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脚折雨乞

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:テレ玉
放送
:8月26日(日) 16:00~16:55

ダイドードリンコスペシャル

思いをつなげ!脚折雨乞 ~4年に1度の巨大龍~

脚折雨乞

かつて、住人のほとんどが農家だったという鶴ヶ島市。日照りが続けば死活問題となる住民達は、必死に降雨を祈り地域の絆を深めてきたと言います。麦わらや竹で作る巨大な龍神を担ぎ練り歩き、最後は雷電池で解体して、神の怒りで雨を降らせる。それが脚折雨乞行事です。しかし高度経済成長期に新住民が大量流入し、一気に都市化が進むと、農地の減少、新旧住民の希薄な人間関係、郷土愛の薄れなど様々な理由から行事は一時途絶えます。「人の絆なくしてまちの活性化はない」。かつて降雨を祈った雨乞行事は「新旧住民を結ぶ」という新たな役割を持ち、昭和51年から4年に1度の行事として復活しました。都市部の課題を抱えつつ、地域の伝統文化をいかに継続していくのか。雨乞行事の役割の変化と、新旧住民をつなぐために奮闘する保存会の活動を紹介します。

祭り紹介

  • 祭り写真館

脚折雨乞

江戸時代から伝わる降雨祈願の伝統行事です。白鬚(しらひげ)神社での神事により「龍神」へと化身した重さ約3tの「龍蛇(りゅうだ)」を担ぎ、雷電池(かんだちがいけ)へ向けて練り歩き、池で雨乞いを行います。その後蛇体(じゃたい)を解体し、聖地である雷電池を汚すことで龍神を激怒させ、その怒りで雨が降ると伝えられています。昭和51年からは4年に一度のペースで実施されています。

開催日
8月第1日曜日※4年に一度
場所・アクセス
埼玉県鶴ヶ島市脚折 白髭神社・雷電池

■電車
・白鬚神社:東武東上線「坂戸駅」から徒歩約25分
・雷電池:東武東上線「若葉駅」から徒歩約15分

■車
・関越自動車道 鶴ヶ島インターから約5分
・首都圏中央自動車道 圏央鶴ヶ島インターから約7分
お問い合わせ
鶴ヶ島市教育委員会
049-285-2194

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

祭りのご紹介
歴史
みどころ
注目ポイント
ふるさと自慢
メッセージ
脚折雨乞行事保存会 会長 平野 行男(ひらの ゆきお)さん
「脚折雨乞(すねおりあまごい)は脚折地区の人間が心をひとつにして行う伝統行事です。蛇体の龍蛇作りは、年齢も職業も違う人たち同士が交流できる良い機会になっていますし、龍蛇を担いで渡御(とぎょ)や池入りを一緒に体験すると、見知らぬ者同士も以前からの知り合いのようになって一体感が得られます。」
脚折雨乞行事保存会 会長
平野 行男(ひらの ゆきお)さん
歴史

伝説に彩られた、江戸時代から伝わる降雨祈願行事

シシゾウ:脚折雨乞(すねおりあまごい)は、いつごろ始まったものですか?

平野:脚折雨乞は鶴ヶ島市脚折地区に江戸時代から伝わる降雨祈願の伝統行事です。言い伝えによると、昔、脚折地区にある雷電池には大蛇が住んでいて、日照りが続いたときに降雨祈願をすると雨を降らせてくれました。しかし、寛永年間に池の一部を埋め立て田んぼにしたところ、大蛇が池から去ってしまい、祈願しても雨が降らなくなってしまいました。困った農民たちは、大蛇が移り住んだといわれる群馬県板倉町にある板倉雷電(いたくららいでん)神社の境内にある御手洗沼(みたらしのぬま)の水をもらってきて雷電池に注いで降雨祈願をしたところ、雨が降ったということです。現在の脚折雨乞は、「龍蛇」と呼ばれる巨大な蛇体を作って池に入れますが、龍蛇の登場が分かる最も古い記録は、明治10年に書かれた文書で、「午後雷電社(らいでんしゃ)へ行き、蛇を池中に入れ祈る」と記されています。記録では明治時代に4回、昭和に入ってから7回、旱魃(かんばつ)の年に雨乞行事が行われてきました。しかし、都市化が進み、農業従事者が減ったことから降雨祈願の必要性がなくなり、昭和39年を最後に行われなくなりました。それから11年後の昭和50年、ベッドタウン化で脚折地区の人口が増加してきたことから、地域の一体化を図るために何かできないかという話になったとき、地区の青年たちから伝統の雨乞行事を復活させようという提案があり、脚折雨乞行事保存会が結成されました。翌昭和51年に再開の第一回となる脚折雨乞が行われ、以後、伝統を継承していくために定期的に行事を開催することとし、4年に一回開催しています。昭和51年がたまたまオリンピック開催の年だったため、オリンピックの年が脚折雨乞の開催年となっています。このような雨乞儀式を行うのは全国でも脚折地区だけです。

