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田の神戻し

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:MBC 南日本放送
放送
:5月5日(土・祝)16:00~16:54

ダイドードリンコスペシャル

田の神さあのお引越し

田の神戻し

あぜ道に佇む田んぼの神様を、親しみを込めて「田の神さあ(タノカンサア)」と呼ぶ。手にしゃもじ、人懐っこい顔とユーモラスな姿。旧薩摩藩(薩摩、大隅、日向)に見られる五穀豊穣の神様だ。
「田の神戻し」は子孫繁栄を祈り、新婚夫婦の家に田の神さあを一年間招き入れ、春になると引越しさせる神事。祭りの日、夫婦は一年の感謝を込めて田の神さあを洗い、化粧を施す。田の神さあは季節の花でいっぱいになった籠に入れられて次のお宿へ運ばれていく。運び手はレンゲ畑で感謝の舞を踊り、服装はカラフル、顔は炭で真っ黒、自身も田の神さあに変身する。
しかし、祭りを巡る環境は厳しい。村の新婚夫婦は減り続け田の神さあの行き場がないのだ。果たして今年、無事に田の神さあは引越しできるのか。家族のように田の神さあに寄り添う人々の思いをつづる。

祭り紹介

  • 祭り写真館

田の神戻し

手にはしゃもじ、人なつっこい顔、色とりどりの色彩が施されたユーモラスな姿の「田の神さあ」は、豊作をもたらす石像の農業神。150年以上前から伝わる「田の神戻し」は、集落の新婚夫婦が一年間「田の神」を預かり、毎年春に引越しをさせる神事で、子孫繁栄、無病息災、五穀豊穣を祈ります。

開催日
4月30日 ※毎年同日
場所・アクセス
鹿児島県薩摩川内市 祁答院町 藺牟田麓地区

麓公民館まで
・JR川内駅から車で30分
・九州自動車道姶良インターより車で30分
・鹿児島空港より高速バス「川内」行き「藺牟田温泉」下車 バス停より徒歩25分
お問い合わせ
薩摩川内市役所
0996-23-5111

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

祭りのご紹介
歴史
みどころ
注目ポイント
ふるさと自慢
メッセージ
藺牟田麓壮年団 団長 吉永 義郎(よしなが よしろう)さん
「田の神戻しが現在の形で行われるようになったのは150年ほど前だといわれています。麓地区では一時期、田の神様を持ち回りする風習が途絶え、神様の像は公民館に保管されていましたが、昭和50年に当時の壮年団のメンバーが昔通りに復活させ、現在まで1年も休むことなく続けられています。」
藺牟田麓壮年団 団長
吉永 義郎(よしなが よしろう)さん
歴史

田の神様、年に一度のお引越し

シシゾウ:田の神戻しは、いつごろ始まった祭りですか?

吉永:田の神戻しは、旧島津藩領であった鹿児島県と宮崎県南部で子孫繁栄、無病息災、五穀豊穣の神として信仰されてきた田の神様を祀る祭りです。田の神様は小型の石像で、田んぼの土手やあぜに祀られます。鹿児島では「様」を「さあ」と発音するので、田の神様も「たのかんさあ」と親しみを込めて呼ばれています。
田の神様の信仰が盛んになったのは江戸時代といわれています。米がよくとれる地区の田んぼに祀られている田の神様を他所の地区の人が盗み出し、豊作を願って自分たちの田んぼに祀るといったことも行われていたようです。田の神様は現在でも鹿児島県内に1500体以上残っていて、私の地元の藺牟田麓地区でも数ヵ所に祀られています。
田の神様を熱心に祀る地区には、田の神様にまつわる風習がいろいろと残っています。そのひとつが田の神様の像を地区内の各家が持ち回りで祀る「田の神講(たのかんこ)」です。藺牟田麓地区にも地区内の家で田の神様を一年交替で預かって祀る風習があります。田の神様を預かる家は宿(やど)と呼ばれます。田の神戻しは、田の神様を古い宿から新しい宿へお引越しさせる神事です。


シシゾウ:宿になる家はどうやって決めるのですか?

吉永:田の神様を預かる家は新婚家庭か、それに近い家ということになっています。これは他所の地区にはない藺牟田麓地区だけの決まり事です。宿になる家は、藺牟田麓地区の東の集落と西の集落から交互に選ばれます。近年は過疎の影響で、地区の世帯数が東西合わせても140ほどしかないため、新婚家庭がない年もあり、新婚でないお宅を宿にすることが増えています。


シシゾウ:吉永さんは田の神様を預かったことはありますか?

