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磯部の御神田

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:CBC テレビ
放送
:7/20(日) 16 : 00〜16 : 54

ダイドードリンコスペシャル

お米さま 磯部の御神田・三重県志摩市

磯部の御神田

人は喰らいます。生きるために喰らいます。山の恵みを頂戴し、海の幸も平らげて。そして、お伴するのがお米さま。お米は太古より人々の生を紡いできました。その豊凶こそ一大事。志摩の人々は平安時代より、田植え神事を行い、豊作を祈り続けてきました。古式ゆかしい時代絵巻を今に伝える「磯部の御神田(おみた)」。子供たちの笛、太鼓が御料田(ごりょうでん)を渡る中、白装束に赤いたすきの早乙女たちが苗を植えてゆきます。
地元の人から「いぞうぐうさん」と親しまれる伊雑宮。背後の山には美しい棚田が広がり、そして志摩は海の里でもあり。海で暮らす者たちも「御神田」に豊漁を祈願します。 
山と海が織りなす自然に、伊勢の神様。その地で実る「お米さま」。実りを祈り、日本の浪漫を再発見する祭り。それが「磯部の御神田」なのです。

祭り紹介

  • 祭り写真館

磯部の御神田

伊勢神宮内宮の別宮「伊雑宮」のご料田で行われる「磯部の御神田」は、国の重要無形民俗文化財に指定されており、日本三大御田植祭の一つに数えられています。男たちが泥にまみれながら、大団扇のついた竹を奪い合う「竹取り神事」。田楽の響く中、菅笠姿の早乙女たちによって行われる「御田植神事」など、いくつもの情景を見せ、時代絵巻を繰り広げます。

開催日
6月24日※毎年同日
場所・アクセス
三重県志摩市磯部町上之郷

■電車
近鉄電車「鳥羽駅」より約30分「上之郷駅」下車、徒歩3分

■車
「伊勢西インター」より第二伊勢道路を通り約20分
お問い合わせ
志摩市磯部支所
0599-55-0026

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

歴史平安時代が起源と考えられる
日本三大御田植祭のひとつ

シシゾウ:磯部の御神田は、いつごろ始まった祭りですか?

山本さん:磯部の御神田は、志摩市磯部町(しましいそべちょう)に鎮座する伊雑宮(いざわのみや)のご料田で行われる御田植祭で、大阪府の住吉大社の御田植、千葉県の香取神宮御田植祭と並んで日本三大御田植祭に数えられています。磯部の御神田が始まったのはかなり古い時代と考えられています。記録は残っていませんが、装束や奉納する舞の様式から平安時代末期に始まったのではないかと考えられています。磯部の御神田に関する最も古い記録は、鎌倉時代の弘安3年(1280)の伊勢神宮内宮関係の文書で、それ以前から行われていたことはまず間違いありません。
伊雑宮は伊勢神宮内宮の別宮で、正式名称は「いざわのみや」ですが、地元では「いぞうぐう」という昔からの呼び方も健在です。
磯部の御神田は、志摩市磯部町内の9つの地区が輪番で奉仕をします。2地区合同で務める例が2つあるので、回って来るのは7年に一度です。私は奉仕地区のひとつ、上之郷(かみのごう)区在住で、私自身は役を務めたことはありませんが、在住地区が担当する際には祭事運営の一端を担い、弟と長男が田楽の太鼓打ちを務めたこともあり、子どものころからなじみの深い行事です。

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みどころ豊漁を祈念し、裸の男たちが泥田で大暴れ

シシゾウ:磯部の御神田は、どのような流れで行われるのですか?

山本さん:苗取り、竹取り神事、御田植神事、踊り込みの順番で神事が進行します。  苗取りは、菅笠(すげかさ)に手甲(てっこう)、襦袢、股引を付けた田道人(たちど)と菅笠に赤いたすきがけをした白装束の早乙女(さおとめ)の男女各6人ずつが、ご料田の苗代(なわしろ)から早苗(さなえ)を取る神事です。田道人は二十歳前後の青年、早乙女は小学校高学年から中学校の女子が務めます。
竹取り神事は、泥田の中で40人ほどの男たちが泥まみれになって忌竹(いみだけ)と呼ばれる長く太い竹に巨大なうちわを付けたゴンバウチワを奪い合う神事で、見物の皆さんに特に人気があります。伊雑宮は昔から農産物の豊作を祈念するほか、漁業者や海女さんからの信仰が厚く、竹取り神事は漁業者が航海の安全や豊漁を祈願する神事として行われてきました。現在は、磯部町の住民が広く参加するようになりましたが、私が子どものころは鳥羽志摩一円の漁業関係者の方々でした。

シシゾウ:奪い合うゴンバウチワにはどのような意味があるのですか?