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みどころ

長さ36m、重さ3tの巨大な龍蛇が町を練る

シシゾウ:池に入れる龍蛇はどのくらいの大きさですか?

平野:全長36m、重量は約3tになります。これだけの大きさになると材料も大量に必要で、骨組みに使う孟宗竹(もうそうちく)は80本、肉付け用の麦わらは約570束使用します。農家が多かった昔と違って麦わらが手に入らなくなったので、準備は前年の11月に畑に麦をまき、冬の麦踏み、夏の麦刈りをすることから始まります。
実際に龍蛇の制作にとりかかるのは行事の1週間前です。炊き出しをする女性たちも含めると脚折地区の人間が300人近く参加します。年齢も職業も異なる人たちが集まって、皆でワイワイ言いながら作るのは楽しいものです。龍蛇作りは場所をとるため、脚折地区の鎮守である白鬚神社の南側道路を期間中封鎖して使用させていただいています。
龍蛇の本体は、ほぼ1日で完成します。制作で最も難しいのは目、耳、鼻、龍のシンボルの宝珠などのパーツです。目と宝珠は細く割いた竹を籠の形に編み、上から金や銀の色紙を貼ります。耳や鼻は麦わらを編んで作り、龍の頭部は高度な技術が必要で、屋根をわらで葺(ふ)く要領で作ります。昔は地区に竹細工や屋根を葺く職人がいて活躍してくれましたが、会社員が多くなった現在は龍蛇作りの技術講習会を年に数回開いて技術の継承と研鑽(けんさん)に努めています。


シシゾウ:脚折雨乞(すねおりあまごい)当日のスケジュールを教えてください。

平野:雨乞の前日に「戴水(たいすい)の儀」として、群馬県の板倉雷電神社の御手洗沼に御神水をいただきに行きます。当日は朝6時から、近所で刈ってきたクマザサの葉を龍蛇の全身に挿して最後の飾り付けをしていきます。午前10時30分になると、龍蛇の担ぎ手たちが白鬚神社に集合します。担ぎ手は16歳以上の男性で年齢の上限はなく、約300人必要です。龍蛇の渡御をスムーズに行うには担ぎ手の配置がポイントで、龍蛇の頭部から背の高い順に担いでもらうように位置を決めます。渡御の出発前には、安全祈願と龍蛇に神様の魂を入れる「入魂(にゅうこん)の儀」が執り行われます。この儀式が済むと龍蛇は神様になり、呼び方も「龍神」に変わります。
午後1時、渡御が始まります。神旗(しんき)に先導された龍神は白鬚神社を出発し、吹き鳴らされる法螺貝(ほらがい)と太鼓の音とともに約2km離れた雷電池を目指します。私は担ぎ手を数回経験しましたが、担ぐのはかなりの重労働で、トンボと呼ばれる竹の担ぎ棒が当たる肩のところがたちまち痛くなります。渡御のルートには龍神が道幅いっぱいになる狭い路地があるので、道路際の塀と龍神の間にはさまれて怪我をしないように注意する必要があります。途中、善能寺(ぜんのうじ)に立ち寄って安全祈願を行い、2ヵ所ある御旅所で休憩をとるので、雷電池に到着するのは出発から2時間後になります。