吉永:新婚時代に宿になりました。地区で大切にしている神様を一年間預かるというのは責任重大なので、床の間に置いて定期的にお供え物をしたり、拝んだりしていました。宿になった後、長男を授かったのは田の神様の御利益があったおかげかもしれません。

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みどころ

れんげ畑で田の神様に踊りを奉納

シシゾウ:田の神様のお引越しはどのように行われるのですか?

吉永:田の神様は青竹で編んだかごに乗せられて、古い宿から新しい宿へと運ばれます。その際、神様のお顔にはきれいに化粧が施され、かごもヤマブキ、山桜、菜の花、ツツジなど季節の花で華やかに飾り立てられます。そうした準備は祭り当日の午前中、麓壮年団が中心となって行います。田の神様の化粧に使うのは絵具で、古い化粧を落としてから、新たにおしろいと口紅を塗ります。花で飾られたかごには、炊いた小豆を混ぜた「田の神もち」と呼ばれる餅を包んだ藁筒(わらつと)と焼酎の入った竹筒がくくりつけられます。
この日、化粧するのは田の神様だけではありません。田の神様の分身として奉納踊りをする男たち十数名も化粧をして女装します。田の神様は絵具で顔を白く塗りますが、踊り手たちはヘグロ(=スス)で顔を真っ黒にします。その上から思い思いに模様を書き込み、麦わら帽子に頬かむり、浴衣に袴、地下足袋を履きます。こうして神様の分身になった男たちは、旧宿から新しい宿へ向かう神様に付き従い、道中何ヵ所かで奉納踊りを行います。


シシゾウ:奉納踊りはどのような踊りですか?

吉永:神様の分身の踊り手たちは、手にしゃもじとシュロを巻いたすりこぎのような棒を持って、法螺(ほら)と鉦(かね)と歌のお囃子に合わせて田の神様の回りをユーモラスに踊って回ります。時間にすると5分ほどの短いものです。
奉納踊りをするのは、旧宿を出発するときと道中に立ち寄るれんげ畑と公民館、新しい宿に着いたときです。最近はボランティアで、特別養護老人ホームと観光地の藺牟田池でも踊ります。れんげ畑で踊るのは、神様が新しい宿に行く前に一度里帰りするという意味があるようです。れんげ畑の場所は特に決まっていません。その年の祭りの役員が、れんげがきれいに咲いているところを探して選んでいます。もうひとつの立ち寄り先の公民館では地区の総会が行われています。地区の人にとって田の神戻しは年に一度の楽しみで、神様一行が来るのを皆で待っています。一行が着くころには既に宴会が始まっていて、奉納踊りを囃し立てて見物し、酒を酌み交わして神様のお引っ越しを祝います。

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注目ポイント

ヘグロをふるまわれたら一年間の無病息災をゲット

吉永:田の神戻しを見物されるときに知っておいていただきたいことがあります。田の神様の分身になった青年たちは奉納踊りを披露する先々で、見物の人たちの顔にヘグロをつけて回ります。ヘグロのふるまいは無礼講で、地元の人だけでなく、他所から来られた方にも容赦なくつけていきます。逃げても追いかけます。観光客の方が多い藺牟田池などでヘグロづけが始まると、逃げまどう人たちで大騒ぎになることもあります。このヘグロは神様の分身がつけているということで縁起のいいものとされ、つけられると一年間風邪をひかずに健康で暮らせるといわれています。

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ふるさと自慢

希少種ベッコウトンボが飛び交う藺牟田池

シシゾウ:薩摩川内市祁答院町藺牟田麓地区でおすすめの特産物や観光スポットを教えてください。

吉永:一番の観光地は「藺牟田池県立自然公園」です。藺牟田池は太古の火山湖です。ラムサール条約に登録されている湿地があり、貴重な水生植物が生育し、野鳥が飛来します。5月には国内希少野生動植物種に指定されているベッコウトンボが飛び交います。藺牟田池湖畔は桜の名所でもあり、春になると花見に訪れた人たちで賑わいます。藺牟田池のほとりには藺牟田温泉があり、宿泊もできます。

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メッセージ

ヘグロをつけられても怒らないでください

吉永:物言わぬ静かな田の神様と、対照的に顔を黒く塗って賑やかな神様の分身たちの踊りをぜひご覧いただきたいと思います。ヘグロづけは、他所から来られた方には一言お断りをしてからつけるようにしていますが、それでもたまにお叱りを受けることがあります。ヘグロには無病息災の御利益があるということで温かい目で見ていただければ幸いです。

※祁答院町の「祁」の字は、正しくは「ネ」に「阝」です。

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