山本さん:ゴンバウチワは神のよりしろで、神様に降りてきていただくためにご料田の畔に立てられます。ゴンバウチワの「ゴンバ」の意味については諸説がありますが、形が似ていることから軍配(団扇)を語源にするという説が有力です。
ゴンバウチワには大きく「太一」という文字と帆かけ船の絵が描かれています。太一は最高神を表す言葉で、伊勢神宮に祀られている天照大神(あまてらすおおみかみ)を指していると考えられます。帆かけ船の絵は、帆柱の先に赤い宝珠が描かれています。この宝珠は「青の峰のキンノタマ」と呼ばれ、航海の安全と豊漁をもたらすと信じられています。
竹取り神事は、水が張られたご料田に上半身裸になった男たちが入り、互いに泥を盛大にかけあったり、泥の中にダイビングをしたりと大暴れするところから始まります。これには田植え前の田を起こす意味があるとされています。
男たちによって十分泥がかき回されたところを見計らい、畔に立てられたゴンバウチワが田道人によって田に風を送るように大きく3度田道人に仰がれて田の中に倒されます。泥まみれの男たちはゴンバウチワに殺到します。航海安全と豊漁のお守りにしようと帆かけ船の絵が描かれたうちわの紙を破き、宝珠の部分の争奪戦を繰り広げます。それが一段落すると男たちは全員で忌竹を抱えて田の中を3周し、竹を担いだまま、200mほど離れた野川(のがわ)まで走っていき、川の水で身体と忌竹の泥を洗い流します。忌竹はその場で切り分けられ、縁起物として参加者に分配されます。農家では、各家の神棚へ、漁業者は船の船霊(ふなだま)様へお供えします。

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注目ポイントささらの少年が舞い、朳差しが大地を突き、お宮へ踊り込む

山本さん:竹取り神事に続いて行われる御田植神事は、田道人と早乙女が交互に横一列になって並び、田楽の演奏に合わせて、早苗取りで取った苗をご料田に植えていきます。田楽を奉納するのは、ささらという竹製の楽器を担当する男児2人、太鼓1人、大鼓(おど)1人、小鼓(こど)1人、笛2人、謡(うたい)6人です。田道人と早乙女たちが苗の半分を植えると休憩に入り、ささらの少年2人による刺鳥差(さいとりさし)の舞が奉納されます。田楽に合わせ、古くから伝わる数え唄を歌いながら田の中で舞われる、ゆったりとした所作が特徴の古式な舞です。
踊り込みは磯部の御神田のフィナーレです。刺鳥差の舞を舞ったささらの少年2人が中心になり、「サアー、エイエイシャントセー」で始まる踊り込み歌に合わせ、ご料田から伊雑宮の一の鳥居まで踊りながら練っていきます。踊り込みの一行を先導するのは若い衆2人が務める朳差し(えぶりさし)です。朳(えぶり)は、グラウンド整備に使うトンボのような形状をした田をならす農具で、朳の先で大地を突き、拍子をとりながら、踊り込み歌をリードします。ご料田から伊雑宮の一の鳥居まで距離にするとわずか200メートルほどですが、お神酒(みき)などもいただきながら約2時間かけてのんびり進むところは、現代の祭りではあまり見られない優雅さです。

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ふるさと自慢志摩地方唯一の伊勢神宮別宮である伊雑宮にぜひお参りください

シシゾウ:志摩市でおすすめの特産物や観光スポットを教えてください。

山本さん:志摩市磯部町は昔から漁業が盛んで、一番の特産品は「的矢かき」です。志摩市全体では伊勢えびや海女さんが有名です。磯部町最大の観光スポットは伊雑宮です。伊勢神宮内宮の10の別宮の中で唯一、志摩地方にあり、古くから志摩国(しまのくに)を代表する一の宮として重要視されてきました。伊勢神宮に関わりが深く、非常に由緒のあるお宮さんなので、当地に来られた折にはぜひご参拝ください。

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メッセージ素朴で田舎ぶりの御田植祭です

山本さん:日本全国には様々な御田植祭があります。私は他所の祭りに詳しいわけではありませんが、磯部の御神田は、竹取り神事など独特の神事と共存した古い形を守り伝えているのではないかと思います。私たちとしては精一杯派手に執り行っているつもりですが、三大御田植祭のひとつ、住吉大社の御田植祭の華やかさと比較すると地味に見えるかもしれません。ですが、素朴かつ、雅に神事が進行していく優雅な古式さを感じ取りながらご覧いただければ幸いです。

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※祭り紹介者 山本 耕助 (やまもと こうすけ)さんにお応えいただいたインタビューをもとに、記事をまとめています。

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