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注目ポイント

龍神が水しぶきをあげて池を回り、
降雨の願いを天に届ける

平野:龍神が雷電池に到着すると、池のそばにある雷電社で祈祷を行い、前日、群馬県の板倉雷電神社からいただいてきた御神水を池に注ぎます。それからこの行事最大の見せ場となる龍神の池入れが行われます。最初に神旗が池の中に入り、中央に立ちます。続いて、龍神が池の淵に設けられた階段を下りて池の中に入っていきます。担ぎ手たちは2kmの道のりを担いできて疲れていますが、池に入るときには気持ちが高まり、パワー倍増といった感じで龍神を担ぐ肩にも力が入ります。池に入った龍神は、神旗の周りを時計回りに回ります。龍神の大きさに比べて池が狭いうえ、担ぎ手は腰の下まで水に浸かっているので動きが制限され、龍神の体勢が一度崩れてしまうと立て直すのは大変です。そこで指揮者の指示のもと、担ぎ手たちは心をひとつにし、「雨降れ、たんじゃく、ここにかかれ、黒雲」と、降雨祈願の言葉を観衆の人たちと一緒になって唱和しながら池の中を勇壮に練ります。祈願の言葉に出てくる“たんじゃく”とはどういう意味なのかとよく質問されるのですが、私たちも正確な意味は分かりません。一説に帝釈天(たいしゃくてん)のことを指しているのではないかといわれています。
龍神は途中休憩もはさみながら池の中を計5周した後、担ぎ手全員によって高く差し上げられます。池の中の練りはそれで終わりますが、ここからがこの行事の本当のクライマックスで、龍神を肩から下ろした担ぎ手たちは、一斉に龍神を解体し始めます。目と宝珠は手に入れると縁起が良いとされているため、担ぎ手同士で取り合いを行うことも見せ場のひとつです。手間暇かけて作った龍神を解体するのはもったいないように思われるかもしれませんが、壊すことによって龍神を昇天させるとともに、残骸で池を汚すことによって水の神様を怒らせ、雨を降らせてもらおうという意味が込められています。龍神は15分ほどで原形をとどめなくなります。担ぎ手をしていて一番力が入るのは解体するときで、終わった後はクタクタになりますが、大きな仕事をやり遂げたという達成感でいっぱいになります。行事が終わると残骸を池から引き上げて掃除を行うので、1時間もすれば池は元のきれいな状態に戻ります。


シシゾウ:見学するのにおすすめの場所はありますか?

平野:一番迫力があるのは龍神が池に入る階段を正面から見る位置です。ただし、人気がある場所のため、早めに行かないとすぐに埋まってしまいます。行事のすべてをご覧になるなら、渡御の出発前に白鬚神社にお越しいただき、龍神と一緒に雷電池まで移動されるのがいいと思います。暑い時期なので見に来られる際は熱射病対策を十分にしてきてください。雷電池周辺にはコンビニエンスストアなどございませんので飲料水などをご持参されることをおすすめします。


シシゾウ:子どもが担ぐミニ龍蛇もあるそうですね。

平野:地元の小学生たちに伝統行事を体験してもらおうということで、12年前から子ども用のミニ龍蛇を本番の池入れの前に担いでもらっています。
その龍蛇は壊さずに、普段は展示したり、体験活動などに貸し出したりしています。

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ふるさと自慢

脚折雨乞関連グッズが充実

シシゾウ:鶴ヶ島市でおすすめの特産物や観光スポットを教えてください。

平野:鶴ヶ島市商工会は、鶴ヶ島市を代表する行事として脚折雨乞(すねおりあまごい)をモチーフにした地ビール「龍神ビール」や鶴ヶ島銘菓「幸せの龍のたまご」などを企画開発しています。脚折雨乞行事保存会でも雨乞関連商品として、オリジナルデザインのTシャツ、龍蛇のはりこ、壁掛け、状差しやキーホルダー、絵葉書などのオリジナルグッズを販売しています。これらのグッズは脚折雨乞の当日、雷電池で販売していますが、普段は市役所や公民館で販売しています。また絵本作家の方が脚折雨乞を丹念に取材して書かれた「雨をよぶ龍」という絵本が出版されているので興味のある方は読んでみてください。

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メッセージ

世界にただひとつの伝統行事を
見にいらしてください

平野:4年に一度開催するこの脚折雨乞(すねおりあまごい)は世界でも類を見ない行事ということで、私たち脚折地区の人間は保存継承に一生懸命努めています。平成17年に国選択無形民俗文化財に選定されたこの珍しい行事を多くの方にご覧いただきたいと思います。ぜひ鶴ヶ島市まで足をお運びください。

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