険をともなう祭りでもあります。枠持も観客の皆さんも怪我をすることなく無事にその年の祭りを終えることができると、“今年も無事に終わった。来年もまたがんばろう”と思います。白木の神輿の美しさを観賞していただくもよし、みこしまくりの勇壮さを堪能していただくもよし、ご覧になった皆さんに感動していただけることは、祭りの伝統を守る私たちにとっても大きな喜びです。

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※祭り紹介者 水交会(すいこうかい)会長 木村 信一(きむら しんいち)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

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